研究科の歴史
本研究科は、「外国語教育学」を研究科名に掲げる国内初の機関として2002年4月に開設された。外国語教育学を専門的・科学的に教授・研究する博士課程前期課程(修士)・後期課程(博士)を擁し、1学年の定員は前期課程25名、後期課程8名を数える。20周年を迎えた2022年現在までに、447名の修士号取得者、36名の博士号取得者を輩出してきた。
言語教育研究を基盤に、3つの領域(外国語教育学、異文化コミュニケーション学、通訳・翻訳学)それぞれに固有の研究・実践の成果を最大限に活用することができる、新しいタイプの教育者・研究者・実務家を養成している。
20周年を迎えたことを機に、新たに「オンライン履修制度」を開始するなど、学びの機会や方法の多様化を図り、研究界および実践の場へのさらなる貢献を果たすべく、研究・教育を続けている。
- 入学者受入れの方針
(アドミッション・ポリシー)
- 教育課程編成・実施の方針
(カリキュラム・ポリシー)
- 学位授与の方針
(ディプロマ・ポリシー)
博士課程前期課程
外国語教育学研究科では、本学の課程を修め、次の知識・技能、思考力・判断力・表現力等の能力及び主体的な態度を身につけた者に対して修士(外国語教育学)の学位を授与します。
- (知識・技能)
外国語教育学、異文化コミュニケーション学、通訳翻訳学の各分野で必要とされる幅広い学際的知識を習得し、これらを統合的に活用することができる。
- (思考力・判断力・表現力等の能力)
外国語運用能力と異文化理解力を身につけ、幅広い学際的知識を活用しながら「考動力」を発揮し、自らの研究・実践成果を広く発信して、社会に貢献することができる。
- (主体的な態度)
自らが関わる環境を主体的に観察・分析して、問題点を究明し、データに基づいた解決策を提案・実行することができる。
博士課程後期課程
外国語教育学研究科では、本学の課程を修め、次の知識・技能、資質・能力及び態度を身につけた者に対して博士(外国語教育学)の学位を授与します。
- 外国語教育学の分野において、自立した研究者・高度専門職業人として必要とされる学際的知識・技能を深く掘り下げ、これらを統合的に活用することができる。
- 高度な外国語運用能力と異文化理解力を身につけ、学問分野での卓越した知見を活用しながら「考動力」を発揮し、研究成果を国内外に広く発信して、社会に貢献できる。
- 研究者・高度専門職業人として関わる未解決の問題を主体的に観察・分析して、データに基づいた解決策を、高い職業倫理観をもって提案・実行することができる。
博士課程前期課程
外国語教育学研究科では、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる知識・技能、思考力・判断力・表現力等の能力及び主体的な態度を修得できるように、以下の点を踏まえて博士課程前期課程を編成します。
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- 教育内容
- 高度な知識・技能を効率的に修得させることを目指して、講義、演習、実習を体系的に組み合せている。具体的には、外国語教育学、異文化コミュニケーション学、通訳翻訳学の各領域における理論的基盤を構築するための講義科目、基礎的な研究方法を体験的に学ぶ演習科目、実践の場における様々な問題を体験的に学ぶことや、専攻する言語の高度な運用能力を養成することを目指す実習科目を配置する。
- 高度な研究能力を獲得することができるよう、専攻言語と研究領域にあった指導が可能な教員の前期課程演習を配置し、学生一人ひとりが指導教員から入念な指導を受けられる体制が整える。
- 学生は、研究倫理研修の受講が義務付けられるとともに、ゼミ発表などを通じて、研究遂行に求められる倫理観を育む機会が提供される。
- 学習成果の評価
- 学修成果は、1年制修士コースの学生においてはコンプリヘンシブ試験で、それ以外のコースの学生は修士論文・特定課題による研究報告にまとめられた研究の成果で確認する。
- 「考動力」に集約される思考力・判断力・表現力等の能力の評価に関しては、学生が研究発表を行う前期課程演習を中心に、学修行動調査と到達度調査を行い、学修の進捗を確認する。
- 主体的に学びに取り組む態度に関しては、各種学生調査の集計と研究への取り組みによって把握する。
博士課程後期課程
外国語教育学研究科(以下、「本研究科」という)では、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる知識・技能、資質・能力及び態度を修得できるように、以下の点を踏まえて博士課程後期課程を編成します。
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- 教育内容
- 卓越した知識・技能を修得し、オリジナルな理論的・実証的研究を遂行することができるよう、テーマに合わせた個別型チュートリアル・カリキュラムを提供する。
- 上記チュートリアルにおいては、学生一人ひとりが指導教員から入念な指導を受け、卓越した研究能力を獲得することができる体制を整える。
- 研究倫理研修の受講が義務付けられるとともに、上記チュートリアルはもとより、国内外での学会発表や研究誌への論文投稿過程を通じ、研究遂行に求められる倫理観を育む機会が提供される。
- 学習成果の評価
- 博士課程後期学生の修学経過は、2年次以降に行われる博士課程研究基礎力試験、国内外での学会発表、査読付き論文発表、博士論文公聴会で確認する。
- 「学修成果は、博士論文にまとめられた研究の成果で、本研究科の評価基準を満たした者を合格とする。
- 「考動力」に集約される資質・能力の評価や主体的に学びに取り組む態度に関しては、関西大学コンピテンシー調査の集計や各種学生調査の集計によって把握する。
博士課程前期課程
外国語教育学研究科では、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)及び教育課程編成の方針(カリキュラム・ポリシー)に定める教育を受けるために必要な、次に掲げる知識・技能、思考力・判断力・表現力等の能力及び主体的な態度を備えた人を博士課程前期課程に求めます。
- 高度な外国語の運用能力と異文化理解能力を備え、外国語教育学・異文化コミュニケーション学・通訳翻訳学の各領域において、学士レベルでの知識・技能の基盤を修得している。
- 現職外国語教員として、一定の社会人経験を有し、自らの実践を向上するための批判的振り返りや、現場における諸問題の発見・解決を行う意欲を持っている。
- 外国語教育学・異文化コミュニケーション学・通訳翻訳学のいずれかの領域を主体的に学んで行く強い意欲を持っている。
博士課程後期課程
外国語教育学研究科では、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)及び教育課程編成の方針(カリキュラム・ポリシー)に定める教育を受けるために必要な、次に掲げる知識・技能、思考力・判断力・表現力等の能力及び主体的な態度を備えた人を博士課程後期課程に求めます。
- 高度な外国語の運用能力と異文化理解能力を備え、外国語教育学において、修士レベルでの知識・技能の基盤を修得し、研究経験や教育現場での実践経験を有している。
- 「考動力」を発揮して研究を行い、その成果を広く発信して、国内はもとより国際的に活躍できる。
- 自らの研究に主体的に取り組んでいく強い意欲と健全な研究観を有する。

特色
外国語教育学が学際的な分野であることを生かして、前期課程に関しては、出身学部・学科を問わず、広く外国語教育学を志す学生諸君を受け入れている。関西大学出身者はもちろんのこと、それ以外の大学の出身者も多く在籍しており、多様なバックグラウンドをもった学生が集う研究科といえる。また、リカレント教育にも力をいれており、昼夜開講制、土曜開講、3年在学制(前期課程)、1年制修士(現職教員対象)、集中講義などを導入し、社会人が学びやすい研究科を作り出す努力をしている。学生選抜(入学試験)は面接重視で、高度な外国語能力を証明する資格を有する受験生には、外国語試験が免除される。
教育内容
博士課程前期課程
理論と実践のバランスがとれた高度職業人を育成することを目的としており、カリキュラムは、主として1年次で受講する領域科目(外国語教育学領域・異文化コミュニケーション学領域・通訳翻訳学領域)と「支援・実習科目」、2年次で履修する「前期課程演習」から構成されている。前期課程のカリキュラムはきわめて柔軟性が高く、指導教員のガイダンスのもと、学生一人ひとりのニーズにあわせたプログラムが組み立てられるようになっている。
博士課程後期課程
外国語教育学の研究者・指導者を養成することを目的としており、カリキュラムは「後期課程演習」と「特殊講義」から成り立っている。学生諸君は、「特殊講義」で専門的なテーマに関しての理解を深めながら、「後期課程演習」でオリジナルな研究を進め、指導教員の指導・助言を受けながら、博士論文を作成していくことになる。