KANSAI UNIVERSITY

社会安全学の奥深さを実感。大学院でさらなる研究に励みたい
静間健人さん(4年次生)へのインタビュー

社会安全学部で過ごした4年間で感じたこと

文理融合学部ゆえに、いろんな学問を学べるのはもちろんのこと、学生の得意分野も多種多様であるため、吸収できることがたくさんありました。意見交換の場では、あらゆる角度から意見が飛び交うので、新鮮で刺激的でした。たとえ先生がいなくとも、学生同士の議論でも見聞を広めることができるのはこの学部の魅力だと思います。おかげで、私自身の考え方の幅が広がりましたし、友達の輪も広がりました。

最も印象に残っている学部での学び

「安全教育(防災教育)」という講義のなかで、グループ課題に取り組んだときのことです。私のグループでは、多くの人が日常生活を送る上で使用する自転車にまつわる危険を題材に作品を作りました。「自転車に乗るときに考えられる危険をうまく説明するにはどうしたらいいだろう?」と話し合いの結果、文章で表現するより映像を使った方がわかりやすいと判断し、実際に運転する様子をビデオ撮影しました。危険をわかりやすく伝えるような作品を完成させるにはかなり苦労しましたが、その分とても印象に残っています。この課題を通して、身近でわかりやすいものを題材にしても、危険を伝えるということが難しいものだということを身にしみて感じました。

大学院進学を決めた理由

現代社会は、科学技術の発展によって生活水準の向上など多くの恩恵を受けている一方で、社会の安全・安心が災害や事故などによって脅かされています。このため、これらを対処し、社会の安全を実現するための能力を持った人材の需要が社会のなかで大きくなっていると私自身、感じました。学部での学びを通して、それなりの知識を身に付けることはできましたが、現時点での私の力で、社会の安全を構築するために貢献できるかというと、まだまだ十分とはいえません。なぜなら、たとえ知識があったとしてもそれを発信できる力、すなわち他者に説明して納得してもらえるまでの能力が不足していると考えるからです。基礎となる知識をさらに増やすと同時に、発信していくための能力を伸ばす必要があると思ったので、大学院に進学しようと考えました。

  • 第3回 東京シンポジウムにて
    学生ポスターセッションに参加

大学院でしたいこと

他者に"何が危険で何が安全であるか"、また"安全を作り上げるために何をすべきなのか"もしくは"何をしてはいけないのか"といったことを正確に伝えることは難しいことです。その要因としては、発信する側が、受け手に理解してもらえたと一方的に思いこんでしまう問題も考えられます。私は、そういった発信する側と受け手側の認識の錯誤を含めて、わかりやすく伝えるために必要な事を心理学の観点から明らかにしたいです。
将来の進路は、まだ具体的には考えていませんが、形はどうあれ、安全・安心な社会の実現に貢献できる場所に身を置きたいと考えています。

これから社会安全学部を目指す学生へ

社会安全学部の学びのスタイルは、"「安全・安心」を軸に、ひとつの事象について各学問分野からのアプローチをもとに考察する"というものです。このスタイルによって、どんな場面においても物事を多角的に見る力が身についたように思います。この力を養えるのは、多彩な学問分野を扱う社会安全学部ならではのメリットだと思います。
また、社会安全学部は開設後、まだ間もない学部であるため、何かやりたいことがあれば、実現させやすい学部だと思います。そこには、ミューズキャンパスならではの一体感というか、仲間意識みたいなものも一つの要因として挙げられるのではないかと感じます。反対に、何の目的意識もないまま入学してしまうと、多くの時間を無駄に過ごしてしまうことになるので、漠然としたものでもいいので目的を持って取り組めば、きっと充実のキャンパスライフを過ごせることができるのではないでしょうか。

受験エピソード

私は一般入試で入学しました。1年間の浪人生活を経て合格したのですが、その1年間で得意分野をさらに伸ばしました。よく「短所を長所に変えるんだ」と苦手科目の勉強に大幅に時間を割く方もいますが、私の場合は、そのために他の勉強時間が削られてしまうことの方をデメリットと考えたため、苦手科目は「普通」くらいにしようという気持ちで勉強しました。
社会安全学部を選んだのは、本屋で災害関連の本を読んでいたときに、「こんな分野を学ぶ学部もあるんだ」と単純に興味を持ったからです。それから災害関連のことを調べていくうちに「この学部で学びたい」という気持ちが芽生えたのがきっかけです。

  • ※この記事は2013年9月時点のものです。