関西大学 人間健康学部

講演会・シンポジウム等Seminer

「すこやか教養講座(第3期)」の第2回を開催いたしました。

  • ■日時

講 師:国際日本文化研究センター教授 白幡 洋三郎
テーマ:京都・祇園祭の謎

9月24日(土)に、「すこやか教養講座(第3期)」の第2回を開催いたしました。

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古都を煌びやかに彩る夏の風物詩、「祇園祭」。
豪華絢爛な山鉾巡行に京都らしい雅なイメージを重ね、その光景こそが祇園祭
だと思っている方も多いのではないでしょうか。

第3期の2回目を迎えたすこやか教養講座では、国際日本文化研究センターの
白幡洋三郎先生をお招きして、「京都・祇園祭の謎」と題してお話しをして頂きました。

「7月中は全く職場に出てこない。」白幡先生のかつての同僚の方で、こんな方が
おられたそうです。なんでも昔ながらの京都の町衆の血を受け継ぐ方で、この方に
とっては仕事よりも祇園祭への参加の方が大事なのだということです。実は、例年
山鉾巡行がクライマックスとなっている祇園祭は7月いっぱいがその期間となって
おり、まさに夜賑やかなところに出て行こうとする日本人の祭の楽しみ方の特徴
そのものなのです。それもあってか、未だにこの山鉾巡行が祇園祭のフィナーレと
思っている人は多いようです。

祇園祭は元来、都市構造が唯一京都にあったことで、流行病の感染経路にあった
都の疫病退散、悪霊退散を目的とした祭事でした。現在の山鉾は神様を護衛する
武器の「鉾」として、また神輿は神様の乗り物としてその役割を担っていました。
それが時代を経るごとに護衛役の鉾が主役になると同時に彩りを帯び、その華や
かさを増していったというのです。八坂神社の建立よりも以前に始まった祇園祭は、
時代と共に祭祀に伴う賑やかな行事を「祭」と認識する日本人の祭の楽しみ方
そのものを表象した行事といえるでしょう。

講座では、白幡先生が自身で撮影された祇園祭の写真をスライドショーで見ながら
解説して下さり、聴講者の方もいつも以上に質疑応答で盛況な講座となりました。