研究グループ

N(新物質・機能素子・生産技術)研究部門

メディカルポリマー・デバイス研究グループ

研究期間 2021年度~2023年度
研究課題 関大メディカルポリマーを用いた治療・診断用デバイスの開発
研究代表者 化学生命工学部 大矢 裕一 教授
研究者 化学生命工学部/ 宮田 隆志 教授、平野 義明 教授、岩﨑 泰彦 教授、古池 哲也 教授、
         葛谷 明紀 教授、柿木 佐知朗 教授、河村 暁文 准教授、奥野 陽太 助教
システム理工学部/ 宇津野 秀夫 教授、田地川 勉 准教授

 本研究グループは、関西大学が開発した医療用ポリマー材料(関大メディカルポリマー)を実際に応用される製品・デバイスとして結実することを最終目的とする。具体的には、外部環境に応答するスマートポリマーゲル、生体の特定組織に親和性を示すポリマー、組織再生の足場となるポリマー、標的指向型ドラッグデリバリーシステムを可能にするポリマー微粒子などを使用して、次世代の先進医療を支える、治療用デバイス、再生医療用デバイス、検査デバイスを開発・実用化するための必要なプロセス( Proof of concept(POC)の取得、PMDA認可、安全性評価、企業との契約)を実行するとともに、さらに次の時代のブレークスルーをもたらす基礎研究についても検討する。

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次世代自動車のトライボトロニクス研究グループ

研究期間 2021年度~2023年度
研究課題 1)電場におけるEV車摺動部の摩擦・摩耗メカニズムの解明およびセンシングに関する研究
2)摩擦帯電センサーを利用した自動車異常検知システムの研究開発
3)自動車走行環境のセンシングに関する研究
研究代表者 システム理工学部 呂 仁国 教授
研究者 システム理工学部/ 谷 弘詞 教授、小金沢 新治 教授、川田 将平 准教授

 近年、CO2排出量の低減、地球温暖化防止の観点より、自動車の電動化が急速に進めてられてきた。一方、自動運転技術の進化により、自動車産業が大きく変化しつつある。動力源の内燃機関から電動モータへの置換えに伴い、それを取り巻く機械要素の構成及び要求される機能も大きく変遷する。特に摺動部品の数は劇的に減少することとなる一方、小型化かつ高出力に伴う接触条件の過酷化による接触部品の耐摩耗性や耐焼付き性が求められている。漏れ電流によって引き起こされる電食低減の要求もある。さらに、自動運転に対し、効率化により環境負荷の低減や、車体異常の検知及び走行環境のセンシングによる安全性向上などを考える必要である。
 本研究グループでは、これまでのトライボトロニクス研究会の研究成果を活用し、次世代電気自動車に着目し、自動車の電動化に伴うトライボロジーに関わる課題の解明、自動車異常検知センシング技術の研究開発及び、自動車走行環境のセンシング技術の研究開発を目的とし、研究グループを設立する。上記の研究を通じて、関西地区の自動車トライボトロニクス研究拠点となることを目指す。さらに、企業とのコラボレーションを図り、研究の実用化も目指す。

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CPS実現に向けたバイオインターフェース研究グループ

研究期間 2023年度~2025年度
研究課題 Society 5.0による健康寿命の長寿化を実現するには、人体のバイタル情報や生化学情報などを常時取得し、そのデータをサイバー空間に収納し、得られたビックデータを解析し、個人ユーザーに還元させる必要がある。そこには、生体分子や細胞などの有機物質と電子デバイスとのナノ・マイクロレベルの接触から、体表と計測機器とのセンチメートルオーダーの接触など階層的な界面との接触(インターフェース)が生じる。このような場ではデバイスと細胞、生体材料との接触がこれまでよりも長い時間必要となる。そのため、長時間安定して計測できるインターフェースの開発や計測器に抗菌性など新しい機能を付与する必要がある。また、得られたビックデータをどのように収納し処理するかも課題となっている。本研究グループでは、これら新しい生活様式に対応するための基盤的な研究を実施する。
研究代表者 システム理工学部 伊藤 健 教授
研究者 システム理工学部/ 清水 智弘 教授、佐藤 伸吾 准教授、山本 真人 准教授、鈴木 昌人 教授
           高橋 智一 准教授

 Society 5.0を実現するためCPS(Cyber-Physical System)に関する研究が重要となっている。本研究グループは、その中でも健康寿命の長寿化に貢献するため、未病や遠隔医療診断への応用に焦点を当てた基礎研究を実施する。具体的には、マクロおよびミクロな生体と電子デバイスの界面を制御し、それらをスムースに接続させ、データ処理の高速化に関する研究に取り組む。

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I(情報・通信・電子)研究部門

近未来ICTの社会実装研究グループ

研究期間 2021年度~2023年度
研究課題 関西大学で培われてきた近未来的ICTの社会実装を最終目的とした実証実験
研究代表者 システム理工学部 松島 恭治 教授
研究者 システム理工学部/ 梶川 嘉延 教授、四方 博之 教授、徳丸 正孝 教授、小尻 智子 教授
           吉田 壮 准教授、西 寛仁 助教、アイエドゥン エマヌエル 助教
環境都市工学部/ 安室 喜弘 教授

 関西大学では様々な情報通信技術ICTの研究が行われている.これらの研究は, その技術を最終的に社会実装することを目指している. この場合の社会実装とは研究成果として得られた「知」を社会において活用することに他ならず, 関西大学が学是とする「学の実化」を体現するものである.
 ここで, IoT, ビッグデータ,AI,5Gなどに代表されるICTは,第5期科学技術基本計画で提言された「超スマート社会」における中核技術であり,新たな産業,製品,サービスの創発を通じて社会に便益をもたらすものである. しかし近未来的ICTを社会実装するにあたっては実証実験が不可欠である. また,その実証実験はICTの規模が大きくなればなるほど困難になる.本研究グループは、この様な実証実験の手法を幅広く探り、実際の実証実験を通じて本学で研究開発されたICTを社会実装することを最終目的としている
 一方,2025年に大阪夢洲で開催される大阪・関西万博は未来社会の実験場と位置づけられており,近未来技術の実証実験の場を提供することがコンセプトの一つとなっている.実際に2020年1月には,万博会場で実装あるいは実証する技術のアイデアが募集されており,研究代表者の松島はコンピュータホログラフィを活用した3Dサイネージ技術の実装を関西大学として提案している. (*1) このアイデア提案は現在も随時受け付けられている. そこで,本研究グループの直近の目標としては,先行するコンピュータホログラフィによるサイネージに付随する技術,またそれに留まらず,社会実装を目指した様々なICTの実証実験を2025年万博において提案することを目指す.
(注*1)アイデアの提案者は法人であることが要求されている.

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緊急救命避難支援のための災害情報通信ネットワーク研究グループ

研究期間 2021年度~2023年度
研究課題 緊急救命避難支援のための災害情報通信ネットワークに関する研究
研究代表者 システム理工学部 和田 友孝 教授
研究者 システム理工学部/ 榎原 博之 教授
環境都市工学部/ 尹 禮分 教授
社会安全学部/ 川口 寿裕 教授、元吉 忠寛 教授

 近年、世界中で火災、地震、津波、テロ、パンデミック等、人々の生命に関わる極めて重大な大規模災害が多発している。火災やテロなどの災害では、少なくとも数分以内に災害現場から避難することが求められる。しかし、正確な災害情報を即時に得ることが難しいため、被災者はパニック状態に陥り、最悪の場合には死に至る恐れがある。もし被災者が災害の発生位置や危険箇所、混雑している通路など、緊急避難に必要な正確な情報を入手することができれば、正常な判断や行動をとることができ、無事生還する可能性が高まる。そのためには災害が発生した直後に、被災者に対して必要な避難支援情報を即時に伝達するシステムが必要不可欠である。
 避難支援情報を伝達する手段として、スマートフォンを用いた災害時ナビなどのアプリがある。これは災害発生時、スマートフォンのGPS情報を使って現在地情報を取得し、周辺の避難所を表示する機能などが備わっている。しかし、GPSを利用できない屋内では機能しないという問題がある。また、災害時の輻輳により、被災者に対して適切な情報を提供することが困難であるという欠点を持っている。
 本研究グループの目的は、災害時やその後において使用可能な情報通信ネットワークを活用し、被災者の緊急避難支援を行うシステムを構築することである。その手段の1つとしてユーザが所有するスマートフォンを用いて避難支援するシステムを構築する。本システムは、災害発生直後にスマートフォン同士の自律的ネットワークとインフラネットワークを融合することにより、瞬時に災害を検知し、災害状況に応じた避難経路を検索し、安全かつ迅速な避難支援を実現する。また、災害発生前後の災害情報通信ネットワークにも対象を広げ、災害発生前における通常時のネットワーク構成の検討および災害発生後の避難所を含めた避難支援に関する新たな情報通信ネットワークの構築に関する検討を行う。災害後に特有の人間の心理状態への理解を向上させることにより、これまでにない効果的な避難支援を実現することも目的としている。

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メタバースによる文化財の発展的活用に関する研究グループ

研究期間 2023年度~2025年度
研究課題 本研究では,申請者らの独自技術である文化遺産維持管理のためのクラウドシステム(H-BIM; Heritage-Building Information Modeling)の実現手法を踏まえ,調査や管理の来歴を,時間・空間軸で相互に結び付け,一元管理を可能にする機能を内在したメタバースとして,現実および仮想の両側面のコミュニティに提供する枠組みへと昇華させ,文化財の価値を高め,その維持管理サイクルに資する発展的な情報環境の創出を図るものである.
研究代表者 環境都市工学部 安室 喜弘 教授
研究者 環境都市工学部/ 鶴田 浩章 教授
社会安全学部/小山 倫史 教授
文学部/ 吹田 浩 教授

 Covid-19の世界規模での感染拡大による人やモノの停滞がDXを加速化し,市民生活の新たな側面として仮想的な空間を人々の活動基盤とするメタバースの利用価値も顕在化し始めている.本研究では,申請者らの独自技術である文化遺産用のクラウドシステム(H-BIM; Heritage-Building Information Modeling)の実現手法を踏まえたメタバースを創出する.さらに,現実と仮想のコミュニティでシームレスに学術的・観光資源としての価値を高めることで、各地の文化遺産の維持管理に資する枠組みへと昇華させることを目的とする.

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B(生命・人間・ロボティクス)研究部門

ソーシャル・コグニティブ・ロボティクス研究グループ

研究期間 2021年度~2023年度
研究課題 人に寄り添う共感インターフェースの基盤技術の開発
研究代表者 総合情報学部 瀬島 吉裕 准教授
研究者 総合情報学部/ 荻野 正樹 教授、米澤 朋子 教授、佐々木 恭志郎 准教授

 AI技術の深化により、人間へ提供する情報やサービスの最適化・効率化が進んでいる。次世代のAIシステムは、身体というハードウェアを兼ね備え、自律的に人の意思決定を支援するものになっているだろう。すなわち、人とかかわり、社会との関係を支援するソーシャルロボットについて議論し、その解決策を模索する必要がある。
 本研究グループでは、人とかかわるソーシャルロボットの在り方について、人とロボットとのインタフェースにおける技術的な問題や課題解決だけでなく、認知科学的アプローチによる人とロボットやエージェントへの振る舞いや意思決定支援、人との情動に共感するアルゴリズムやそれを応用した介護支援AIシステム、身体性を有するロボットの認知発達メカニズムやソーシャルスキルの獲得プロセス、人間拡張による合理的支援やロボットに対する倫理的配慮等、人とロボットに関する多くの研究領域を横断し、多様な知見の蓄積と科学技術による解決手法を模索・提案することを目的とする。

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マイクロバイオーム研究グループ

研究期間 2023年度~2025年度
研究課題 1) マイクロバイオームあるいは宿主との相互作用を理解する基盤技術の開発
2) 微生物および食品由来機能性分子や細菌叢代謝物によるマイクロバイオーム制御技術の開発
研究代表者 化学生命工学部 細見 亮太 准教授
研究者 化学生命工学部/ 岩木 宏明 教授、片倉 啓雄 教授、福永 健治 教授、岡野 憲司 准教授
          山崎 思乃 准教授、山中 一也 教授

 異種生物で構成されるマイクロバイオームの機能解明やその制御技術の開発を目指して、本研究グループでは、マイクロバイオームの理解を深める基盤技術の開発、機能性分子および細菌叢代謝物によるマイクロバイオーム制御技術を開発することを目的とする。

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E(環境・エネルギー・社会)研究部門

インフラマネジメント研究グループ

研究期間 2022年度~2024年度
研究課題 社会基盤施設の先進的な維持管理手法を検討し、より高度な情報通信技術を適用するための研究
・3次元計測システムを活用した維持管理手法
・3次元点群データによる維持管理手法
・AI(人工知能)の活用による維持管理手法
研究代表者 環境都市工学部 楠見 晴重 教授
研究者 環境都市工学部/ 尹 禮分 教授、北岡 貴文 准教授、山本 雄平 助教
総合情報学部/ 田中 成典 教授

 社会・経済活動を支えている道路、鉄道、公共構造物などの社会基盤施設(インフラストラクチャ)には、多額のストックが投下されてきているが、その経過年数も長期にわたる施設が増大しており、今後の戦略的な維持管理手法の開発が重大な社会問題となっている。こうした背景の下、本研究グループでは、社会基盤施設の先進的な維持管理手法の確立を目的とする。そのために、高速道路に関わる諸施設を対象として、3次元高精度カメラやUAV等による3次元計測システムを活用した維持管理手法、3次元点群データによる維持管理手法、AI(人工知能)の活用による維持管理手法等について検討する。また、高速道路に関わる地盤構造物、地下構造物に対する検討も視野に入れて研究する。

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気候変動に適応した健康まちづくり研究グループ

研究期間 2022年度~2024年度
研究課題 ・気候変動による気温や降水の増分に対する影響評価と適応
・気候変動による極端な豪雨災害を例とした影響評価と適応
・適応策によるリスク軽減効果の定量化
研究代表者 環境都市工学部 尾﨑 平 教授
研究者 環境都市工学部/ 北詰 恵一 教授、尹 禮分 教授、井ノ口 弘昭 准教授
          秋山 孝正 先端機構研究員、石垣 泰輔 先端機構研究員

 今後の人口動態や気候変動による影響を想定した場合、極端気象の増大、高齢化、都市への人口の集中などは、環境被害、健康被害などを増大させる要因となる。本研究グループでは、IPCCが示す2℃上昇(RCP2.6)、4℃上昇(RCP8.5)の将来気候シナリオに対する適応策の推進がもたらす都市環境への影響と健康への影響を評価し、都市環境の改善と人の健康の維持・回復の適応策を提案することで、気候変動を考慮した健康まちづくりに貢献することを目的とする。

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人間・環境系の生体応答・感覚モデル研究グループ

研究期間 2023年度~2025年度
研究課題 省エネを目指した人間・環境系の生体応答・感覚モデルに基づく支援システムの開発
研究代表者 環境都市工学部 都築 和代 教授
研究者 システム理工学部/ 花田 良子 准教授、小谷 賢太郎 教授
環境都市工学部/ 原 直也 教授

 家庭部門のエネルギー消費は、生活の利便性や快適性を追求するライフスタイルの変化などの影響が背景にある。エネルギー消費を抑えるためには、家庭生活においてエネルギーを多く使う冷暖房機器の代替や生活行動時の省エネ手法を開発する必要がある。人間・環境系の生体応答・感覚モデルに基づき、省エネルギーを達成するための環境評価技術の開発を目的とし、省エネルギーの観点で行動を選択する意志決定を支援するシステムを構築する。

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社会安全イノベーションに貢献する大阪梅田におけるネットワークハブ構築研究グループ

研究期間 2023年度~2025年度
研究課題 我が国の防災・減災レベルは高止まりしている.しかしながら,南海トラフ巨大地震などの大規模災害を見据えれば,決して社会的に受け入れられる水準であるとは言えない.現状を打開するためには,備えることができない人々に対してもアプローチできる多様な分野における安全安心社会に資するイノベーションを加速させる必要がある.
研究代表者 社会安全学部 奥村 与志弘 教授
研究者 社会安全学部/ 小山 倫史 教授、菅原 慎悦 准教授
総合情報学部/ 友枝 明保 教授
システム理工学部/ 松本 亮介 教授
環境都市工学部/ 安田 誠宏 教授
商学部/ 飴野 仁子 教授、石田 和之 教授、西岡 健一 教授

 大阪梅田地区のひと・モノ・知のターミナルとしての強みを活かし,安全・安心社会のためのイノベーション創出を目指す.災害は日常の延長で発生するものであり,日常を豊かにする価値を生み出しているあらゆる業界が対象である.しかし,これらの業界は防災専門家ではない.南海トラフ巨大地震などの将来の災害を見据え,何が課題になっているのか,その知見を提供するとともに,課題解決に有用なビジネスモデルの提案も行う.