柏原 宏紀 ゼミ

  • 歴史・思想コース
  • 歴史・社会専修

ゼミの内容について

「現代日本の諸問題を歴史的に検討する」をテーマにしています。現代の日本は様々な問題に直面し、なかなか解決に向けて進展が見られないことも少なくありません。このゼミでは、各自の関心に基づいて、現代の諸問題の中から一つを選択し、日本近現代史を遡って歴史的経緯を明らかにしつつ、解決に向けた手掛かりを考えます。

主な内容は文献輪読、共同研究、個人研究・卒業論文作成です。いずれにおいても、現代社会との対話を念頭に置きながら、歴史的に検討します。担当者の専門は明治維新期ですが、歴史的にアプローチできるならば、特に対象時期は限定していません。加えて、日本史に強い関心を持つ学生には、活字化されていない史料などの読解も含め、より歴史に重点を置いた研究指導もします。

ゼミ活動の具体的な進め方

3年次前期は、まず歴史的な知識を確認するべく、入門書に近い文献を輪読します。続いて、後期にかけて共同研究を進めます。各自の関心に応じて3~5名で一班を作り、班員が協力して研究を行います。具体的には、現代社会を視野に入れた問題意識から、班ごとにテーマ・課題を設定し、関係文献・資料を調査、収集、考察して、課題への答えをまとめていきます。その上で、各班は、学内ゼミナール大会などで共同研究の成果を発表し、プレゼン技術の向上も目指します。そして、これらの経験を活かして、4年次は各自の問題関心に従ってテーマを設定し直し、個人研究を進め、ゼミで学んだことの集大成として卒業論文を執筆します。

また、学生の希望により、合宿を実施したり、大阪周辺の史跡を見学したりすることもあります。これまでに彦根城を見学したり、近江八幡や京都を散策したりしました。加えて、最近では学内他学部の歴史関係のゼミと交流会を実施して、学問的刺激を与えあいながら、親睦を深めることにしています。

ゼミ活動で大切にしていること

まずは少しでも歴史研究の面白さを味わってもらうことを大切にしています。これまで「日本史」と言えば、暗記科目というイメージだったと思いますが、ゼミでは暗記は必要ありません。むしろ、歴史研究は、自らの問題関心に基づいてテーマを設定し、先行研究を調査し、資料を収集、分析して、これまでの研究水準に何かを加える、という主体的で魅力ある知的営みです。各自がそれに積極的に挑戦して楽しめるよう留意しています。その前提として、ゼミ内で自由に議論ができるよう、それぞれが発言しやすい環境整備にも努めています。

また、社会に出て必要になる様々な力を身に付けられるようにすることも重視しています。論理的な思考力(←ゼミ活動全体)、読解力(←文献輪読・史料演習)、組織的な行動力(←共同研究)、情報収集・分析力(←共同・個人研究)、計画性(←共同・個人研究)、プレゼン力(←ゼミナール大会)、文章力(←卒業論文)などに加えて、歴史系のゼミとしては、長期的な視点や多角的視野、それらに基づいて諸課題を考える力、も獲得できるように心掛けています。

ゼミ生の声

歴史を学ぶ事は今に、そして未来に活きる事であると実感出来るゼミです。私は「日本人は投資を好まない」という現代の問題に関心がありました。そこで、何が原因で今のような貯蓄選好・投資忌避という国民的傾向が作られたのか、歴史的に考察する共同研究を行いました。
班員のハッと気付かされるような新しい視点は共同研究ならではの魅力です。またネットでは分からない事を調べるというのも、我々の世代にとっては難しい反面、新鮮で面白いものでした。資料を探し当て、知りたい事を発見した時の喜びは格別でしたし、それを班員と分かち合えるのも共同研究の良さだと思いました。
(3年次生 高橋広樹)

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