法学部学部長からの挨拶

学部長からの挨拶

法学部長 髙作 正博

社会は、めまぐるしく変動しています。
経済のグローバル化やIT技術の発展、国境を越えた人々のネットワークの複雑化に伴って、人と人とのあつれきや葛藤もその姿を変えます。深刻な価値の対立は、ときに解決困難で、民主主義的な方法で社会を改善する私たちの能力を超えているかのように見えることもあります。
このような圧倒的な現実に呑み込まれず、私たちが、私たち自身の人生の主人公であるためには、そうした問題を解決する任務を担う政策や法制度も柔軟に変わらざるを得ません。他方で、法や政治には安易に変わってはならない部分があります。平等・公正などの普遍的な理念と、それに基づく紛争解決の首尾一貫性などです。

法学部では、法学と政治学の知識と能力を修得し、不変且つ普遍の諸原理・諸原則の視点から物事を思考する能力を養います。それは、関西大学の前身である「関西法律学校」の設立以来130年の歴史と伝統の下で培われてきた教育力・研究力によって可能となります。
また、法学、政治学両分野を統合した法学政治学科において、横断的で自由、柔軟なカリキュラムが用意されています。法学部での学びにより、社会の不変の部分と激しい変化の位相とのいずれにも多面的且つ臨機応変に対応できる能力が育まれることを目ざしています。この能力は、特に大きな変化を伴う時代に必要となるものです。

2020年、世界中で猛威を振るった新型コロナウイルスは、私たちの生活を一変しました。法学部の教育・研究にも多大な影響を与えました。しかし、このような変化の中にあっても、私たち法学部は、学生の皆さんへの教育の歩みを決して止めることはありません。変化に柔軟に対応する能力を身につけることができるよう、共に進んでいきましょう。

法学部長髙作 正博