法学研究科法学研究科の3つのポリシー

法学研究科の3つのポリシー

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

■ 博士課程前期課程

 法学研究科では、社会に関する正確な専門的知識および各種情報に根拠づけられた論理的かつ説得的な議論を通じて民主的な合意形成への貢献に意欲する人を、本研究科に適性のある学生として受け入れています。特に次の点が重視されます。

  1. 1 今日の法制度および政治制度を含む社会制度の歴史的形成過程について、研究者または高度専門職業人として活動するために必要とされる基本的知識を修得していること、法的な問題および政治的な問題について諸外国の議論を理解するために外国語能力を有していること、他者の見解を十分に理解し、かつ自己の見解を表明し得る日本語等の能力を有していること。
  1. 2 異なる文化的背景や価値観を有する他者の見解の意義を認めつつ、法制度および政治制度の正確な理解に基づいて科学的に説明し、規範や歴史的経験によって十分に根拠づけられた議論を通じて他者を説得し、合意を形成しようという姿勢を有していること。
  1. 3 社会的な諸事象に関心を持ち、法制度および政治制度にかかる専門的知識に基づいてそうした諸事象に対して自らの見解を形成し、異なる利益や価値を民主的に調整しながら問題解決に向けて行動し、かつこれを修士論文として自らの解決策を提案することで、公正かつ柔軟な思考に基づいた問題解決能力を有していること。
■ 博士課程後期課程

 法学研究科では、博士課程前期課程修了程度の研究力を踏まえ、社会に関する正確でより高度な専門的知識および各種情報に根拠づけられた論理的かつ説得的な議論を通じて民主的な合意形成への貢献に意欲する人を、本研究科に適性のある学生として受け入れています。特に次の点が重視されます。

  1. 1 今日の法制度および政治制度を含む社会制度の歴史的形成過程について、研究者または高度専門職業人として活動するために必要とされるより高度な専門的知識を修得していること、法的な問題および政治的な問題について諸外国の議論を理解し、発信するために外国語能力を有していること、他者の見解を十分に理解し、かつ自己の見解を表明し得る日本語能力を有していること。
  1. 2 異なる文化的背景や価値観を有する他者の見解の意義を認めつつ、法制度および政治制度の正確でより高度な理解に基づいて科学的に説明し、規範や歴史的経験によって十分に根拠づけられた議論を通じて他者を説得し、合意を形成しようという姿勢を有していること。
  1. 3 社会的な諸事象に関心を持ち、法制度および政治制度にかかるより高度な専門的知識に基づいてそうした諸事象に対して自らの見解を形成し、異なる利益や価値を民主的に調整しながら問題解決に向けて行動し、かつこれを博士論文として自らの解決策を提案することで、公正かつ柔軟な思考に基づいた問題解決能力を有していること。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

■ 博士課程前期課程

 法学研究科(以下、「本研究科」という)では、学位授与の方針に掲げる知識および技能、資質および能力ならびに態度を修得できるように、法学および政治学に関する素養を十分に備え、社会のさまざまな分野において、それを能動的かつ有効に活用できる研究者または高度専門職業人の育成を目指しています。そこで、本研究科では、研究者育成を目的とした法政研究コース、高度専門職業人の育成を目的とした高度専門職業人養成コース、ならびに外国人留学生の専門家能力の向上および母国への学術的貢献を目的とした国際協働コースを設置し、以下の各点を踏まえて教育課程が編成されます。
1 教育内容

  1. (1) 知識・技能
     法政研究コースでは、自立して研究活動を行うために必要な高度の研究能力およびその基礎となる豊かな学識の養成を目的としています。学生は、個別の指導教員の下で毎学年演習を履修し、原則として同一教員の指導による一貫した少人数教育を受けることとなっています。また、専修科目を中心とする講義科目および外国文献研究等の授業を通じて、研究者に必要な外国文献読解能力の修得も図られています。
    高度専門職業人養成コースと国際協働コースでは、高度の専門性が求められる職業人の育成を目的としています。学生は、「基礎科目」「講義科目」「演習科目」をつうじて、より実務に即した専門教育を受けることになっています。「基礎科目」では、法学・政治学の基礎知識やアカデミック・スキルを身につけます。「講義科目」では、歴史や思想的な背景を踏まえつつ、現行法や現代政治に関する高度な専門的知識を学び、現代社会の諸問題を多面的に分析し、議論を行います。「演習科目」では、主に「修士論文」「特定課題研究成果報告書」を作成するための指導を受けます。
  2. (2) 思考力・判断力・表現力等の能力
     思考力・判断力・表現力等を、学生は「演習科目」の履修をつうじて修得します。法政研究コースと国際協働コースでは、「修士論文」を作成するための演習指導は、演習の中で指導教員の下で行われます。高度専門職業人養成コースでは、1年次において一人ひとりの学生に対して担当教員が置かれ、2年次の専門分野の決定にかかる研究内容へのアドバイスが適宜行われます。また学生は「総合演習(テーマ)」を受講することで、問題解決型の能力を修得します。「修士論文」「特定課題研究成果報告書」を作成するための演習指導は、2年次または3年次において、学生が希望を提出して選択した指導教員によって行われます。
  3. (3) 主体的な態度
     主体的な態度は、みずから研究計画を策定し、授業などを通じて研究の進捗状況や成果を指導教員などに対して報告するとともに、研究科長に対して「研究成果報告書」を作成、提出することを通じて養われます。また学内および学外の研究会もしくは学会において、または学術雑誌「法学ジャーナル」などへの投稿を通じて自己の研究内容を報告する機会通じて、研究を遂行するために必要とされる倫理観を身につけます。さらに実務的な観点から行われる授業により、理論と実務との関係を認識させることによって、就業意欲の向上を図ります。

2 学習成果の評価

  1. (1)  知識および技能の修得に関しては、おもに「基礎科目」「講義科目」において、法学・政治学に関する高度な専門的知識の理解度、論理的かつ科学的な説明を行う能力、十分に根拠づけられた説得的な議論を構築する能力、および他者との議論の中で妥当な結論を導いてゆく能力を測り、評価します。
  2. (2)  思考力・判断力・表現力等の能力の修得に関しては、「演習科目」のほか、「修士論文」「特定課題研究成果報告書」の審査を通じて評価します。「修士論文」「特定課題研究成果報告書」が法学または政治学に関する特定のテーマについて、総合的な視点から整理し、分析してまとめた研究成果として、または調査および分析に基づいて政策提言を行う研究成果として十分な水準に達していることを「修士論文」「特定課題研究成果報告書」の審査基準としています。なお「特定課題研究成果報告書」については、そうした内容をふまえつつも、必ずしも独創性のある学術専門的な内容であることを要しませんが、高度の専門性を要する職業等に必要な高度の能力を示す内容が求められます。 「修士論文」「特定課題研究成果報告書」の審査にあたっては、以下の評価項目等を考慮して、総合的に判断するものとしています。
    ① 問題意識および課題設定が明確に示されていること。
    ② 論文の構成、展開、文章表現等が適切にされていること。
    ③ 先行研究や資料等の調査分析および引用が適切かつ十分にされていること。
  3. (3)  主体的な態度の修得に関しては、「演習科目」での研究計画や研究報告、「修士論文」「特定課題研究成果報告書」の審査を通じて、研究計画の策定とその実行に係る姿勢を測ります。
■ 博士課程後期課程

 法学研究科(以下、「本研究科」という)では、学位授与の方針に掲げる知識および技能、資質および能力ならびに態度を修得できるように、法学および政治学に関する素養を十分に備え、社会のさまざまな分野において、それを能動的かつ有効に活用できる研究者の育成を目指しています。本研究科では法政研究コースが設置され、以下の各点を踏まえて教育課程が編成されています。
1 教育内容

  1. (1)  博士課程後期課程では、自立して研究活動を行うために必要な高度の研究能力およびその基礎となる豊かな学識の養成を目的としています。学生は、それぞれ個別の指導教員の下で毎学年演習を履修し、原則として同一教員の指導による一貫した少人数教育を受けることとなっています。また、専修科目を中心とする講義科目や外国文献研究等の授業を通じて、研究者に必要なより高度な外国文献読解能力の修得も図られています。
  2. (2)  博士課程後期課程では、博士論文を作成するための演習指導は定期的に指導教員の下で行われています。
  3. (3)  広く学内および学外の研究会もしくは学会において、または、学術雑誌「関西大学法学論集」および「法学ジャーナル」への投稿を通じて自己の研究内容を報告する機会を設け、研究を遂行するために必要とされる倫理観の育成が行われています。

2 学習成果の評価

  1. (1)  知識および技能の修得に関しては、博士論文による研究成果の審査を通じて評価します。博士論文が、法学または政治学の分野において独創性のある高度に学術専門的な内容を有し、学問の発展に寄与すると認められることを博士論文の審査基準としています。その審査にあたっては、以下の評価項目等を考慮して、総合的に判断するものとしています。
    ①研究内容が独創性および専門性を帯びていること。
    ②学問の発展に寄与すると認められること。
    ③問題意識および課題設定が明確に示されていること。
    ④論文の構成、展開、文章表現等が適切にされていること。
    ⑤先行研究や資料等の調査分析および引用が適切かつ十分にされていること。
  2. (2) 講義科目において、具体的な問題に関する報告と討論を行うなかで、論理的かつ科学的な説明を行う能力、十分に根拠づけられた説得的な議論を構築する能力および他者との議論の中で妥当な結論を導いてゆく能力を測ります。
  3. (3) とくに指導教員による演習科目において、自らの知識と思考を用いて具体的な問題を検討し、解決しようとする姿勢と能力を測ります。そして、博士論文の審査を通じて、より専門的な学問的能力についての評価を行っています。

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

■ 博士課程前期課程

修士(法学)は、所定年限を在学し、法学研究科が設定した科目を履修して所定単位を修得し、かつ研究指導を受けて論文を提出し、その審査を経て合格した学生に対して授与されます。学位授与の適否は、具体的には、以下の知識および能力を修得したかどうかによって判断されます。

  1. 1 (知識・技能)
     法学もしくは政治学を専門領域とする研究者または高度専門職業人として活動するために必要とされる専門的知識(法もしくは政治の歴史的背景および思想的背景を理解した上での現行法または現代政治に関する知識)を修得し、判例および学説の展開または昨今の政治情勢をふまえた各種情報を適切かつ迅速に探索する技能を修得し、かつこれらを法学または政治学の観点から総合的に分析し、柔軟に対応できる能力を修得していること。
  2. 2 (思考力・判断力・表現力等の能力)
     外国文献の講読を目的とする専門科目の受講を通じて、外国の動向もふまえた幅広い視野に立ち、現代社会に生じる多様な社会問題に取り組み、かつ法制度または政治制度の正確な理解に基づいて科学的に説明し、規範や歴史的経験によって根拠づけられた説得的な議論を展開することによって、民主的な合意形成に寄与する考動力を修得していること。具体的な法的紛争や政治状況について、法学的または政治学的な思考を通じて分析を加えることで未解決の課題を発見する能力並びに公正で柔軟な思考に基づいた問題解決能力を修得していること。
  3. 3 (主体的な態度)
     判例や学説の展開または昨今の政治情勢と、研究者や高度専門職業人としての将来の進路を踏まえて、有意な研究テーマを選択し、未解決の課題をみずから設定するとともに、課題解決にむけて適切な研究計画を策定し、それに基づいて研究活動を行おうとする態度を修得していること。授業や学会・研究会などでの研究発表、学術誌への投稿などをつうじて、学術的な対話や交流を行おうとする態度を修得していること。
■ 博士課程後期課程

博士(法学)は、所定年限を在学し、法学研究科が設定した科目を履修して所定単位を修得し、かつ研究指導を受けて論文を提出し、その審査を経て合格した学生に対して授与されます。学位授与の適否は、具体的には、以下の知識および能力を修得したかどうかによって判断されます。

  1. 1 法学もしくは政治学を専門領域とする独立した研究者として活動するために必要とされる専門的知識(法もしくは政治の歴史的背景および思想的背景を理解した上での現行法または現代政治に関する知識)を修得し、判例および学説の展開または昨今の政治情勢をふまえた各種情報を適切かつ迅速に探索する技能を修得し、かつこれらを法学または政治学の観点から総合的に分析し、柔軟に対応できる能力を修得していること。
  2. 2 外国文献を収集し、これを訳出する作業を通じて内容の理解に努めることで、外国の法制度または政治制度を理解し、幅広い視野に立ち、現代社会に生じる多様な社会問題に取り組み、かつ法制度または政治制度の正確な理解に基づいて科学的に説明し、規範や歴史的経験によって根拠づけられた説得的な議論を展開することによって、民主的な合意形成に寄与する考動力を修得していること。
  3. 3 具体的な法的紛争や政治状況について、法学的または政治学的な思考を通じて分析を加えた上で、博士論文の作成にあたって未解決の課題を設定し、独創的かつ有意義な理論に基づく解決策を提案し、これをより説得力のあるものにするために、研究会もしくは学会などにおいて提案し、または学術雑誌に公表するにあたって公正かつ柔軟な思考に基づいた問題解決能力を修得していること。