シリーズ 笑いの総合科学(第2期)の第1回を開催しました。
10月10日(月)に、「シリーズ 笑いの総合科学(第2期)」の第1回を開催いたしました。
講 師:関西大学社会学部教授 雨宮俊彦
テーマ:感情としての笑いとユーモア
「シリーズ 笑いの総合科学」の第2期は「笑いのサイエンス」というテーマを掲げ、
いよいよ科学的な切り口から「笑い」の正体に迫ります。
日常の会話の中で「笑い」が出てくると、私たちは面白いと思ったり楽しい気分に
なったりします。心理学ではこのような「笑い」はどのように説明できるのでしょうか?
第1回目は、感情心理学がご専門の雨宮俊彦先生をお招きし、笑顔の写真やユーモア
あふれるイラストを数多く参照しながら心理学から見る「笑いとユーモア」について解説
して頂きました。
感情心理学では、人の感情を「認知」「フィーリング」「身体」の3つの要素の相互作用と
してとらえます。笑いが生じる基本的しくみには、ある出来事が自分にとってどのように
映るのかという「認知」が大きく関わっています。最初は「重大・重要そう」に見えていた
ものが、実際には「些細で下らないものだった」と分かった時に、「笑い」という感情は
起こりやすくなります。また、遊園地のジェットコースターに乗ると楽しくはしゃいで笑って
しまうように、笑いは、自分が安全だという感覚のもとでの「遊びのモード」で興奮する時
に出やすくなります。
心理学の立場では、このような「笑い」には、自分が「重い」と感じた出来事を「フィーリ
ング」的に「軽く」し、それを仲間と共有し、「身体」を安心の状態に変える効果があると
考えられています。たとえば、目の前に起こった重大な出来事を軽く笑い飛ばすことで、
それを小さく扱いやすいものにして対処することができます。ただし、それは諸刃の剣。
あるものを軽く小さく捉えることは、その対象をないがしろにしたり蔑んだりすることに
もつながってしまいますので、笑いとユーモアは使いどころが肝心です。
今回の講座を通して、私たちが普段何気なく行なっている「笑い」には、表情や声、
感情や社会的な認知といったさまざまな要因が関連していること、しかもそれぞれの
研究領域がまだまだ未開拓の状況にあることを知ることができました。
次回以降も充実した講師陣でお届けしますので、
ご期待ください。ひきつづきご応募お待ちしております。
シリーズ 笑いの総合科学(第2期)ご案内
http://www.kansai-u.ac.jp/Fc_hw/2011/09/2-3.html
※注意事項
「シリーズ笑いの総合科学」では、テキストを使用します。
(テキストは講座開始時に、定価2,940円を2,500円で販売しております。
講座テキストをご購入の方には、各担当の先生方の直筆のサインを
入れていただけます。)