French フランス語

はじめに

 みなさんはフランスやフランス語についてどんなイメージを持っていますか?
有名な女優さんのパリ移住が話題になったり、NHKのBSチャンネルでは定期的にフランス在住の日本人アーティストの生活を紹介する番組を放映したり、フランスは私たちにとってちょっぴり特別な国のようです。また、昨年のラグビーワールドカップに引き続き、今年2024年はパリオリンピック・パラリンピックが開催されます。そんなフランスとフランス語について、ここでほんの少しご紹介しましょう。On y va オニヴァ(さあ、いきましょう)!

1.フランスのイメージと現実

■芸術と文化の国

 一般的なフランスのイメージはやはり「文化と芸術」に集約されるでしょう。フランスには、世界一の来場者数を誇るルーヴル美術館だけでなく、オルセー美術館、ポンピドゥーセンターなど多くの美術館があります。これらの美術館に所蔵されている美術品、例えば『モナ・リザ』、『ミロのヴィーナス』などは様々な画集や図鑑で紹介されています。日本では、特にモネやルノワールなどの印象住の絵画が人気です。
 ファッションが大衆化された19世紀以後、フランスはファッションの中心地になりました。エルメス、ルイ・ヴィトン、シャネル、ディオール、サンローランなど世界中でその名を知られたファッションブランドはパリに本店を構えています。近年では、川久保玲(コム・デ・ギャルソン)、山本耀司(ヨウジ・ヤマモト)、三宅一生(イッセイ・ミヤケ)、高橋盾(アンダーカバー)など、パリ・コレクションに進出した日本人デザイナーもいます。これらのファッションブランドはオートクチュール(仕立て服)やプレタポルテ(既製服)などの服飾だけでなく、バッグなどの小物、中には化粧品、香水などまで展開し、人気を博しています。
 19世紀から21世紀のフランス文学作品は数多く日本語に翻訳されています。外国文学が好きな方ならユゴーの『レ・ミゼラブル』やカミュの『異邦人』を読んだことがある方もいるかもしれませんね。サンテグジュペリの『星の王子さま』も日本ではよく知られています。その他、ボードレール、ランボー、モーパッサン、ゾラ、プルースト、サルトルなど、名前を挙げればきりがありません。近年では、日本でも大ヒットしたピエール・ルメートル『その女アレックス』、ゴンクール賞を受賞したレイラ・スリマニの『ヌヌ』、オリヴィエ・ブルドーの『ボージャングルを待ちながら』(2020年映画化)、レティシア・コロンバニの『三つ編み』が翻訳されました。
 レストランやカフェという言葉がフランス語であるように、フランスはグルメの国としてもよく知られています。マカロン、クレープ、クレームブリュレ、エクレア、ミルフィーユ、バゲット、グラタン、オムレツ、フォワグラ、ポタージュ、ポトフなど食に関する多くのフランス語が日本語に入っています。星付きレストランを決めるミシュラン・ガイドも、フランスのタイヤ会社が製作した地図が基になっています。日常的に、フランス人たちは前菜・主菜・デザートで構成された食事をとることが多く、この習慣は学生食堂でも見られます。なんだかお洒落な感じがしませんか。
 このようなフランス文化に憧れを抱く人は多いようです。その証拠にフランスは観光客入国数世界一を誇っています。首都パリは「芸術の都」と呼ばれており、人口200万強、地下鉄網が巡らされ、伝統的建築物と現代アートが絶妙なバランスで融合した街並みには多くのカフェが並びます。セーヌ河岸には数多くの歴史的建造物が林立し、世界遺産に指定されているものも少なくありません。フランスは文化財の保護に熱心です。歴史的建造物の維持管理だけではなく、景観保護にも力を入れており、1962年には世界で初めて都市の歴史的環境を保全する制度(マルロー法)が生まれました。現在も、看板や広告の色や位置を規制する、建物の高さを揃えるなど、さまざまな制約を設けて景観を保護しています。

ノートルダム寺院
エッフェル塔
ポンヌフ
セーヌ河岸に多くの歴史的建造物が林立しています:左からノートルダム寺院、エッフェル塔、ポンヌフ

■政治、経済、農業

 フランスはアメリカ、日本など先進国の首長で構成されるG7(主要国首脳会議)のメンバーです。EU(欧州連合)ではドイツと共に政治・経済の両面で中心的役割を担っています。フランスのGDP(国民総生産)は世界6位で、ルノーやシトロエンに代表される自動車産業、エアバス社などの航空産業、IT産業などが盛んです。食品工業も盛んで、乳製品やミネラルウォーターで有名なダノン社が日本ではよく知られています。ボジョレーの解禁で知られるフランスのワイン、そしてチーズも有名です。
 ただ、フランスがEU最大の農業国であることを知っている人はあまり多くありません。フランスは都市部以外ではなだらかな平原が多く、国土の50%以上が農業用地に使用されています。穀物、根菜、畜産などすべての部門において農業生産高は上位10以内にランクされています。小麦、大麦、トウモロコシの生産量が多く、てんさい(砂糖大根)の生産高は世界一です。

グルノーブルの市場に並ぶ野菜
グルノーブルの市場に並ぶ野菜
お菓子屋の店頭にはおいしそうなスイーツが!
お菓子屋の店頭にはおいしそうなスイーツが!

2.日本とフランスのつながり

■日本におけるフランス、フランスにおける日本

セーヌ河岸には古本屋や画集、小物を売る店が並びます
セーヌ河岸には古本屋や画集、小物を売る店が並びます

 日本とフランスの交流が始まったのは江戸時代末期の1858年、当時の江戸幕府とフランスの間に修好通商条約が結ばれました。時の将軍は徳川慶喜、フランスはナポレオン3世の時代です。2018年には日仏の交流160周年を祝う様々な催しが行われましたが、日仏間では官民を問わず活発な交流が行われています。日本にはアリアンス・フランセーズ、アンスティテュ・フランセなど52の日仏友好協会が存在し、京都とパリ、神戸とマルセイユ、奈良とベルサイユなど、多くの姉妹友好都市関係が結ばれています。
 フランスのイメージから分かるように、日本は美術、ファッション、料理などの領域でフランスから大きな影響を受けてきました。一方、日本はフランスでどのように捉えられているのでしょうか?フランスはヨーロッパの中でも日本文化に関心が高いことで知られています。サムライ、カラオケなどはフランス語として使われていますし、最近では布団が流行して、フトン(futon)という言葉もよく使われるようになりました。パリには1000を超える日本食レストランがあり、お寿司や焼き鳥、天ぷらなどの日本食はフランス人の食生活にかなり定着しているようです。今や世界のスポーツとなった柔道はフランスではとても人気のあるスポーツで、競技人口(56万人)は日本(21万人)をはるかに凌いでいます。近年では、日本のポップカルチャーを代表するものとして、アニメやマンガが日仏の文化交流に大きな役割を果たしています。世界的に有名な宮崎駿だけでなく、『ドラゴンボール』、『ポケモン』などのアニメはテレビで放映され大ヒットしました。若い世代のフランス人にはマンガやアニメのコスプレ大会も好まれているようです。2000年からパリ郊外のノールヴィルバントで開催されているJapan Expo(ジャパン・エキスポ)では、華道、茶道、折り紙などの伝統文化とマンガ、アニメ、モード、音楽などのポップカルチャーが紹介されていますが、入場者数は年々増加し、2023年にはなんと4日間で25.5万人が訪れています。

■日常生活にあふれるフランス語

 日本と深い関わりを持つフランス語の言葉は外来語として私たちの日常生活にあふれています。前述の通り、フランス料理の影響で、料理名には多くのフランス語が使われています。レストランなどでワイン係をする「ソムリエ」、ケーキ職人を意味する「パティシエ」もフランス語です。ファッション関係の用語も多く、オートクチュール、パンタロン、ブルゾン、ベレー(ベレー帽)、ルージュ、サロペット、マントはフランス語です。デパートやお店で服をディスプレイする時に使うマネキンも、フランス語でモデルを意味するマヌカン(mannequin)から来ています。その他の日本語になったフランス語の例としては、シネマ、アンケート、デッサン、グランプリ、コンクール、パラシュート、ルポルタージュ、ポシェット、プロムナード、ルーレット、サボ(タージュす)るなど、数え上げたらきりがありません。

3.世界の中のフランス語

■フランス語はどんな言語…?

 では、フランス語とはいったいどんな言語なのでしょうか?歴史的に言えば、フランス語はインド・ヨーロッパ語族の一つで、スペイン語やイタリア語と共にラテン語(古代ローマで使われていた言語)を起源としています。言語構造的には英語と似ており主語―動詞―補語の順番で言葉が並びます。アルファベットの数は英語と同じ26文字です。英語には存在しませんが、スペイン語、ドイツ語などの多くのヨーロッパ系言語と同じく、名詞に性別があり、動詞は人称によって語尾が変化します。一般的には「フランス語はむずかしい」というイメージを持たれがちですが、言語の特徴としてはヨーロッパの他の言語と同じ共通点を持っています。
 フランス語が他の言語より少しむずかしく感じるとすれば、つづり字の読み方かもしれません。cinéma「シネマ」、métro「メトロ」などローマ字読みできるものも多いのですが、母音字が2つ、3つと重なる場合のつづり字の読み方は少し複雑です。また、語末の子音字は発音しないことが多く、単語の音のつながりで発音が変化することもあるので、むずかしいと感じる方が多いようです。それでもフランス語のつづり字の読み方は規則性が高く、例外は非常に稀です。例えば、ouは必ずウ、oiはワ、eauやauはいずれもオと読みます。aiはほとんどの場合エと発音します。高級食材として知られるフォワグラのつづりはfoie gras、日本語としてすっかりなじんでしまったカフェオレはcafé au laitとつづります。このように、いったん規則を覚えてしまえばつづり字の読み方に迷うことはほとんどありません。

■公用語としてのフランス語

 フランス語はフランスの国語ですがフランス以外でも使われています。ベルギー、スイス、ルクセンブルグ、モナコ、カナダのケベック州など、フランス語圏と呼ばれる国々にはフランス語を母国語または公用語として他の言語と共に使用する人々が住んでおり、フランス語を日常的に使用する総人口は2,67億人に上ります(世界第7位、翻訳商社、2021/6/9データ)。しかし、世界におけるフランス語の意義は、それだけではありません。
 多くの国際機関でフランス語は公用語の一つになっています。国連事務局、ユネスコ(UNESCO)、北大西洋条約機構(NATO)等は、英語と同様にフランス語を公用語として採用しており、これらの国際機関で仕事をするには、英語だけでなくかなり高いフランス語の能力を身につける必要があります。また、フランスが加盟しているEUでは原則として加盟国すべての言語で会議が行われることになっていますが、実際には頻繁に英語、ドイツ語と並んでフランス語で会議が行われています。
 スポーツの世界でもフランス語はしばしば公用語として使用されています。昨年フランスでラグビーワールドカップが開催されたのは記憶に新しいですが、国際ラグビー連盟の公用語は英語、スペイン語、フランス語です。国際サッカー連盟でもフランス語は7つの公用語(英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、アラビア語)の1つになっています。国際オリンピック委員会の公用語は第一言語がフランス語、次が英語です。今年開催されるパリオリンピック・パラリンピックでは開会式や表彰式のアナウンスをすこし注意して聞いてみませんか?

4.フランス語のカリキュラム─「使う力を身につける」フランス語教育─

 関西大学では「フランス語を実践的に使う力」の養成をめざして、実質重視のフランス語教育を行っていますが、学部によってカリキュラムは多少変化します。まず、大学で受講できるフランス語科目を一覧表にしてみましょう。

法・文・経済・商・社会・政策創造・理工系学部 総合情報学部 社会安全学部
人間健康学部
基本コース コミュニケーション養成コース フランス語Ⅲa, b フランス語Ⅰ,Ⅱ各a, b
3年次 フランス語Ⅴ, Ⅵ各a b
2年次 フランス語Ⅲ, Ⅳa,b フランス語Ⅱa, b
1年次 フランス語Ⅰ,Ⅱa, b フランス語Ⅰa, b

 以下、それぞれのコースのカリキュラムと科目の特徴を説明していきます。

4.1. 法・文・経済・商・社会・政策創造・システム理工・環境都市工・化学生命工学部

■基本コース

ステップ1:基礎養成課程 フランス語Ⅰa, b、フランス語Ⅱa, b
 1年次で履修するフランス語Ⅰa, b、フランス語Ⅱa, bは入門課程です。この4つの科目では1人の教員(一部のクラスでは2人の教員)が同一テキストを使って授業を行います。使用する教材はフランスの文化やフランス人の日常生活をテーマにして実用的な会話や短い文章を中心に文法、語彙を学習するように作られています。理論的な知識を無理に詰め込むのではなく、対話練習や具体的な場面でフランス語を使う練習を行うことによって、言語の仕組みを理解できるように学んでいきます。「聞く」「話す」を中心に「読む」「書く」も含めた4技能をバランスよく習得して、今後のフランス語学習の土台となる基本的運用能力を身につけることが目標です。
ステップ2:基礎完成課程 フランス語Ⅲa, b、フランス語Ⅳa, b
 2年次で履修するフランス語Ⅲa, bとフランス語Ⅳa, bでは、フランス語の基礎的運用能力を完成させることをめざします。これらの科目についても、大部分のクラスではフランス語Ⅰa, b、フランス語Ⅱa, bの場合と同様に、同一テキストを使って授業が行われます。1年次に引き続き、総合学習によって4つの技能をバランスよく身につけ実践的なフランス語の力を養成します。「聞く」「話す」だけでなく、コミュニケーションのテーマに応じてまとまった文章を読む・書く練習も行います。応用力をつけるためにも、文法知識を整理しながら実践的な運用能力をしっかり身につけましょう。語彙や表現も増えてきますので、テーマに応じて体系的に整理しながら学習を進めましょう。
 フランス語Ⅲa, bとフランス語Ⅳa, bを別々のテキストで学習する場合は、フランス語Ⅲa, bでは「聞く」「話す」ことを中心に授業を行います。フランス語Ⅳa, bでは主として、やさしく書き直したフランス人作家の作品を読みます。文を読み取るためには構文を良く理解する必要がありますが、そのためにはフランス語Ⅰa, b、Ⅱa, bで学んだことを復習しながらたくさん文章を読むことが大切です。しっかり予習をして積極的に授業に参加しましょう。

■コミュニケーション能力養成コース

 希望者が選択して登録するコースです。2人の教員が協力して授業をするのでタンデム・コミュニケーションクラスと呼ばれています。基本コースでは各科目を個別に履修することが可能ですが、このコースでは1年次ではフランス語Ⅰa, bとフランス語Ⅱa, bを、2年次ではフランス語Ⅲa, bとフランス語Ⅳa, bをセットで履修します。
 基本コースと同じく、1年目でコミュニケーション能力の土台を作り、2年間で基本的コミュニケーション能力をしっかりと身に着けることを目標とします。授業はネイティヴの教員と日本人の教員がペアになり、協力して発信型の対話授業を行います。使用する教材は会話や短い文章を中心に構成されており、モデルに倣ってフランス語を使うことによって文法や語彙が学習できるように作られています。授業ではテキストの他に視聴覚資料を使うこともあります。できるだけ日本語に置き換えずにフランス語を理解し、話す練習と書く練習を積み重ねていきます。
 2年目が終わるころには、日常的な内容についてフランス語で的確に受け答えをする、目的に従って文章から必要な情報を読み取る、テーマに沿って簡潔な文章を書く、などの基本的なことがらがフランス語で行えるようになります。是非、1年次からフランス語があふれる環境に浸かってみてください。
 尚、このコースでは1,2年次ともに筆記試験と口頭試験が行われます。

■フランス語Ⅴa, b、フランス語Ⅵa, b さらにフランス語の力を伸ばしたい人へ

 2年間で身につけたフランス語の運用能力をグレードアップしたい人はフランス語Ⅴa, bとフランス語Ⅵa, bも受講しましょう。この2科目は基本コース、コミュニケーション能力養成コースどちらのコースを選択した人も受けることが出来ます。これらの授業では少々複雑な構文や文法を学習して、ディスカッションや、長い文章を読んで情報収集ができるようにします。中・上級のフランス語ともいうべきこれらの科目を受講するころには、フランス語の上達を実感することでしょう。フランス語検定3級はもちろんのこと、頑張れば2級にチャレンジできる人もいるはずです。

4.2 外国語学部

 外国語学部では、プラスワン外国語(フランス語)として1年次にはⅠa,b、Ⅱa,bを履修します。スタディー・アブロードから帰国後の3年次には選択科目として、プラスワン外国語(フランス語)Ⅲa,b、Ⅳa,bを受講することができます。
 1年次のⅠa,b、Ⅱa,bでは、日本人とネイティヴの教員がそれぞれ担当しリレー式で授業をします。具体的な運用能力の養成を目指し、伝える内容とその表現形式の習得にフォーカスして、身近な状況でフランス語を使いながら、文法構造や語彙を学びます。
 3年次のⅢa,b、Ⅳa,bでは、共通テーマを異なる角度から扱います。伝える内容にフォーカスして具体的な状況でフランス語を使いながら文法構造や語彙を学び、総合学習で「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を養成します。
 Ⅲa,b、Ⅳa,bは選択科目ですが、Ⅰa,b、Ⅱa,bで培った能力を応用的に使えるよう、積極的な履修をお勧めします。

4.3 総合情報学部

 総合情報学部では、第2外国語として1年次にⅠa, b、2年次にⅡa, bを履修します。3年次には選択科目として、Ⅲa, bを受講することができます。
 1年次のフランス語Ⅰa, bでは、フランス語の日常的表現に必要な語学の基礎を学びます。発音、つづりの読み方、文の作り方など基本的な文法を学習しながら、コミュニケーションの中で使える文が確実に作れるようにします。簡単な自己紹介の文章なども書けるようになります。
 2年次のフランス語Ⅱa, bでは、1年次に学んだ基礎語学力をベースにして、実践的な運用練習を中心にフランス語を学びます。「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能をバランスよく身につけ、日常的な場面で実際にフランス語を使えるようにするのが目標です。
 2年間勉強してフランス語をもう少し続けてみたいと思った方は、フランス語Ⅲa, bを履修して、少し複雑な文法や構文を学び、フランス文化についての知識を深めながらまとまったフランス語の文章を読めるようにしましょう。

4.4 社会安全学部・人間健康学部

 社会安全学部と人間健康学部ではフランス語は自由選択科目です。両学部ともに、文化と語学学習を結びつけた授業を行います。フランスの文化やフランス人の日常生活について知識を深め、語学的には具体的なシチュエーションでフランス語を使いながら実践的にフランス語を学んでいきます。文法規則の理解にとどまらず、口頭練習を中心とした練習問題を繰り返し行うので、知識が定着し運用能力が養われていきます。フランス語Ⅰa, b、フランス語Ⅱa, bを別々に履修することもできますが、できるだけ両方の授業を履修することをお勧めします。

5.授業以外でも勉強するには

 まずは授業を最大限活用し、さらにはいろいろな機会をとらえて、さまざまな方法で主体的に学習する姿勢は、なにを学ぶにも大切なことです。フランス語に接する機会を増やすために、大学内外でフランス語学習をサポートする方法をいくつかご紹介しましょう。

■NHKテレビ・ラジオ・ネットでフランス語学習

 ラジオでは月曜日から金曜日まで毎日、フランス語講座を聴くことができます。フランス文化にも興味がある人には、木曜日に放送されるテレビ番組「旅するフランス語」がお勧めです。また、日本のニュースをフランス語で読めるNHKのサイトも利用してみましょう。

■留学

 フランス語がかなり上達した人は協定校であるパリ第3大学、パリ第7大学、西カトリック大学等に留学することもできます。詳細は国際部に問い合わせてください。

6.辞書について

 仏和辞典は絶対に必要です。大小とりまぜて、かなりの数が出版されていますが、あまり規模の小さいものは選ばないようにしてください。リストをあげておきますが、実際に購入するのは授業で担当者の説明と指示を聞いてからにしましょう。

■仏和辞典

初級から中・上級まで使えるもの
  • ①『新スタンダード仏和辞典』(大修館書店)
  • ②『ロワイヤル仏和中辞典』(旺文社)
初級向き
  • ①『新コンサイス仏和辞典』(三省堂)
  • ②『クラウン仏和辞辞典』(CD付)(三省堂)
  • ③『プチ・ロワイヤル仏和辞典』(旺文社)
  • ④『Le Dico-現代フランス語辞典』(白水社)
  • ⑤『ジュネス仏和辞典』(大修館書店)
  • ⑥『プログレッシブ仏和辞典』(小学館)

■和仏辞典

  • ①『コンコルド和仏辞典』(白水社)
  • ②『コンサイス和仏辞典』(三省堂)
  • ③『プチ・ロワイヤル和仏辞典』(旺文社)
  • ④『スタンダード和仏辞典』(大修館書店)

■電子辞書

 最近はいろいろな電子辞書が出回っています。電子辞書には国語辞典、英和・和英辞典などが収録されているので、複数の言語を学ぶには便利です。フランス語の辞書が収録されているのは次のモデルです。

  • CASIO EX-word XD-Z7200(フランス語モデル)
    (小学館ロベール仏和大辞典、ロワイヤル仏和中辞典、プチロワイヤル和仏辞典、オックスフォード仏英辞典、オックスフォード英仏辞典、PETIT ROBERT仏仏辞典、音声付など)

7.参考書その他

 授業ではコミュニケーション中心の練習をすることが多いので、日本語の参考書や文法書がほしくなるかもしれません。そういう方のために、以下の参考書をお勧めします。タイプは違いますが、いずれも代表的なものです。

  • ①清岡智比古『フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!(CD付・改訂版)』(白水社)
  • ②曽我祐典他『コレクション フランス語[3]―文法(CD付・改訂版)』(白水社)
  • ③森本英夫、三野博司『新・リュミエールーフランス文法参考書(増補改訂版)』(駿河台出版社)

 フランスについて興味のある人には、以下の読み物が参考になるでしょう。

  • ①三浦信孝、西山教行編著『現代フランス社会を知るための62章』(明石書店)
  • ②小倉孝誠『恋するフランス文学』(慶応義塾大学出版会)
  • ③池上俊一『お菓子でたどるフランス史』(岩波ジュニア新書)
  • ④石井洋二郎『フランス的思考―野生の思考者たちの系譜』(中公新書)
  • ⑤中島さおり『哲学する子どもたち:バカロレアの国フランスの教育事情』(河出書房新社)

おわりに……

 複数の外国語を学ぶことによって視野が広がり、さまざまな角度からものごとを考えるヒントを得ることができます。フランス語学習もきっと皆さんの世界を広げてくれるはずです。
 では最後にフランス語の挨拶を覚えましょう。昼間ならbonjourボンジュール、夕方ならbonsoirボンソワール、そして別れる時にはau revoirオルヴォワールですが、みなさんに教室でお会いすることを期待して、à bientôアビエント。

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