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学部概要

教員エッセイ

第16回Fun Fun Fundamentals!

商学部教授 乙政 正太(会計専修)

 一般向けに書かれた会計の本が書店の店頭に並ぶことはもう珍しいことではなくなってきた。国際会計基準の導入に関するものもそうであるが、決算書の読み方に関する本が多いことに気づく。思いの外たくさん出回っていて、「面白いほどわかる」・「ここだけ読めば」といった興味を引くタイトルが目を引く。

 この流れは、一般の社会やビジネスの世界で、決算書を読まなければならない環境が増えてきている表れであろうか?株式投資に関連した本の出版も目立つが、たしかに相場を見通すためには決算書の理解なしということは考えにくい。企業のファンダメンタルズ(基礎的前提条件)を分析し、企業の将来の価値を算定するには、公表済みの決算書からでも十分な情報量が得られるであろう。

 大学でも、就職活動を行う学生にとって企業の将来性を見抜くことは欠かせない作業のはずである。インターネットを通じて企業の決算書類を入手することが格段に便利になったにもかかわらず、それを読み込んでいる姿を見かけることは決して多くはない。たしかに決算書の見方に馴染みのない段階では、羅列された会計数値だけを眺めていても無味乾燥な印象だけで苦痛をともなうかもしれない。

 これまで決算書の作り方のほうに教育が集中してきたことの影響もあると考えられるが、決算書の読み方を習得すれば、愉快で楽しいファンダメンタルズ分析(Fun Fun Fundamentals)を実践することも可能であろう。丹念に決算書を読めば、背後にあるさまざまな企業の特性をイメージできるようになってくるはずである。少なくともビジネスの教養として、就職後にはむしろ決算書を読む能力のほうが求められそうであり、今後も授業の工夫が必要だと感じている。

『葦 №139号』より(一部加筆修正)

2009年12月16日更新
※役職表記は、掲載当時のものです。

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商学部教授 乙政 正太

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