政策学科Department of Policy Studies

学問領域の枠組みを超え、多様な視点から現代社会の諸問題に挑む

多岐にわたる分野の学びを通して、グローバル化、環境問題、日本の少子高齢化など、国内外の社会問題に対し、解決のための政策を柔軟かつ総合的に判断・提案する能力を養います。2年次に以下の2専修(政治経済専修、地域経営専修)に分属され、より専門性の高い知識を身に付けます。

−学びのポイント

  • 1多岐にわたる学びの領域を横断的かつ段階的に学ぶ
  • 2学ぶ意欲を高める実践的なカリキュラムとしてゼミ活動を重視
  • 3グローバル社会で生かせるコミュニケーション能力を育む
  • 4フィールドワークを通して、実社会の問題を考える

−こんな人にオススメ

政治経済専修

政治・経済の動因を認識・分析し、現代国家における政治的決定の本質、法と社会生活の関わりなどを多角的に分析。公共政策を歴史的、規範的、実証的に考察し、新しい公共的空間の創造に貢献できる人材を育成します。

  • 国内外の社会問題の分析や解決に実践的に取り組みたい
  • 公務員や議員として公共政策の作成に関わりたい
  • 政府機関や多国籍企業、NGOなどの国際的な分野で活躍したい

地域経営専修

地域社会、地方公共団体における普遍的課題を探究し、行政の在り方、地域産業や福祉サービスをデザインする能力を養成。自治的・自立的で持続可能な地域社会の構築に貢献し、組織の問題解決に向けて実践的に行動できる人材を育成します。

  • 地方公務員として郷土の発展に貢献したい
  • 地域経済の活性化に関わりたい
  • 経営のプロとして、幅広いフィールドで活躍したい

特徴的な授業

地域社会論

都市化社会における田園空間の価値と可能性についての理解を深める
多くの国家において、国土の大半を占める非都市的な空間の管理は大きな問題となっています。本講では、イングランドのカントリーサイドを例にとって、田園空間に投影され期待されている社会的価値や機能の成立の経緯を明らかにし、その空間で形成されているコミュニティの特徴と課題を紹介した上で、空間を編成管理しているプランニング制度の現状を解説します。

公共政策論

より良い社会をデザインするための思考方法を鍛える
たとえば少子高齢化、環境問題、交通渋滞などのように、個人では解決が難しいけれど、社会的には解決しなければならない問題の構造とその解決プロセスについて学びます。この講義では、具体的な事例に即しながら私たちの日々の暮らしに密接に関わっている公共政策を複数の要素に分解し、複雑な問題を解きほぐしながらより良い解決策をあたえるための思考を鍛えます。

福祉政策論

生活を支える福祉政策の現状と将来像について学ぶ
福祉政策の中で大きな役割を果たしている年金や医療保険などの社会保障制度や民間保険のあり方について解説してゆきます。長期の不況や高齢社会、また限られた財源のなかで雇用や老後の不安は増しており、福祉は大きな転換点に立っています。生活保障をめぐる話題やトピックスを取り上げながら、現状の制度を理解したうえで将来の展望について考察します。

学科長からのメッセージ

政策学科長宮下 真一

写真:政策学科長 宮下 真一

 私の専門は経営学ですが、政策的視点とは、企業が1つの民間事業者としての役割に完結されることなく、政府や自治体などの公共部門といかに関わっていくのか、ということを目指しています。

 例えば、企業を中心とする経営学の考え方は利益を上げて、進出した国や地域の経済に貢献することを重視していますが、併せて、進出した国や地域の法律や政治体制を考慮しなければリスクが増大して、企業として成功することは難しくなります。

 また、これとは逆に、単独では利益を上げることが難しい、地域の公共交通機関においては、地元経済への影響を最小限にするために、政府が公的なサポート体制を整備して法律の制定を推し進めるとともに、それを政治体制がバックアップする必要があります。

 このように、現代の社会科学の研究分野は、政治学、経済学、経営学、法律学を横断的に学ぶ必要があります。そこで、本学部では学生の関心に応じて、2年次より、「政治経済」専修と「地域経営」専修を設けて、多角的に政策的な視点を学べるカリキュラムを提供します。

政策学科 3つのポリシー(教育方針)

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

政策創造学部(政策学科)では、学位授与の方針及び教育課程編成・実施の方針に基づく教育を受けることのできる者として、様々な入試制度を通じて、次に掲げる知識・技能、思考力・判断力・表現力等の能力及び主体的な態度を備えた入学者を広く受け入れます。

1 高等学校等における全般的な基礎学力を有している。具体的には次の能力を身につけておくことを推奨する。 ①国語:国語を適切に表現し、古典・近代以降の文章を的確に理解することができる、 ②地理歴史:我が国及び世界の形成の歴史的過程と生活・文化の地域的特色について理解できる、 ③公民:現代の社会について主体的に考察し、民主主義のもとでの政治・経済・国際関連事項を理解できる、 ④数学:方程式・関数・図形・微積分・集合・確率・数列・ベクトルなどの数学的見方及び考え方を認識し、事象を数学的に考察し処理することができる、 ⑤外国語:外国語を通じて言語・文化に対する理解を深め、読み書きはもとより積極的にコミュニケーションを図ることができる。

2 自分の将来の課題を探し求め、その課題に対して幅広い視野から柔軟で総合的な判断を下す「真の実践的能力」を育む「考動力」の基盤を有している。

3 地域社会の諸問題に対して取り組んだ経験を有している。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

政策創造学部(政策学科)では、学位授与の方針に掲げる目標を達成するために、以下の点を踏まえて、共通教養科目、専門教育科目及びその他必要な科目を体系的に教育課程として編成します。次の点を踏まえた教育課程を編成します。

1 教育内容

(1)教養教育

ア 社会における活躍に必要な広い知識・視野と柔軟な思考を育成するために、共通教養教育として自己形成科目群等を配置し、総合的な人間力を養う。

イ 外国語文献の読解やコミュニケーションスキルを身につけるための「外国語科目」を配置し、4年間を通じた実践的な英語力育成を図る。

(2)専門教育
国際関係論、政治学、経済学、経営学、法律学等の社会科学諸分野を基礎とし、それらを総合した実践的な問題解決の学問である政策学を学ぶことができるようカリキュラムを提供している。それによって、社会における公的な問題を発見し、地球的な視野からその解決策について考え、それを何らかの形で実行できるような能力を持った人材を育成することを目的とする。

ア 初年次に、政治、経済、経営、法律、国際社会等の学生が身につけるべき専門の基礎として導入科目を配置し、導入ゼミIと導入ゼミIIでは特に少人数によるゼミ形式にて専門的な学びへの転換を図る。

イ データを通じて社会的な課題を読む解く力を育成するため、「データ分析科目」を設置している。

ウ 政策立案に必要な国際関係論、政治学、経済学、経営学、法律学等と、それらの総合的かつ実践的学問である政策学の中級的内容に関わる基幹科目を配置し、さらに展開科目として、学生がこれから学んで行く研究分野や進路に深く関連した応用・実践科目を有している。

エ 高次の英語教育として海外留学やビジネス等に関する英語能力を向上させるため、プロフェッショナル英語(各テーマ)を設けるとともに、多様な国・地域の政治、経済、社会に対する理解を促進することを目的として、当該国での通用する言語を通じて学ぶ、「グローバル・スタディーズ・セミナー」を配置している。

オ 政治経済専修、地域経営専修の2つの専修内容に対応して、より専門的な視野を含めるための展開科目を設置する。

2 教育評価

(1)専門演習及び卒業演習への円滑な移行を図ることを目的とし、各セメスター終了時には必修科目及び語学教育の科目を中心に単位修得状況を確認する。

(2)4年間の学修成果は、卒業研究や最終報告を含めて、本学の評価基準を満たしたものを合格とする。

卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

 政策創造学部は、豊かな地球市民社会の創造を重要な教育理念としています。地球市民社会とは、各人が国境を越えた地球規模の共同体に属するという感覚を有し、それに基づく社会的責任を意識した行動をとることで実現可能な社会を意味します。
 とりわけ政策学科では、新たな時代的変化を見据え、社会科学全域を総合する多様な視点から、現代の国内外の社会問題に挑む思考力、行動力、さらに既存のパラダイムを批判的に分析する能力を有し、本質的に持続可能な市民社会の創造に貢献できる人材の育成を推進しています。すなわち、現代社会における多様な問題を総合的、学術的に把握、考察し、課題と解決策を見いだす能力、それを実行・実現する力を有する人材として、下記の力を身につけた人物に対して学位(政策学)を授与します。

1 (知識・技能)
幅広い豊かな人間性を基盤として、現代社会が抱える諸問題に挑む政策学に関する知識・技能を修得し、それを実践することができる。

2 (思考力・判断力・表現力等の能力)
現代の地域社会等で活かせる実践的なコミュニケーション能力を持ち、「考動力」全般を身につけ、実際のフィールドワークなどを通じて、地域社会や諸組織の問題を考える高い思考力を育み、そこに留まらず、実際に立案、行動することができる。

3 (主体的な態度)
密なコミュニケーションを基盤とする他者との協働の中で、解のない現代社会の諸問題に意欲的に取り組み、新しい価値を主体的に生み出すことができる。