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最新情報

ワークショップ「バイオミメティクス(生体模倣)への誘い」を開催しました。

 2017年12月6日(水)、関西大学千里山キャンパスに於いて、文部科学省 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業プロジェクト「3次元ナノ・マイクロ構造の創生とバイオミメティクス・医療への応用」によるワークショップ「バイオミメティクス(生体模倣)への誘い」を開催いたしました。
 当日は、工学院大学 工学部 鈴木健司 教授、本学システム理工学部 青柳誠司 教授、高橋智一 准教授、伊藤健 准教授による講演が行われ、多数の方々にご参加いただきました。

【招待講演】
   「生物に学ぶ表面微細構造と機能」
            工学院大学 工学部 教授 鈴木 健司
[概要]
 本講演では、生物の表面の微細構造によって発現する機能の例として、昆虫の水面移動、壁面歩行を取り上げ、これらの機能を再現するロボットについて紹介しました。特に、ロボットの開発を通じて明らかになった微小領域に適した機能を持つ表面や駆動原理について解説しました。

【講演①】
   「蛸の吸盤を模倣した真空吸着グリッパ」
            関西大学 システム理工学部 准教授  高橋 智一
[概要]
 タコの吸盤には漏斗と筋肉があるため、漏斗を広げて対象物に密着し、吸盤の筋肉を収縮して密閉された空間の圧力を下げ、対象に吸着する。本講演では、蛸の吸盤構造を模倣して、グリッパ内部を負圧にして空気の差圧を利用し、様々な形状の物体に吸着して把持できるロボットハンドを提案しました。

【講演②】
   「蝉の翅を模倣した抗菌表面の創成」
            関西大学 システム理工学部 准教授  伊藤 健
[概要]
 蝉の翅には無数のナノメートルオーダーの寸法を持つ柱(ピラー)構造が存在しています。近年、この構造が殺菌作用を示すことが報告されており、この抗菌作用はナノ表面構造によるものなので持続性があり、高い殺菌力を持っています。本講演では、Si基板を用いて低コストで均一なナノ表面構造を作製についての試みを紹介しました。

【講演③】
   「蚊の口針を模倣した無痛注射針の開発」
            関西大学 システム理工学部 教授  青柳 誠司
[概要]
 現行の注射針は切皮時にチクッとした痛みを伴い、特に患者の側から無痛化が強く要望されています。一方、人間は蚊に刺されても痒みを感じるものの、痛みはほとんど感じません。本講演では、蚊の口器とその動作を工学的に生体模倣(バイオミメティクス)することで、痛みが少ない針の開発が容易になるため、痛みの観点から蚊の穿刺行動を解明し、それを生体模倣した開発中のマイクロニードルについて紹介しました。


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