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学部概要

教員エッセイ

第33回謎のお寺

商学部 教授 太田 浩司(会計専修)

 私のゼミでは、夏休み期間中に2泊3日で、明日香村にある関西大学のセミナーハウスでゼミ合宿を行い、その最終日に、明日香村をハイキングするというのが慣例となっている。

そのルートは、稲渕のセミナーハウスを出て、栢森、畑、冬野の良助法親王の墓に立ち寄ってから、談山神社に詣でてそこで昼食を取り、その後、冬野川沿いに下って、石舞台古墳を見学し、またセミナーハウスに戻るというものである。

 朝の9時過ぎに出発して戻って来るのは昼の4時過ぎ、全行程約20キロいう、なかなかタフなコースである。従って、女子学生がいたら不可能かと思われるのだが、幸か不幸か私のゼミは毎年男子学生ばかりなので、その心配は杞憂に終わっている。

 途中、地図に載っている小さなお寺や神社が7、8個くらいあり、全て一応立ち寄るようにしているのだが、毎年なぜか発見できないお寺がひとつだけある。それは、常龍寺というお寺で、地図によれば、畑から冬野へ向けての道すがらにあるはずなのだが、なぜかしら未だに見つけることができていない謎のお寺である。

 この話を学生さんにすると、よし今年こそは探してやろうという気になるのか、皆そのお寺の周辺くらいにくると、ちょっと脇道に入ったりして探索するのだが、やはり毎年見つけることができないでいる。そして、これまたお決まりなのだが、「廃寺になったんちゃう?」ということで、最終的に皆納得するのである。

 卒業生に会って、「今年も明日香行ったけどやっぱりあの寺見つからんかったわ」というと、皆その寺の事は覚えているのか、ひとしきりその話で花が咲く。もしかしたら、このまま見つからない方が良いのかも知れない。

『葦 №153号』より
2013年12月24日更新

※役職表記は、掲載当時のものです。


☆太田ゼミのゼミ合宿-明日香村をハイキング-☆


           

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商学部教授 太田 浩司

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