第2回国際シンポジウム
アジア6地域の裁判官が「裁判とマイノリティ」について論議する初めての企画!
主催:関西大学マイノリティ研究センター
「裁判とマイノリティ
―裁判におけるマイノリティの権利の諸相―」
日時)2009年11月6日(金) 9:00~18:00
7日(土) 9:00~17:00
場所)関西大学100周年記念会館
国際シンポジウム 全体総括
孝忠 延夫(マイノリティ研究センター長)
2009年11月6、7日の両日にわたって、当研究センター主催の第2回国際シンポジウム「裁判とマイノリティ」が百周年記念会館で開催された。6日の開会式では、上島紳一副学長と佐藤やよひ法学研究所長からの挨拶をいただいた。この挨拶の中で、上島副学長からは、アジアの6地域からの裁判官を迎えての本シンポジウムが国際的にもきわめて貴重な試みであること、また、関西大学の今後の国際化戦略においても意義深いものがあることを述べつつ、海外ゲスト裁判官などに来学への感謝の挨拶がなされた。また、佐藤所長からは、関西大学の建学の理念にかかわる「大津事件」の説明をおこないつつ、本シンポジウムにつながるこれまでの法学研究所での裁判・司法制度研究の蓄積も紹介され、このシンポジウムを契機に法学研究とマイノリティ研究がさらに大きく進展することへの希望を込めた挨拶がなされた。
シンポジウムでは基調講演に先立って、まず、孝忠延夫研究センター長から趣旨説明が行なわれた。基調講演として冒頭に予定していたマーヘンドラ・P・シン教授の講演は、航空機のトラブルのために7日に変更して行なうこととし、まず、安藤仁介京大名誉教授(世界人権問題研究センター所長)の基調講演が行なわれた。また、国別報告として、アジット・プラカーシュ・シャハ裁判官(インド・デリー高裁長官)、金福基憲法研究官(韓国・憲法裁判所)の報告が行なわれた。
なお、昼休みには、紅葉のはじまった千里山キャンパス内を案内し、夕刻、シンポジウム終了後には、上原洋允理事長、吉田栄司法学部長、奥和義政策創造学部長の出席のもと、レセプションが開催された。上原理事長からは、みずからも法曹として、アジアの各国の法曹との連携を継続的に行なうことの意義にもふれつつ歓迎の挨拶をいただいた。吉田、奥両学部長からは、ユーモアを交えた挨拶をいただき、研究内容のみならず、それぞれの地域の社会、文化にかかわる懇談のひと時を持つことができた。
シンポジウム2日目は、マーヘンドラ・P・シン教授(インド・国立西ベンガル法科大学学長)の基調報告の後、熊誦梅裁判官(台湾・知的財産法院)、コムワットチャラ・イアンゴング裁判官(タイ・最高裁判所国際部)、リドワン・マンスユル裁判官(インドネシア・バタム地方裁判所長)、および王東裁判官(中国・北京第二中級人民法院)からの国別報告を受けた活発な討論が行なわれた。最後に、西平等研究主幹(法学部准教授)と孝忠センター長の司会による総括討論が行なわれ、孝忠センター長の閉会の挨拶で、シンポジウムは盛会のうちに終了した。
(全体司会:安武真隆氏)
基調講演 要旨
国別報告セッションⅠ 要旨
国別報告セッションⅡ 要旨
国別報告セッションⅢ 要旨
総括討論 要旨