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在学生・修了生の声

在学生・修了生の声

研究科一覧

法学研究科

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法学研究科 法学・政治学専攻
高度職業人養成コース
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:一般入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『現在における入管制度・外国人の強制送還に関する憲法問題の中で、在留資格の無い外国人は正式に在留資格を有する外国人と同等の人権保障が及ぶのか(予定)』
概要:
現在の入国管理行政の根幹となっている国家の自由な裁量権を認めたマクリーン事件判決を最近の判決や入管法改正案が破棄された現状、条約との関係を踏まえながら分析し、現代の適切な入国管理領域における在留資格のない外国人の人権保障のあり方を検討したいと考えております。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
民法研究2
(財産法)
特論研究
(政策法務)
総合演習
(政策研究)
公共経済学研究
民法研究4
(家族法)
総合演習
(政策法務)
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
大学4年次にゼミで憲法問題のディベートを行っていた際に憲法問題の面白さに気づき、専門的に勉強したいと思い大学院進学を考えました。在籍していた大学には法学部の大学院がなかったため、外部の大学院を受験することになりました。公務員をめざして勉強していたので、高度職業人養成コースの政策法務コースのある本学を選びました。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
在籍していた大学のゼミの教授に受験対策をしていただきました。筆記試験では基本的な憲法の問題が問われるとのことで、教科書をもう一度やり直したり、教授が普段の学部生の授業で使用しているレジュメをいただいて基礎的なところから対策しました。実際の試験は論述式のため、本学や他校の過去問を解いて添削して頂きました。コロナ禍ということもあったので、授業のある日以外はzoomを使って論述問題の添削や研究計画書の作成を見て頂きました。
ー 関西大学大学院法学研究科の魅力
自分の研究環境の充実だけではなく、進路に活かす事のできる内容の演習もあります。例えば、今学期受講した総合演習の政策研究は与えられたテーマに対して自分たちで政策提案し、実際の自治体職員の方々や組織関係者に評価していただくという授業内容でした。難しい内容の授業ではありましたが、現役の職員の方々の厳しい目線から問題点を聞くことができましたので、実践にも役立つ良い経験となりました。
ー 修了後の進路希望
大学在籍時から公務員をめざして勉強していましたので、大学院修了後は公務員をめざしたいと考えております。そのため政策科目や苦手な民法の授業を多く履修しています。
ー 関西大学大学院法学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
関西大学大学院は図書館も広く資料もたくさんあり、自習室など学習環境が整っています。また入学前の研究室訪問が不要ということもあり、外部から受験される方は不安だと思います。法学研究科の学生は内部進学の学生だけではなく、一般試験から入学された方、社会人の学生も多く在籍していますので、楽しく学生生活を過ごせます。
法学研究科 法学・政治学専攻
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:学内進学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『行政評価はなぜ使われないのか(仮題)』
概要:
行政評価が使われていない理由や自治体にとって何が障害になっているのかを研究していきたいです。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
特論研究
(政策法務)
総合演習
(政策研究)
行政学研究
総合演習
(政策法務)
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
公務員をめざしており、高度専門職業人養成コースを通して、学部時代に学んだことをより深く学びたいと思い進学を決めました。
学部時代から、勉強に打ち込みやすい研究室や図書館等を利用しており、学習環境が整っていたことや指導していただきたい教員がいたことから、本学大学院を選びました。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
学内進学試験で法学研究科に進学したため、試験方法は出願時に提出した志望理由書と研究計画書を中心にした口頭試問でした。そのため、口頭試問に向けて、志望理由書と研究計画書についての質問を想定したり、自分が大学院でどのような研究をしたいのか考え、口頭試問に臨みました。
ー 修了後の進路希望
学部時代から、人々の暮らしを支えられる仕事ができ、地域に根ざした公共性の高い地方公務員になりたいと考えていました。そのため、指導教授の石橋先生のアドバイスを受けて、大学院1年次生に公務員試験を受験しました。地元の市役所に内定をいただいたので、2年次では、市役所で従事しながら修士論文を執筆予定です。
ー 関西大学大学院法学研究科の魅力
法学研究科には、外国人留学生や社会人の学生の方など、国籍や年齢層もさまざまで、多様なバックグラウンドを持った人たちが多く在籍しています。また、公務員・税理士・司法書士・民間企業など修了後にめざす進路もさまざまなので、毎日刺激を受けながら生活することができるのが魅力です。
また、高度専門職業人養成コースには、所期の教育効果を上げるため、専門的な職業能力や資格の取得に資する科目を用意されていて、自分自身の目的や関心に応じた幅広い履修が可能な点も魅力です。
ー 関西大学大学院法学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
法学研究科には、外国人留学生や社会人の学生の方など、国籍や年齢層もさまざまで、多様なバックグラウンドを持った人たちとの出会いがあります。そういった人たちと積極的に関わることで、今までの価値観を大きく変える良い経験をすることができると思います。
また、図書館や研究室など、研究を進めるにあたっての環境が充実しているため、自分がやりたい研究に打ち込みやすいと思います。
法学研究科 法学・政治学専攻
博士課程前期課程 2012年4月入学
(入試種別:学内進学試験)
勤務先名:
株式会社宝島社 編集

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『日本における「におい商標」導入をめぐる考察―国際比較を通して―』
概要:
我が国では未導入であり、保護されていない「新しいタイプの商標」。この中でも特に、「におい商標」について我が国での導入をめぐる議論、そして、「におい商標」を導入している各国の状況や判例を踏まえ、我が国において「におい商標」保護を導入するにあたっての重要性とその課題について検討しました。今日の企業のグローバル化における、言語を超えたブランドメッセージの発信手段の1つとして活用の可能性と重要性がますます高まっている「におい」を、どのように保護すべきか。国内外における「におい商標」保護の動向や課題、知的財産諸法における「におい」保護の可能性の検討等も踏まえ、我が国においても「におい商標」は導入すべきであると結論づけたものです。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
弊社の場合かなり特殊かもしれませんが、著者や権利元への交渉、グッズの作成、権利元への監修依頼、原稿作成など編集の仕事は多岐にわたります。著者や権利元との出版契約、著作物使用許諾、意匠や商標の確認・許諾といった業務も書面作成を行うこともあります。学部で学んだ知識でも十分かもしれませんが、法律に関する文章をたくさん読んできたので、契約書等をみることは苦ではなく、書面づくりや確認がスムーズです。また、出版、ものづくりという、キャラクターやブランドを扱う慎重さが求められる現場で、知的財産権を保護、侵害しないように注意すべきことをさまざまな角度から考えることができたとき、学びが生かせているのではないかと感じます。内容構成を考え、資料を集め、一冊にまとめる……という業務では、修士論文の経験を通し、情報の取捨選択、仕上げる根気強さなども培われたのではと感じます。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
私が大学院に進学した理由は2つあります。
ひとつは、就職先にこのまま就職して良いのかという不安です。就職活動にかなり苦戦し、無事獲得した内定先は、めざしていた業界でもなく、自分の学んだ分野とは全く関係のない業界・職種でした。一生懸命勉強とも向き合ってきたこの4年間は何だったのだろうか、と4回生にしてふと不安になりました。もうひとつの理由は、漠然とした「学びたい」という気持ちからでした。丁度そのころ面白そうと受けた「知的財産法」の授業に非常に興味を持ち、もっといろいろなことを見ておきたい、学びたいという気持ちが湧き、大学院への進学を決めました。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
葛原 力三先生
山名 美加先生
もともと、刑法を中心に学んでおり、ゼミも葛原先生のゼミに入っていたため、山名先生とは試験の後にはじめてお話をさせていただきました。
大学院では知的財産法を学びたいというお話をさせていただいたのですが、山名先生がその年海外に行かれていらっしゃらない……ということが判明し、入学早々すごく悩んだのを覚えています。お忙しい中、私が安心して学べるよう親身にお話を聞いてくださり、いらっしゃらない間の一年間はメールでのやりとりで非常に細かくサポートいただきました。お戻りになってからは、学部生のゼミに参加させてくださったり、セミナーなどのお手伝いもさせていただき、勉強という意味での学びはもちろんですが、人とのつながり、人の意見を聞き考える学びなど、一年とは思えない非常にたくさんの学びの機会をいただきました。就職活動と修士論文の両立もかなりハードな作業でしたが、的確にアドバイスいただき、無事に書きあげることができました。山名先生が不在にされている間、葛原先生にも引き続きサポートいただき、非常に安心して学生生活を送ることができました。大変感謝しております。
ー 現在の就職先・職業を選んだ理由
知的財産法を学ぶにつれ、もともと興味のあったメディアやエンタメといった分野により強く関心を持ちました。そして研究を進めるうちに、様々な事象、人の思いを伝え、時に流行をつくる「出版物」というものに興味を持つようになりました。さまざまなことを知るたび「こんなに面白いのに食わず嫌いしているなんてもったいない」と思うことがしばしばあり「そんな人がつい食わず嫌いしてしまうようなことを人に伝える仕事」がしたいと思い、出版業界をめざしました。いまでこそ一般的になりましたが、グッズが付いている本、キャラクターやブランド垣根をこえたグッズ製作をしている発想の自由度の高さに惹かれたのが弊社です。当時テレビ、雑誌、ラジオなどクロスメディア展開というようなことが流行り始めた時代でもあり、ここなら自分が学んだ知識を生かしながら新しいことができるのでは、と思い入社しました。
ー 関西大学大学院法学研究科の魅力
膨大な資料・データが揃う図書館、24時間365日使える研究室、といった学修環境が整っているのはもちろん、親身になってくださる先生方がいらっしゃるアットホームさが魅力だと思います。研究室には集中することができる環境もありますし、フリースペースではみんなで和気あいあいとできる場所もあります。誰かしらいらっしゃるので、研究のことはもちろん、進路について相談することもできます。いろんな目線の話や意見を聞くことができるのも楽しいです。指導教員にもよるかもしれませんが、学部生との関わりもあり、学部時代とはまたちがった学びができる環境です。
ー 関西大学大学院法学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
大学院というと少し身構えてしまう方もいるかもしれません。進学をされる理由はさまざまあるかと思いますが、「学びたい」という気持ちに対して先生方は本当に一人ひとり、親身になってくださいます。授業なども学部と比べ少人数で、自ら学ぶ姿勢が求められ、修士論文など大変なことももちろんあります。でも大丈夫です。先生方はきちんとこたえてくださいますし、乗り越えた先、きっと自信につながると思います。安心して学んでください。
法学研究科 法学・政治学専攻
博士課程前期課程 2018年4月入学
(入試種別:学内進学試験)
勤務先名:
県庁 一般事務職

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『SDGsを媒介とした企業とNGOの協働の展開 ‐CSR活動を軸として‐』
概要:
議論の中心は、何が企業とNGOが協働するために必要なのかについてです。その鍵となるのが、国際連合で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)だと考えました。
実際に、企業へSDGsについて聴き取り調査を行い、また、企業とNGOによって行われているCSR活動との視点からNGOの役割を考えていきます。
そして、このようなSDGsの取り組みを通じて企業とNGOの関係性が開かれたものになっていくと考えました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
現在の担当業務において、大学院での研究が直接生かされている場面は少ないです。しかし、研究を行う過程で身についた、さまざまな角度から物事を捉え、情報を収集し、活用していく力は、仕事を行う上で役立ちました。
例えば、現在、保健所で働いております。新型コロナウイルス感染症に関する国からの通知に対して、市や住民の方へ分かりやすく説明する際、過去の通知との違いや要点を的確に伝えるように努めています。このような、専門以外の新しい知識を身につけ、活用していく力の基盤は、大学院時代の研究活動によって培われたものと実感しています。
ー TA・RA制度の利用にかかる経験談、よかった点
2年次の春・秋学期にTA制度を利用させていただきました。
具体的な活動は、4~5人程度のグループの司会役を務めました。授業の性質上、英語を使うので、グループ内の議論が進まない場合、話題を提供して口火を切る役割を担っていました。
TA制度を利用してよかった点は、周りを取りまとめる力がついた点です。学生の反応を見ながら、どのようにしたら議論に加わりやすくなるのかを考える機会が多かったです。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
2年間、給付奨学金制度を利用させていただきました。
給付金の用途については、研究に必要な書籍の購入、調査や発表のために必要な交通費や資料のコピー代等です。奨学金が2年間継続して支給されるので、計画的に使用することができて良かったです。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
卒業論文の内容を、新しい視点から深めていきたいと考え、大学院に進学することを決めました。
給付奨学金制度や研究室、図書館等、学習環境が充実していたことや指導していただきたい教員がいたことから、本学大学院を選びました。
ー 現在の就職先・職業を選んだ理由
インターンシップへ参加し、防災関連の仕事を体験しました。防災の専門家や消防防災航空隊の隊員との講習を通じて、南海トラフ地震・津波に関する応急対応シナリオの作成等の専門的知識の重要性や自治体職員の社会的意義を実感しました。
住民の安全・安心を守る基盤と関わりのある業務が多いこともあり、決めました。
ー 関西大学大学院法学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
法学研究科は、社会人学生や留学生も多く在籍しているので、研究室の利用方法から世間話まで、どのようなことでも気さくに話すことが出来ます。
研究について不安な点があっても、先生方からアドバイスをいただくことで、解消されます。
ただし、その前提として自分で何が理解出来ていないのか、どのような方向に進んでいくのかということを明らかにしておく必要があります。大学院で自分は何を学びたいのか、どのようなことに挑戦するのかといったことを考えておくと、有意義な時間を過ごすことが出来ると思います。

文学研究科

  • 在学生
  • 在学生
  • 修了生
  • 修了生
文学研究科 総合人文学専攻
教育文化学専修
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:社会人入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『乳児期の子育てにおける父親の困難と支援上の課題』
概要:
男性の子育てが推奨される現代、子育てに関わりたいと考える当事者も年々増えています。しかし「ケア」が必要となる乳児期の子育ては未だ女性に偏っており、この時期の子育て支援にもジェンダーギャップが見られます。男性向けの子育て支援はどうあるべきか。乳児をもつ父親が直面する困難から、その必要とする支援について明らかにします。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
教育文化学研究
演習1B
コミュニティ
教育学研究
教科学習
デザイン研究
学校
イノベーション研究
教育社会学研究
人権教育研究
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
自身の研究したいテーマを伝えた上で当該研究室を希望して問題ないかどうかの相談と、出願の際に提出しなければならない研究計画書についても相談に乗っていただきました。学部時代とは異なる専攻分野であることに加え、そもそも卒業論文を書いてから20年弱も経っていたため、研究の目的や意義について計画書の形式に書き上げること自体一苦労でしたが、アドバイスをいただいたことで無事に完成させることができました。相談に乗っていただいたことで安心して出願することができました。
ー お仕事との両立の工夫等について
私は子育てに関わる仕事をしているため、実は研究と仕事が一繋がりになっています。仕事の中での気付きが研究に影響を与えたり、研究での気付きを仕事に生かすことができたりしてとても面白いです。修士1年目は週の半分くらいは通学したため、仕事を残りの日に固めたり、午前は仕事をして午後は通学したりと時間のやりくりは工夫をしました。実際に学生生活が始まるまでは不安もありドキドキしていましたが、やってみると案外大変さはなく、良いリズムで生活できたと思います。
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか
学部時代とは異なる分野を希望するにあたり、大学院は「一から教えてもらう」ところではなく「研究する」ところであるということを前提に、ある程度の基礎知識は理解した上で入学しなければと、社会学や教育社会学を中心に様々な本を読んで勉強しました。学部時代は数学を専攻していたため、文系の学術書を読むのに最初はかなり苦労した記憶があります。言い回しや使用する単語の種類・数など、分野特有の表現に慣れていけるよう意識しながら文献を読みました。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
仕事で子育て支援に関わる中で、子育てに関するさまざまな社会問題の根底にはジェンダーの問題が深く結びついていると感じるようになりました。子育て支援と女性支援が混同されがちなこと、そして自身の活動もその一端を担ってしまっているかもしれないことに気づき、大学院で改めて学び、研究したいと思うようになりました。とりわけ男性の子育てについて研究したいと思っていたところ、仕事でご一緒した方から「岩城さんのやりたい研究なら絶対、関大の多賀先生!」とおすすめしていただき、自宅からの通学も可能でしたのですぐに関西大学に心を決めました。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
多賀 太先生
男性の子育てについて研究したいと思っていたところ、仕事でご一緒した方から「それなら絶対、関大の多賀先生!」とおすすめしていただき、すぐに検索しました。「この分野に興味がありながら何故私は今まで多賀先生を知らなかったのだろう…」と後悔するほど、まさに私が研究したい内容の書籍や論文を数多く執筆されており、ワクワクしながらそれらに目を通したのを覚えています。出願前の相談(面談)では「いよいよご本人とお話しできるのか」とちょっとした緊張が走ったほどです(笑)
文学研究科 総合人文学専攻
史学専修
博士課程後期課程 2017年4月入学
(入試種別:一般入学試験)
勤務先名:
三重県立斎宮歴史博物館
学芸員(歴史)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『平安時代前期の賀茂祭と斎院(修士論文)』
概要:
賀茂神社の斎王である賀茂斎院や、賀茂祭で行われる儀式の検討を通して、平安京を代表する祭として盛大に挙行された賀茂祭の成立期の諸相を明らかにしました。
ー 時間割

博士課程後期課程 3年次 春学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
日本古代中世史演習
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
私は、三重県にある斎宮歴史博物館で、日本古代史分野の学芸員として働いています。博物館のテーマである「斎宮」は自身の研究と関わることから、研究が生かされる場面は多いです。しかし、学芸員は自分の専門分野にとらわれない幅広い知識を身につけること、さらにそれを成果として発信することが求められます。そんな時は、大学で取り組んできた、史料に向き合い、順序立てて説明するという地道で基本的な作業が、生かされていると感じます。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
就職に関することです。博士課程前期を修了したあと、後期課程へ進みたいという気持ちはありましたが、進学後に就職する厳しさを周囲から聞いていたので、在学中にどのようなことをすればよいのかを相談しました。指導教員からは、大学院を修了した後にどうなりたいのかを意識することが大事だというアドバイスをいただきました。自分の将来像を意識したことでやるべきことが明確になり、大学院で充実した時間を過ごすことができました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
博士課程後期課程1年次から3年次までの3年間は「関西大学大学院給付奨学金」に出願し、授業料の半額を免除されたため、アルバイトと研究の時間を確保することができました。
ー お仕事との両立の工夫等について
在学中に就職したので、社会人になってからの日は浅いのですが、研究のための時間をいかに作り出すかが課題です。たとえば普段から整理整頓や家事の時間配分を考え、帰宅してすぐに研究できる環境を作るよう工夫しています。それでも平日に長い時間を確保することは難しいので、30分でも机に向かうようにしています。「何時間やったか」ではなく、少ない時間のなかでも「何がどこまでできたか」を積み重ねていくことが大事だと思っています。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
私が研究している賀茂斎院と賀茂祭は、祭祀(神をまつること)の面から平安時代の王権を支えた制度で、多くの文献に史料が残されています。しかし、そこには「どのように行うか」というマニュアルはあっても、「なぜ行うか」という根本的なことは書かれていません。古代の人々の「神」に対する感覚を理解することは、現代人には容易ではありませんが、史料を通じて形がないものに迫っていくおもしろさも感じます。
ー 関西大学大学院文学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
大学院の1年は、あっという間に過ぎてしまいます。短い期間ですから、自分が大学院で何をしたいのか、そして何をめざすのかという目標をはっきりさせることが大事です。すでに目標がある方は、そのために必要なことを積み重ねていってください。堅苦しく書いてしまいましたが、研究は楽しんでやることが一番です。楽しめる余裕を確保しつつ、目標をめざして頑張ってください。
文学研究科 総合人文学専攻
世界史学専修
博士課程前期課程 2018年4月入学
(入試種別:学内進学試験)
勤務先名:
ローランド ディー.ジー.株式会社

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『16世紀フランスの法曹界とモンテーニュ――ボルドー高等法院評定官時代を中心に――』
概要:
フランス文学の古典的名著『エセー』の著者モンテーニュが同著書執筆前に経験した評定官時代に焦点を当て、ユマニスムや宗教改革、王権伸長などの文化的、宗教的、政治的状況が複雑に絡み合う当時のフランス司法界、とりわけボルドー高等法院在籍時の経験が彼にもたらし得た関心の在りようを、近年整理された彼の裁判記録史料の考察も交えて明らかにしました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
現在は海外売上が9割を占めるグローバル企業(メーカー)に就職し、製品企画、マーケティング担当として働いています。私が勤める企業の事業は学生時代に専攻していた歴史学や文学と直接関わるものではありませんが、研究活動を通じて読解力・理解力、文章力、想像力、論理的思考力、行動力、伝える力などの基礎スキルが養われていたことで、全く経験がなかった企画やマーケティング業務を入社1年目から担うことができています。また英語やフランス語の語学力、そして何より「人間」に対する理解力は、様々なバックグラウンドを持つ社員と関係を築きながら仕事をすることが求められるグローバル企業で働く上でとてもプラスになっています。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
関西大学大学院入学前予約採用型給付奨学金をいただいておりました。給付を受けられたおかげでアルバイトに割く時間を減らすことができ、研究により腰を据えて取り組むことができました。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
私は後に大学院の指導教員となる朝治先生との出会いをきっかけに学部3年生から歴史学研究に本格的に取り組むようになったのですが、学部生の段階では外国語文献や一次史料が豊富にあることは知りながらも、語学力不足や時間的な制約もあり、自分の研究テーマに求められる研究調査を行うためには大学院への進学が不可欠だと思いました。また自分の進路の一つとして研究者という選択もあるかもしれないと考えるほど歴史学に惹かれており、大学院で自分の力量を試したいと思ったことも進学を決めた理由の一つです。
進学先として関西大学大学院を選んだ理由は、学部時代から自分の研究活動を知っておられる先生方や自分の研究テーマに関わる分野(西洋史、フランス史、フランス文学など)の先生方がたくさんおられ、それぞれの視点からの指導を受けながら研究活動ができる環境だと考えたからです。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
大学院1年次:朝治 啓三先生
(2019年3月でご退職、現:関西大学東西学術研究所名誉教授)
大学院2年次:嶋中 博章先生
朝治先生とは学部時代にお会いし、歴史学に対する深い信念と研究者としての豊富な経験に裏付けられた豊富な知識や歴史的な思考力、指導力に感銘を受け、この先生の下で指導を受けたいと思い志望させていただきました。
嶋中先生はフランス史をご専門にされていることに加え、文学作品をどのように歴史学に活用できるかという視点で長年研究されており、同じく文学作品として有名な『エセー』の著者モンテーニュをテーマにする自分の研究に対して適切な指導をいただけるのではないかと思い、志望させていただきました。
ー 現在の就職先・職業を選んだ理由
現在は株式会社ローランド ディー.ジー.という企業で製品企画やマーケティングの業務を行っております。当社は海外売上率がおよそ9割で欧米地域を中心に海外拠点も多数備えるグローバル企業であり、海外の同僚と日常的に仕事をしながら国際的な市場を対象に事業を展開できる点に魅力を感じたことが入社のきっかけです。自分の専門分野とは直接関連はしないものの、社会人として様々な経験を積み、色々な人と仕事をする中で自分自身のスキルも向上させながら国際的な市場に価値を与えられる可能性のある今の職場にとてもやりがいを感じています。
ー 関西大学大学院文学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
私が大学院に進学した一番の理由は「もっと勉強したい」という純粋な興味があったからです。その後の進路についても漠然とは考えていたものの、チャンスがあるならまず学んでみようと思って進学したというのが正直なところでした。
文学研究科は人がテーマの中心にあるからか不思議な包容力があります。私のように興味本位な動機で入学した者でも温かく迎えてくれる先生方がおられ、研究に限らずプライベートな話題でも明るく気さくに、かつ真面目で真摯に応対していただけました。文学研究科で得られた知識やスキル、また自分も含めた「人間」に対する理解力は自ずとその後の人生にも活きてきます。
進路についても、私のように文系院卒でも一般企業への就職が可能ですし、学部卒と比べて進路の幅が狭まるということはありません。もし「学びたい」という強い気持ちをお持ちであれば、ぜひ入学して勉強してみてください。
文学研究科 総合人文学専攻
国文学専修
博士課程後期課程 2015年4月入学
(入試種別:一般入学試験)
勤務先名:
近畿大学工業高等専門学校・
総合システム工学科(国語)講師

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『対称詞の談話機能に関する対照方言学的研究』
概要:
対称詞とは「あなた」「おまえ」等の二人称代名詞や、(佐藤さんに対して)「佐藤さん」、(社長に対して)「社長」、(父に対して)「お父さん」など、話の相手を指す言葉の総称です。日本語では誰に対して話しているかが明らかである場合は「お母さん醤油取って」を「醤油取って」という風に対称詞を省略することが一般的です。しかし中には対称詞を多用する地域もあり、使用に地域差があります。本研究では沖縄を除く全国46地点の方言談話資料を用いて対称詞使用の傾向を分析し、西日本に対称詞を多用する地点が多いこと、多用されているのは文中に係り先がない対称詞(例:「今は あんた みんな スマホが使えるから 便利だよね。」)であることを明らかにしました。さらに主要地点に関してはどのような場面(例:怒っている場面、謝っている場面など)で対称詞を使用するかを分析し、使用量だけでなく使用できる場面や人物に対しても地域差があることを明らかにしました。それらの結果をもとに、東日本(東北)から西日本(九州)に移動するごとに対称詞の使用量が多くなり、使用可能な場面や人物も増えるという分布のグラデーションがあることを明らかにしました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
高等専門学校(高専)は中学卒業後5年間(専攻科に進学した場合は7年間)、技術者になるための専門的な知識を学ぶ高等教育機関です。そのため学生の年齢層は高校相当~大学相当と幅広く、国語科の教員は低学年には高校国語相当の授業、高学年には大学のリーディング・ライティング相当の授業を実施する必要があります。
私は国語国文学専修(国語学)でしたが、関西大学大学院では幅広い分野の先生方がいらっしゃり、他ゼミとの交流も多かったため、自分の専門分野に限らず国語国文に関する様々な知識を得ることができました。特に専門の国語学に関しては、異なるご専門を持つ先生方が3名いらっしゃり、国語学(日本語学)を基礎からしっかりと教えてくださいました。学部で学んだことをさらに深め、学部では間に合わなかった学びも得られることは、大学院の大きな魅力であり、国語の教員としての力を大きく伸ばすことができると思います。また、方言が専門であるため、在学中は多くの地域に方言調査に赴きました。様々な言語文化、地域文化に触れ、多くの方々とお話をさせていただく中で、方言の知識はもちろん、コミュニケーション能力を培うこともできました。対称詞は地域によって使われる形式や使われ方が大きく異なり、コミュニケーション方法にも関わっています。このことに気づくことができたのも、調査の機会をくださった先生方や協力してくださった方々のおかげです。
関西大学大学院で学びを得たことは、国語に関する幅広いことを教え、様々な人々と関わる今の仕事に大いに役立っています。研究者として、教員としての基礎をしっかりと固めることができたと思っています。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
私の大学は他大学で、大学院博士前期から関西大学にお世話になりました。博士前期の入試の際は、大学4年生の夏に大学院の入試説明会に参加しました。そこで指導を希望する先生に直接連絡を取ることと、関西大学の国語国文学専修が主催する学会(関西大学国文学会)への出席を勧めていただきました。メールでアポイントメントを取って実際に先生にお会いし、関西大学国文学会で先輩方、先生方のご発表を拝聴して、関西大学大学院のレベルの高さを感じました。相談というよりは意思表明に近い形で、自分がいまどのような卒業論文を書いているか、大学院で何をしたいか等だったと思います。
博士後期進学の際は進路に悩んだ時期があり、進学を半ばあきらめ、就職活動にかじを切ろうかという気持ちがありました。その中で、指導教員の先生には励ましのお言葉で背中を押していただき、博士後期進学への決心がつきました。
ー TA・RA制度の利用にかかる経験談、よかった点
院生のうちから講義のお手伝いができるため、日々受けている講義がどのように運営されているのかを学ぶことができました。教員、研究者を目指す身として大変ありがたかったです。また、学内でアルバイトができるので研究に融通が利いたことも大変助かりました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
さまざまな奨学金がある中で、給付であるという点が魅力的でした。奨学金をいただけたおかげで、研究にも身が入ったと思います。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
とにかく方言が好きで、方言をもっと専門的に学びたいという思いが大学院進学の動機でした。そのため、進学先は方言がご専門の先生がいらっしゃる大学院に絞りました。その中で関西大学大学院は方言がご専門の先生を含めた3名の国語学の先生がいらっしゃったので進学を希望しました。また、学部時代に図書館司書教諭の資格を取得したかったのですが、他の講義と重なって取れませんでした。それを取得できることも進学希望の理由でした。
ー 関西大学大学院文学研究科の魅力
充実した図書館があり、研究に打ち込める大学院棟があり、素晴らしい先生方がいらっしゃいます。そのため多くの学生が集まり、励まし合いながらお互いを高め合える環境が関西大学大学院文学研究科にはあります。私もそうでしたが、高校や大学の非常勤講師やTAなどの仕事をしながら研究に励む院生も多く、仕事との両立も可能です。「学びたい」という意欲があれば、大きく力を伸ばすことができると思います。

経済学研究科

  • 在学生
  • 在学生
  • 修了生
  • 修了生
経済学研究科 経済学専攻
博士課程前期課程 2021年4月入学
(入試種別:外国人留学生入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『子育て支援政策が出生率及び経済成長に与える影響 – 人的資本希釈効果を考慮して –』
概要:
本研究では、人的資本の希釈効果を考慮し、子育て支援政策のための支出増加が長期的な出生率および経済成長にどのような影響を与えるのかに関して経済モデルを作成し、「MATLAB」を使い、シミュレーション分析を行って検討しました。
ー 時間割

博士課程前期課程 2年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
経済学研究演習Ⅱ
論文指導
ー TA・RA制度の利用にかかる経験談、よかった点
私は、経済学部の「経済学ワークショップ」および、社会学部の「情報処理演習」の授業においてティーチング・アシスタント(TA)を務めています。TAをしながら、勉強や研究以外の時間を生かし、留学生としての日本語や日常的なコミュニケーション能力をスキルアップできると思います。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
私は、関西大学大学院給付奨学金を利用しています。この制度を利用することで、私はアルバイトの時間を減らすことができ、勉強と研究により集中することができると思います。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
土居 潤子先生
私の指導教授は土居潤子先生です。先生を選んだ理由は先生の研究分野と私の研究テーマが一致しているからです。私は土居先生のご指導のお陰で、博士課程前期課程の間に、自分の興味のある研究テーマと方向を見つけ出すことができました。専門知識、研究を進める方法、論理的な考え方、文章の書き方などの研究者になるための必要な能力について、先生から大変貴重なご指導いただき、大変勉強になりました。
ー 修了後の進路希望
私は博士課程後期課程に進学したいと思います。
後期課程では、ロボットや AI などによる自動化が現在及び将来の日本の少子化、所得格差と経済成長に与える影響についての研究を行い、社会が直面すべく問題に対し、解決策を提案できる研究者になるように努めていきたいと思います。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
私は、少子化と経済成長をテーマにして研究を行っています。研究の手法は、経済モデルを作り、理論的に少子化対策が出生率及び経済成長に与えている効果を検討しています。
経済学研究科 経済学専攻
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:学内進学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『ロシアの政治経済システムの構造』
概要:
ロシア経済に特徴的な構造について研究し、その経済制度を変化させうる要因について関連性を見出します。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
経済発展論研究
近代経済学史研究 現代社会
思想史研究
流通経済論研究 社会経済
システム論研究
経済学研究演習Ⅱ
演習
政治経済学研究
教育実習
事前指導
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
私は学内進学ではありましたが、大学の時とは専攻が異なります。そのため自分のやりたい研究の方向性をある程度明確にし、各教授のホームページや過去に発表された論文などから志望の指導教員を決めました。ですがやはりそれだけでは不安であったので、事前にメールでアポイントをとり、その研究が可能かということやどのような文献を参考にするのがよいかといったことを尋ねました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
当時の入学試験前、実家の家族が全員新型コロナに罹患し、そのうち薬疹のある母が生死の境をさまようような状態まで悪化したことがありました。そのため少しでも家計の負担を減らしたいと思い奨学金制度を利用しました。受付の時間が日中に限られていたりブラウザが限定されているサイトがあったりと個人では難しいところもありましたが、大学構内にある奨学支援センターの方々が親身になって手伝ってくださったおかげで、無事に奨学金を受給しています。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
各講義では主に輪読を中心とした、グループでのディスカッションをしています。留学生の方もいますが専門書や洋書の概説書を読むことになります。大学までの内容を理解していれば難しい内容ではありませんが、書いてあることに対して自分の意見を述べる際、最初はなかなか言いたいことがうまく言えずに苦労しましたが、何度も講義を受けるにつれ議論の中で様々な観点から考える力が身に付きました。
ー 修了後の進路希望
教育に携わることができればと思っています。そのため私は現在、大学院での研究と並行して高校の教員免許の取得をめざしています。研究の忙しくなる2年目に教育実習を控えているので大変ではありますが、将来、社会科を学ぶ子どもたちがただの暗記だけではない、より実践的な課題に取り組めるような授業ができるよう、深い知識でサポートしていくことを目標としています。
ー 関西大学大学院経済学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
関西大学大学院には外国籍の方が多くいらっしゃり、我々とは異なる法や制度の下で培われた意見に触れる機会も必然的に多くなります。国内の大学であるとはいえグローバルな問題を考えることも十分にできます。
経済学研究科 経済学専攻
博士課程前期課程 2018年4月入学
(入試種別:外国人留学生入学試験)
勤務先名:
花王(中国)投資有限会社
CSR担当

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『中国農村間の所得格差-都市近郊農村と内陸農村の比較に基づいて-』
概要:
中国における農村地域間格差が形成される要因を分析し、政府による格差是正政策を検討します。小論では主に中国で東西に分布するおおむね同緯度で植生が似ている三つの県(鎮)の農村の状況に基づいて比較による分析を行います。加えて村レベルの具体例を、実地調査を踏まえて、所得格差の要因をより細かくあるいは多面的に検討し、格差の実態、形成する要因および政府から格差を是正する政策について研究します。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
大学院の研究テーマは中国農村間の所得格差で、中国農村に対して、実地調査したり、格差の形成要因を研究したり、中国農村の実態を把握しました。現職は企業社会責任活動を担当して、農村格差はまた中国社会の問題の一つなので、大学院の研究成果を利用して、中国農村問題を緩和できる企業プロジェクトを行って、企業イメージを向上できるように活躍しています。また、学部卒業で就職をしている方と違うところとしては、やはり問題を考える方法と思います。学部卒業の方より、多くの角度から問題を考え、単一の観点を信じるのではなく、さまざまな考え方を参考した上で、問題の本質を検討して解決方法を策定します。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
大学院入学試験に合格する前に、半年間、外国人研究生として指導教員のもとで勉強しました。先生との相談と専門知識の勉強を通じて、中国農村や格差の問題に対して、興味をもちました。そして、先生からのたくさんのアドバイスの中で新たな視点を得ることができ、研究計画書も「中国農村間の所得格差」に変更しました。
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか
学部の専門は金融学で、大学院で経済学に変えました。経済学は金融学より国際関係、歴史や政策などに注目していますので、基礎的な経済学理論はもちろん、日常的に国際の変化、国間の関係などグローバルの情報を把握した上で、自分で考えることを意識したほうがいいと思います。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
北波 道子先生
私は北波道子先生のもとで勉強しました。北波先生は長年的に東アジア経済圏を研究していますので、NIES、中国経済に対して独自の考え方を持っています。私は中国経済の研究を希望していたため、北波先生を指導教授として志望しました。また、論文で実地調査やインタビューが多いため、一年生の際に先生と同行で中国農村の実地調査を行いました。当地の農民のお話しから、内陸地域の農村状況を把握して、先生からも研究論文に対して意義あるアドバイスをいただきました。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
基礎的知識はもちろん、国際関係や社会問題に対して日常的に注目する必要があると思います。また、志望する指導教員の研究方向や主な課題を研究したり、できれば先生の授業を聴講したりすることはお勧めです。最後に、情報収集の能力は重要です。たくさんの文献の中で必要な情報を入手することおよびさまざまな観点に参考して、全面的に問題を分析する能力は大学院に進学する前に、準備すべきことだと思います。
ー 現在の就職先・職業を選んだ理由
大学院で中国経済について勉強して、中国の社会問題、特に格差問題に対して興味をもちました。いま会社のCSR活動を担当していますので、企業社会責任をアピールしながら、寄付活動や教育支援などを通じて、中国農村問題や東西格差問題緩和していきたいと思います。また、社会問題に対する考え方を利用して、企業独自のCSR活動を提案・改善できるようにしました。
経済学研究科 経済学専攻
博士課程前期課程 2018年4月入学
(入試種別:外国人留学生入学試験)
勤務先名:
総合職

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『日本におけるドラッグストア業態の生成と発展』
概要:
本論文では、小売業態研究の一環として、日本におけるドラッグストアを取り上げ、その成立経緯や成長過程を明らかにすることを第一の研究目的とし、多様なフォーマットを提示しているドラッグストアの今日的変化について明らかにすることを第二の目的としました。ドラッグストアについては、できるかぎりフォーマットの異なる企業事例を取り上げて考察を進めました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
物事を表面的にとらえることに留まらず、本質を見抜ける思考力が養われたと思います。
また、コミュニケーション能力も向上したと思います。そして、大学院の2年間で得られた「論理的な説明や説得力」、「理解力」が活用できていると感じています。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
日本語学部出身のため、経済学に関する基礎知識や関連知識を大学院に入学する前に身に付けたいと思い、はじめは外国人研究生として経済学研究科に進学しました。当時はまだ中国にいたため、対面できず、メールでやり取りをしました。主に研究内容と今後の進学準備について相談させていただきました。先生のお返事はいつも丁寧かつ迅速なため、メールだけでもコミュニケーションをうまく取れました。
最初は新しい分野に関する勉強・研究がうまくいくかを心配しましたが、先生との相談で不安が解消でき、自信をもって試験に臨むことができました。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
佐々木 保幸先生
経済学に興味を持ったきっかけがドラッグストア業態のため、小売業に関する専門知識を勉強したいと思い、流通経済学の専門家である佐々木保幸先生に連絡させていただきました。
これまでは、先生の大学院生・研究生と一緒にご飯に行ったり、合宿に行ったりしました。とても楽しく大学院生活を送りました。
就職活動の時も先生からサポートをいただき、学業と就職活動を両立することができました。
卒業後もよく先生と連絡を取り、アドバイスをたくさんいただきました。
佐々木先生には本当に感謝しております。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
私は外国人研究生として半年ほど(1学期)先生のもとで勉強していたため、不明点は直接伺うことができました。さらに、大学院生と一緒に授業を受けていたため、流通経済学以外の知識も身に付けられました。
また、図書館などの利用もできたため、とても勉強しやすい環境でした。
ー 現在の就職先・職業を選んだ理由
日本の小売業のイノベーションに力を入れたいため、現職を志望しました。
または多様な価値観・文化を持つ人々と一緒に仕事をしたいため、外資系企業への入社を決めました。
ー 関西大学大学院経済学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
関西大学大学院での生活を一文字にすると、やはり「光」だと思います。親切で優しい先生と出会い、同じ志をもつ仲間と出会い、素敵な大学院生活を送りました。
また、学部生と比べると、研究室及び図書館の利用はより優遇されるため、研究に最適な環境ではないかと思います。
経済学研究科に少しでも興味をもつようになったら、ぜひ進学を検討してみてください!

商学研究科

  • 在学生
  • 在学生
  • 修了生
  • 修了生
商学研究科 商学専攻
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:一般入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『家族と税制』
概要:
家族の在り方がますます多様化していくことが考えられるこれからの社会において、よりよい税制とは何かという観点から、親しい関係にある個人間での財・サービスの移転を中心に研究を進めています。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 春学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
コスト・
マネジメント研究1
講義
経済学 講義 現代ファイナンス・
会計研究 講義
(隔週)
現代ファイナンス・
会計研究 講義
(隔週)
租税法研究1
講義
租税法研究1
講義
金融法研究1
講義
英語
コミュニケーション1
講義
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか
他大学の商学部出身で以前から会計の勉強をしていました。そのため会計学の試験に関しては大きな準備は行いませんでしたが、税制論の試験準備にあたっては、参考図書に挙げられていた租税法の教科書的書籍に目を通しました。また、研究計画書の作成にあたっては、修士論文の書き方などの書籍を参考にしながら準備を行いました。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
税理士を志望していたため、税理士試験の税法科目免除をめざし租税法の研究が行える大学院を探しておりました。その際に、関西大学商学研究科で2022年4月からTASプログラムが開始されることを知り、整った学習環境があることに魅力を感じて進学を希望しました。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
辻 美枝先生
12月中旬の税理士試験の結果発表を受けて、急遽2月募集での受験を決めたため、先生と初めてお話することができたのは試験当日の口頭試問でした。先生の温かく穏やかでありながら的確で芯のあるお言葉選びを耳にして、この雰囲気の中で自分の学びを深めていきたいと感じました。実際に今、その印象どおり優しく力強いご指導の下で研究を深めることができており大変感謝しております。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
1年次の授業では講義形式の授業もありますが、学生による発表形式の授業が多いです。たとえば租税法の授業では、課題となる裁判例を与えられ、自分の調査に基づいて報告を行います。報告準備においては、数多くの難解な文献・資料にあたる必要があるのですが、それらを自分一人の力で理解し、整理してまとめることはとても大変です。しかし、発表後に先生方からのフィードバックを通じて、自習段階では理解しきれなかった内容を理解できたときなどには楽しさを覚えます。また、ゼミの授業などでは、教室にいる他の方々からの質問やコメントによって研究の新しい方向性が見えてくることもあり、コミュニケーションの中から新たな発見が生まれてくるというのも大学院での研究の面白さであるかと思います。
ー 関西大学大学院商学研究科の魅力
商学分野をはじめ幅広く授業を選択することができ、近い距離感で先生方の豊富な知見に触れることができます。また、商学研究科には入学前に想像していた以上に多くの留学生が在籍しており、研究室での何気ないやりとりの中で文化的な交流を行えることも楽しいです。充実した資料を揃えた図書館や、心落ち着く自然の景色を眺めながら過ごせるキャンパスも本学の大きな魅力であると感じます。
商学研究科 商学専攻
高度専門職養成コース
グローバル・リテイリング・プログラム
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:一般入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『日本のインテリア業界についての経営史研究』
概要:
建築物等の内部を構成する、トイレ・バス等の水回り製品、壁紙や床材等のインテリア製品に関しての日本独自の取引慣行、商慣行について企業の売上等の経済現象だけではなく、企業とその内外の個人・組織と政治、法、文化、技術等の観点から多角的に把握し整理をしたうえで検討を行いたいと考えています。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
経営学
現代流通・
国際ビジネス研究
(グローバル・リテイリング)講義
現代流通・
国際ビジネス研究
(グローバル・リテイリング)講義
経営組織論
研究2
研究方法論
(定量)
合同演習
(グローバル・リテイリング)
合同演習
(グローバル・リテイリング)
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか
私は関西大学総合情報学部から受験をしました。大学で専攻していた分野と異なる分野であったため、筆記試験の勉強では、過去問題集で傾向を知り、試験範囲に対応する参考文献を読み込み、重要なキーワードについて自分の言葉で説明をすることを繰り返しました。また口頭試問対策として関連分野の近年の動向、事例等についてもネットの記事を読み準備をしました。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
学部生の時は環境経済学について研究していました。自ら学ぶ楽しさを実感し、大学卒業後も自分の興味のあることについて研究を行いたいと考えたことが大学院進学をめざした理由です。
本学を選択した理由は、日本のみならず海外でも活躍をしている企業に興味があり、小売業を中心とした流通システムやマーケティング方法を学ぶことができると考えたためです。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
現在は研究を行う際に必要な知識を身に付けるために講義を中心に学習しています。具体的には研究方法論という講義で研究手法について深く理解し、自分の研究の方向性、研究に対する自身の立場の表し方を学び、流通システム論、流通企業経営論研究、経営史研究、新興市場経済研究等の講義を受講し、歴史、理論そして事例研究から小売業についてさまざまな方向から把握しようとしています。さまざまな事例を学ぶことは今後の可能性を探るために非常に有益なことであると考えていますが、過去の事例を模倣するだけでは失敗することも数多くあるという点が、研究をする上でとても面白いと考えています。
ー 関西大学大学院商学研究科の魅力
本研究科の魅力は、充実したプログラム内容であると考えています。さまざまな分野で活躍されている教授の方々のもとで学習をすることができ、また議論を歓迎してくださるため、研究を行うにあたって必要である知識、方法を学べることはもちろんのこと、自分の興味のある事柄について深く研究する機会に恵まれていると考えています。
また私の選択したグローバル・リテイリング・プログラムでは各分野でご活躍されている実業家教員の方のお話を伺える機会や、海外の大学院生や教員や実務家の方々との小売業に関するワークショップに参加する機会があり、実務を意識した学習環境に恵まれていることも魅力的だと考えています。
ー 関西大学大学院商学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
関西大学商学研究科では、大学で学ぶこと以上に自分の興味のあるテーマに深く携わることができ、いつでも利用できる研究室や豊富なデータベースの利用など学習面でも非常に充実しています。
またさまざまな国の人たちや自分とは異なる分野の研究をされている大学院生も多く在籍しているため、さらに多くの新たな知識や見解を得る機会にも恵まれており、日々刺激を受けながら充実した学生生活を過ごしています。
これまで異なる分野を学んできた方々でも商学に興味がある方でしたら是非進学を検討してみてください。大学院で過ごす日々が必ず皆さんの成長につながると思います。
商学研究科 商学専攻
博士課程前期課程 2019年4月入学
(入試種別:外国人留学生入学試験)
進学先名:
関西大学大学院商学研究科
博士課程後期課程

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『日本企業の実体的裁量行動』
概要:
本研究は、利益マネジメントの一つの手段である実体的裁量行動は日本企業でどのように行われているか、各利益ベンチマークの達成のためにそれと会計的裁量行動はどのように使い分けているのか、さらに経営者がこのような企業価値を損なう行為を実施するインセンティブは何か、ということを資本市場面と契約面に分けて検討していきます。
ー 時間割

博士課程後期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
財務戦略会計
特殊研究(講義)
財務戦略会計
特殊研究(演習)
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
私は博士後期課程から関西大学大学院特別給付奨学金をいただいています。博士後期課程は授業回数が少ないが、研究に必要な時間は多いので、アルバイトする暇があまりなく、研究に必要なテキストや学術書は給付型奨学金を使って購入しています。留学生の自分にとって、奨学金制度は非常に重要だと思っています。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
乙政 正太先生
理由:大学院進学を決意した頃、私は財務会計の実証系の研究の、確実なデータに基づいて結論を導き出すという点に惹かれました。また、粉飾結果とは異なる利益マネジメントという行為に興味を持ち始め、財務諸表のデータを使用する際に、計算式に基づき指標の算出が必要ということが分かりました。そこで財務諸表分析が専門の乙政先生と出会い、先生のもとで勉強させていただくことになりました。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
私は指導教員を決めてから受験準備を始めましたので、関西大学の入試情報に入試用の参考図書があって、それを参考にしながら過去問を解き筆記試験の準備をしました。
また、面接の準備では、自分の研究計画書を踏まえ、面接での想定問答を準備し、事前に何度もリハーサルしました。
ー 修了後の進路希望
私は新しい知見を広げることについては大きな喜びと考えています。それと同じく、知識を授けることも自分にとっては大きな喜びです。大学教員では、自分の研究をしながら学生に授業します、二つの喜びを同時にいただけるから、自分は博士後期課程修了後には、大学教員になりたいと考えています。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
私は修士段階から、定量系の研究をしており、修士論文では主に回帰分析を用いた研究でしたが、現在では利益マネジメントの疑われる企業の特定の際に、ヒストグラムや折れ線グラフを使ったりもします。どちらでも統計知識が必要な研究手法で、最初は苦労しました。しかし、その意味が分かれば分かるほど、得られた結論の説得力の強さを感じることができます。
商学研究科 商学専攻
博士課程前期課程 2016年4月入学
(入試種別:一般入学試験)
勤務先名:
TIS株式会社(澪標アナリティクス株式会社出向)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『顧客動線データを利⽤した顧客の店舗内回遊⾏動とプロモーションとの関係』
概要:
店内における顧客の移動経路を調査した顧客動線データを⽤いて、顧客が店内を歩いた軌跡から顧客間の移動経路の違いを明らかにします。そして、移動経路の違いからShopping trip typeを定義し、Shopping trip typeとプロモーション(チラシ、エンド)との関係性を検証します。検証の結果、Shopping trip typeとチラシでは、「売場への滞在」に影響を与えることが統計的に有意であると確認できましたが、「売場への訪問」と「商品の購⼊」に対する影響は確認できませんでした。⼀⽅、Shopping trip typeとエンドでは、購買⾏動における訪問、滞在、商品の購⼊のプロセスに対する影響を確認できませんでした。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
大学院での経験を生かせている場面として、業務ではデータ分析を⽤いて企業の課題解決のため、顧客に提案し、分析・報告をするといった⼀連の全てで⼤学院で学んだ教えや経験を⽣かせております。学部卒業の⽅との違う点は、私が⽮⽥教授のもとで学んだこととして、①やり切ること、②極限まで追求し続けること、③データ分析の基礎知識&ビジネスの利活用、といったものが挙げられ、他の⼈よりも⾃主性やクオリティの⾼さで、頭⼀つ出ることができていると思います。よって、早い段階での昇格も可能であり、同期よりもプロジェクトマネージャーを早期に経験することができております。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
私はデータサイエンスの技術単体ではなく、データサイエンスを使って実際の課題にどう対処するのかに重きを置いておりました。こちらに関して、⽮⽥教授のスタンスとしてどうお考えなのか、お話させていただき、⾃⾝が考える軸とブレがないことを改めて確認ができた点がよかったと考えております。
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか
受験で何が求められるのかを⽮⽥教授にお伺いしたところ、統計検定2級を取ることが受験の対策に繋がることが分かり、早急に対策を⾏いました。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
矢田 勝俊先生
データ分析のインターンを行っていた際、現在お世話になっている澪標アナリティクス株式会社の井原社長と出会い、矢田教授をご紹介していただいたことが始まりでした。また、矢田教授は当時ではいち早く「AI・データサイエンス教育プログラム」を整えており、革新的であったことが主な理由でした。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
研究活動においては、小売店のデータ(お客さんが店内を歩いた位置情報の実験データと購入履歴データ)を購買行動に関する研究に活用すること、また、実際の企業の課題に対してデータ分析を通じて、打開策を提案することなど、ビジネスとデータサイエンスの両方を経験することができるおもしろさがあります。
ー 現在の就職先・職業を選んだ理由
企業の掲げる課題に対して、研究で培ったデータサイエンスの知見を使い、ITという道具で解決に導くことができるので、自身の経験を活かせること、また、将来性があると感じたからです。

社会学研究科

  • 在学生
  • 在学生
  • 修了生
  • 修了生
社会学研究科 社会学専攻
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:外国人留学生入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『中国における自閉症スペクトラム児をもつ親の語り:子どもの行動に関する葛藤の変容過程に着目して』
概要:
私は、現在『中国における⾃閉症スペクトラム児をもつ親の語り:⼦どもの⾏動に関する葛藤の変容過程に着⽬して』というテーマで研究を進めています。現在中国では、公的な場⾯で⾃閉症児の⾏動をめぐる解釈は多くの場合医学や心理学の視座から⾏われることがほとんどですが、⾃閉症家族に向けられた周囲からの差別や偏⾒を社会学の視座から読み解いていく作業も重要であると私は考えています。ですので、私の研究では、アメリカの社会学者であるゴフマンらのスティグマ研究を⽤いながら、公的な場⾯における⾃閉症児の⾏動に関する親の葛藤経験を、インタビュー調査を通して明らかにする作業を⾏っています。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 春学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
専門文献研究 社会学特殊研究 現代社会論研究 社会福祉学研究 演習B
合同演習1B 合同演習1B
都市社会学研究
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
相談内容はいくつかあります。⼀つ⽬は、研究⽣をやってから⼤学院⼊学試験を受けるかどうかの相談です。実は当時私は「研究⽣」を「博⼠前期課程」のことだと勘違いしていました。今振り返って考えると、「まず研究⽣になってから⼤学院⼊学試験を受験する」というのは⾃分の本意ではなかったのですが、やってみていいこともありました。私が研究⽣になった2021 年度は、コロナの影響で中国から⽇本への渡航が制限されていました。そのため、対⾯授業の代わりにオンデマンド授業をうけることになりました。研究⽣当時、指導教員は「わからないことがあれば、いつでも相談に乗るよ」とよく⾔ってくださって本当に感謝しかありません。⼤学院受験に際しては、多くのことを相談させて頂きました。また、研究⽣としての1 年間に指導教員から何回も⾃分の研究計画書の修正にアドバイスを提案してくださったり、勉強上の難点を解説して頂きました。いい先⽣に出会って、本当によかったなと思います。
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか
⼤学の時には⽇本語専⾨コースに所属していましたが、⾃分の⽇本語は上⼿だとは⾔い難いと感じていました。最初の頃は⽇本語能⼒試験N1 合格のためにこつこつ頑張りましたが、合格してからも専⾨分野の勉強を進める中で⾃分の⽇本語の語彙⼒不足が気になることが多くありました。私は関⻄⼤学で研究⽣として1 年間のオンデマンド授業を受けていましたが、授業内容についていけないことが頻繁にあるのです。専⾨分野を学ぶ上での⽇本語の語彙⼒の不足を補うために、さまざまな⼯夫をしてきました。例えば、聞き取れていなかった単語は普段⽇常⽣活で使われているものか、それとも専⾨⽤語か、それを把握した上で単語を⽂脈で捉えることをよくしました。さらに、専⾨分野に関する⽇本語の本をたくさん読んだり、本の中に出てきて⾃分の研究に使われそうな内容を暗記したりすることをよくしました。場合によっては、⽇本語の資料だけではなくて、英語または中国語の資料を読んだりすることもありました。要するに、⾔語をツールとして意識しつつ、社会学に関する勉強をしていました。こうした作業も受験準備に助けになるかもしれません。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
実は⼤学の学部⽣の時、クラスの中に⼤学院進学志望の学⽣はおろか、留学希望を持つ⼈もいなかったです。⼤学三年⽣の時、先輩から紹介してくださった⽇本へのインターンシップを機に、⽇本に留学しようというプランを持つようになりました。さらに、学部時代に受講していた「現代社会にある批判主義」「⼥性映画史」などの授業により、社会学という⾮常に広い分野の中の⼀部に出会うことが出来ました。「今の社会、特に中国には、隠蔽されたり、みんなに気付かれなったりするようなことがあるか」という問いかけを⾃分にしながら研究テーマを練っていきました。そして現在の指導教員と何回も研究内容について問い合わせたり、議論をしたり、テーマを修正するなどの作業をしました。そうした試⾏錯誤の中で受験先として浮上したのが関⻄⼤学⼤学院の社会学研究科でした。
関⻄⼤学に来る前には、関⻄⼤学の図書館は素晴らしいという噂を聞いていましたが、実際に⾒たら噂の通りだなと驚きました。暇さえれば、図書館またはスターバックスで本を読んでいます。勉強しやすい環境作りのおかげで、勉強の楽しさを思う存分味わうことが出来ています。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
「⾃閉症」というのは、⽇本の⽅々にとっては聞き慣れた⾔葉かもしれません。⽇本⼈の先輩たちと話をしたら、⽇本では「⾃閉症ってこんな感じですね」と、中国における⾃閉症児を取り巻く雰囲気とは全く別の認識を持っている⼈が多いことに気づきました。今、私は中国でインタビュー調査をやっている途中ですが、⼀番難しいのは⾃閉症を持つ⼦どもの親とどう接するかということです。⾔葉使いに気を付けたり、親の本⾳がどこにあるのかに注意を払わなければなりません。とはいえ、現在私が⾏っているインタビュー調査は、今まで多くの⽅が気づいていなかった⾃閉症を持つ親の悩みを共有したりする機会の⼀つだと思っています。今後はより良い家族⽀援やケア、そして親の孤独感や孤⽴感の解消を図るための施策を提案していければと考えています。
ー 関西大学大学院社会学研究科の魅力
社会学に対して「捉えにくい」というイメージを抱く⼈もいて、それを敬遠しながら避けていく⼈も多いように思いますが、私は関⻄⼤学⼤学院社会学研究科に進学してから正反対の意⾒に⾏き着きました。社会という「捉えにくいもの」についての分析は⼤変⾯⽩いと思っています。今、私は家族社会学に関するものを勉強していますが、それも社会学分野の中の⼀部にすぎないですし、家族社会学に関連するテーマも意外と多いです。そういう時に、私は⾃分の「家族社会学」に対する捉え⽅を⾃分の中で吟味するようにしています。最初のうちは単純な考え⽅しか出来なかったものが、関⻄⼤学⼤学院社会学研究科で勉強する中で、⾃分の研究⼒が向上し、知識がどんどん増えていくのを実感しています。さらに、熱心な先⽣⽅と先輩⽅がいつでも丁寧に知識を与えてくださったため、⾟い時があったとしてもそうした⽀えによって問題が解消できることもあります。そうした⼈間関係もこの研究科で勉強する際の魅⼒になっています。それも、みんなはそれぞれ異なる国籍を持ちながらも、同じ場所で勉強することでお互いの絆を⼤切にしているからこそなされていることだと思います。
社会学研究科
マス・コミュニケーション専攻
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:社会人入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『インターネット社会が与えた地域民放テレビ局へのビジネス的影響』
概要:
インターネット、動画配信社会が与えた地域民放テレビへの影響を地上波テレビのビジネス構造に焦点をあてどのような構造変容を迫られているか、要因を分析し放送現場へ与えている現状と今後の展望を考察します。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
放送メディア研究 メディア産業研究
広告研究 合同演習1b 合同演習 1b
メディア技術研究 国際
ジャーナリズム研究
演習B
メディア産業研究
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
出願前に、コンテンツ論かメディア論なのか、漠然としていた研究テーマの方向性を相談することができた。テレビの実務を経験している社会人学生だからできる現場のメディア状況、作り手や送り手、受け手に通じる研究テーマは何か、論文を書くことだけが大学院進学の目的でなく、地域放送メディアと社会に役立つ研究をすることが目的であることを共有できたことが良かった。また中国人留学生が多く、ジェンダー研究の希望者が多い、また平日昼の授業では社会人院生が極めて少ない等の現状を事前に伺えたことで大学院進学のイメージギャップに戸惑うことがなかった点も良かった。
ー お仕事との両立の工夫等について
覚悟はしていたが、時間・年齢・体力的に仕事との両立は非常に厳しい。夜間、土曜日授業演習のある経営学系の社会人大学院コースと異なり、平日昼間の履修しかできないため、履修科目も仕事に合わせて選ぶことになる。早朝一番に出社し、前日当日のメール連絡チェックをしてから大学院朝1限目の授業を週3日必ず取り、勤務先と往復して午後からの授業出席、また勤務先に戻り終電まで勤務。金曜夜から自室に籠もって土日は翌週の課題レポート作成、自身の論文テーマ研究と睡眠時間との闘いになる。夏期・冬季休暇中に勤務先の仕事をシフトさせるなど年間の計画性を持つことが最も重要だ。ただ同じ専攻で他に社会人学生がおらず、仕事との両立を相談したり一緒に頑張れる存在がいれば、他大学院・他学部の社会人学生の話を聞くと少し気持ちが楽になれるのでないか、と思えた。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
在京の大学(学部生)時代にジャーナリズム専攻から在阪テレビ局に入社し、35年以上コンテンツ制作現場に従事するキャリアの中で学生の頃からメディアビジネスの資本の論理とジャーナリズムが両立するのか、問題意識があり現場を離れた段階で民放テレビ研究やテレビ局で担当していたスポーツジャーナリズムのメディア研究を現場からの視点でやってみたいと考えていた。関西大学大学院は、メディア研究の領域が広く本来アカデミアとなじみにくい産業論の研究もあり、指導教授も在籍されていたため。もう一つは、社会人学生として研究と仕事と両立させたいために、物理的に勤務先から30分以内で通学、帰社できるという理由が大きかった。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
三浦 文夫先生
大学院進学説明会で当初、研究テーマとして考えていたスポーツジャーナリズムと地域放送メディア論を担当されていた教授が退官されることを知り、その説明会でテレビメディア産業論に関心があるなら、ということで三浦教授の研究を紹介して頂いた。三浦先生が大手広告会社出身で、テレビビジネスの実務家であったことから、メディアの現場経験を通じて地域民放ビジネスの構造と役割を体系化し、テレビ放送開始70年を迎えた区切りの年に、構造変容を迫られているこれからのテレビの将来像について研究できるのでないか、と考えた。三浦教授は、メディア産業をクリエイティブ、ポリシー、マーケティング、テクノロジーの4つの領域から研究されている点に、アカデミアのメディア研究では見落とされている現場の実務家に通じる研究である点に共感し、テレビ研究のテーマ設定も含めて三浦先生のご指導を得たいと考えた。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
指導教員の先生と連絡を取らせて頂いた際に、受験対策や事前準備のヒントを頂いた。社会人で準備に時間が限られていることがあり、筆記試験の比重が高いこと、基本的な社会学用語が説明できるように準備しておくこと、社会学用語は非常に範囲が広いので万遍なく習得するのは難しいが、入試の過去問に絞って関連用語を広げていく形で学習した。具体的には、社会学用語を自分の志望動機に合わせる形でメディア論、ジャーナリズム論、コミュニケーション論、ネット社会等テーマを整理し、テーマ毎に用語参考書籍やネット論文で用語ノートを作成し、テスト形式でレポート用紙に書いて回答、隙間時間に自作ノートと答え合わせする勉強方法を行った。
社会学研究科
マス・コミュニケーション専攻
博士課程前期課程 2018年4月入学
(入試種別:学内進学試験)
勤務先名:
RSK山陽放送

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『ポピュラー文化としての「七夕」の生成と変容』
概要:
明治時代に採用された太陽暦の影響で一度完全に衰退した七夕が、いつ、どのように復活したのか。「大正時代に“子ども”が日本社会で強く意識されたことにより教育的意味を帯び、再び都市文化として生成されたのでは」という仮説を立て、新聞や先行研究をもとに立証しました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
大学院においては、定期的に先生方や他の院生を前に自身の研究についてプレゼンする機会が設けられています。もちろん学部時代よりも質の高い発表が求められるため、「どうすれば限られた時間の中で、的確に情報を伝えることが出来るのか」という点については、かなり頭を悩ませた記憶があります。
現在、私は放送局で営業マンとして働いているのですが、クライアントへの提案時に上述のように考え続けた経験がかなり生きているように感じます。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
学部時代からご指導を頂いていた黒田先生に相談しました(院での研究室も黒田ゼミ)。相談内容は「院での研究テーマ」と「入学試験」についてです。前者については、学部での研究内容を踏まえた上でじっくり相談が出来たので、具体的な研究イメージを持って進学する事が出来ました。
相談したことで、事前に心構えと準備を十分に行った状態で進学する事が出来ました。後から振り返ると非常に良かったと感じています。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
私が大学院への進学を考えたのは学部4年次生の秋でした。当時から放送業界への就職を目標にしていましたが上手くいかず、黒田教授に相談しました。「もう一度院で勉強し直して、再チャレンジしてみたらどうだ」という教授の一言で進学を決意しました。
再チャレンジの結果、無事に放送局に就職する事が出来たので、あの時教授に相談して良かったと心から感じています。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
基本的には過去問題集を中心に対策を行いました。
入学試験では長文での回答を求められます。つけ焼刃の知識ではなく、問題に対して自身の言葉で回答する必要があるので、とにかく文献を読み込みました。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
私の研究では、七夕に対する意識の変化を新聞の紙面から読みとる事が、研究の中心作業でした。明治から昭和にかけての紙面を追いかけ、論調の変化を多角的に分析します。
膨大な資料を書庫で読み込み、まとめる作業はかなり大変だったように記憶していますが、研究が進むにつれて、私が生まれる遥か昔の時代の流れが明らかになっていきます。仮説段階では想像もしていなかったような発見ができる、ここに研究の醍醐味と面白さがあると私は思います。
ー 関西大学大学院社会学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
私は関西大学大学院の社会学研究科に進学出来て本当に良かったと感じています。指導教員の黒田教授はもちろん、他の教員からも非常に熱心にご指導頂きました。教員の研究テーマも多種多様なので、より多角的な指導を頂くことが出来ます。
また学内の設備についても、必要なものは全てそなわっていたので、上手く心の切り替えをしながら研究に没頭する事が出来ました。
研究への熱意に対してしっかりと応えてもらえる環境が関西大学大学院には揃っています。
社会学研究科 社会システムデザイン専攻
博士課程前期課程 2016年4月入学
(入試種別:外国人留学生入試)
職種:
総合職

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『日中企業における賃金管理の比較分析―職能給・職務給を中心に』
概要:
本論文は、日本と中国の基本給体系を比較しながら、それぞれの基本給管理の特徴や実態を確認した上で、現在の中国賃金システムの課題及び、今後の方向性を検討したものです。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
学部卒業で就職をしている方との違いは、物事においての「考える力」だと感じています。学部時代は主に知識を勉強しましたが、博士課程前期課程在籍時は問題を発見し、知識を用いて解決することに努力しました。これも社会人になってからさまざまなプロジェクトに参加する際、絶対に欠かせないスキルの1つです。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
自分の研究課題に熱心に取り組みました。より説得力のある論文を完成させるために、大量の文献を調べ、理論研究を組み立てると同時に、実態を把握するために地道な事例研究にも多くの時間を割きました。多くの方からご質問やご意見をいただき、考え方の多様さ、深く考えることの重要さ、研究の壁に何度ぶつかっても挫けずに乗り越えることの大切さを感じながら、自由に思考する充実した歳月を送ることができました。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
まず自分が関心を持っている研究科の教授へメールで連絡しました。教授から返答をいただき、この研究科で学ぶことができる知識および、進学するにはどのような準備が必要かを詳しく説明していただきました。当時迷っていた私にとって入試に対する不安や迷いが軽減され、非常に貴重な機会となりました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
関西大学大学院は十分に学生の学費及び生活を配慮し、奨学金制度に大きな支援を与えていると感じております。
博士課程の2年次に入ると、国際部と指導教員の推薦をいただいて、無事文部科学省留学生奨励金を獲得しました。そのおかげで自分の研究課題に熱心に取り組むことができました。
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか
異なる専攻を学ぶ時に重要なことは、本当にその分野に興味があるか確認しなければなりません。そして、自分の将来キャリアに役立つかどうかを考える必要もあると思います。
「千里の道も一歩から」ということわざのように、ゼロから出発し、まず研究生として、専門基礎知識をきちんと学んだ上で、入学試験に挑戦しました。
ー 関西大学大学院社会学研究科の魅力
社会学研究科では、自らの研究課題に熱心に取り組みました。ゼロから出発し、自身で決めた目標へ突き進んでいった2年間はあっという間でしたが、学問の面白さや厳しさ、考える力の多様さや重要さ、研究の壁に何度もぶつかっても挫けずに乗り越えることの大切さを感じながら、自由に思考する豊かな歳月を送ることができ、私の人生において大変有意義なものとなりました。

総合情報学研究科

  • 在学生
  • 在学生
  • 修了生
  • 修了生
総合情報学研究科 知識情報学専攻
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:学内進学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『安全関連系に対する最適保全実施方策に関する研究』
概要:
E/E/PE 安全関連系と呼ばれる、システムを安全に保つためのシステム(身近な例だと自動車の衝突回避機能など)をどのくらいの頻度でメンテナンスすればよいかを確率モデルを用いて解析。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
インテリジェントコンピューティングの応用
現代暗号理論
平面代数曲線論 カオス理論
データサイエンス 計算科学的
意思決定論
ソフトウェア
マネジメント
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
私は内部進学で、所属ゼミもそのまま(井上ゼミ)だったのでゼミの雰囲気はわかっていたのですが、私が4年次のときは大学院生が一人もいなかったのでイメージがつかめず、ついていけるか不安でした。先生にその旨を伝えたところ、「そんなに難しく考えなくて大丈夫」というようなことを言われたような覚えがあります。
ー TA・RA制度の利用にかかる経験談、よかった点
1年生の秋学期にソフトウェア実習とJAVAの実習のTAを担当していました。
それ以前は家の近所のパソコンショップでアルバイトをしていたのですが、フルタイムだったこともあり、アルバイトのある日はあまり研究などができませんでした。
TAに切り替えてからは大学で働けるので、学校に来るついでに働くことができてとても助かりました。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
学部3年次終わりぐらいまでは大学院進学はあまり考えていなかったのですが、指導教員との些細な雑談の中で、大学院進学の話題になり、色々聞いているうちに大学院進学がとても魅力的に思えて、進学しました。
同じゼミに進学した理由は、学部での研究を継続したかったからです。
ー 修了後の進路希望
修了後は就職を考えています。
ー 関西大学大学院総合情報学研究科の魅力
総合情報学研究科では様々な分野の授業が開かれているので、研究したいこと以外にも興味のある分野の先生の授業が生で聞けるのがとてもいい所だと思います。
総合情報学研究科 総合情報学専攻
博士課程後期課程 2022年4月入学
(入試種別:一般入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『人―計算機系の協調による、情報トリアージに関する研究』
概要:
災害発生時において、ソーシャルメディアには被害情報や救援要請がしばしば投稿されます。しかし、これらの情報を活用するためには、膨大な投稿の中から、必要な情報を遺漏無く抽出する必要があります。本研究では、情報の信頼性を担保しつつ、災害とは無関係な情報を排除することで、人と計算機系が協調する情報トリアージ(情報の取捨選択)の方法論確立をめざします。
ー 時間割

博士課程後期課程 1年次 春学期・秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
インタラクション
デザイン
特殊研究演習
インタラクション
デザイン
特殊研究講義
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
学部および修士・博士課程での指導教員との面談では、入学後の計画について相談しました。博士課程後期課程の3年間を通した研究計画、卒業要件を満たすための学会誌投稿スケジュールなど、親身にアドバイスしていただきました。また、就職か進学か迷っていた際には、その選択肢を選ぶことでどんな成長ができるか、どのようなことが今後可能になっていくか、各々の選択の観点から一緒に考えていただきました。自分自身を見つめ直す良いきっかけになりました。
ー TA・RA制度の利用にかかる経験談、よかった点
博士課程前期課程では、TAとして従事していました。TA制度の良い点は、学校内で全て完結する点です。私は、普段から学内の研究室に篭って修学する習慣があったため、大学のキャンパス内で働くことができる点は非常に助かりました。ただし、自身が入れる授業には限りがあるため(募集要項を満たしているか・自身が履修している授業時間と被っていないかなど)、学外でのアルバイトと比較すると、より短時間での勤務になりました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
奨学支援制度の中で、現実的に利用可能なもの(学内で申請可能なもの)は、主に関西大学による奨学金制度(給付および貸与)・日本学生支援機構による奨学金制度(貸与)があります。私はこの両方の制度に助けられています。上述のTA制度と併せて利用することで、自身の研究室活動に集中することができました。充分な研究成果を上げることで、返済免除になる可能性もあります。無理してアルバイトと研究を両立させるくらいなら、将来の投資として奨学支援制度の活用をおすすめします。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
大学院進学のための一番の受験対策は、志望する指導教員とよく相談することでした。博士課程前期課程・博士課程後期課程どちらも口頭試問があり、自身の研究内容や今後の研究活動について徹底的に深掘りされます。筆記試験については、総合情報学部オフィスに行くと過去問題の閲覧が可能なので、志望するコースの問題をよく読み、それに沿った分野の理解を深めました。また学内進学の場合は、まず担当教員の授業について理解を深めることが大切だと思いました。博士課程後期課程での英語力に関する筆記試験では、普段から英語論文を読み、自動翻訳機を使わないことを意識しているだけで、それまで培ってきた日本語力で解くことができました。
ー 関西大学大学院総合情報学研究科の魅力
AI技術の急速な発展により、多くの大学で新学部が設置されたり、企業でデータサイエンス活用事例が増えたりなど、情報科学はこれまでより重要な役目を担うこととなりました。総合情報学研究科では、情報工学的な技術の進歩に貢献できるだけでなく、社会科学的な立場に立って実社会にどのように貢献できるかなど、文理融合型の学問を修めることができます。
総合情報学研究科 総合情報学専攻
博士課程前期課程 2019年4月入学
(入試種別:学内進学試験)
進学先名:
関西大学大学院
総合情報学研究科
博士課程後期課程

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『買物の不便さと地域の相互扶助』
概要:
農村部だけでなく都市部でも高齢者の買物の不便さが増加しています。自発的に参加可能な集団への所属が相互扶助を強め、その相互扶助により買物の不便さが弱まることを、JGSS-2015「第10回生活と意識についての国際比較調査」の個票データを用いた二次分析によって示しました。
ー 時間割

博士課程後期課程 2年次 春学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
課題研究 社会的影響論
インターネット
心理学特殊研究
ー TA・RA制度の利用にかかる経験談、よかった点
実習科目「経営情報処理実習」のTAと関西大学教育推進部・教育開発支援センターの設置する高槻キャンパスのライティングラボのライティングチューターをやっています。経営情報処理実習は品質管理(TQC)の基本的な考え方と分析で、Excelによる作図、分析の補助業務を行います。私自身、QC活動の経験がほんの少しあります。TAとして学生さんの疑問に答え議論することで、彼らの発想と新しい提案を学ぶことができます。ライティングチューターは、ライティングラボで対面あるいはオンラインで大学のレポートなどの文章作成の相談を行います。文章の書き方といっても、書いたものが何もなく、テーマやレポートの構成を決めるところから一緒に考えることもよくあります。書けなくてしょんぼりしている学生さんが、話し合いの末に「書けると思います!」と笑顔になる姿にやりがいを感じます。オンラインでは、高槻キャンパス以外の学部の学生さんの相談を受けます。その場合、「研究分野の異なる人にも伝わる文章」になるようアドバイスすることが多くなります。何を主張したいのか、どういうロジックなのか、何を使って説明するのかをわかりやすく伝える文章を作成するのは、自分が論文を執筆するときと同じです。TAは研究の妨げにならずに収入を得る手段でもありますが、私にとって課題解決能力や論文執筆能力を高める経験としての価値が大きいと感じています。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
博士課程前期課程、博士課程後期課程を通して、関西大学大学院特別給付奨学金を受けています。私は看護師養成所の専任教員の資格を持っており、以前から看護師養成の短期大学や大学の病院実習の非常勤教員の仕事をしていました。病院実習の非常勤教員の仕事は通常の看護師のパートタイム就労とは異なり2~3週間を1クールとした勤務になります。そのため、学業に支障のない長期休暇中などに集中的に働くことが可能でした。ところが、コロナウイルスの流行で、博士課程1年次の3月にすべての実習がストップされました。日本中の医療系の教育機関が同じ状況で、2年近く実習指導の仕事はありませんでした。実習が再開された今も、学生や院内で感染者が出たら中止、あるいは実習期間が変更となり、不安定な収入が続いています。この給付型の奨学金を年間の学費に充当できたことで、研究や勉強の時間を確保でき、大きな安心につながりました。在学できる期間には限りがありますから、できるだけ多く研究に専念する時間をつくる必要がありますが、大学の研究室に来ない曜日があれば、何かしら効率が悪くなります。たとえ体力的に無理がない仕事であっても、その日は仕事に気をとられ、余計な時間も使わなければなりません。奨学金を利用することで、自分の体力や気力を温存し研究の効率を高めることができます。この給付型奨学金に大変感謝しています。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
学部と研究科は同じでしたが、研究分野を変えたため、博士課程前期課程から博士課程後期課程に進むとき研究科の中で指導教員が変わりました。博士課程前期課程の指導教員に進学を相談した時期が博士課程2年次の6月と少し遅く、私の研究の関心に対応できる他大学や他の研究科について助言をいただいたものの、決断できずにいました。現在の指導教員である森尾博昭先生に受け入れを相談したのは博士課程2年次の9月、受験を考えていた他大学で事前にアポイントを取ることのできる期限ぎりぎりになっていました。森尾先生には、自分の年齢のこと、研究の方向転換と行き先の迷い、期限が迫っていることも正直にお話ししました。先生からは、私の修士論文のテーマのままでは指導できないこと、私の関心ごとと先生の専門分野の一致するところとしないところ、博士号を取得するまでのスケジュールの概要など、明確に詳細に説明していただきました。研究分野を変えて3年で終われるのか?というシビアな話もありました。私に足りない研究に必要な知識をどうやって得ていくかについても多くの助言をいただきました。この面談で全ての迷いがふっきれて、先生のもとでやっていこうと気持ちを切り替えることができました。私の場合は、先行研究や理論も一からやり直しになりましたが、研究の目標を持ち、モチベーションを維持しながら取り組めています。事前の先生との面談で、研究内容だけでなく、「博士号取得の障壁は何か」を整理したことがとても良かったと思っています。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
森尾 博昭先生
森尾博昭先生の講義を初めて受けたのは、総合情報学部の導入ゼミでした。導入ゼミは少人数で受けるノートのとり方、発表の仕方、レポートの書き方などの初年次教育の授業です。久しぶりの学生生活、今どきは大学でこんなことを教わるのかと驚愕しました。その後、先生の専門科目の講義を履修しました。先生の講義は単位が取りにくいと聞くこともあったので、取れた時はとてもうれしかったです。博士課程の指導をお願いしたのは、私の研究の関心ごとの向社会的行動を扱う領域である社会心理学をご専門にされているからです。とはいえ、向社会的行動を研究されているわけではなく、ましてや老年学や発達心理学は関係しません。もし、私と先生の研究の関心ごとが同じだったとしても、100%一致することはなく、ひとりで決めてひとりで進むのが研究者なのだということを先生から日々教わっています。私が迷ったり、決めかねたり、不安になったりする時、先生はいつも「髙橋さんの研究だから髙橋さんが決めるのです。」と背中を押してくださいます。おかげで、少しずつ前に進めています。
ー 関西大学大学院総合情報学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
高槻キャンパスは総合情報学部と総合情報学研究科だけです。ホームページやパンフレットにある設備はもちろんですが、院生に用意されている研究スペースはかなり広く、多様なアプリケーションが利用できます。学部の実習を行うC棟の設備もルールに従えば自由に使え、技術スタッフの方々や学生TAが対応してくださいます。どのキャンパスの図書館も行って利用できますが、図書館サービスを利用すれば高槻にいても研究に必要な図書や資料が簡単に手に入ります。他大学からの複写の取り寄せや本の閲覧などもできます。どの課題研究科目名にも「情報」や「コンピュータ」に関連する言葉がついているので、情報系の単科大学の研究科にみえるかもしれませんが、先生方はさまざまな分野の専門家です。研究の自由度が高く、他大学から入学する人の出身学部も多様です。関西大学の多様な学術交流イベント、講座などに参加すれば、他のキャンパスに行くこともあり、研究やプロジェクトを通して他の研究科の院生と知り合うこと、TAとして他のキャンパスで勤務することもあります。普段は高槻の静かな自然豊かな環境で過ごします。おかげで、学生同士、学生と先生方の距離感が近く、サポートして下さるスタッフの皆さん(オフィス、図書館、学生サービスステーション、関大生協の売店やお弁当販売、安全・保安、清掃など)もとても親切です。山の動物たちは学年暦を把握しており、学部の試験期間が終わると鹿、猪、アナグマ、ウサギは昼間でも出てくることがあります。早朝にリスがくるくる木に登るところや、夕方にバス停で猪の親子がとことこ歩くのを見られるかもしれません。去年は大学院棟の建物をキツツキがこんこんつついていました。総合情報学研究科は、こんな山の中なのに設備がクール。関西大学の中で最もユニークで、充実した研究生活をおくれるところだと思います。
総合情報学研究科 総合情報学専攻
博士課程後期課程 2019年4月入学
(入試種別:社会人入学試験)
勤務先名:
三菱電機(株) 先端技術総合研究所・主席技師長

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『Research of Visual Haptics for Remote Machine Manipulation via Brain Signal Evaluation toward Robot Implementation』
概要:
誰もが、いつでも、どこでも使える遠隔操作システムを実現するために、シンプルかつ直感的な操作インターフェース実現が必要です。人の認知特性を活用した視覚的力触覚の遠隔操作システムへの適用を提案し、その有効性を脳波評価により実証しました。さらに、提案手法のロボット実装方法に関わる研究と評価を実施しました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
本課程での研究内容をベースに、仕事での研究開発を推進。ユニークな仮説提案と立証により、仕事でのプロジェクトと共同研究を実施しながら推進しており、事業化に向けた活動もスタートしています。
本成果は、これまでにさまざまな展示会に出展するだけでなく、世界820チームが参加する遠隔操作ロボット大会において日本最高位の12位を獲得しました。これら活動の一覧は以下のホームページに掲載予定です。
https://metoa.jp/innovation/visual-haptics/index.html
https://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/sustainability/management/sdgs/13/
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
社会人学生としての入学を検討していたため、仕事との両立についての不安と、これまでに論文誌掲載経験がない不安について林勲先生と荻野先生に相談をしました。授業のフレキシブルな実施を検討と、博士取得のための研究の進め方について丁寧に説明を頂き、前向きな気持ちで出願をすることができました。入学後には、実際の履修を林先生、米澤先生にフレキシブルに実施頂くことで仕事と両立した受講ができました。また、両先生の講義では研究テーマに近い領域での視野を広げることが出来、有意義な時間となりました。
ー お仕事との両立の工夫等について
上記記載のように、指導教員方が仕事との両立を考慮した講義形態を検討頂けたことで無理なく履修をすることができました。また、研究テーマを仕事の共同研究の延長線に設定したことで、社会人学生としての研究成果と仕事の成果を一致させることができました。指導教員と仕事の上司の協力があったことで充実した研究への取組ができ感謝しています。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
研究の原点として「より良い世界」につながることを意識しています。自身の技術分野や流行りの技術分野にとらわれず、この原点に立ち返ることでユニークな研究仮説を立案することができました。仮説を立証する「難しさ」に直面した時に、指導教員の方々の支援には感謝をしています。また、研究をする過程においての「出会い」も素晴らしい財産になりました。研究の「おもしろさ」は、仮説立証という喜びだけでなく、その過程での「出会い」や自身が感じる「成長」、そして何より、誰かを幸せに出来る、あるいは、出来るかもしれない、という実感だと思います。
ー 関西大学大学院総合情報学研究科の魅力
実力と多様性のある指導教員、学生の方々。私自身が20年間の企業研究所の生活において、本専攻ではトップレベルの知識とスキルと実行力を兼ね備えた高いレベルの先生方や学生の方々との「出会い」がありました。昨今オープンイノベーションという言葉の意味を入学前には理解出来ていませんでしたが、最先端技術の知識とスピードのある実装と経験値の習得が可能な点が魅力的な点だと感じました。また、実際にモノづくりを実践できる充実したMonoLaboのスタッフと設備も素晴らしいです。最後に、疲れた頭と心を癒してくれる素晴らしい見晴らしの眺望は最高です。
ー 関西大学大学院総合情報学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
私は修士課程修了後、20年目に本専攻で博士号を取得しました。「博士」を取るなら、自分が心から納得できるテーマにしたいという想いがありましたが、その夢を実現させることが出来ました。企業での研究業務と並行して、個人の活動としてスタートした社会人学生は犠牲にするものもありましたが、充実した時間であり、自分の選択に間違いがなかったことに自信を持てました。社会人として組織の中での役割の重要性を知りながら、「個」としての目標や成長、人との「出会い」が、仕事だけでなく、その先の人生を豊かにしてくれることになると思います。
勇気をもって、
“FOLLOW YOUR HEART!!!”

理工学研究科

  • 在学生
  • 在学生
  • 修了生
  • 修了生
理工学研究科 環境都市工学専攻
エネルギー環境工学分野
博士課程前期課程 2021年4月入学
(入試種別:一般入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『Aluminosilicate, zincosilicateの合成とLi+のイオン交換』
概要:
電気自動車の需要拡大が見込まれ、それのバッテリー源であるリチウムが不足すると予測されています。それに対応するために吸着剤を合成し、リチウムの吸着をめざしています。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 春学期
空きコマは研究活動

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
環境分析工学特論
エネルギー環境
工学特論
環境化学特論
分析・構造解析の
理論と実践Ⅰ
機能物質工学特論
エネルギー・環境
工学ゼミナールⅠ
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
大学で学んだ知識、経験を活かして、奥深く、幅広く学べると思いました。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
三宅 孝典先生
指導教員はとても知識豊富であり、自分の成長につながると感じたので選びました。
ゼミの時、とても厳しくつらい思いをした時もありました。しかし、学生のことを思っているからこそ厳しさがあると考えました。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
大学院受験科目は化学工学、物理化学、英語の3科目でした。難易度は定期試験と同じ難易度と感じました。難しい問題よりも基本を中心に勉強しました。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
まずはしっかり、プロセスを理解することから始めています。その後、実際に実行することを心がけています。面白さは成功したとき、その成果がどれだけ役に立っているのか考えることです。難しい点は結果が出にくいところです。3つの条件がそろわないと成功しないので、それを合成するのは大変でした。
ー 関西大学大学院理工学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
大学院の進学を考えている人にアドバイスをするならば、失敗がほとんどです。トライ&エラーを心がけることです。
理工学研究科 システム理工学専攻
機械工学分野
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:学内進学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『導電性軸受の検討』
概要:
さまざまな機械や生産設備で使用されている転がり軸受の故障原因の1つとして電食というものがあります。これは、回転中の軸受内部に電流が通過した時に軸受を損傷させる現象のことで、軸受の寿命低下につながります。そのため、軸受の故障原因である電食を防ぐ軸受の開発を研究目的としています。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
機械工学
ゼミナールⅡ
エンジニアリング
トライボロジー
ヒューマン
インターフェイス
特論
ー TA・RA制度の利用にかかる経験談、よかった点
学部時代にも受けていた授業のTAを担当しました。教授の説明を改めて聞き、学生の質問を受ける中で、私が学部時代に受けていた時に分からなかったことが理解出来たり、新たな視点で考えることが出来たので、TAとしても自分の役に立ち、理解を深められたと感じています。また、自身が学部時代にTAの方々にお世話になったので、今度はTAの立場として学部生の力になれたのなら幸いです。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
特に大学院1年次は授業に加え、研究、就職活動とすることが多くとても忙しいと感じました。そのため、アルバイトをする時間もあまりなかったので、奨学金の援助はとても助かりました。奨学金の援助により研究に専念できたと思います。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
大学院進学の理由として大きく二つあります。一つ目は大学院に進むことで専門的な知識を身に付け、意欲的に研究に取り組みたいと思ったからです。二つ目は私自身が将来何をしたいか明確な道が見つかっておらず、興味のあることが何かということを大学院生活で探したいと思ったからです。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
面接対策に注力しました。自分が大学院で何をしたいのか、どう過ごしたいのかなどを見つめ直し、しっかりと自分の熱意や意見を伝えられるように話す練習をしました。また、自分の研究についても誰でも理解できるような内容で伝えられるように分かりやすく説明する練習も行いました。
ー 関西大学大学院理工学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
大学院は正直なところ大変ですが、研究で成果を出せた時や自身の成長を感じた時は大学院に進んで良かったと感じます。研究等で壁にぶつかる場面もあると思いますが、研究仲間や教員の方々の支えはとても心強いので、時には頼って一人で抱え込まないことが大切だと思います。大変という言葉を裏返せば充実した日々を過ごすことが出来るということだと思うので、目的をもって過ごしてほしいと思います。
理工学研究科 環境都市工学専攻
都市システム工学分野
博士課程前期課程 2018年4月入学
(入試種別:学内進学試験)
勤務先名:
大阪府庁 土木職

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『確率台風モデルを援用した瀬戸内海における高潮の統計的予測手法に関する研究』
概要:
近年、地球温暖化の影響により気象が極端化し、大型で強い台風が来襲する頻度が高くなっています。特に台風強大化の影響を受けるのは高潮災害です。大きな被害をもたらす高潮は低頻度事象であるため、観測数が不足しています。そのため、観測データを基に高潮の確率評価を行うことは困難です。今後、アンサンブル気候予測データベース (d4PDF) 等を用いて、高潮の生起確率の将来変化を予測することが望まれるが、統計的な高潮予測手法に関する研究はこれまでほとんど行われていません。本研究では、全球確率台風モデルと非線形長波モデルを用いて高潮解析を行い、瀬戸内海を対象に高潮簡易予測式を提案し、高潮の将来変化を評価しました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
受注者との打ち合わせで専門的な話になった際に、話の内容をイメージする力や細かな部分に気付くことできる力は、専門的な知識や深く考える力を身に付けることができる大学院での経験が生かされていると感じます。また、研究発表等で大勢の前で話す機会を多く経験させてもらったので、地元説明会等でもあまり緊張することなく話せています。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
大学院進学を考えるにあたり、事前に、大学院で得られる経験、海岸工学の魅力および研究について丁寧に説明していただきました。その中でも、海岸工学には未解決の課題がたくさんあるため、最先端の研究ができるという点にとても興味をもちました。進学前に相談できたことにより、進学に対する不安を取り除くことができ、進学意欲を高めることができました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
私は関西大学大学院特別給付奨学金を利用しました。授業と研究と論文作成とで、アルバイト時間を確保するのが難しい時期が何度もあったので、非常に助かりました。また、研究への取り組みを奨学金という形で評価されたこともあり、さらに研究に対するモチベーションを高めることができました。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
4回生時の特別研究を通じて、試行錯誤しながら答えを導き出すことに面白みを感じ、本学で同じ研究テーマをさらに追究していきたいと強く思ったため、進学を決めました。また、進学後に見聞を広げ、多くの選択肢の中から就職先を決めた方が良いと考えたことも、進学を決めた要因の一つです。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
安田 誠宏先生
安田先生を指導教員に選んだ理由は、学部で受けた授業の中で一番面白い研究分野だと思ったからです。また、安田先生は、国際会議など様々な学会に参加する機会を設けてくださったり、研究に行き詰まっているときは夜遅くまで解決策を一緒に考えてくださったりして、あらゆる面で手厚いサポートをしていただきました。
ー 関西大学大学院理工学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
大学院では、自分が興味のあることについてとことん没頭することができ、ここでしかできない経験や出会いがたくさんあります。また、大学院で身に付けた専門性を生かす就職先にこだわる必要はなく、勉強して楽しいことと仕事にして楽しいことは必ずしもイコールである必要はないと就職後に感じました。なので、学部生活だけでは経験することができない、一生の糧となる大学院生活を十分に楽しんでください。
理工学研究科 化学生命工学専攻
生命・生物工学分野
博士課程前期課程 2018年4月入学
(入試種別:学内進学試験)
勤務先名:
石原産業株式会社 研究員

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『タバコ培養細胞BY-2の細胞周期の進行に伴う核の移動機構』
概要:
植物における核の移動と定位は、植物の発生や分化に非常に重要です。本研究では、核の移動について細胞骨格である微小管の役割および核周辺に局在するタンパク質の機能を解明することを目的としました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
会社業務でも研究に取り組んでいることもあり、仮説を立ててそれを検証するプロセスは大学院で身につけた研究経験が生かせていると感じています。農薬事業に従事しており、研究や大学院で学んだ生命科学の知識はとても役立っていると感じます。
学部卒との違いは、業務改善等を含め課題を見つけて、改善を図る行動を自主的に取り組める点だと感じます。身近な学部卒の人達は言われたことをとりあえずこなしていくことを求められていますが、大学院卒は業務改善も含め自分から周囲に働きかけて変化をもたらせることが会社から求められていると実感しています。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
大学に入学した時から、大学院への進学を希望していましたが、さらにそれを後押ししたきっかけは4年次から始まる研究室での研究活動です。専門分野はとてもニッチな世界ですが、世界で誰も解明できていないことに取り組むやりがいと楽しさを感じました。
大学院への進学は、研究テーマで何か成果を1つでも残して論文投稿したいという思いで進学を決意しました。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
農薬事業に従事しており、残留農薬の分析や新規農薬の創薬に従事しています。液体クロマトグラフィーや質量分析計を用いた業務を行なっています。大学院の時には顕微鏡ばかり覗く日々でしたが、全く異なる分野に従事することになり、今でも勉強の日々です。創薬活動において、有機合成、生物活性評価、安全性・代謝の3分野が連携しており、代謝を担当に業務を行なっています。特に難しいと感じることは、他部署への情報の出し方です。非専門の人に正しく情報が伝わるように工夫することです。ただ、いろいろな部署の人と連携してこの世にない全く新しい農薬を作るために切磋琢磨するのはとても面白くやりがいがあります。
ー 現在の就職先・職業を選んだ理由
大学院の研究で植物を研究題材としていたこともあり、漠然と植物に関わるような業界に興味を持っていました。また、研究に従事して社会の役に立つものを作りたいと考えていたので、研究職に就くことは自分の中で譲れないポイントでした。就職活動の中で農薬事業を知り、ご縁もあり現在の会社に就職しました。大学院時代とは専門分野は異なりますが、その時に身につけた知識や技術は業務内でも活用でき、大いに役立っています。
ー 関西大学大学院理工学研究科の魅力
生命生物工学分野では、医薬品、食品、微生物、植物などさまざまな研究をしている研究室があります。生物に関することを理学から工学的内容まで幅広く研究している点はとても魅力だと思います。
学生時代に、他研の友人と研究の話をしたりして、自分の専門だけを追求するのではなく、幅広く知識を身につけたりして、新しいアイデアに繋がったと感じています。
ー 関西大学大学院理工学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
生命科学に関する幅広い研究をしているのが魅力だと感じています。
就職でそのまま自分の専門に行ける人もいればそうでない人もいると思います。大学院で専門を追求しながら、他領域にもアンテナを伸ばして様々な知識を身につけ、物事をいろんな角度からみる習慣が身につく環境がこの研究科には備わっていると思います。是非、理工学研究科に進学して有益な時間を過ごして欲しいと思います。

外国語教育学研究科

  • 在学生
  • 在学生
  • 修了生
  • 修了生
外国語教育学研究科 外国語教育学専攻
外国語教育学専修
日本語教育分野・2年コース
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:外国人留学生入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
題名:『中国人日本語学習者が感謝場面で遭遇する問題を解決するために』
概要:
日本語の「感謝」および「感謝への応答」に関しては、学習者が母語や自国の文化の影響を受けていることや、日本語教育と実際の言語使用との間にギャップが存在することが原因で、日本語の感謝場面において、学習者が適切に振る舞うことは難しいと言えます。それを受け、本研究は、中国人日本語学習者が感謝場面で遭遇する問題を解決することをめざしています。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
アカデミック
ライティング2
(日本語)
言語政策論
前期課程演習1b コミュニケーション
研究
(質的研究法)
外国語教育論5
(文法)
(日本語)
外国語学習者論 外国語教育教材論2
(日本語)
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
志望指導教員に、研究計画書を送付し、関西大学大学院であればどのように研究を進めることが出来るかを相談しました。出願前に先生に自身の研究したい内容を伝え、アドバイスをもらったことで本学で研究を続けるイメージが出来ました。
また参考文献や引用の書き方なども丁寧に教えてもらったことで、この先生のもとでなら安心して研究が進められると思いました。
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか
自分の研究計画書を複数の先生に読んでもらい、いろんな意見を聞くことによって、新たな視点を養うことを大切にしていました。また出身学部と志望研究科の専門分野が異なる分、出来るだけ多くの専攻文献を読んで、知識を身に付けるとともに、自身の興味・関心の幅を広げることを意識しました。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
日本語教師をめざしているため、言語に関する知識を増やし、コミュニケーションについて深く学びたいと考え、大学院に進学しました。また本学を選んだ理由としては、日本語教育学領域において、日本語教育に関する知識だけではなく、授業実践を行う科目なども設けられていることが魅力でした。
ー 修了後の進路希望
中国に帰り、昔からの夢であった日本語教師になりたいと考えています。大学院で学んだ知識や経験を生かして授業を行っていきたいです。
ー 関西大学大学院外国語教育学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
自分の関心を持つ分野、話題、めざすべき方向性を探し出すことが大事だと思います。それが学びの原動力になると思いますので、いろんなものに触れ、興味・関心を広げてもらいたいです。
外国語教育学研究科 外国語教育学専攻
博士課程後期課程 2022年4月入学
(入試種別:社会人入学試験)
勤務先名:
関西大学・非常勤講師

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『機械翻訳を英語学習ツールとするために-大学生の気づきを高める研究』
概要:
機械翻訳(MT)の教育的利用がテーマです。学習方略、自己調整学習などの理論的枠組みをもとに、MTを用いた英作活動を通して、ことばへの気づき(メタ言語知識)や産物、自己効力感などの心理的要因がどのように変化するのかを明らかにしたいと思います。
ー 時間割

博士課程後期課程 1年次 春学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
後期課程演習1a
応用研究法2
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
関西大学大学院特別給付奨学金をいただいています。経済的にも負担が軽減されて、とても感謝しています。
ー お仕事との両立の工夫等について
後期課程に進学する際に、仕事量を減らしました。現在は授業日と研究日とを区別して、研究に集中することができています。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
当初は英会話学校などで教えていましたが、応用言語学の理論を学びたいという思いから、英国の大学院でTESOL(英語教授法)を修了しました。その後、複数の大学で英語を教えていましたが、現場で直面するさまざまな課題を解決したいと思い、再び大学院の扉を叩きました。「私は “practitioner” (教育の実践者)で、研究には不向きだ」と思っていましたが、今は研究がすごく楽しいです。現場の視点を研究に生かし、そして今度は研究の成果を現場に還元できるよう、日々、努力しています。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
竹内 理先生
前期課程から引き続き、竹内先生のもとで研究を続けています。私の研究には、動機づけ、学習方略、自己調整学習、CALLなど、竹内先生のご研究の蓄積が土台になっています。いつも的確な助言や研究のヒントをいただいています。ゼミでは幅広いテーマを扱っているため、ゼミの仲間からも刺激を受けることができ、視野が広がりとても勉強になります。
ー 関西大学大学院外国語教育学研究科の魅力
英語教育研究の第一線でご活躍されている先生方のもとで学べることは、最大の魅力です。研究科には現役教員の方もたくさん在籍されており、現場の声が参考になります。全ての研究の基礎となる統計については、基礎から最先端まで学ぶことができます。研究者を目指す方はもちろん、教育現場で課題解決を模索されている方にとっても、理想的な環境だと思います。
外国語教育学研究科 外国語教育学専攻
博士課程前期課程 2019年4月入学
(入試種別:社会人入学試験)
勤務先名:
西宮市立甲陽園小学校 教諭

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『小学校外国語教育における 「学習評価ハンドブック」の開発と評価』
概要:
普段の業務が多忙化する中で、学習評価についてじっくり学ぶことができない先生方に評価に関する事柄を図解することで、 短時間で学習評価について学ぶことができるようなハンドブックを作成しました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
【授業公開】
市内の先生だけではなく、大学生や大学院生など将来教員を目指す方々にも授業を見ていただく機会が増えました。
https://www.manabinoba.com/tsurezure/author/_167/

【講師依頼】
大学院での研究を生かして、勤務している自治体だけではなく、全国でのレポート発表や学会発表、講師などを依頼されることが多くなりました。

【研究の成果発表】
さまざまなところで研究成果を発表し、現場への還元をめざしています。
https://www.manabinoba.com/ideas/020788.html
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
自分が研究したいことをレポートにまとめ、そのファイルをメールで送信しました。
指導教員(竹内理先生)より、研究の流行も含めて「このような視点もあるのでは?」というご助言をいただきました。自分の研究への新しい視点を見つけることもできました。それをもとに、自分の研究したいことは何かについて再考したり、レポートを改善したりして、院試に向けて準備をしました。
ー お仕事との両立の工夫等について
仕事が終わってから、通学するのは大変でした。教員をしながらの取り組みだったので、6限目始業に間に合わないこともありました。課題に取り組んだり、研究を進めたりする時間は限られているので、通勤(通学)時間を有効に使うことを心がけました。かなり忙しいスケジュールでしたが、「忙しさを言い訳にしない」と決め、見通しを持って何事も取り組むようにしました。
リモートでの授業が始まり、仕事だけではなく、家庭との両立ができるようになりました。余談ですが、子どもたちがオンライン授業に登場するというトラブルも多々ありましたが、子どもたちにとっては父親と一緒に学ぶ楽しさを感じられたようです。
ー 長期履修学生制度利用にかかる経験談、よかった点
3年かけて無理なく単位を取得することができました。また仕事の両立を目指すため、6・7限で連続しないような余裕のある時間割をつくることができました。
仕事の関係上、夜(6・7限目)の授業しか受講することができないので、仕事が休みである土曜日の授業も受講しました。
最後の一年はゼミと自分の興味のある授業をいくつか取るだけで修了することができ、自分の研究を集中して取り組めました。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
進学前にいろいろな研究発表や授業公開をしていました。その中で、現場の先生たちが外国語教育に関して困っている実情があることに気づきました。大学院に進学し、「現場の先生を助ける」という目標を定めました。自分なりに研究を進めていくうちに専門家としての確かな力をつけたいという思いも抱くようになりました。
兵庫県の小学校教員として勤務していたので、通学時間がかかることも含めて、どの大学院を選ぶか迷うこともありました。しかし、「外国語教育学」という点であればやはりこの大学院の研究科しかない!と進学を決意しました。
ー 関西大学大学院外国語教育学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
外国語教育学研究科には豪華な先生たちが勢揃いしています。さまざまなエキスパートの講義を受けることで自分の研究を深化させることができました。
また、同志には色々な専門や得意分野がある人がいました。その方々との議論を繰り返す中で、自分にはない視点に気づくことができました。修了後もつながりが生まれ、困った時は頼ることができ、研究のことや授業づくりについて相談しています。
もちろん、働きながら通学することは大変です。ただ、忙しさや大変さを言い訳にしてしまうとせっかくのチャンスをつかむこともできません。何事もチャンスだと思って、前向きに取り組んでみてはいかがでしょうか?
外国語教育学研究科 外国語教育学専攻
博士課程後期課程 2012年9月入学
(入試種別:一般入学試験)
勤務先名:
立命館大学 生命科学部 准教授

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『An Analysis of Rhetorical Features and Logical Anomalies in the EFL Argumentative Essays Written by Japanese University Students』
概要:
日本人大学生の書いた日英の作文を比較して、英語に見られる論理的逸脱が日本語の発想によるものかを分析しました。日本語の作文に特徴的な読み手に推測させるなどの論理的な流れを妨げる傾向が、英文に負の転移をしていることが明らかになりました。パラグラフ・ライティングの指導の徹底と高大連携のアカデミック・ライティングの指導を強調しました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
大学院での学びが今の私の仕事の原点となりました。博士後期過程で研究した英文ライティングの研究を今でも続けていますし、現在所属している大学でもライティング指導を任されています。2017年度から所属学部にライティングセンターSAPP(Support for Academic Projects and Papers)を運営しています。SAPPでは理系学部の特徴を生かし、大学院生が学部生の研究テーマを英語の論文にする支援を行っています。現在SAPPは、年間160名の来室のあるセンターになりました。また本年度、科学研究費を獲得し、博士論文で結んだ高大連携のライティング指導に携わり、高校でのライティング指導も行っています。全て関西大学の博士課程での学び、研究が今の仕事につながっていると言っても過言ではありません。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
研究科に入学する際に、指導頂いた先生に相談に行きました。大量のライティングデータを分析する際のデータ構築の方法や、研究の進め方などについても丁寧にご教示くださいました。また一緒に分析しようと仰ってとても心強かったのを覚えています。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
大学院進学を考える際に、まず自分の関心のある研究分野(私の場合は英語ライティング指導)の先行文献や書籍などを読み、自分が望む研究ができる先生や大学院の情報を収集することから始めました。その上で直接先生にメールをして詳しいお話を聞くなど十分に納得したうえで進学を決めました。入学試験の情報は修了生を探してどのような試験であるのかを知り、面接で聞かれることなどを準備して臨みました。情報収集と準備に時間をかけることが大切だと思います。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
私の関心は常にライティング、とりわけ論理的に書くことです。もともとはなぜ日本人はうまく英語で書くことができないのだろうかという疑問への答えを見つけたいと思い博士論文のテーマとしました。博士論文は、「書いたもの」が対象だったのですが、現在は「書き手」つまり「人」に関心が移っています。なぜそのようなものを書くのか、どういう指導をすれば書き手は変わっていくのだろうか、と心理面にまで研究の対象を広げています。書いたものを通して人を見ることができるのでとても面白いですし、ライティング指導や研究を通して学生が成長する姿を追うことができるので教師冥利につきます。
ー 現在の就職先・職業を選んだ理由
現在は大学で専任教員として働いていますが、まさかこのような職位に就くとは思っていませんでした。英語を教える仕事を続けては来ましたが、修士時代の2011年にオーストラリアの大学院で一年間勉強したことがきっかけとなり、帰国後に大学で非常勤講師として英語を教え始めました。年齢的にも遅いスタートだったと思います。好きなライティングの指導や研究ができればとそれだけを思って環境を選んできただけですので、現在大学で教えている自分は縁のおかげだと思っています。
ー 関西大学大学院外国語教育学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
関西大学外国語教育学研究科で私は多くを学びました。素晴らしい先生方から、自分では得られない言語学や言語教育の実践的な知識を学ぶことができます。私は博士課程後期過程の指導教員であった竹内理先生から研究の進め方や論文の書き方を学びました。先生のご指導が無ければ、博士課程を終えることは出来ませんでしたし、今の私も無かったと思います。博士課程の研究は時間がかかりますが、そこにじっくり付き合ってくださる先生方がおられるので安心して進学を考えてほしいと思います。

心理学研究科

  • 在学生
  • 在学生
  • 修了生
  • 修了生
心理学研究科 心理学専攻
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:学内進学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『祈りのメカニズムについて』
概要:
祈りは精神的健康と関係するが、そのメカニズムは解明されていません。
そこで、祈りの重要な構成要素である祈りの言葉に着目し、調査や生理指標を用いてメカニズムを明らかにします。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
英語論文の書き方 健康・人格心理学
特殊講義
心理学セミナー1B
発達・教育心理学
特殊講義
現代心理学の
学際的問題B
研究チュートリアル
セミナー1A
(心理と言語学)
認知・生理心理学
特殊講義
上級心理学実習
(心理実験)
上級心理学実習
(心理実験)
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
進学後の研究について重点的に相談しました。
・研究内容について指導を受けることが可能か
・研究テーマの妥当性について
上記の点を中心に相談したことで、進学までに研究計画を精緻化させることや事前に取り組むべきことが明確になりました。また、大学3年次から連絡を取らせていただいていたため、研究室の雰囲気を知ることもでき進学後のイメージがつきやすくなりました。
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか
特に注意した点は「心理学全般の基礎知識を身につける」と「異なる専門分野でなければならない理由を明確にする」の2点です。
筆記試験はありませんでしたが、専門分野ではなかったため基礎知識を身につけることから取り組みました。例えば、志望の指導教員や心理学部の友人に聞いて主要な教科書・資料はすべて目を通して対策しました。院では、英語の読解力が必須になるため心理学専用の英単語テキストを熟読し、教科書は英語でも読むなど工夫して理解を深めることに努めました。
また、志望動機と達成したいことに関して、なぜ出身学部ではなく所属研究科でなければならないのかという側面から明確に説明できるよう整理しました。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
大学院進学を決めた理由は、学部では抱いていた疑問を解決できず、その疑問について研究することで分野や社会に貢献したいと考えたからです。本学を選んだ理由は、他大学と比較しても学業に必要な施設設備やサポートが非常に充実しているため研究に集中できる環境であると確信したからです。また、本学の心理学研究科であれば、心理学の中でもさまざまな分野の先生方がいらっしゃるため多角的な考察力を通して研究を深化させることができると考え、本研究科への進学を決めました。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
特に、研究計画の作成に注力して対策および準備を行いました。具体的には、研究分野の歴史について「誰よりも自分が理解している」状態を目指し先行研究を整理しました。そこから問題と目的を明確にし、方法や先行研究と自分自身の研究との違いや独創性など細部まで精緻化することを心掛けて準備しました。
ー 関西大学大学院心理学研究科の魅力
本研究科は、先生と院生・院生同士ともに一方向の学びではなく相互の学びができるため、さまざまな課題に対する創造的な解決力を培えることが強みであると感じています。研究を通して、社会で必要とされる能力を身につけることもできるため、その後のキャリア選択の幅が広がります。研究に関することはもちろん、キャリアなど研究以外のことも相談しやすい環境であるため、不安を解消しながらのびのびと研究に専念することができます。
少しでも進学を考えている方はぜひ早めに志望する(気になる)研究室に連絡されることをお勧めします!
心理学研究科 心理臨床学専攻
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:学内進学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『感覚処理感受性傾向と仕事におけるストレス、および満足度との関連』
概要:
感覚処理感受性傾向の高い人の職場でのストレスの感じ方の特徴や、仕事に対する満足度、ワークモチベーションとの関連を調査することを通じて、HSPが持つ特徴に特化した心理的支援や、働きやすい職場環境作りを行うための一助となればよいと考えています。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
心の健康教育に関する理論と実践 心理臨床学研究
演習2
家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践
心理実践実習Ⅱ 心理実践実習Ⅱ
福祉分野に関する理論と支援の展開
司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開 CSPPセミナーA
産業・労働分野に関する理論と支援の展開
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
学部時代から一人暮らしをしているため、大学院への進学を決めた時は、経済面に不安がありました。しかし、奨学金という大学からの援助のおかげで、アルバイトのことをあまり気にせずに、授業や実習に多くの時間を割くことができています。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
公認心理師資格取得のために、本大学院に進学しました。また、学部での授業を担当してくださった、さまざまな分野で心理職としてご活躍されている先生方のもとで、より専門性の高い知識と技術を取得したいと思い、内部進学をしました。そして、将来現場で働くことを見据えたカウンセリングや心理検査の方法について、実践的に学ぶことができる授業がある事も決め手のひとつでした。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
入学試験は面接のみでしたが、それで全てが決まると思うと不安だったので、事前準備を入念に行い、面接に望みました。具体的には、志望動機や大学院でやりたい研究について改めて考え、自分の言葉で伝えることができるよう何度も練習しました。また、卒業論文について簡潔にまとめたり、興味がある分野に関する文献を読んで、それについて話すことができるように準備をしました。
ー 修了後の進路希望
将来は、公認心理師として産業・労働分野で働きたいと思っています。授業で身につけた知識や、実習で身につけた傾聴する力と見立てる力を活用し、復職支援やストレスマネジメント教育、ストレスチェックの実施などを通じて、働く人のサポートをしたいと考えています。
ー 関西大学大学院心理学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
心理学研究科では、各領域についての知識を身につける講義中心の授業から、ロールプレイ、プログラムの実施などを中心とした実践的な授業まで、幅広い専門性に特化した授業を受講することができます。また、自分自身や他者についての理解を深める授業などを通してさまざまな視点から学びを深め、心理職として働くための準備をすることができます。先生方も全力でサポートしてくださいますし、相談に乗ってくれる仲間や先輩方もいるため、公認心理師を目指すにはぴったりの環境だと感じています。
心理学研究科 心理学専攻
博士課程前期課程 2020年4月入学
(入試種別:学内進学試験)
職種:
薬事・品質管理

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『虚偽記憶と認知能力の個人差との関連について-DRMパラダイムと誤情報課題を用いた検討-』
概要:
虚偽記憶とは、経験していない過去の出来事を実際に体験したと思い込むことや想像しただけの出来事を実際に経験した出来事として思い出す現象です。虚偽記憶研究では、虚偽記憶の測定課題としてDRMパラダイムや誤情報課題が用いられます。そこで、実験的に生じた虚偽記憶が流動性知能やワーキングメモリなどの認知的能力の個人差とどのように関連しているかを検討するための研究です。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
現在は医療機器の品質管理や薬事に関する仕事を行っています。品質管理では、薬事法などの法律を読んで理解したり、文書を作成したり、品質向上や改善のための仕組みを考え、日々問題点を探しながら取り組んでいます。また薬事の面では性能試験や生物学的安全性試験など試験レポートや薬事申請の資料作成や根拠資料作成のために論文を読むことが多々あります。文章の作成や長い文章を読み解く、実験や試験レポートの読み方を含めて全ての面で大学院時代の研究活動を活かすことができています。また、メールのやりとりは英語、試験結果も英語、仕事で読む文の50%ほどは英語であることから、講義で学んだ英語論文の読み方、英語論文の書き方は学ぶことができてよかったと実感しています。これらのことから、研究内容が直接仕事に繋がってはいませんが、集中力や科学的に物事を考える力は、これからも生かしていくことができると確信しています。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
私は、関西大学社会学部心理学専攻出身で、大学院での指導教員も学部の時と同じ関口先生に指導していただきました。関口先生に相談する前に同ゼミの先輩に相談していました。先輩には、大学院での授業の様子やプライベートを含めた時間の使い方、最重要事項の研究や修論については何度も質問をさせていただきました。先生には、私が大学院に進学するとしたらどのような研究テーマで研究活動を行いたいかを伝え、研究をどのように展開していけば修士論文を執筆することができるのかを相談させていただきました。相談してよかった点は、進学後の自分が想像できるようになったことです。またそれが大学院進学の決め手になり、綿密な研究計画を立てることができ、よい大学院生活のスタートを切ることができました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
私は、学部時代も大学院時代も給付奨学金を受けていました。大学入学後、大学院進学の際にも奨学支援グループに相談にいきました。奨学支援センターの方々はとても丁寧に奨学金制度を説明していただけます。大学院時代は、関西大学給付奨学金と財団の奨学金制度を利用していました。年に数回、式典や研修などがあり、さまざまな大学の大学生や大学院生と交流することができ、良い刺激を受けながら勉学に励むことができた点は最大のメリットだと思います。卒業後も先輩や同級生の奨学生だった仲間と連絡を取ったり、財団としての集まりもあったり、安心して勉学に励むことができるだけでなくさまざまなご縁をいただけたことを大変感謝しております。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
決めた時期が遅いのですが、大学院進学は卒業研究を終えてから決めました。卒業研究の結果が仮説通りであったこと、また自分で計画し、実験参加者を募集し、実験をし、分析など、授業ではグループで行っていたものを全て一人で行う楽しさと達成感があり、もっと研究してみたい、学びたいと思ったことが進学の決め手でした。
関西大学に決めた理由は、指導教員の先生が記憶の専門の先生であること、また学部時代に教えていただいていた先生の授業を大学院でも受講でき、指導していただけることも本学に決めた理由でした。
ー 現在の就職先・職業を選んだ理由
現在の職業を選択した理由は、長い文章の作成や解読また科学的な視点で物事を見る力を生かすことができると考えたからです。関西大学の心理学専攻では、学部時代にも十分にこれらのことを学ぶことは可能です。しかし、大学院では英語論文の読み方や書き方などを学ぶ機会があり、より専門的な日本語論文に加え、英語論文を読み考察することが必要な授業もあります。コロナ禍での大学院生生活でしたので、自由に実験を行うことはあまりできませんでしたが、論文をたくさん読むことができたこの環境下であったからこそ、今の職業に生かすことのできる力を養うことができました。
これらの力を生かすことができると考え、今の職業を選びました。
ー 関西大学大学院心理学研究科に進学を考えている方へのメッセージ
私は大学院進学をお勧めします。大切なのは、何を学び研究したいのかという志です。大学院は、自分の興味を深める場でもあり、興味を広げる場でもあります。2年間という短い時間ではありますが、自分の武器になる強みをたくさん吸収できる時間でもあります。就職という一点にとらわれず、長い人生というスパンで捉え、有意義で今しかない時間を最大限に生かし多くを学ぶことが重要だと考えます。社会人になってより一層実感します。
関西大学の心理学研究科は多くの分野の心理学の教授の授業があり、親身になって独自の視点で研究のアドバイスをしてくれる先生がたくさんいます。また、興味の幅も広がるような授業がたくさんあり、心理学という1つの学問をさまざまな視点から学ぶことができます。不安なことがあればいつでも周りの大人や先輩に相談してください!
心理学研究科 心理臨床学専攻
博士課程前期課程 2020年4月入学
(入試種別:学内進学試験)
進学先名:
関西大学大学院心理学研究科
心理学専攻博士課程後期課程

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『過剰適応の新たな分類の検討──各因子間の関連及び、 「感覚処理感受性」「自己決定欲求」との関連から──』
概要:
過剰適応という心理学的概念について、これまで見過ごされてきた過剰適応の一型を見出すため、適応とは異なる側面からその特徴を検討しました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
前期課程での学修は、現在の研究と心理臨床活動を両立するということに生かされていると思います。前期課程の当時は心理臨床活動(実習)を中心に学びを深め、実践することに重きを置きながら調査研究も進めるという形でした。現在では研究にもより精力的に力を注ぐ余裕が生まれており、心理臨床活動と調査研究という異なる活動の両立を可能にしています。また、その両方で得た感覚や知見を相互に生かすことにもつながっています。大学院での学びはやはり物事を突き詰める能力を磨くという点に強みがあると感じます。ここで得た突き詰める力は研究者になるかどうかに関わらずあらゆる業種、場面において生かされていると思います。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
奨学支援制度を利用させていただき、金銭的だけでなく心理的にも安心して研究に邁進することができました。特にこのコロナ禍において、調査を行うにあたっても外部委託を行う必要がありましたが、制度を活用しながら十分な調査ができたと思います。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
やはり公認心理師の資格取得が大きな目的としてありました。その中でも本学を選んだのは、学部時代からお世話になっていた先生方に引き続きご指導いただけるところが決め手です。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
公認心理師国家試験の予行演習だと思って、臨床心理学を中心に心理学の基礎を再度しっかりと勉強しました。暗記をするというよりもどういった仕組みなのか、どういった概念なのかなどを説明できるようにすることを意識していました。
ー 現在の就職先・職業を選んだ理由
実習などの心理臨床活動を軸にする中で、研究の楽しさにも触れる機会が多くあり、まだまだ研究を続けたいと思うようになりました。ここではすでに後期課程に進んでおられた先輩方の存在が大きく影響しています。それぞれ異なる分野の研究ではありますが、互いに刺激となって時に助け合うことが研究の原動力になっています。また、研究と心理臨床活動の両立について最初はとても不安でしたが、多くの先生方に支えていただき両立の道を決心することができました。
ー 関西大学大学院心理学研究科の魅力
さまざまな分野の先生や学生がいることは心理学研究科の大きな魅力だと思います。特に心理臨床学専攻においては、先生によって専門とされるフィールドが異なり、理論や技法を幅広く学ぶことができました。また、先生方との距離感が近く、実習や研究だけでなく就職や進路についてもご指導いただきました。

社会安全研究科

  • 在学生
  • 在学生
  • 修了生
  • 修了生
社会安全研究科 防災・減災専攻
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:学内進学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『国際疾病分類を用いた災害関連死と持病・既往症の関係分析』
概要:
被災後の精神的ストレスや劣悪な避難生活環境で起こるとされる災害関連死と持病との関係を分析しています。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
社会減災政策論
安全の思想 公衆衛生学特論 専攻演習1B
消防防災行政特論
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
大学院進学後、卒業論文で取り組んだ研究をどのように発展していくのか相談しました。また大学院進学を思い悩んでいましたが、「山﨑ならやっていけるよ」と後押しをしてくれた方が、私の指導教員です。大学院進学を少しでも悩んでいるのであれば、志望の指導教員に相談してみると元気づけられるかもしれません。
ー TA・RA制度の利用にかかる経験談、よかった点
TA制度を週2日利用していました。自分の考えを上手く学部生に伝え、指導するのは難しかったです。しかし、担当の先生と相談することや自分の勉強時間を増やすことで、学部生に寄り添った指導方法を得ることに繋がりました。今でも私が教えた学部生とすれ違うと挨拶してくれるので嬉しいです。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
関西大学大学院給付奨学金を利用しています。初めて利用したのでわからない点が多かったのですが、オフィス担当の方が親身に対応してくださったので安心して申請することができました。また奨学金があることにより、アルバイトの時間を減らし研究に集中して取り組めています。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
奥村 与志弘先生
北は北海道、南は高知まで全国を奥村先生について回っています。奥村先生からは研究の進め方についてはもちろんのこと、人としての生き方も教わっています。一番強く印象に残った言葉は、「防災をする人は優しい人でなければならない」という言葉です。
ー 関西大学大学院社会安全研究科の魅力
社会安全研究科の先生方はみなさん人柄がよく、分からないことがあれば時間の許す限り教えていただけます。
また社会安全研究科がある高槻ミューズキャンパスは学生数が多すぎず、落ち着いた雰囲気で過ごすことができます。
また大学院の授業では、受講者が少ないのでマンツーマンに近い形で授業が行われます。他分野の先生から直接意見を聞くことができ、研究の発展に繋がります。
社会安全研究科 防災・減災専攻
博士課程後期課程 2022年4月入学
(入試種別:社会人入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『行政が担う危機管理体制の概念枠組みに関する研究』
概要:
行政は国民や住民に対する危機対応の責任を有しています。そのような中、日本には危機管理について体系化された定義はありません。危機管理制度にみる政策の現状や課題に関する研究をしています。
ー 時間割

博士課程後期課程 1年次 春学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
社会減災政策研究
災害情報研究 専攻演習3B(危機 対応に関する行政学・公共政策学・政治学研究)
消防防災行政研究 公衆衛生研究
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
防衛実務、医療実務を経験しており、危機管理体制に問題関心がありました。そこで、消防行政をベースに危機管理行政研究をされていた永田先生に相談しました。何度かメール、ビデオ会議、対面型式でのやり取りの後、研究計画の相談もさせていただきました。2020年度博士課程前期課程入学から指導を受けています。入学前の段階から時間をお取りいただき、安心して研究を始めることができ、今では博士課程へと進むことができています。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
奨学金制度の種別は『大学院給付奨学金』です。私は社会人入試で入学しましたが、博士課程の3年間は研究を最優先にしています。奨学金制度は経済的助けとなっており、研究に専念できています。奨学金は、研究に必要な書籍の購入、資料の複写及び調査等に充てています。
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか
出身学科は、応用化学科と看護学科でした。そのため、社会安全学の学術的教養はありませんでした。そこで、指導教員の助言を受け『社会安全学入門』(関西大学社会安全学部編)をもとに受験の準備をしました。この書籍は、入学後の研究にとっても必要な教養になりますので、今でも大切な1冊になっています。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
私は、防災・減災、危機管理、医療・健康危機管理、防衛・軍事・安全保障、行政といったキーワードが研究分野です。たいへん幅広い分野が並んでいるように見えるかもしれませんが、『人命』を中心的価値においてキャリアを積み研究を進めてきました。ゆくゆくは「犠牲の最少化」に向けた仕組みづくりをめざしています。遠回りになってしまったのかもしれませんが、博士課程後期課程としてようやく研究の緒に就くことができました。社会安全と言っても大変範囲は広いです。さまざまな教員の教えを受け、そして、学外にも研究の場を求めながら、学際的な研究を続けていきたいと思っています。
ー 関西大学大学院社会安全研究科の魅力
社会安全研究科は、「さまざまな災害の最小化」に向けて多様な学問分野を総合する『社会安全学』を高度化した、「安全・安心な社会」実現の難題に取り組む先進的な教育研究機関です。河田センター長を始めとして、たいへん多くの実績を築かれ、数々の社会的貢献をされている教員が多数在籍しています。本当にとてもすばらしい環境です。社会安全という専門性に関心のある方にとっては、たいへん充実した研究環境があるという意味で、本研究科はとても魅力的な学びの場になるのではないでしょうか。
社会安全研究科 防災・減災専攻
博士課程後期課程 2012年4月入学
(入試種別:学内進学試験)
勤務先名:
公益財団法人
ひょうご震災記念21世紀研究機構人と防災未来センター

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『南海トラフ巨大地震による電力供給制約と社会経済的被害軽減対策に関する研究』
概要:
南海トラフ巨大地震を対象として、地震に伴う電力供給制約を推定し、電力供給制約による産業に及ぼす影響を評価し、経済被害を軽減するための対策を提言しました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
現在の主な仕事は、実践的防災の研究、地方自治体の防災・危機管理職員対象の研修の企画・運営、大規模災害発生時の被災自治体への支援をしています。いずれの仕事においても、専門的な防災に関する知識が必要となりますので、社会安全研究科で得た知見が基盤になっていると実感することが多いです。大学院の博士課程後期課程では、研究者として自立できるように専門的な教育指導が受けられますが、社会安全研究科では、多様な分野の先生が在籍しているので、防災に関して多面的な視点からの助言を頂けることが魅力です。
ー TA・RA制度の利用にかかる経験談、よかった点
大学院生の在籍期間に、学部生の統計の演習の授業のTAをさせていただきました。授業のサポートが役割でしたが、先生の講義を何度も聞くことや、学部生に教えるという行為を経験することで、自らの知見をより深めることができました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
私は大学院の在籍期間は、大学の近くで一人暮らしをしていたので、授業料や生活費のために奨学支援制度を利用しました。博士後期課程は、博士論文を執筆するために、研究に没頭することが必要だったので、奨学支援制度のおかげで以前までしていたアルバイトをしなくても生活することができました。大学院の在籍期間の限られた時間をどう使うかを選択するのは自由ですが、私自身は研究に多くの時間を使いたかったので、制度を有効活用できたと考えています。
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか
私は工学部都市環境工学科(現、環境都市工学部都市システム工学科)で主に建設分野の都市の防災に関することを学びましたが、大学院ではより広い視野から防災を学びたいと考え社会安全研究科を受験しました。受験に向けて気をつけた点は、建設分野の防災のみならず、他分野の防災に関する本を読んで、他分野の知識の獲得を心がけました。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
現在までに、主に企業の防災・事業継続、行政と企業の連携に関する研究を行ってきました。その特徴は、防災・減災をテーマに、多様な学問の研究手法を組み合わせて使ってきたことです。多くの大学院は学問とその手法がある程度固定していると思いますが、社会安全研究科は防災・減災分野の課題解決手法として用いる学問や手法を選べるということが「おもしろさ」であり、また、たくさんある学問や手法から目的に合ったものを選び、そして学ぶという「難しさ」もあると思います。
ー 関西大学大学院社会安全研究科に進学を考えている方へのメッセージ
社会安全研究科への進学は、防災・減災に関心があるということはもちろんですが、幅広い分野の学問に対して知的好奇心がある人におすすめです。一つの分野を深く掘り下げていくというよりは、一つの分野を広く多面的に捉えていくというイメージが近いかと思います。このような大学院はあまりないかと思いますので、多様な学問を通じたスキルアップを考えている人は是非、社会安全研究科に進学してください。
社会安全研究科 防災・減災専攻
博士課程前期課程 2014年4月入学
(入試種別:社会人入学試験)
勤務先名:
(株)エー・ビー・シー リブラ
(朝日放送テレビ報道局より出向)
ABCテレビ「おはよう朝日です」気象情報担当デスク

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『データ放送を用いた「ピンポイント避難情報」の基盤構築に関する研究』
概要:
テレビの避難情報伝達は多くの問題を抱えています。「データ放送の強制表示機能」を使えば、合理的できめ細やかな情報伝達を実現できる可能性を示し、そのためにどういう情報基盤の整備が必要かを確認しました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
修士論文にまとめた研究をもとに、職場では「災害情報のエリア限定強制表示」の仕組みを国内の放送局で初めて導入し、総務省「電波の日」近畿総合通信局長表彰を受けました。系列局のみならず、他系列にも拡がりを見せており、実務にフィードバックできたと感じています。
ジャーナリストとしてキャリアを積み重ねると、専門分野を深め体系的に学ぶ必要が出てきます。社会安全研究科には、取材対象としても、アドバイザーとしても頼りになる、錚々たる先生方が揃っています。今後の仕事に力強い援軍を得た気持ちです。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
私は当時、報道記者の仕事をしていました。上司の理解があり、神戸の「人と防災未来センター」で1年間社外研修をさせていただけることになったのですが、そのセンター長が、社会安全研究科の河田恵昭教授(当時)でしたので、「同時に大学院で学びたい」と相談しました。また学生(大阪市大商学部)時代から面識があった安部誠司教授にもご連絡したところ、「専門分野に関する本を少なくとも一冊読んで試験に臨むように」とのご指導をいただき、そのようにさせていただきました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
社会人大学院学生給付奨学金を2年次に活用させていただきました。この制度は収入があっても出願でき、学業成績だけでなく社会人業績も採否の判断に加えていただけるとのことでした。私のこれまでのキャリアの、どの点を評価いただけたかはわかりませんが、2人の子どもの教育費など、出費をやりくりしながらの大学院進学でしたので、家計を管理する妻は「とても助かる」と喜んでいました。
ー お仕事との両立の工夫等について
「人と防災未来センター」での社外研修は記者の仕事との兼務でした。記者として約120日を会社で、研究員として約120日をセンターで勤務しましたが、幸いシフトで動く遊軍記者だったので、勤務担当デスクと相談して会社での勤務を土日祝日中心にすることで、平日60日の通学可能日を確保することができました。台風襲来など災害担当記者として稼働する日は欠席しましたが、先生方にご理解いただけて助かりました。2年次は登校がゼミの日のみとなり、シフト調整と代休で対応しました。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
勤務先での日常の業務では、やるべきことや、やりたいことを前にさまざまな壁にぶつかります。社会人大学院生はその「ニーズ」を研究課題にできる強みがあります。研究のためのデータも(秘匿すべき情報はもちろんありますが)入手しやすいですし、ベースになる知識や考え方を一から調べる手間も少なく済むなど、研究は進めやすいと思います。一方で組織の中には、業務の傍らで大学院に行くことについてネガティブな印象を抱く人もいます。上司や同僚に理解をしてもらえるように腐心しました。
ー 関西大学大学院社会安全研究科に進学を考えている方へのメッセージ
会社組織における中高年の「働き甲斐」や「活かし方」が課題になりはじめた時代に、40歳代前半で大学院に行く機会をいただけたことは、本当に幸運でした。職場で仕事をしているだけでは手に入らない強い「武器」と、わかりやすい「看板」を手に入れることができたと思っています。防災や安全は、どんな企業・組織にも必要な概念です。むしろ、組織のことを大切に考える人にこそ、勇気と信念を持って社会安全研究科の門をたたいていただきたいです。

東アジア文化研究科

  • 在学生
  • 在学生
  • 修了生
  • 修了生
東アジア文化研究科 文化交渉学専攻
博士課程後期課程 2022年9月入学
(入試種別:外国人留学生入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『日本における宋代書法の受容――五山禅林書道と江戸の唐様をめぐって(予定)』
概要:
鎌倉時代から室町前期(すなわち五山全盛期)と江戸時代、宋代書法の東伝がどのような影響を与えたのか、また宋代書法の受容に対してどのような偏向を持っていたのか、文化交渉の視点から考察したいと考えています。
ー 時間割

博士課程後期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
東アジア
文化資料研究
(思想と構造)B
中国文学
特殊講義(2)B
文化交渉学研究
(東アジアの思想と構造)演習1B
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか。
関西大学大学院東アジア文化研究科は、勉強の意欲を持つ学生に平等な機会を与えてくれます。しかし、異分野出身の学生は、受験準備を進める際に、同一専攻の学生よりもっと努力しなければならないという覚悟を持つべきです。私自身の場合、早くから歴史や芸術などに興味があり、大学では関連する専攻を選ばなかったためか、人文学(特に歴史文化に関して)への熱意が強まりました。日本語や日本文化に関しても、独学で学び始めました。それは文化交渉学に関心を持っていたからです。異文化間の文化の交流・交渉への興味を確認することが大切と思います。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
大学院に進学した理由は、人文学というものをしっかりと学び、専門的知識を習得したいからです。
関西大学を選んだのは、大体4つのポイントがあります。
第一に関西大学図書館に豊富な蔵書があることです。書物は人文学研究の礎であり、関大図書館は優れた条件をそなえています。
第二に東アジア文化研究科には博学な先生が多くいらっしゃることです。入学後三年半の間に、先生方から多くのことを学ばせていただきました。特に指導教授の吾妻先生は、コロナ禍で大変な時期に多くの支援をいただきました。
第三に学生たちに十分な研究条件を用意してくれていることです。四季の景色を満喫できるキャンパスや安価でおいしい学食、また明るい研究室などは私たちを研究に専念させてくれます。
最後に東アジア文化研究科は多数の海外発表の機会をしてくれます。「万巻の書を読み千里の道を行く」――内外での発表を通じて自らの研究力を高めるだけではなく、実際に異文化を認識しつつ人文学の魅力を感じられます。学生支援のため、学会発表のための書籍購入や外国への往復航空券の補助なども出ます。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
東アジア文化研究科の入試は、筆記試験と口頭試問があります。入試準備の中で最も重要なのは研究計画書でしょう。まず興味ある領域で未解決の問題点を探し出し、次に先行研究の成果に基づいて自分の研究方法と内容を確認します。また文化交渉学の研究については、外国語(日本語や英語、漢文など)も必要な能力です。研究計画と外国語の両方を準備しておくべきです。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
私の場合、文献資料を用いて研究を行います。それらを通して新しい知識の習得や発見があり研究の「おもしろさ」を感じることができます。しかし、論文を書くことは大変で、多くの時間をかけて自分の見解を筋道立ててまとめるのは容易ではなく、それが研究の「難しさ」です。
ー 関西大学大学院東アジア文化研究科に進学を考えている方へのメッセージ
東アジア文化研究科は、東アジアを中心に古代から現代までの歴史や、思想、言語、芸術、文学など様々な分野の研究を進めています。我々が今生きている現代社会はどのように誕生し、発展してきたか、その文化はどのような歴史や特色、魅力があるのか。こうした問題に興味があり、また人文学を専門的に追究したいのであれば、当研究科はすぐれた学びの場と思います。
東アジア文化研究科 文化交渉学専攻
博士課程前期課程 2021年4月入学
(入試種別:学内進学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『台湾における「新住民語」教育(予定)』
概要:
台湾には東南アジアからの移民が多く、それに伴って東南アジアにルーツを持つ子どもたちが増えつつあります。台湾では台湾語などの郷土言語に加えて、2019年からは東南アジア諸言語を「新住民語」として小中学校の選択必修科目として学ぶことができるようになりました。「新住民語」の授業がどのように行われているのかを明らかにし、台湾に暮らす人々の言語観についても検討したいと思っています。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 春学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
学術リテラシー基礎
(人文)
文化交渉学
概論A
東アジア
文化資料研究
(東アジアの言語と表象)A
アカデミック
ライティング
文化交渉学領域研究
(東アジアの言語と表象)A
アカデミック外国語
(中国語)(1)A
文化交渉学
(東アジアの言語と表象)演習1A
アカデミック外国語
(中国語)(1)A
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
関西大学大学院特別給付奨学金をいただいています。大学院の学費は自分で払うと決めていましたが、不安がありました。奨学生採用の通知を受け取った時は嬉しく、安心しました。
ー 長期履修学生制度利用にかかる経験談、よかった点
元々学部4年次の2学期間で台湾に交換派遣留学して、卒業を1年遅らせるつもりだったのですが、新型コロナウイルスの影響で交換派遣留学が途中帰国になってしまったので大学院に進学してから2学期間の交換派遣留学にチャレンジすることにしました。長期履修学生制度を利用すると、3年あるので1年間交換派遣留学しても修士論文を書くための時間が取れると考えていました。情勢が想像していたより良くならなかったので、計画通りに進んでいませんが、今は将来についてゆっくり考える時間があることが強みだと考えています。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
学部時代に参加した静宜大学特別留学プログラムや、関西大学の国際寮でのレジデントアシスタントの経験を通じて出会った友人たちの姿に刺激を受けて大学院進学を選択できたように思います。静宜大学の留学生向けの中国語の授業は出身国も年齢も様々なクラスメイトがいて、「何歳になっても勉強していい」ということを気付かせてくれました。レジデントアシスタントは国際学生寮に住む留学生の生活をサポートする関西大学生です。私がいた寮の留学生は日本の大学や大学院に進学をめざす人が大半を占めていました。それまで私の周りには大学院に進学した人はいなかったので、大学院は無縁な場所だと思っていましたが、目標を叶えて大学院に進学した留学生の友人たちが身近な場所にしてくれました。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
池田 智恵先生
学部生の時からお世話になっている先生です。ゼミや卒業論文の指導から、交換留学についても相談に乗っていただきました。池田先生のご専門は中国近現代通俗小説ですが、池田ゼミには私以外にも先生の専門分野とは異なるテーマで研究を進めている学生がいます。それぞれの学生の興味、関心を尊重し、指導してくださっています。
ー 関西大学大学院東アジア文化研究科の魅力
東アジア文化研究科の魅力は、研究テーマの範囲が広いことではないかと思います。東アジアの言語や文学、哲学、歴史という人類が築き上げたものすべてが研究テーマになり得ます。学生も多種多様な研究をしていますし、指導してくださる先生方の専門分野も多岐にわたります。恵まれた環境で周囲の人から日々刺激を受け、とても充実しています。
東アジア文化研究科 文化交渉学専攻
博士課程後期課程 2018年4月入学
(入試種別:外国人留学生入学試験)
勤務先名:
中国魯東大学 日本語講師

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『7-9 世紀の山東を中心とする東アジアの文化交渉研究』
概要:
7-9 世紀の山東を中心とする東アジアの人・モノ(信仰)の交渉から、古代東アジアにおける山東の位置づけを明らかにしようとしたものです。結論として、古代の山東は、中国の窓口としての役割を果たした一地方にとどまらず、独自文化の発信地としての性格をも有する、東アジア文化交渉の一大拠点でありました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
東アジア文化研究科では、歴史、思想、宗教、言語といった多岐に渡る知識を勉強することができ、現在の研究に大変役に立っています。現在、大学教員として働いていますが、大学院生時代にお世話になった先生方から引き続きアドバイスをいただいて、とてもありがたいです。東アジア文化研究科では抱いた興味関心をさらに深めていくこともでき、ひとつのテーマについても多角的に考えていくことができます。これは現在の勤務先での担当講義や学生指導にも生かされているとしみじみと感じています。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
指導教授は篠原啓方先生です。入学する前に、篠原啓方教授の論著を拝読し、とてもまじめな先生だと思って、先生に連絡を取りました。メールでやりとりし、一回面談しました。先生からは、関西大学および東アジア文化研究科の現状や、私の研究に関する中国・日本・韓国の資料や研究の現状について詳しく分析していただきました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
関西大学大学院給付奨学金により年額25万円の給付を受給しました。また、毎年、学会での研究発表に対する補助費、往復航空運賃の半額を補助してもらいました。日本国外での学会にも積極的に参加することにより学術的な刺激を得られる機会がありました。それから、各種の研究助成を申請する前に、研究支援・社会連携グループから文章の論述や日本語の文法を校正していただいたおかげで、笹川科学研究助成を受けたこともあります。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
日本の歴史研究の理論と方法を身につけるため、日本の大学院に進学することにしました。研究科の研究対象が東アジアと広域であり、なおかつ、思想、歴史、言語などの分野を専門領域とする教員、学生が在籍しているため、多分野の研究を学び複眼的な研究視野を養えると考えました。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
歴史史料の輪読を通して、内容についてさらに明確になります。研究に関連する中国・韓国・日本の史書や文学作品、地方志、金石文などを探して読みます。それから、中国東部沿岸や日本・韓国への調査も研究方法の一環になります。
古代史の研究資料は限りがあり、史料の精読やこれまで注目されてこなかった資料の発見などは難しいです。でも、フィールドワークを通して、意外な発見を見つけることは面白いです。
ー 関西大学大学院東アジア文化研究科に進学を考えている方へのメッセージ
東アジア文化研究科では、国籍にかかわらず、さまざまな学生が文化交渉学の方法を使って研究しています。本学大学院には、言語・文学・思想・宗教・歴史などの分野の先生が在籍されており、研究する環境が整えられています。また、中国、韓国、ヨーロッパの大学と連携し、年に数回国際院生フォーラムを開催するため、学会で発表する機会も多いです。研究者をめざす学生にとって、学際的研究視野を養う稀な環境なので、ここで自分の目標をめざして夢をかなえてください。
東アジア文化研究科 文化交渉学専攻
博士課程後期課程 2013年4月入学
(入試種別:一般入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『秦漢文書逓伝システムの研究』
概要:
中国古代における中央集権的な国家体制の確立・維持・発展において、文書(もんじょ)による通信技術―文書逓伝―は、非常に重要な役割を果たしました。本論文は、この文書による通信技術について、地下から出土した簡牘(かんとく)という出土資料を素材に、当時の運用状況を復元し、考察したものです。その結果、私たちが現代でも利用している郵便と同様の原理が、すでに約二千年前の中国に存在したことが明らかになりました。
また、当時の郵便制度においても現代と同様に、遅配や紛失を防止するため、発信・中継・受信の際にそれぞれ厳格な管理体制が整備されていることも確認できました。このような重層的な管理体制を敷くことにより、国家的インフラ事業を整備・維持していたという事実は、現代人のもっている「中国古代」という神秘的なイメージを大きく塗り替えることになるでしょう。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
東アジア文化研究科では、中国、韓国、台湾、イタリアの大学と連携し、年に数回、国際院生フォーラムを開催しています。私はその国際院生フォーラムの運営の日本事務局を担当しました。学会の企画・準備・手配において、さまざまな人種および専門の方々と、ときには外国語を交えて打ち合わせをする機会があり、一般的な日本の大学院では得難い貴重な経験をしました。また、自身の専門領域を集中的に学ぶ学部時代とは異なり、大学院では、より視野の広い研究をめざして、人文学系の学問全般をフォローするため、専門領域外への対応力が身につきました。これらの経験は、現在の職場における国際共同研究や新規研究プロジェクトの企画・手配など、近年の研究者に強く求められる研究マネジメント能力にも結び付いていると実感しています。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
第一に、本研究科の研究対象が東アジア・東南アジアと広域であり、なおかつ、思想、歴史、言語など諸分野を専門とする教員・学生が多数在籍しているため、領域横断的に他分野の研究を学び、複眼的な研究視野を養えると考えました。第二に、関西大学の伝統である中国古代簡牘学の研究蓄積を学びたいと考え、本学を選びました。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
藤田 髙夫先生
藤田先生の研究論文を拝読し、私の専門である中国古代郵駅制度史の研究について、専門的な議論ができると考えました。また、入学後は専門研究へのご指導以外にも、学問的視野を広げるため、歴史の学生だけでなく思想史専攻の学生も参加できる内容の勉強会を主催してくださいました。中国史のゼミナールとは一味異なる活発な議論が繰り広げられ、多様な考え方を養うことにつながったと思います。他分野の研究者と議論した経験は、現在の研究にも生かされていると思います。
ー 現在の就職先・職業を選んだ理由
勤務先は、主として文系学部・大学院で構成される教育・研究機関です。特に私の専門である東洋史については伝統があり、日本をリードする研究を展開しています。また、文字文化研究所や人文情報学の研究拠点を備えています。私の分野では、膨大な数量の出土木簡を研究対象としていますが、字形や文字の成り立ちといった“文字”という粒度にまで研究を掘り下げたり、多量の情報を情報学的に解析したりするなど、新たな研究手法の提案が俟たれています。このように、専門研究に特化し、なおかつ領域横断的な研究への展開が可能なため、本勤務先を選びました。
ー 関西大学大学院東アジア文化研究科に進学を考えている方へのメッセージ
東アジア文化研究科は、東アジアにおける歴史、思想、言語、芸術といった多岐に渡る学問分野が共存する、日本では稀な環境です。これから研究者をめざす人にとって、院生のときから学際的研究視野を養う絶好の環境なので、自身の目標をしっかりと設定して貴重な時間を過ごしてください。

ガバナンス研究科

  • 在学生
  • 在学生
  • 修了生
  • 修了生
ガバナンス研究科 ガバナンス専攻
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:一般入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『地域における祭・イベントの役割』
概要:
地元住民が企画・運営を行っている祭やイベントが地域によってどのような効果をもたらすかについて研究を行っています。この研究を通して、現在薄れつつある地域コミュニティの維持や再生につながるのではないかと考え、研究を進めています。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 春学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
自治体政策研究 現代日本政治論
研究
ガバナンス演習 ガバナンス研究
特殊講義
(地域活性化システム論研究)
空間社会論研究 調査方法論研究
現代物流政策研究 地域経済論研究
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
3年次の2月に先生のもとにお伺いし、ガバナンス研究科に進学を希望していることや地域活性化についての研究を行いたいことをお伝えしました。入試に関してどのような対策をすれば良いか相談に乗っていただき、入試準備を進める上での手助けになりました。入学前に研究室の顔合わせもしてくださり、不安が少ない状態で入学することができました。
ー TA・RA制度の利用にかかる経験談、よかった点
関西大学では学生同士で支援を行う「ピア・コミュニティ」という団体があり、そこでTAとして活動しており、学生への研修やミーティングへの参加をしています。どのようにすれば良い企画ができるのか、どのような内容で研修を行えば充実させることができるか考えて実践することは研究にも生かされているのではないかと考えています。さらに学生とコミュニケーションを取ることができ、貴重な機会になっています。
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか
学部時代に基礎科目で履修していた科目に関しては、授業で使っていた教科書やレジュメを使い復習を行い、理解が深まらない科目に関しては基礎的な内容が書いてある本を購入し、読み進めました。さらに入試センターで過去問題を閲覧するなどしてどのような問題が出ているかについても意識しながら勉強を進めていきました。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
まちづくりや地域内で行われてきた祭についての本や論文を読み進めると共にインタビュー調査を行っています。特にインタビュー調査ではどのようにすれば有効な回答を得ることができるのか考えることが難しいですが、やりがいを感じています。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
大学ではメディアや経営システム、コンピュータなど幅広い分野を学びました。3年次の時に地域メディアについての授業を受講したことや、行政学や政策学について学ぶことができるゼミに入り勉強をしてきた中で、 以前から興味のあった地域活性化について専門的に学びたいと思うようになりました。 地域活性化や行政学などについて学ぶことができるガバナンス研究科を選び、入学を決めました。
ガバナンス研究科 ガバナンス専攻
博士課程前期課程 2022年4月入学
(入試種別:学内進学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『自社株買い課税に関する考察 -米国インフレ抑制法(2022年8月)を中心に-』
概要:
本研究では、2022年8月に法案として成立した米国インフレ抑制法を中心として、アメリカにおける自社株買い課税の導入に至るまでの議論の整理、さらに導入後の影響についての考察を行うことを予定しています。本研究を通して、現在のアメリカの格差問題の要因の一つである不公平税制を議会、そしてバイデン政権がどのように改善しようとしているのかを明らかにしていければと考えています。
ー 時間割

博士課程前期課程 1年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
貿易政策研究 ガバナンス演習 福祉政策研究 現代行政学研究
政策規範研究
公共政策研究
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
学部時代のゼミ担当の先生が河﨑信樹先生であったため、大学院でも引き続き指導教員に河﨑先生を希望しました。先生には大学のゼミ後の時間などに大学院の進学に関して相談をさせていただきました。相談をしたことで、大学院に進学する上での研究内容についてやスケジュール等を入学前から考えることができました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
関西大学独自の給付型奨学金をいただいています。大学院に進学する上で学費の心配がありましたが、奨学金を頂くことで経済的な負担が軽減され、研究に集中することができています。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
学内進学試験でガバナンス研究科に進学したため、試験内容は研究計画書をもとにした口頭試問でした。そのため、研究計画書の内容で質問されそうな箇所をあらかじめ自分で考えて、その質問に対する回答を作るなどの対策を行いました。
ー 修了後の進路希望
博士課程前期課程修了後は博士課程後期課程に進学し、今後も研究を続けていきたいと考えています。
ー 関西大学大学院ガバナンス研究科の魅力
ガバナンス研究科は魅力の一つとして、幅広い学問分野を学ぶことができるということがあります。私自身も授業の中で、自分の研究テーマとは離れているように思っていた授業内容であっても、理解を進めるうちに自身の研究テーマとの関わりが見えてくるということが多々ありました。そのため、ガバナンス研究科で学ぶことで一つの視点に捕らわれずに研究を行うことができ、自身の研究にも良い影響があると実感しています。
ガバナンス研究科 ガバナンス専攻
博士課程前期課程 2020年4月入学
(入試種別:社会人入学試験)
勤務先名:
奈良市議会議員

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『現代日本の地方政治における二元代表制 -地方議会の現状と課題-』
概要:
日本の地方議会では二元代表制が採用されています。二元代表制においては首長が優位であり、先行研究においても首長優位の必要性が認められている中で、議会と首長がどのような影響力関係を形成しているのかについて、事例分析と類型化により議会と首長の影響力関係を分析しました。導き出した結論から議会としての立法機能の強化策を考え、議会の議員がどのようにすれば民意を反映させられるのかを考察し、実践策を提言しました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
まず学修においては、大学院の授業では、課題や文献をもとにレジュメを作成し先生方や他の院生を前にプレゼンする機会が多くあり、学部時代よりも高いレベルでの資料作りとプレゼン能力が求められ、論理的思考力と高度な表現能力が身につきます。これらの学修で得た経験は私の講演活動に生かされています。また研究においては、私の場合は政治家に求められる政策提言能力の強化を目的に、現職の地方議会議員として社会人入学し修士(政策学)の学位を取得しましたが、地方政治の現状と課題をテーマとした論文を執筆したことで、公共政策を遂行するための専門家や自治体行政とのやりとりや、議会での質疑がこれまで以上に充実し、よりよい成果につながっていると感じております。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
志望する指導教員は入学願書への記載必要項目であったため、ガバナンス研究科の事務室に電話連絡し、当時のガバナンス研究科長の小西教授との面談をお願いしました。面談時に実際の科目履修や研究内容等を相談し、教授との話の中で社会人受け入れに関して修学機会が広がる取り組みと、研究課題に対する指導体制が明確になり、社会人と学生生活の両立、研究により得られる成果が確認できたことで受験を決めました。出来れば進学説明会に参加し、めざす研究科にて相談することお勧めします。
ー お仕事との両立の工夫等について
授業については指導教員の小西教授が、社会人であることを考慮して授業の大半を6限7限で履修出来る履修計画案を提案してくれました。関西大学は6限が18時開始なので、社会人であっても仕事への影響をなるべく抑えて授業を受けることが可能です。また現在はコロナ禍によりオンライン授業への対応等も確立されたことから、働きながらであっても学びやすい環境が整えられています。論文執筆については、休日や仕事を終えてから就寝までの時間を活用していましたが、実際は資料やデータの収集、分析には多大な時間を要する為、大学院在学中は常時パソコンを持ち歩き空き時間が少しでもあれば、論文を執筆していました。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
関西大学大学院のガバナンス研究科は、政治学、行政学、経済学、経営学、法学などを柱とし、実践的な政策課題に取り組む為、幅広い学問における多様な専門分野の教員が配置された指導体制の下、各分野間で連携を図った教育・研究が行われています。近年、社会人の学び直し(リスキリング)が注目される中で、地方議会議員としての能力向上を目指していた私にとって、幅広い分野が連携を図り多面的に学修できる環境は大きな魅力であり、進学を決めた要因になりました。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
筆記試験は小論文であったことから、その対策に勉強時間の多くを費やしました。過去3年間の試験問題は入学試験問題集に掲載されており、大学への資料請求で入手可能です。過去問題を参考に、まずは傾向と対策から試験準備を始めることをお勧めします。出題傾向は過去問題と同様の場合が多いので、想定される出題内容の数字や要点を書き出しました。書き出した数字・要点は試験までに記憶しておき実際の試験では、それらをもとにして小論文を完成させました。出題は政治・経済・金融・憲法等広範囲ではありますが、選択方式であるので、自分の得意分野を選択すれば力を発揮できます。
ー 関西大学大学院ガバナンス研究科に進学を考えている方へのメッセージ
社会が目まぐるしく変わる今日、知識やスキルを時代の変化に合わせて継続的にアップデートすることが求められており、私は政治家としての政策提言能力向上を目的に大学院進学を決めました。ガバナンス研究科では、政策学を基盤としながらも各分野が連携した教育が行われており、幅広く学ぶことができました。修士(政策学)の学位を取得したことで、体系的な知識を得て日常の世界観が広がり、議員に求められる広い視野と政策提言能力の向上につながりました。また、同研究科には社会で活躍中の幅広い人材が在籍し学ばれています。私の同期には保険業の方、社会保険労務士、またライターなどがおられ、幅広い分野の方との交流と人脈につながりました。仕事と学修の両立は大変でしたが、かけがえのない時間でもありました。
私の場合は社会人としての修学でしたが、ガバナンス研究科の掲げる“高度公共人材”として政策をデザインし実現する能力が身につけば、これから就職をめざされる学生さんも、社会からの高い評価につながると思います。自身の能力向上を目指し大学院での学位取得に挑んでほしいと思います。
ガバナンス研究科 ガバナンス専攻
博士課程前期課程 2017年4月入学
(入試種別:学内進学試験)
勤務先名:
第一法規株式会社

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマは、どのようなものですか。
『日韓関係と議員外交 -日韓議員連盟の分析-』
概要:
日韓関係が摩擦に陥った際、日韓議員連盟が関係改善のために、どのような影響力を及ぼしたのか(もしくは影響を及ぼせなかったのか)を分析しました。自民党内の政策決定過程の変化が、日韓議員連盟の国内調整力に影響を及ぼしていたことを仮説とし、「第一次・第二次歴史教科書問題」「日韓経済協力交渉」を事例として分析しました。その結果、選挙制度改革により自民党の政策決定過程が族議員から官邸主導に移行したことに伴い、議員の影響力が弱まり、日韓議員連盟の影響力も衰退したことを指摘しました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
大学院の研究と社会人のビジネスでの共通点は「仮説を立て、PDCAを回すこと」にあります。大学院では「仮説を立案し、それを定性・定量分析し実証すること」が研究で求められ、社会人では「セールスやマーケティングを行う上で、仮説を立て実行、改善」することが求められます。大学院から仮説を立てることを習慣化しておくことで、企業のセールスやマーケティング活動に貢献できる可能性は大いにあります。例えば、WEBセミナーの企画、運営、登壇することがありますが、その中で「顧客のニーズ」「顧客が期待していることは何だろうか」等、事前に仮説を組み立てて、登壇しています。これからも、大学院で培った仮説力をより磨き、深化させ、社会に貢献してまいります。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
学部3年次から大学院進学を意識しており、早期から学部ゼミの指導教員である小西秀樹先生に相談していました。小西先生は大学院受験のことだけでなく、院生になったときのことを見据え、合格後の研究生活などに関してもさまざまなアドバイスをしてくださいました。私自身も、先生のアドバイスを受け、4年次に大学院授業科目の先取り履修制度を利用し、入学前から大学院の講義への理解を深めました。
ー TA・RA制度の利用にかかる経験談、よかった点
ティーチング・アシスタント(TA)制度を用いて、政策創造学部の講義アシスタントをしておりました。1年次の学生が受講する講義でしたが、大学院生目線で聞くと、学部のときに聞いた同じ講義とは異なる好奇心、知見、視座を得ることができ、研究のヒントとなった講義もあります。収入も得ることができ、かつ講義内容も聞けるため一石二鳥のように思えました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
奨学金制度を利用することで、研究費や生活費の工面に役立てました。関西大学大学院の給付型奨学金は返済不要であるため、返済を気にすることなく研究に勤しむことが可能な有意義な制度であると考えています。もし、学内進学試験で本学大学院に進学する予定がある在学生の方がいましたら、関西大学大学院入学前予約採用型給付奨学金制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
母が私の子育てをしながら大学院で研究していたこともあり、幼少期から自然と大学院への進学を意識しており、大学院は私にとって憧れの場所でもありました。そのなかでガバナンス研究科を選択した理由は、小西先生がガバナンス研究科の指導教員であると同時に、私のテーマが日韓関係であったことがあげられます。アジアを専門とする先生が多数在籍しており、アジアという同じバックグラウンドを持つ日本、韓国を他アジア諸国と比較、分析することで、日韓関係を複眼的な視点で研究できると考えたからです。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
私の研究の特徴として、文献調査に加えて「エリートインタビュー」を行ったことがあげられます。日韓議員連盟という非公式アクターを研究しているため、資料の収集などが思うようにいかない時もありました。文献のみに依拠するわけにはいかず、日韓議員連盟の元役員/元閣僚であった国会議員へのエリートインタビューを行い、その場でしか聞くことができない証言などを得ることができました。
また、常に仮説を転がしながら、さらに仮説をどのように論証すべきかを意識し続けていました。

人間健康研究科

  • 在学生
  • 在学生
  • 修了生
  • 修了生
人間健康研究科 人間健康専攻
博士課程前期課程 2021年4月入学
(入試種別:学内進学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『テニス選手におけるイップスの発症率と完全主義との関連について』
概要:
イップスとは「スポーツ中の熟練した運動行動において細かいコントロールを行う過程で起こる不随意運動からなる長期的運動障がい」と定義されており、野球やゴルフ、テニスといったさまざまなスポーツにおいて症状が確認されています。しかし、テニスにおけるイップスについての研究は少なく原因や対処法についても明らかではありません。そこで本研究では調査①として、テニス経験 5 年以上の 262 名を対象にした質問紙調査そして調査②として、テニス経験5年以上かつイップスを経験したことのある2名を対象としたインタビュー調査を実施し、テニス選手におけるイップスの実情、完全主義との関連を明らかにすることを目的としました。
ー 時間割

博士課程前期課程 2年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
健康トレーニング
研究
人間健康
演習(1)B
健康マネジメント
研究
地域連携
課題実習1
身体運動学研究 健康心理学研究
スポーツ
教育学研究
健康調査
研究法2
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
学部時代からゼミでお世話になっていて、出願に先立ちたくさん相談させていただきました。大学院での研究テーマや研究スケジュール、修了後についてもいろいろとアドバイスをいただきました。相談を重ねることで、自分のやりたいことが見えてきて最終的に大学院への進学を決心することができました。
ー TA・RA制度の利用にかかる経験談、よかった点
私はこれまでに、4年次の時にオンラインでの「スタディスキルゼミ(PC)」、「スポーツ統計学」、そして大学院に進学後、対面での「スタディスキルゼミ(PC)」、「トレーニング実習Ⅰ、Ⅱ」の授業においてTAを経験しました。TAとして授業に参加し、1年次や2年次の学生との交流でコミュニケーションをとることの大切さや、広い視野を持つこと、またどのようにすればわかりやすく伝えることができるかなどたくさんのことを学ぶことができました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
私は関西大学大学院給付奨学金を受給しました。奨学金をいただけたことで自分自身の研究やその他の資格の勉強などに余裕を持って取り組むことができました。奨学金にはさまざまな種類があります。自分の条件にあったものに申し込むため、事前に各奨学金概要の把握や申請準備が必要になると思います。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
大学院進学の大きなきっかけは卒業時のコロナが流行し始めた環境です。当時、卒業後に留学を考えていたため就職は考えておらず、その中でコロナウイルスが流行り海外への渡航が厳しい状況となりました。そこで指導教官の先生に相談し、大学院でスポーツや自分のしたい研究について理解を深め、コロナウイルスが落ち着いてから留学に行くことを決めました。
ー 大学院進学のための受験対策や事前準備
私は学内進学試験を受験し、筆記試験は英語のみだったので、ひたすら英語の長文読解問題を繰り返し解き、過去の問題にも本番の試験と同じ状況で取り組みました。長文読解は読むスピードが早ければ早いほど設問の回答にも余裕を持つことができるので、英語の長い文章に目や頭を慣らしておくことは大事だと感じました。また、英語の辞書を使うことがあまりなかったので長文読解の練習をしながら、わからない単語があればすぐに辞書で調べるようにしていました。
人間健康研究科 人間健康専攻
博士課程後期課程 2022年4月入学
(入試種別:一般入学試験)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 研究テーマと概要は、どのようなものですか。
『視覚特別支援学校におけるダンス・身体表現の指導のために』
概要:
視覚に障害がある児童は視覚的模倣(目で見て真似ること)が困難なため、運動指導には特別な工夫を要しますが、現在の学習指導要領には視覚障害児に向けた具体的な指導方法・教材は示されていません。体育の必修種目の中でも、ダンスや表現運動は視覚障害児にとって特にイメージが湧きにくく、難しいと感じられる種目です。
そこで、本研究では、視覚障害児の運動の機会を保障し、運動機能を向上させることを目的としています。まずは視覚特別支援学校の運動指導の実態を調査・把握し、視覚障害児の特性を活かしたダンス・身体表現の教材を実践と検証を重ねながら開発していきます。
ー 時間割

博士課程後期課程 2年次 秋学期

1限 2限 3限 4限 5限 6限 7限
人間健康特殊演習
Ⅳ(社会福祉政策)
ー TA・RA制度の利用にかかる経験談、よかった点
私はこれまで、人間健康学部の「ダンス」や「身体表現Ⅰ、Ⅱ」などの実技科目、「起業に学ぶ『考動力』入門」という千里山キャンパスからの配信の授業のTAを経験しました。TAは授業の受講生にとって、“指導者より少し身近で、友人より少し頼りになる”ような存在であると考えています。授業中は広い視野を持って、授業についてきていなかったり、1人で悩んでいる学生にいち早く気づき、適切な声かけをし、学生について何か気になることがあった場合は、授業後に指導者へ報告するようにしています。さらに、学生からも気兼ねなく声をかけてもらえるように、授業前後にも積極的にコミュニケーションをとって関係性を構築することが大切だと感じています。
特に実技科目では受講生との交流も多く、受講生の変化を見ることができました。「ダンス」や「身体表現」は慣れていない学生にとっては恥ずかしく敷居が高いものですが、肯定的で安心できる場づくりが学生の表現を引き出すうえでとても大切であることを学びました。私も学生を指導する立場になったときは、まずは受講生一人ひとりに関心を持ち、安心して表現ができる場を創りたいと感じ、TAを経験したことで指導者としての具体的な目標を持つことができました。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
私は関西大学大学院特別給付奨学金を利用しています。この奨学金は返済不要の奨学金です。学費は自分で支払っていますが、生活と研究活動を両立するためにも、給付奨学金をいただけることはとても有難いです。
関西大学大学院特別給付奨学金にはいくつかの種類があり、学内進学試験で入学する場合は入学前に申し込みをするものもあるので、進学を考えている方は確認してみてください。
ー 修了後の進路希望
現在私は大学や専門学校で「体育」や「身体表現」、「社会福祉」や「社会的養護」の授業の非常勤講師をしたり、関西大学ではTAやライティング・チューターとして学生の指導に関わっています。また、「ダンス・ミーツ・ラボラトリー」という団体を立ち上げ、講師として福祉施設でダンスの指導したり、教員向けにダンス教材を開発・配信したりしています。
この経験を活かし、将来は大学で学生に教示しながらも、地域の障害児・者や高齢者と身体表現する場を持ち、参加者の心身の健康や生きがいづくりに貢献する研究者を目指しています。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
現在、視覚障害児・者の運動に関する研究は、歩く・走るなどの基本的な運動、ブラインドマラソンやサウンドテニスのような“盲スポーツ”についての研究はありますが、ダンスや身体表現を扱うものは非常に少なく、また、知的障害児・者や聴覚障害児・者を対象としたダンスや身体表現の活動事例はあっても、視覚障害児・者に向けたものはほとんど見られません。そのため、現在私が研究している「視覚障害児のダンス・身体表現」は非常に先行研究が少ないテーマです。
自身の研究テーマに少しでも関連する研究からヒントを探したり、資料から把握できないことは視覚障害当事者やその保護者、指導者や支援者にインタビューしたりすることで実態を把握しています。散在した情報を収集することは大変ではありますが、先駆的な研究ができていることがやりがいとなり、研究の面白さを感じています。
ー 関西大学大学院人間健康研究科の魅力
人間健康研究科には、スポーツ科学や体育科教育学、社会福祉政策や文化人類学など様々な専門分野の教授がいらっしゃいます。そのため、研究報告会などでは幅広い視点からアドバイスをいただくことができ、自身の研究の可能性を広げることができます。また、堺キャンパスには人間健康学部・研究科しかないため、教授や事務室の職員の方とも密にお話しできる機会が多く、とてもアットホームな雰囲気であることも一つの魅力です。
人間健康研究科 人間健康専攻
博士課程前期課程
2016年4月入学
(入試種別:社会人入学試験)
勤務先名:
(看護系)
看護系大学准教授 & 和ねっとDSD研究所

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『認知症の人の地域支援体制構築に向けたプログラムの評価
‐認知症地域支援業務を推進する要因と認知症ライフサポート研修効果検証‐』
概要:
認知症支援体制構築に向けた実践現場の取組みについて、プログラム評価の観点で検討することを試みました。認知症地域支援業務を推進する要因として、レジリエンス、燃え尽き、ネットワークに着目し、質問紙調査を行いました。また、国が勧める認知症ライフサポート研修の効果検証を行うため認知症支援意識尺度を開発し、研修事前・事後意識の変化を検証し、認知症ライフサポート研修は、認知症の人への支援体制を構築するためのプログラムとして有効であることを明らかにしました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
現在、私は3つの肩書きで活動しています。主には看護系大学准教授(2022年4月~)、和ねっとDementia Social Design研究所(関西大学大学院時代に起業)、大阪市立大学大学院博士後期課程学生(2021年4月~)です。3つの肩書きで活動できている原点は関西大学大学院で培いました。
関西大学大学院時代は、自分が望む学びたいことを自由に勉強させていただきました。人間健康研究科では、ディスカッションを通じて、複合的な視点で「人間」「健幸」「福祉」を考える力を養うことができました。また商学部などの他学部の講義も受けさせていただき、企業の立場での考え方、視点なども学ばせていただきました。
これらの経験は、自分自身の視野を広げ、柔軟に物事を捉えることができるようになる土壌になったと思います。
自分が感じた素朴な疑問に対し根拠を持って論証し書き上げていくという関西大学大学院で経験したプロセスは、私にとって大きな財産となりました。今でも論文を書くときには、当時指導してくださった黒田研二先生の声が頭の中で聞こえてきて私を導いてくれています。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
関西大学大学院に入学するまで、私は大阪市社会福祉協議会で長年勤めていました。黒田研二先生とは仕事を通じて共同研究をさせていただくことがあり、「知」のシャワーをたくさん浴びてスキルアップした自分を実感していました。
私の母親がアルツハイマー型認知症と上顎洞癌を患い、在宅で看取る経験をしたことをきっかけに、人生でやり残したことがないように、大学院で学び直しをして後進の育成に残りの人生を費やしたいと決心をしました。
黒田研二先生に連絡し、私の決心と研究のテーマについて相談をしました。何度かメールでやりとりをさせていただき研究計画書を書きました。もし事前に黒田先生から指導を受けていなかったら、私は自分が気付かないまま突き進んでいたかと思うと相談して本当に良かったと思います。
ー 奨学支援制度の利用にかかる経験談、よかった点
関西大学大学院の入試説明会で給付型奨学金があることを知りました。学業に専念するために仕事を辞めたところだったので、制度を利用するために黒田研二先生に相談して推薦書(正式名称を忘れてしまいました)を書いていただきました。その結果、給付型奨学金を受給できるようになり、学問の道は何歳になってもどんな状況でも開かれているのだと実感しました。給付金を受給するには必ず年に何回か報告しないといけません。私は年度の終わりの報告期日を逃してしまうという失態をしました。せっかくの奨学金を自らのミスで受給できなくなり、自分への戒めのために2年目は敢えて申請せずに、卒業後に自立して収入が得られるように、さらに努力を重ねて自己研鑽することを選びました。
ー お仕事との両立の工夫等について
学業に専念するために長年勤めた会社を思い切って退職しましたが、社会人として大学に入学してからも、研修講師として全国を飛び回って活動していました。和ねっとDementia Social Design研究所は、関西大学大学院に入学して2年目に立ち上げました。きっかけは、それまでは肩書きを聞かれて「女子大生」と喜んで話していたのですが、研修先から「女子大生では決済するときに困る」と聞いたことをきっかけに、和ねっとDSD研究を立ち上げ、所長の肩書きで活動しました。
大学院の授業を優先するために、仕事をする曜日や時間帯をかなり調整しました。また、新幹線や飛行機の移動時間を利用して勉強をしていました。宿泊先ではパソコンやテキストを参照し、レポートを書いたり研究の案を考えたりしていました。
ー 出身学部と所属研究科の専門分野が異なっている際に、特にどのような点に注意して受験準備を進めたか
これまでに看護学と社会福祉学の学位を得ていましたので、出身学部と所属研究分野は異なりますが、受験勉強そのもので困るという感覚はありませんでした。ただ、過去問題から出題されている傾向と、最新の統計データを分析して勉強するようにしていました。問に対して明確に答えられるように自分の考えを文章化し、論理的思考となっているかどうかチェックするなど、自分なりに考えたトレーニングをして受験に備えていました。
ー 指導教員名とその教員を選んだ理由や教員とのエピソード等
指導教員名:
黒田 研二先生
指導教員は黒田研二先生です。
黒田先生は精神科医でありながら公衆衛生、社会福祉、行政や制度に精通しておられ、その知識と経験の豊富さ、多角的な視点に触れると、学問の奥深さとともに楽しさを学ぶことができました。黒田先生とは大学院入学前の在職中に共同研究者のメンバーと一緒に韓国に渡り、韓国の研究者と交流し施設訪問したことがあります。大学院入学後も韓国で行われた国際ソーシャルワーク学会に他の院生とご一緒させていただきました。私にとっては人生の分岐点となったような貴重な経験でした。黒田先生は海外からみた日本を感じとることを考えさせてくださり、視野を広げる大切さを教えてくれました。
人間健康研究科 人間健康専攻
博士課程後期課程
2017年4月入学
(入試種別:社会人入学試験)
勤務先名:
至学館大学 健康科学部
健康スポーツ科学科
助教(専任講師)

※掲載内容は、原稿作成時のものです。

ー 学位論文題名と概要は、どのようなものですか。
『高校スポーツにおける教育とビジネスの葛藤
‐組織と指導者に着目して‐
Conflict between Education and Business in High School Sports
‐ Focusing on organization and the leader ‐』
概要:
本研究は、従来の日本の高校スポーツの文化・組織的側面から、教育とビジネスがなぜ葛藤状況になるのか分析し、高校スポーツの課題解決に向けて、新たな視座を提供することを目的としました。
その第一段階は、拙文「高校スポーツにおける教育とビジネスの葛藤-新聞記事の内容分析から-」にて、マスメディアである新聞が高校スポーツについてどのような言説で語られ、社会的に認知されているかを分析したうえで、高校スポーツにおける教育とビジネスの葛藤状況を明らかにしました。
第二段階では、拙文「高校スポーツイベントのビジネス化における組織の対応に関する研究-インターハイの事例を中心に-」をまとめ、夏季インターハイを中心に、それを包括的に統一する全国高体連組織は、企業から資金の支援を受けてビジネス化していく過程でどのような対応をし、その対応にはどのような社会的要因が働いていたのかについて明らかにしたうえで、高校スポーツイベントのビジネス化における全国高体連組織の対応について検討しました。
これらに加え、日米の高校スポーツ組織である全国高体連とNFHS(National Federations of State High School Associations)の組織を比較検討したうえで、なぜ米国には教育とビジネスの葛藤が生じないかを分析。さらに、分析枠組みに基づくフィールドワークとして、高体連組織に属する要職者を対象にライフヒストリー法を用いたインタビュー調査結果をまとめ博士論文を執筆しました。
ー 現在の仕事において大学院での研究や学修が生かされている場面や、学部卒業で就職をしている方との違いを実感する場面をご紹介ください。
大学院で学修中は会社員でしたが、博士号を取得した翌年に大学教員へと転身しました。
まだ研究者としてのキャリアは短いですが、大学院では研究に対する向き合い方や考え方を学びました。特に、良いリサーチクエスチョンの立て方や分析枠組みの重要性、理にかなったエビデンスの提示など研究の基礎を徹底的に叩き込んでいただいたことが今に生きています。
ー 出願に先立って志望の指導教員へどのような相談をしたか、相談してよかった点
博士課程前期課程を修了後、博士課程後期課程進学へ強い想いを抱いていましたが関西圏内で自身の研究とマッチする大学院(指導教員)が見つからず諦めかけていました。
そんな折、社会人にも博士課程後期課程の門戸を開いた本学の人間健康研究科を知りました。いてもたってもいられず、試行錯誤していた研究計画と進学への想いを当時の指導教員であった杉本厚夫先生(現在はご退官)にお伝えしました。
杉本先生からはすぐにメールでお返事をいただきました。返信本文に「この研究計画なら大丈夫です」との文字を見た時は、まだ何も決まっていないにも関わらずガッツポーズしたことを覚えています。その後実際にお会いし、お人柄に触れ、この先生のもとで学びたい!と、さらに意欲が高まりました。
ー お仕事との両立の工夫等について
仕事と大学院の両立は想像を絶する大変さです。特に最終年次の博士論文提出前は日中仕事、帰宅後や休日は論文執筆と3ケ月ほどまともに寝た記憶がありませんでした。
工夫というより、疲れなどで体調を崩すと結果的に時間をロスしてしまいますので、追い込み期間以外は睡眠時間を十分に取り毎日3食を欠かさないなど、当たり前の健康管理方法を徹底していました。そして、極力、その日に出来ることをコツコツと進めるよう心がけました。それでも最終年次は課題が山積みでした。
ー 大学院進学の理由および本学を選んだ理由
前職は新聞社で全国高校駅伝や選抜高校野球、黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会、びわ湖毎日マラソン、甲子園ボウル(アメリカンフットボール大学選手権決勝)などのスポーツイベントのマネジメントに関する仕事に就いていました。
特に高校スポーツとの関わりが深かったことから、各種競技がメディアやスポンサーなどと共にコンテンツ作りに取り組み、ある面ビジネス化の様相を呈していることを肌で感じていました。一方で、現状の日本の高校スポーツ組織や文化では、学生スポーツがプロスポーツに近いビジネスとなっている米国のように、高度な発展をとげることが出来ないのではないかといった疑問も持っていました。
このような現場での課題を学術的に解明したいと考えたことが進学を決めた理由の一つでした。
そして、この課題を解決に導く研究環境が関西大学大学院にはあると感じました。なかでも杉本厚夫先生や西山哲郎先生、森仁志先生といったスポーツ社会学、文化社会学、教育学、文化人類学などに精通されている専門家の存在は大きかったです。
ー 普段、どのような研究活動(手法)を行われているか、またその「おもしろさ」「難しさ」について
私の専門はスポーツ産業学(スポーツ組織やメディアなどを対象)になります。入学当時は、統計データを使用して数値化した結果に対して考察を述べていました。
しかし、ご指導いただいた先生方から社会学や教育学、文化人類学などの観点から研究課題にアプローチする方法を学びました。特に質的研究で行った専門家へのインタビュー調査は新鮮でした。このような手法を学べたことで、現在はスポーツ産業の組織に関する諸課題を社会学的な研究方法によって解明することを主軸としています。
ー 現在の就職先・職業を選んだ理由
スポーツの専門家として生きていきたいと考えたからです。
専門家とは国語辞典で「特定の分野を専門に研究・担当し、それに精通している人。エキスパート」を意味します。前職のキャリアでも専門家と呼ばれたかもしれませんが、あくまで仕事の一環でスポーツマネジメントに携わっていただけでした。やはりそれではエキスパートとしては成り立たないと思い、大学院で学修して本当の意味での専門家(大学教員)になろうとしたことがきっかけです。
もちろんアカデミックポストの獲得は非常に難しく、狭き門だということも理解していました。しかし、自身の特徴(キャリアやバックグラウンド)を生かしたうえで研究者としての質を高めれば必ずたどり着くことが出来ると信じていました。