北川ゼミの学生が近畿カバディ選手権大会に出場しました
北川ゼミは、テーマに全く制限を設けず、自分たちだけで(ゼミ内の小グループで)テーマを設定して、調査し、練り上げ、発表することを課題にしています。何も手がかりの無いところからテーマを設定し、調査し、思考することに、ゼミ生たちはものすごく苦労しています。各班ともに、「そもそも何をしてよいか分からない」「行き詰まってしまった」というつらい(面白くない)状況を自分たちで突破して、ゼミ内での発表にこぎつけます。

内田さん・前田さん・山中さんの小グループ(上の写真)は、当初「デジタルとアナログ」というテーマで研究を始めたあと、なんと数か月も行き詰まっていました。見ているわたしのほうが「かたちにできるだろうか...」と心配してしまいました。しかし、発表直前、スマホなどデジタルを使う人という「個人」に注目していた(囚われていた)視座を大きく転換させて、「デジタル依存」など「現代の「依存」という言葉は 個人の問題に着目されやすいが、 社会的構造(システム)によって 生み出されているのでは?」という問いを立て、そこから優れた考察や提案を導き出しました。20分の発表のあと、なんと1時間以上、他のゼミ生からの質問や意見が出続けました。彼らのおかげで実に知的な時間が生まれました。
安東さん・岡山さん・菅さん・松原さんの小グループ(下の写真)は、SNSでたまたま目にしたインド発祥のスポーツ、カバディに興味をもち、調べはじめました。

発表では、植民地下のインドでは西洋スポーツがエリートにたしなまれてきましたが、独立後のインドでは、古来からある「庶民のスポーツ」のカバディが、「われわれ」の文化やアイデンティティをつくるものとして再評価され、「国民統合のスポーツ」になっていることを、細かな調査をもとに私たちに教えてくれました。また、カバディは日本でも少しずつ認知されているらしく、この小グループでは、果敢にもカバディの体験会に参加して、カバディは教育現場に導入が容易であること、そして、カバディは身体づくりだけでなく、「考える力」「伝える力」「協力する力」を育てるスポーツであることを、実体験から明らかにしてくれました。さらに、大阪でカバディの普及に努めているかたに聴き取りをして、大阪では、参加者が怪我をしないようにルールや道具で工夫をこらすことで、子どもや女性でも楽しめるようにする、そして、興味をもってカバディを始めてくれた人が故障でやめてしまわないようにする(つまり、競技人口を増やしてゆく+減らさない)という工夫をしていることを教えてもらいました。
さらに、この小グループの1人、菅さんは、ルールが簡単で誰でもすぐにできることを検証するために、高校からの友達(みんな今は関大生)を連れて、「近畿カバディ選手権大会」のビギナーカップに出場しました。検証のため、大会に向かう道中でカバディのルールやコツを説明したそうです。ゼミ発表で突然賞状を見せられて、わたしもゼミ生たちもどよめいたのですが、なんと優勝したとのことでした。
まぁ、インターネット上で公開されている大会動画を見ると、菅さんも友人たちも、高校のサッカー部に所属していたので、わたしから見てとても運動神経の良い人たちではあるのですが。それでも、見様見真似でカバディをしているうちに、すぐにカバディらしい動きになっていたのは驚きました。ルールが分かりやすくて始めやすいという特徴を、私たちも感じることができました。また、大会では、観客に楽しい時間を過ごしてもらうためのイベントもあったようで、そのなかのじゃんけん大会では、菅さんの応援に行ったゼミ生(安東さん)が、最後まで勝ち残って、大会特製、額に入ったパズルを頂戴したようです。
なお、ゼミ教員のわたしとしては、優勝したことを評価しているのではなく、カバディを誠実に理解しようとして、このグループが勇気を出して体験会に出席し、さらに、大会にも出場し、実体験を通じて思考したこと、そして、カバディの普及に努めている方にインタビューをして、そこから考察したことを高く評価しています。この小グループの発表を聴いたゼミ生の一人、杉原さんは、「ずっと前のめりになって聴いちゃう内容でした。私のあたまのなかにカバディが広がりました!」という素敵な感想を話してくれました。
体験会や大会でゼミ生たちがお世話になった大阪カバディチームの上方ManGunnersさん、「近畿カバディ選手権大会運営委員会」の唐松委員長やみなさまに(お会いしたことはありませんが)ゼミの教員として感謝申し上げます。
【記事・写真提供:北川亘太教授】