円神館(1964年竣工)

第1学舎の図書館の分館として建設され、「専門図書館」と呼ばれていました。こちらも円形の平面をもち、16本のエンタシスのある円柱で支えられた円形部分(旧閲覧室)と、そこから吊り下げられたガラスの箱状の事務室部分が印象的です。1階部分はピロティで見通しがよく、大きな軒下のような空間で学生が談笑する風景も見られます。円柱の表面は掻き落としで仕上げられ、村野好みの柔らかなテクスチャーです。現在、内部は大幅に改修され、ITセンターとして利用されています。

経済学部・商学部研究棟(1966年竣工)

第1学舎の研究室2号棟と同時期に建設された個人研究室棟です。第1学舎の研究室棟と同様のレンガタイル貼りの外観に北欧建築のような窓割のサッシュが並んでいます。3つに分けて雁行させており、長大な建物には見えません。

第2学舎3号館(1967年竣工)

⑧の研究棟に連なるように配置された教室棟です。2つに分かれ、やはり雁行する配置であり、南側の樹々ともなじんで、大きさが目立ちません。東端の外部階段は、レンガタイル貼りの外壁と異なるコンクリート打放しを用いたデザインで、手すりなどに村野藤吾らしさがあります。

街灯

第2学舎1号館前の広場の中に立っています。コンクリート製の支柱は上にいくほど細くなり、頂上部から緩やかなカーブを描いたアームが左右に伸び、両端から少し中ヘ入ったところに丸いランタン風の電球が下がっています。長方形の断面をした支柱の長辺側が僅かに削り込まれているあたりに村野のセンスが光っています。
同じ形の街灯は、簡文館前にも立っていましたが、2018(平成30)年9月4日に襲来した台風21号のために倒壊し、千里山キャンパスに残る村野が設計した街灯はこれだけになりました。