KANSAI UNIVERSITY
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社会学専攻教員紹介

石元 清英 教授

研究分野

日本経済の高度成長と同和対策事業の実施によって、大きく変化した被差別部落の生活実態の実証的研究。

研究業績

「隠蔽される部落と一面的な部落観」関西大学『人権問題研究室紀要』第59号、2010年
「なぜ学生たちは部落に対してマイナスイメージをもってしまうのか」『こぺる』第214年、2011年

演習・論文指導研究テーマ : 差別論

現代社会にはさまざまなかたちで差別が存在し、深刻な問題をもたらしている。演習では、現代社会における差別の実態に対する実証的分析を通じて、差別とは何か、差別とはどういうかたちであらわれ、差別を受ける側と差別をする側に何をもたらすのかを考えていく。その際、「差別はしてはいけない」という結論だけの強調(それは思考停止をもたらす)や、「被差別=みじめ・悲惨」といった一面的なとらえかたを避けることが重要である。

宇城 輝人 教授

研究分野

労働の知識社会学、社会的なものの思想史

研究業績

共編著『社会的なもののために』ナカニシヤ出版、2013年
共著『フラット・カルチャー ――現代日本の社会学』せりか書房、2010年
共著『自由への問い第6巻 労働』岩波書店、2010年

演習・論文指導研究テーマ : 現代社会論

現代社会という大きな対象を考えるには、いくつものやりかたがあるけれども、この演習では、現在進行中の個人性と集団性の変容を理解することをつうじて現代社会の理解に迫りたい。そのために以下の3つのテーマに焦点を当てることとする。(1)労働という観念と制度の変容、(2)グローバリゼーションのもとでのレイシズム・排外主義の勃興、(3)消費社会の進展と個人生活の変容。受講希望者は、研究テーマを自由に設定してよいけれども、上記の3つのテーマに関連しているのが望ましい。外国語文献を精緻に読解し、考察対象の比較、解釈のための理論的視点を身につける意欲と能力が必要である。

片桐 新自 教授

研究分野

社会運動の理論的・実証的研究。環境社会学。若者の価値観研究。社会学教育論。

研究業績

『不安定社会の中の若者たち‐大学生調査から見るこの20年‐』世界思想社、2009年
『社会運動の中範囲理論‐資源動員論からの展開‐』東京大学出版会、1995年

演習・論文指導研究テーマ : 理論社会学

本演習の担当者が専門的に行っている研究は、社会運動の理論的・実証的研究、環境社会学などであるが、そうした領域に関心を持っている人ばかりでなく、社会学に魅力を感じ真剣に学びたいと考えている人を歓迎する。ただし、社会学を単におもしろおかしい対象を研究する学問だと思っている人、哲学的認識論と変わりがないと思っている人、懐疑主義的主観主義を信奉する人は、ご遠慮いただきたい。本演習を希望する人は、必ず、片桐新自「社会学を考える-社会学の再生を求めて-」(『関西大学社会学部紀要』第32巻第1号)を読んで、私の社会学観に共鳴できるかどうかを確認してからにしてほしい。なお、私自身に関する詳しい情報を得たいと思う人は、私のホームページがあるので、それを参照してほしい。

加納 恵子 教授

研究分野

地域福祉の思想と方法論としてのコミュニティワーク事例研究。現在の関心は、年齢・ジェンダー・障害・人種などの属性による社会的マイノリティの複合差別問題と当事者運動、福祉支援、権利擁護である。

研究業績

「排除型社会と過剰包摂―寄り添い型支援事業の地域福祉的意味―」日本生命済生会『地域福祉研究』No.41、2013年52-62頁
『地域福祉援助技術論』(共著)相川書房、2003年

演習・論文指導研究テーマ : 地域福祉論研究

地域福祉は、人間の生活する場と圏域に焦点を当てて、公私共働の「新たな公共(パブリック)」としての福祉実践を体系化しようとする開発的な研究である。そこには、その地域ならではの歴史・文化・風土に支えられた福祉実践の営みがあり、制度の狭間に落ちて光が当たらない生活問題に取り組むボランティアたちの先駆的実践が存在する。また危機をチャンスに反転させて、新たな福祉文化を創造する当事者運動の力強い知恵が生まれている。本演習では、各自の研究関心に沿ったフィールドを開拓し、あるいは、すでに専門職や活動家として実践フィールドを持つ人はそこでのリサーチ・クウェスチョンを設定して実証的な研究(主に事例研究や質的調査)に取り組むことになる。ミクロな生活支援の営みにマクロな社会問題を見通しメゾなコミュニティ・プラクティスを展望できる実践的リーダーの養成を目指している。

熊野 建 教授

研究分野

フィリピン少数民族研究、その民族スポーツ、アメリカ合衆国の20世紀初期に見られる植民地政策。

研究業績

「北部ルソンの事例に見るハイ・キュイジーヌとロー・キュイジーヌ」『海の回廊と文化の出会い-アジア・世界をつなぐ-』333-353頁、関西大学出版局、2009年
「フィリピン、イフガオの人々にみる異界」浜本隆志編著『異界が口を開くとき』193-224頁、関西大学出版局、2010年

演習・論文指導研究テーマ : 文化人類学

現在、文化人類学は理論的に錯綜しているが、細部に拘りながらも包括的に文化を捉える方法に変わりはなく、グローバル化が進む複合的な文化状況に対する感受性と認識力が問われている。志望する者は外国語文献を分析的に解読する能力とともに、その問題系を即座に我がものとし応用する能力が必要である。つまりフィールドワークの実践を通じ検証するのみならず、理論的に新たな地平を開く展開力が要求される。

永井 良和 教授

研究分野

近代以降の都市社会の調査および分析。おもに風俗統制の社会史を具体的事例をとりあげて再構成する作業に従事。

研究業績

『スパイ・爆撃・監視カメラ』河出書房新社、2011年
『風俗営業取締り』講談社、2002年

演習・論文指導研究テーマ : 都市社会学

都市社会学の分野では、具体的なテーマについて実地で調査すること、調査から得られた結果を適切に分析し、論文(あるいは報告)を作成することが目標となる。本演習では、フィールドワークの実施を必須とし、修士論文・課題研究レポートの作成の基礎となる調査報告書の提出を、別に課する。進学にあたっては、情報収集や文章表現の力のみならず、複数の外国語の読解力を備えていることが必要である。進学後すぐに調査に従事しなければならないので、すでに社会調査士の資格をもっていることがのぞましい(本演習では、質的調査を軸にすえた調査を指導する)。また何にもまして、調査を誠実に遂行する倫理観と責任感が強く求められる。なお、現在の都市社会学の領域においては研究職に就くことがきわめて厳しい情勢にある。大学院への進学が研究職に直結しないことを十分に覚悟してほしい。

松原 一郎 教授

研究分野

現代日本における社会福祉制度の展開基盤を社会構造・医療/保険・教育・住宅など幅広い視点からとらえ、その政策課題と具体的なポリシィー・プランニングを検討し、実践的な政策提言を地方自治体に対し行っている。

研究業績

『社会福祉における生活者主体論』(共編著)ミネルヴァ書房、2012年
「生活再建へのアプローチ -価値を生み出す復興に向けて-」『都市政策』No.146, 2012年、20-27頁

演習・論文指導研究テーマ : 社会福祉学

社会福祉制度の機能を社会学的アプローチによって理解したうえで、今日の生活支援システムの展開を社会変動との関連において検討する。高齢者ケアをめぐる住まいや介護サービスの提供のあり方などを事例研究の対象としながら、行政・社会福祉法人・NPO等の働きについても政策論的分析を加えていきたい。「専門職大学院」的な展開をめざしている。

間淵 領吾 教授

研究分野

日本人の意見の多様さを大規模世論調査データの計量分析によって国際比較・時系列比較している。

研究業績

共編著、『社会の見方、測り方:計量社会学への招待』、勁草書房、2006年
「二次分析による日本人同質論の検証」『理論と方法』17巻1号:3-21頁、数理社会学会、2002年

演習・論文指導研究テーマ : 社会調査論

現代社会では社会調査のデータに基づいて社会の状態が認識され、意思決定がなされることが多い。社会調査は、有益な存在である。だが、一方で、社会調査は、有害な存在にもなりうる。いかに杜撰な調査であっても、実施しさえすれば何らかのデータを入手することが可能となり、データさえあればそれに基づいて何らかの解釈をおこない、論文なり報告書なりを執筆してしまうことが可能となるからである。そのような論文や報告書によって社会が認識され、「事実」が構築され、何らかの意思決定がなされてしまうことの恐ろしさと危うさを玩味しつつ、社会調査論演習では、すでに何者かによって実施された調査の結果を評価する際に、そして、自らが調査を実施する際に、留意すべき点について研究したい。本演習担当者の「社会調査論研究」、「社会調査実習」も履修することを勧める。

大和 礼子 教授

研究分野

「成人子と親の世代関係」と「女性の就業」について、どう変化したか、規範・経済・制度的要因によってどう異なるかを国際比較によって分析する。

研究業績

『生涯ケアラーの誕生』学文社、2008年
『問いからはじめる家族社会学―多様化する家族の包摂に向けて』岩間暁子・田間泰子との共著、有斐閣、2015年

演習・論文指導研究テーマ : 家族社会学

家族社会学に関連するトピックの中から、担当者がその年のテーマを決めそれについて研究していく。応募者は家族社会学への強い学問的関心があることに加えて、(1)20ページ程度の英語論文を1~2週間で読み日本語でレジュメを作れる程度の英語と日本語の語学力がある、(2)社会調査士の資格があるか、それに準じる統計の知識や分析力がある、(3)大学院時代は研究あるいは職業生活の基礎体力を作るための修行の時期として勉学に全力を尽くす、の3点のうち、専門研究コースは(1)(2)(3)、課題研究コースは(2)(3)を必須条件として求められる。

山本 雄二 教授

研究分野

教育病理と社会学理論
教育と権力のメディア分析。

研究業績

「教育と暴力」再考‐デュルケムとの対話を通して‐」、『〈教育〉を社会学する』学文社、2011年所収
「ドキュメントを読む‐いじめ自殺訴訟判決を例に」、『教育社会学研究』第84集、2009年、65-82頁

演習・論文指導研究テーマ : 教育社会学

〈教育的〉なるものは、学校などの公的機関の中のみならず、メディアの中にも日常生活の中にもさまざまなかたちをとって存在している。それは一言でいえば、自己をどのようなものとして定義するかを迫る圧力として存在し、われわれはそうした圧力をときに受け入れたり、ズラしたり、拒否したりして自分たちの文化をつくりあげていく。日常におけるさまざまな現象に着目し、分析することによって、〈教育的〉なるものの圧力とそれへの対応の実相をあぶり出すことに主眼をおく。