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学部概要

教員エッセイ

第29回学生の訪問

商学部 准教授 西岡 健一(マネジメント専修)

 最近、学生が研究室を訪ねてくることが多い。内容の多くはゼミの課題や就職活動についてだが、中には世間話をしに来る学生がいる。私は普段、「用事の無い訪問は歓迎である、何も考えなくていいからね。」などと言っているためかもしれない。いずれにしろ季節柄だろうと思っていた。

 大学教員になったのは関西大学が初めてであるが、不安だったのは、私自身が大講義もゼミナールという方式も全く知らないことであった。専門分野以外、学生に教示できることを考えてみた。私は全く平凡な人間であるが、言われてみると、理系の大学院を出て企業の研究所や本社、そして退職してから英国の大学へ留学と、文系理系・日本英国・学際実務、色々な経験をしているかもしれない。個人的には単に回り道しただけと思っているが。

 こうした自分の経験上、本当に役に立つことは、自分で考え実行した経験、であると確信している。そこでゼミでは学生に、チャンスを与え、考えさせ、やらせてみる、を方針としている。と同時に学生を教育する上で一番大事なのは教え過ぎないこと、我慢し気付くのを待つこと、であることも分かってきた。しかしながらこれが難しい。実務において質問されて答えられるのに答えない、という状況はあり得ない。上司・部下からの質問に対しては、いかに説得力を持って回答するか、が大事となる。

 ところが、学生に対してこれではいけない。質問に対してはヒントや比喩を与えて、自分で考えさせるように指導しなければならない。ところが今までの習慣か、学生が分からない顔をすると、納得したような顔をするまで説明し、時には自分の見解までも話をしてしまうことがある。私が単におしゃべりなだけかもしれないが。
 最近、学生は私のその癖をよく知っているような気がする。

『葦 №149号』より

2012年01月11日更新

※役職表記は、掲載当時のものです。

☆西岡ゼミの学生(2009年度入学生)と☆


     

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商学部准教授 西岡 健一

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