教員紹介
なぜ歴史は動き、何が命運を分けたのか?
公家の時代から武家の時代へ、平家から源氏へ。転換期のダイナミズムを描いた『平家物語』。平家はなぜ栄華をきわめ、没落していったのか。戦乱のなか、人々は何を思い、どう行動したのか。『平家物語』を知り尽くした能楽師が、難解で長大な物語を「大きな出来事」に絞って解説、この1冊で一気に理解する。時代が動くとき、世の価値観はどのように変化したのか。その変化のありようを私たちが生かせる道とはどんなものなのか。「あわい」「驕り」「運」「命」「浄土」……変化のきっかけとなった鍵語をもとに、歴史が私たちに伝えようとしたことを探る。『太平記』という「その後」から『平家物語』をとらえ直す「補講」を収録。
Eテレ(NHK)100分de名著で行った『平家物語』の講義のテキストの加筆をして別冊にしたものです。ふたつの価値観の重なり合う「あわい」の時代。それは「フィジカル」と「デジタル」とが共存し、葛藤する現代にもつながります。古典から現代、未来を読むヒントになればと思っています。