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地域再生センター

センター概要

    センター長
    環境都市工学部 教授 北詰 恵一

 地域コミュニティの持続的な再生に向けた取組を、集住環境の視点から、地域住民やNPO、行政、企業などのさまざまなジャンルの人々と協働で行い、共創により価値を生み出す研究および実践的活動を継続して行っています。建築・土木を中心とした工学の領域から、公共政策、公共経済学などの社会科学の分野、地理学などの人文学の分野を融合・創造しながら、地域再生をデザインしています。本センター設立時における関西大学TAFS佐治スタジオ(兵庫県人間サイズのまちづくり賞、国土交通省まちづくり功労者表彰)での活動や文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「集合住宅“団地”の再編(再生・更新)手法に関する技術開発研究」(2016年度都市住宅学会賞・業績賞)の成果をさらに発展させ、実践エリアを拡大するとともに、共創のあり方や方法論研究を深めることによって、地域の人々と共に歩む再生の活動を進めていきます。

文部科学省 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

  集合住宅“団地”の再編(再生・更新)手法に関する技術開発研究
   事業期間:H23-27年度
     研究代表者:環境都市工学部 教授 江川 直樹

地域再生センター 研究員(2023年4月1日現在)

学部 資格 氏名
環境都市工学部 教授 地域再生センター センター長
北詰 恵一
環境都市工学部 教授 地域再生センター 副センター長
大影 佳史
環境都市工学部 教授 岡 絵理子
環境都市工学部 教授 林 順一
環境都市工学部 准教授 井ノ口 弘昭
環境都市工学部 准教授 林 倫子
環境都市工学部 准教授 橋寺 知子
環境都市工学部 准教授 野村 正晴
環境都市工学部 助教 宮地 茉莉
環境都市工学部 専任講師 宮﨑 ひろ志
環境都市工学部 特別契約教授 楠見 晴重
社会学部 教授 草郷 孝好

地域再生センター協働研究者・協働研究チーム(2008年12月1日現在)

地域再生センターの主な研究テーマ

  • 美しい景観再生の視点からの持続的な社会資本、地域の再生に関する研究
  • 上記の具体的な再生デザイン手法の研究と実践
  • 地域再生行政、景観行政のあり様(景観行政マネジメント)に関する研究と提言

地域再生センター 研究員の近年の主な実績と今後の方向

研究員の研究領域分野においては、地域・都市計画学、社会基盤の維持管理、建築、都市設計、建築史、建築保存学などに関する研究、海外との研究交流が活発である。

地域集住環境分野での実績

地域集住環境の再生に関する分野では、日本都市計画学会賞(計画・設計賞)、都市住宅学会賞(業績賞・著作賞)、地域住宅計画賞、関西まちづくり賞(日本都市計画学会関西支部)、土木学会デザイン賞、日本建築士会連合会賞(作品賞)、奈良市建築景観賞、兵庫県人間サイズのまちづくり賞、その他の景観賞、まちなみ賞など数多くの受賞実績を持っており、現在も、大規模団地の持続的再生に関して具体のデザイン活動を実践している。 また各種の研究助成を得て、カンボジアにおけるトンレサップ湖浸水域集落に関する調査研究、交流を継続して行い、高い評価を得ている。
その延長として、平成19年度文部科学省による現代GP*に、環境都市工学部での取り組み「農山村集落との交流型定住による故郷づくり」が選定され、丹波市と関西大学との、まちづくりに関する包括的協定に発展し、現在、地域と協働し、空き家のリノベーションをはじめとする様々な交流、研究が進められている。

保存工学分野での実績

わが国ではまだ新しい保存工学分野でも、多くの国指定重要文化財などの修復調査、実施に関わり、更に生活民家の復旧に関するヘリテージマネージャー制度の確立に関わっている。その他、多くの被災した歴史的建造物、民家の診断、修復調査、実施に関わり、現在も能登の家屋修復に精力的に関わっている。
近代建築の保存改修に関する分野では、フィンランドとの比較において、研究、提案が継続されている。

都市計画、まちづくり、復興・再生計画分野での実績

日本都市計画学会長も務めた研究員は、12名のアジア諸国からの留学生に学位取得指導を行い、いずれも自国で大学教員となり、地域の問題に取り組んでいる。地域再生と景観に関して、『失われた風景を求めて-災害と復興、そして景観(2008)』、『都市のリ・デザイン 持続と再生のまちづくり(1999)』、『景観からのまちづくり(1988)』などをはじめとする多数の書籍を著し、サントリー学芸賞、故奥井復太郎日本都市学会会長記念都市研究奨励賞などを受賞している。
複数の研究員が、阪神淡路大震災後の復興にも大きく寄与し、復興再生に関する経験とすぐれた実績を持ち、復興事業での受賞や、兵庫県功労者表彰などを受けている。
その他、ウランバートル、ハノイなどの社会主義住宅の再生という特異な研究や、香港、シンガポール、台湾を舞台に公共空間のアクティビティに着目し、都市と建築を統合する研究に取り組んでいる。

社会基盤工学分野での実績

社会基盤施設の1つとして鋼構造の橋梁に関する分野では、その疲労特性を研究し、維持管理、再生技術における国内外の第一人者として国土交通省橋梁ドクターとして活躍、橋梁調査研究に携わる実践的な研究成果について、ネブラスカ、韓国との共同研究に携わっている。
岩盤斜面の安定性に関する研究分野では、老朽化斜面の維持管理・再生技術に関する国内第一人者として、豊富な現地調査に基づく景観・環境に配慮した新しい斜面再生技術を提唱するとともに、国土交通省道路防災ドクターとしても社会に貢献しており、タイAsian Institute of Technology,台湾正修科学技術大学との研究交流も継続されている。
河川環境の再生、防災・減災分野では、国際水理学会アジア太平洋地区部会会議論文賞を受賞、特に伝統的水害対策、水環境の維持管理と水域再生に関して国内外の第一人者として、安心安全な社会基盤の面からの地域再生の研究を進めており、英国ラフバラ大学との研究交流を継続している。

生活支援工学分野での実績

EASTS(アジア交通学会)学術委員として、地域・環境計画のトピックグループ長を務め、国際的な研究を取りまとめる立場にある研究者や、計画・制御からロボティクス・メカトロニクスへ、そして生活支援工学へと研究活動の中心を移動させ、平成18年度文部科学省学術フロンティア推進事業採択プログラム等、障害者・高齢者に対する実践的・学際的支援に関して工学分野を横断した研究を推進している研究者等、多くの研究員がすぐれた研究・実践活動を展開している。

景観分野での実績

複数の研究員が、すでにさまざまな公共団体の景観行政の具体化に対し、提言・寄与しており、今後は、さまざまな社会資本形成工学分野での持続的再生を視野に置き、美しい景観形成をその指標として進めるべく、良好な生活景観形成の原理化の研究を進め、次代の社会に寄与することを目指している。