関西大学 人間健康学部

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すこやか教養講座(第3期)の第4回を開催しました。

  • ■日時

10月22日(土)に、すこやか教養講座(第3期)の第4回を開催いたしました。

講 師:関西大学人間健康学部教授 西山 哲郎
テーマ:スポーツは地域の生活に貢献できるか――堺市での可能性を探る

 すこやか教養講座の第3回目は、スポーツ社会学をご専門とする関西大学人間健康学部
教授・西山哲郎先生を講師にお迎えし、堺市在住の受講者の皆さんとともに堺市の歴史と
現状を振り返りながら、「地域のつながりを支えるスポーツ」の可能性を探りました。

街の都市化が進むとそれにつれてその地域に住む人びとのつながりや付き合いは希薄化
すると言われています。堺市といえば古代からの歴史遺産に恵まれ、豊かな伝統文化を
誇る街です。西山先生は研究の合間を縫って堺市の色々な場所にみずから出向き、
堺市の現状とその実態を目にしてこられました。その堺市も都市化とともに人びとのつな
がりの希薄化は無視できない現象になってきています。この失われつつある地域の人びと
のつながりを支えるものとして、地域に根ざした「スポーツ」の活用が注目されています。

スポーツと地域の活性化で最初に思いつくものといえば、プロ野球やJリーグなどその地域
を本拠地とするプロスポーツチームの活用があります。堺市にはバレーボールの日本最高
峰リーグチームのひとつ「堺ブレイザーズ」があり、その地域支援活動から堺市における
「総合型地域スポーツクラブ」としても期待が寄せられています。ただし、それを取り巻く環境
は非常に厳しいものがあり、たとえば、堺市にある中学校の女子バレーボール部の数は8つ、
男子に至っては3つあるのみで、将来のクラブチームに所属する選手の育成以前に、
子どもたちの身体を動かす体育環境そのものに多くの課題を抱えている状況にあることが
指摘されました。

スポーツが地域を支える存在となるためには、行政、企業、地域の人びとの協力を欠かす
ことはできません。講義では、これに加えて若いエネルギーをもつ「若者」、外から来て
その地域を支えようとする「よそ者」、面白いことをやってやろうという意思をもった「バカ者
(=お調子者)」という3つを地域活性化のキーワードとして挙げられました。関西大学人間
健康学部は、2010年4月、社会の人びとの「こころ」「からだ」「くらし」を総合的に学ぶ学部
としてここ堺の地に開校されました。ここに集う学生の「若者」「よそ者」「バカ者」としての力を、
地域を支える原動力に変えていくため、大学と堺市が連携する方策を考えました。

講義後に設けられた意見交換の場では、堺市に住む受講者の皆さんから数多くの意見が
出されました。受講者の皆さんご自身が関わる地域の話であるだけに、終始真剣な面持ち
でそれらの意見に耳を傾けておられました。

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次回以降も充実した講師陣でお届けしますので、
ご期待ください。ひきつづきご応募お待ちしております。

すこやか教養講座(第3期)ご案内
http://www.kansai-u.ac.jp/Fc_hw/2011/09/3.html