客員教授講演会を開催しました(講演者:株式会社電通 チーフ・リサーチ・ディレクター 朱 喜哲氏)
2026年5月28日(木)、株式会社電通第6マーケティング部チーフ・リサーチ・ディレクターであり、大阪大学社会技術共創研究センター招聘准教授、同大学文学研究科招聘研究員である朱 喜哲氏をお招きし、「社会の一員としての「企業」と倫理 -データビジネスにおける ELSI(倫理的・法的・社会的課題)対応の実践から-」をテーマにご講演いただきました。
朱氏は言語哲学を専門とし、哲学の視点から社会やビジネスの課題に取り組まれています。講演では、言葉遣いが人や社会のあり方を形づくるという観点が示され、日常の中で暗黙のうちに共有されている前提や価値観を言語化し、可視化することの意義が解説されました。
また、AIやデータ活用に伴う課題について、自動運転や位置情報、ターゲティング広告、選挙ポスター掲示板などの事例を通して、「できること」と「してよいこと」の違いが示されました。あわせて、ELSIの観点から、法(L)は事後的に整備され、社会(S)は世論によって変動する一方、倫理(E)は公平性や尊厳といった普遍的な価値に基づくものであることを踏まえ、それぞれの違いがあることが示されました。
〔担当教員のコメント〕
今回の客員教授講演会であつかわれたテーマは、私たちが社会のなかに感じる「モヤモヤ」の正体を考えるうえでも非常に重要であったと思います。技術の進歩や社会の変化によって、従来の思考枠組みではうまく対処することができないさまざまな問題が出現します。朱氏の講演は、「法律によって規制されていなければ何をしても良い」と「SNSで炎上しているならそれは悪である」という両極の発想の中間に広がる倫理という領域が、これからの社会において重視されるべきことを示していました。近年、ビジネスや政策においてもこうした倫理領域の重要性がますます高まっています。これを機に、とりわけ学生のみなさんには倫理についてきちんと言語化する能力を磨いていってもらいたいと思います。
政策創造学部では、様々な講演会およびセミナーを実施しておりますので、是非ご参加ください。

