関西大学 人間健康学部

講演会・シンポジウム等Seminer

シリーズ 笑いの総合科学(第1期)の第1回を開催しました。

  • ■日時

5月29日(日)に、「シリーズ 笑いの総合科学(第1期)」の第1回を開催いたしました。

講 師:関西大学人間健康学部教授 森下伸也
テーマ:笑いの花咲く国へ~日本の笑い祭り~

 日本には「笑い祭り」という笑いを神様に奉納する世界にも珍しい行事が数多く存在しています。
 講座では、日本各地で古くから行われている多種多様な「笑い祭り」を森下先生ご自身が
撮影されたビデオ映像で紹介され、「笑門来福」(笑う門には福来る)という日本独自の思想が
解説されました。「福が来たから笑いが起こる」のではなく、「笑うことで福が来る」という考え方は、
通常の物事の因果とは論理が反転しています。これは私たちの笑いを奉納して神様に
ハッピーになってもらい、そうやってパワーアップをしてもらった神様に自分たちを豊かに
してもらおうという思想のあらわれであると考えることができます。

 このような笑いと神事とのつながりの背後には、日本で最初に笑いの記述が出てきたと
いう『古事記』の「天岩戸開き神話」が大きく関係しています。須佐之男命(すさのおのみこと)
の狼藉に怒った太陽神・天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に隠れたことで世界は
暗闇に包まれますが、天宇受売命(あめのうずめのみこと)のストリップさながらの踊りを
見た神々が大笑いすることで、外の様子が気になり顔を出した天照大神をこの世に呼び
戻したという神話です。この神話が太陽の力が弱まる冬の季節に人びとの大笑いのパワーを
吹き込むことで再びその力を取り戻させるという思想につながり、それが笑いの神事として
受け継がれてきたと捉えることができます。このように、笑いは日本の成り立ちと切っても
切り離せない関係であることが解説され、大笑いの力で日本の活力を呼び戻すことの
重要性が説かれました。

次回以降も充実した講師陣でお届けしますので、
ご期待ください。ひきつづきご応募お待ちしております。

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シリーズ 笑いの総合科学(第1期)ご案内
http://www.kansai-u.ac.jp/mt/archives/2011/06/1_2.html

※注意事項
「シリーズ笑いの総合科学」では、テキストを使用します。
(テキストは講座開始時に、定価2,940円を2,500円で販売しております。
講座テキストをご購入の方には、各担当の先生方の直筆のサインを
入れていただけます。)