北川 亘太 ゼミ

  • 歴史・思想コース
  • 歴史・社会専修

ゼミの内容について

班活動でたくさんお話ししたり、私と個別に相談しながら、時間をかけてあなたや他の受講生のやりたい(やるべき)ことをじっくり見つけ出します。そして、自分(たち)で決めたテーマについて自らで調べ方を考え、調べてみて、分析の仕方を考え、分析してみて、ゼミ大会で発表したり、最終的に卒業論文を書いたりします。

過去のゼミ生のテーマは多種多様でした。例えば、現地での聴き取り調査に基づく研究では「世界遺産は過疎地域を救うのか」、「建設業からみる外国人就労」、「熊本県の益城町における被災者支援団体の連携」。本や論文の情報をもとに自分の頭で考えた研究では「ドメイン投票方式の有効性」。事例比較では、自分が住んでいる市の改名を他の地方公共団体や民間企業の改名と比較しながら論じた「小さな町、篠山市が丹波篠山市に改名したことについて」。他にも、EXILEが所属する芸能プロダクションLDHの幹部が書いた本について事細かく経営学的に分析した卒論もあります。

どのテーマでも構いません。ただし、ゼミ生には、自らの思考が、そのテーマを調べ、分析し、発表や論文として表現するなかで(できれば私もあなたも想像もできないふうに)「深まる」ことを、求めています!

ゼミ生自身によるゼミ紹介や研究プレゼンテーション

ゼミ生によるゼミ紹介やゼミ生の(私が言うのも何ですが、とても素晴らしい)研究プレゼンテーションを見てみたい方は、下記のURLを見てください。2020年のオープンキャンパス用に作成した動画です。

「政治経済学」の視点を、あえて言葉にしてみると…

以下、なんだか小難しい話になってしまったので、読み飛ばして構いません。政治経済学は、いわゆる経済学の観点、例えば需要と供給、効用最大化、均衡とは別の観点から経済問題を考えます。その観点とは、対立・交渉・妥協といった「政治的駆け引き」、歴史の中で育まれてきた独特な慣習、法律、暗黙のルールといった「制度」です。ゼミでは、私たちの日常で政治経済学的な出来事が起こっていることを発見し、深掘りします(別に政治経済学的な出来事でなくてもよいですけど)。
「政治経済学1・2」の受講生がおっしゃってくれた印象的なコメントと私のお返事を挙げます。

(1)政治的駆け引き
「政治は国会で行われていて、他の国と何か交渉したりすることが政治だと思っていましたが、僕たちの身の回りでも、親におこづかいUPの交渉をしたりすることも規模が違うだけで同じなんだなと気づきました。」→駆け引きで少しでも有利になるためにはどうすれば良いでしょうか?
(2)制度(仕組み)をつくることが人(考え方・モチベーション)をつくる(逆もしかり)
「私はサッカーのコーチをしています。私が教えているチームは、それほど強くありません。だから私が教え始めた時は練習中もおしゃべりをしている選手がいました。そこで私は、選手たちに目標をつくらせました。そうすることで選手たちも目標を達成するためにはどれだけ練習しなければならないか分かり、練習中の態度が変わっていきました。このように練習の取り組ませ方(制度)を変えることによって、人の能力やモチベーションというのは変わっていくものだなと私は感じました。」→人の考え方・技能に問題があるとき、解決策はその人自身を変えようとすることではなく、その人を取り囲む明確な/暗黙の仕組み、つまり「制度」が何かを調査し、それを改善することかもしれません。

こういった政治経済学の着眼点にもとづいて、しかし、それに囚われすぎることもなく、自分たちで(私とあなたで)、オリジナルな学び方(調べ方、分析の仕方、発表の仕方、書き方)を編み出していきましょう。

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