研究の意義とその目的
本研究を通じての大学の機能分化(略)
本研究は、「マイノリティ」を手がかりとして、多様な「市民」(グローバル市民)が構想する「国家と社会」像を解明するものである。
従来、「国民国家」の形成にあたって、その「闇」とされてきたもの、とりわけ、マイノリティ問題などに向かい合うことなしには21世紀の国家像は描けない。
したがって、まず第1に、21世紀型国民国家論(現代型「グローバル市民」国家論および「グローバル市民」社会論)の構築に向けた研究を行う。具体的には、
①これまでの実績を基礎に非西欧(主としてアジア)におけるマイノリティ研究を継続・発展させる。
②多文化主義をとっているとされるカナダ、オーストラリアのマイノリティ問題を再検討する。
③北米・ヨーロッパのエスニック問題とマイノリティ研究を個別に深める。
第2に、広義の「マイノリティ」を対象とした上で、「マイノリティ」概念の 再構成をはかる。また、マイノリティ概念を広狭の問題のみならず、「支配と被支配」の双方の側からの綱引きと生き様にかかわる問題としても考察する。
そして、第3に、マイノリティの学際的研究とマイノリティ研究の研究拠点および継続的な国際的研究ネットワークを構築する。