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学部概要

教員エッセイ

第26回Next Move

商学部 准教授 岡本 真由美(国際ビジンネス専修)

 「ビジネス英語ってどんなだと思う?」と、学期初めの授業で私は学生に尋ねる。彼らの多くは「高校で学んだ英語よりもっと複雑な文法とか難しい単語を使う英語」のように答える。私が、「確かに少し語彙は覚えないといけないが、文法はみんなの知っている知識で充分だ。」と言うと、一様に意外そうな顔をする。ただし、それを使いこなすための知識が必要で、LearnerからUserへと意識を変えよう、というところから授業が始まる。

 ビジネスには、説得するとか、良い関係を結ぶといった目的があり、相手がある。それらに沿った言葉を選ぶことはコミュニケーション戦略の一つである。つまりは「モノはいいよう」なのである。そのためには、英語のカタチだけでなくココロを学ぶ必要がある。「会議の準備時間が必要」という内容を"Time to prepare for the meeting is necessary."とも"We need time to prepare for the meeting."とも書くことができるが、この2文ではココロが違う。be動詞を使った前者は、冷静で一般論的な感じだが、一般動詞を使った後者は、率直で強さを感じさせる。
「上司に会議の準備をせかされて言うなら、どっちが良いと思う?」と学生に問いかけ、わいわいと一緒に考える。そろそろと学生から「前者はちょっと嫌みになるかも」「後者のほうが切実感でるかな」のような意見が出始めてくると嬉しくなる。

 自分の大切な知性や感性を表現する時、英語のUserとして、決して言葉で妥協してはいけないと学生に話す。そのための小さなNext Moveとして、一つの事柄を表現するにも複数の方法があることに気づき、それらを使いこなす知識を得てほしいと、心から思う。

『葦 №148号』より
2011年6月29日更新

※役職表記は、掲載当時のものです。


     

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商学部准教授 岡本 真由美

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