2025年6月2日3限に千里山キャンパス第1学舎2号館B101教室にて、
本学客員教授である嶋田吉朗先生による講演会が開催されました。
演題は「市⺠が担う地域社会のリアリティ―私⽴学校とまちづくりの視点から」です。
同講演会は法学部・坂本治也教授が担当する「現代政治論1」の振替授業として行われました。

嶋田先生は現在、福岡県飯塚市に所在する学校法人嶋田学園で常務理事を務められております。
同法人が経営する飯塚高等学校の教育活動に関与しつつ、同時に社会学のお立場から地域社会における市民活動やまちづくり活動をご研究なさっているお立場から、「地域における公と私」について具体的な実践例を交えたお話を展開して頂きました。

とくに飯塚高等学校が実践されている「街なか学園祭」が地域活性化や地域の社会関係資本(social capital)形成に役立った事例の紹介は、受講生にも分かりやすい地域実践として印象深いものでした。また、商店街や私立学校の経営実態や青年会議所(JC)活動をご解説いただき、私的経済活動が地域の公共に役立っている側面があることを説得的に論じて頂きました。こうしたお話から、「私」は必ずしも「金儲け」だけの活動を行っているのではなく、「公」に貢献する側面を有していることを受講生は学ぶことができました。

終了後のアンケートでは、講演内容に「満足した」と回答した人が96%であり、大変好評な講演会でした。
受講生の感想には「学校主体で街を盛り上げていくという取り組みはすごい良いことだと思った。学校と地域の連携の重要さや大変さを知ることができた」、「地元のために、なんとかより良くしていこうとあらゆる努力を尽くす姿に感銘をうけました。 私も、自分の幸福だけを考える人ではなく社会や身近な地域の利益も考えて行動する人になりたいと思いました」というものもあり、受講生のキャリア認識にも好影響を与える講演会でした。