IIGEについて
関西大学では、「グローバル・キャリアマインドを培うCOIL Plus プログラム」の文部科学省「平成30年度『大学の世界展開力強化事業』~COIL型教育を活用した米国との大学間交流形成支援~」への採択を受け、グローバル教育イノベーション推進機構(IIGE)を設置しました。本事業は、国際的に活躍できる人材の育成と大学教育のグローバル展開力の強化を目的に、高等教育の質の保証を図りながら、米国の大学との間でCOIL型教育を活用しつつ、日本人学生の海外留学や外国人学生の積極的受入を伴う教育連携プログラムを補助するものです。IIGEは、こうした交流を実施しながら、COIL型教育を活用した大学間交流を推進するため我が国におけるプラットフォームとしての役割を果たします。
IIGEのミッション
IIGEは、日本と諸外国間の既存の高等教育交流を強化するとともに、新たな交流関係を構築することを使命としています。COIL型教育(オンライン国際交流学習)を導入することで、様々なICTを用いて、学生と大学教員が国境を越えて共に教育に取り組むことができます。IIGEでは、日本と海外、特に日米間の高等教育機関でのバーチャル・コラボレーションを発信することで、新たなパートナーシップを生み出していきます。
国内外の連携機関
本事業の質の向上を推進するため、IIGEは以下の団体と協力しています。
トレーニングプログラム & 質保証
COIL型教育手法による新たな教授法の創出及びCOIL型教育の実践
教材・Webinar開発支援
COIL型教育を実施する上で必要なノウハウを学ぶセミナー・研修を各大学と共同で実施します。その上でCOILを実施する2つの大学の学生が共通の学習目標に沿った課題に取り組みます。
コンテンツの開発・トラブルシューティング支援
- SUNY州立大学システム内で開発したファカルティガイドトレーニングコンテンツなどの知見を活かした「日本に寄り添った」コンテンツ作り
- 各大学でCOILを実践する教員が、COILの実践においてトラブルが生じた際のノウハウを助言
日本と世界をつなぐ
- 日米の教育機関間のネットワーク構築を目的としたセミナーやワークショップの開催
- 米国の教育機関に対する国際教育に関するコンサルティング
言語学習中心型COIL(LLC)
- 日米双方の学生に充実した異文化学習の機会を提供するためのLLCインフラの調整
- LLCの活動に参加を希望する機関や組織のパートナーとの連携
Latin American COIL
ラテンアメリカのCOILネットワークは、高等教育レベルでのCOIL(海外との協働学習)の開発に焦点を当てた学際的なネットワークです。 これは、COILを科目に取り入れ、また本分野で研究を実施しているラテンアメリカの大学や世界中の研究機関によって形成されています。
プログラムの発展
COIL実践及びCOILの枠を超えた次世代の国際教育の発展への取り組みを通した学生モビリティプログラムの向上
教育の質保証・単位互換支援
次世代の国際教育プログラムの共同開発:
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UMAP-COIL Joint Honors Program(発展型COIL交流プログラム)
日米を中心とする大学から、優秀な学生を選抜してHonors Programを実施、7月から9月にかけて、2週間程度のプログラム(COIL型教育メソッドを活用し著名な日米の専門家などによる授業を受講したり、行先の現地の学生と日米の学生がCOILでつながり相互学習を行う)を2019年度から開始。 -
UMAP-COIL Joint Advanced Placement (AP) Program
優秀な高校生を対象とする、APコースを実施。2019年度に準備を開始し、2021年度にスタート。米国大学の科目をUMAPを通して参加する高校生がCOIL型教育のスタイルで受講し、大学進学をした際にはUCTS(UMAP Credit Transfer Scheme)にのっとり単位認定を受ける。
近未来の人材育成に必須となる国際教育プログラムの共同開発支援
大学機関の域を越境し、国内外の講師と学生が相互参加する多方向・多国間COIL/Virtual Exchange オンライン教育プロジェクト
これまでのCOIL(Collaborative Online InternationalLearning)型の科目ではなく、国内外から参加する複数の大学が、共同で遂行する COILプログラム。特定の大学が所有する科目を開放するのではなく、参加機関が複数所有者となる共同オーナー型の教育プログラム設計を提案。
講師陣の能力開発支援
参加大学から自薦・他薦で選出された講師(J-MCP Main Facilitator)のCOIL研修(MF Training)
世界の学生層を対象とし、高質の教育活動を行うために講師陣に行う研修プログラム。オンライン型教育、DXを活用した教育活動を提供することができるだけでなく、COIL型教育の中核をなす異文化対応能力の養成など高い教育を享受することを目的とする。IIGE(関西大学) がCOIL/VEの数々の事例から得た知見の共有の実績を生かし、J-MCP講師へのトレーニング提供を行う。研修プログラムを修了した者は、「デジタル証明システム(デジタルバッジ)」により、資格証明を得ることができる。
研究
COILプロジェクトにおける学生の学習成果(語学・異文化理解)検証及びCOIL Plus Programによる学生モビリティ(留学)の効果検証
分析調査支援
「COIL-BEVI(分析)プロジェクト」
を共同で遂行し、COIL学習成果検証、COIL+留学の効果検証などを実施
Offer Facilitates:
- 海外留学プログラム
- インターンシップ
- カスタム派遣プログラム
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COIL学習、COIL+留学における語学能力の進捗を検証
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TOEFLやOPIcなどの語学テストを活用し、COIL及びCOIL Plus Programでの語学能力の進歩を検証
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COIL・COIL Plus Program実施前後におけるテストの実施
プロモーション
日米の高等教育機関におけるCOIL型教育手法の普及
米国におけるカウンターパート及びモビリティ支援
各大学でCOILを実践したい教員が相手先の大学を探すためのサイトを構築
COILプロモーション支援
大学ネットワークを活用し、COILを知らない大学や教員にCOILを知ってもらうための広報活動を実施
発展
次世代 COIL 型教育の開発支援
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ハードウェア、ソフトウェアに関する技術的な側面については、パナソニック株式会社の支援のもとで、COILに適したシステム検討で連携
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提案するプラットフォームの目的や活動、育成する人物像、今後COILプログラムが育成する人材の活用法について、民間企業からの助言役を担うとともに、次世代のキャリア・ディベロップメントを共同で創出
教員・スタッフ紹介
IIGEチームは様々な経歴を持つ教員と職員が一体となり、お互いのスキルや経験、強みを活かし、「日米間におけるCOIL型国際連携教育推進プラットフォームの構築」事業の推進及び海外大学との双方向の国際連携教育を推進していきます。
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IIGE機構長藤田 高夫 教授(Ph.D)
IIGE機構長
藤田 高夫 教授(Ph.D)
関西大学副学長・国際部長
本学文学部教授。現在は、関西大学副学長・国際部長を担当。文部科学省「平成30年度『大学の世界展開力強化事業』~COIL型教育を活用した米国等との大学間交流形成支援~」タイプB:交流推進・プラットフォーム構築プログラムに本学の「グローバル・キャリアマインドを培うCOIL Plusプログラム」が採択されたことに伴い、「日米間におけるCOIL型国際連携教育推進プラットフォームの構築」事業の推進及び海外大学との双方向の国際連携教育を推進する組織として新たに設置されたグローバル教育イノベーション推進機構(Institute for Innovative Global Education(IIGE))の機構長を務める。研究分野は中国古代史、とりわけ秦漢時代史であり、木簡や碑刻などの一次史料を使って古代帝国像の再構築に取り組んでいる。近年は日中の近代史学形成史、東アジア木簡の比較研究、軍事制度史などに研究分野を広げている。
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IIGE副機構長池田 佳子 教授(Ph.D)
IIGE副機構長
池田 佳子 教授(Ph.D)
関西大学国際部教授
本学国際部教授およびKU-COILコーディネーター。「グローバル・キャリアマインドを培うCOIL Plusプログラム」の主任プロジェクトマネージャーであり、グローバル教育イノベーション推進機構(IIGE)の副機構長を務める。ハワイ大学マノア校で日本語学、外国語教育、会話分析を専門とする博士号を取得。国際教育分野における研究は、大学キャンパスでの国際化であり、海外の大学と共同で実施する学習プログラムの構築以外にも、現在、「グローバル・キャリアマインドを培うCOIL Plusプログラム」等の、文部科学省委託事業:SUCCESS-Osaka(留学生の就職促進プログラム)2017-2021プロジェクトも担当し、日本で勉強した留学生の雇用促進に取り組んでいる。
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教育推進部特別任用准教授サッジャド・プールオミッド(Ph.D)
教育推進部特別任用准教授
サッジャド・プールオミッド(Ph.D)
関西大学
イランのアラーク大学でTEFL(Teaching English as a Foreign Language)の博士号を取得した後、大阪大学で人間科学研究科人間科学専攻共生学系にて2つ目の博士号を取得。現在の研究テーマは、社会的インタラクションにおけるエスノメソドロジー・会話分析であり、特にテクノロジーを媒介とした学習環境での相互作用に焦点を当てている。また、COILやICTツールの活用を通じて、高等教育の国際化を促進することにも興味を持っている。2016年から関西大学でアジア、欧米の大学とのCOIL型教育を取り入れた授業を担当している。
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教育推進部特別任用准教授アンドリュー・サウター
教育推進部特別任用准教授
アンドリュー・サウター
オーストラリアのグリフィス大学で応用言語学の修士号を取得し、現在、南クイーンズランド大学で教育学博士号を取得中。研究テーマは、プロジェクトベースの学習、学生の学びの取り組みや関与、言語学習におけるテクノロジーの使用。日本の様々な大学で14年間教鞭をとった経験を持ち、特に学生の留学準備のサポートに関心がある。さらに、気候変動に対する教育と行動を提唱する「気候変動リーダー」としても活躍している。2023年4月から関西大学・国際部にてCOILの推進行っており、COILを通じて新たな国際的パートナーシップの構築に加え、他の教職員と協力して本学学生のグローバル化をさらに推進することに熱意をもって取り組んでいる。
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IIGE特別任命コーディネーターロブ・カイパース
IIGE特別任命コーディネーター
ロブ・カイパース
関西大学
京都大学の地球環境学舎にて環境マネジメントを専攻し、修士号を取得。興味のある研究分野は、国際教育、持続可能性のための教育。これまで日本国内の大学や国際機関において、様々なプロジェクトのリサーチアシスタントとして勤務。現在は、IIGEの特任コーディネーターとして、関西大学でのCOIL授業の開発・支援や仮想交流、モビリティプログラムのコーディネートに携わっている。
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IIGE特別任命コーディネーターマリヤ・ビワキナ
IIGE特別任命コーディネーター
マリヤ・ビワキナ
神戸大学法学研究科にて政治学の修士号を取得し、現在、国際関係学の博士号取得を目指している。研究分野は北東アジア地域の国際関係及び外交政策におけるアイデンティティの役割。国際交流と教育分野における多様な職務や、約10年間の外国語教師としての経験を持ち、2023年5月から関西大学IIGEにてCOILベースのプロジェクトの調整と推進を支援し、様々なオンライン及びモビリティに関わるプログラムを担当している。