GoLDプログラム(台湾)の参加学生が玄奘大学で成果発表会等を行いました

いよいよ現地プログラムも後半に突入した2024年度GoLDプログラム(台湾)ですが、12月12日(木)は玄奘大学で成果発表会や現地でエクスカーションを行いました。
本プログラム担当の北川亘太准教授からプログラムの様子が届きましたので、写真とともにお伝えします。

玄奘大学の綺麗で広々としたゲストハウスに宿泊し、菜食の朝食を美味しくいただきました。

1.JPG

図.png

玄奘大学との交流の2日目は、成果発表会です。「新竹での驚き」というテーマで関大生がプレゼンテーションをし、玄奘大学の学生が通訳をしてくださいました。各人、発表前に、中国語で自己紹介をしました。
早朝、それに向けて、両校の学生が集まりましたが、(私から見ると)のろのろした様子で、きちんと打ち合わせができているのだろうか、と心配になりました。

2.JPG 3.JPG
4.JPG 5.JPG
6.JPG 7.JPG
8.JPG




しかし、成果発表が始まると、自己紹介も(私は中国語が分からないのですが)もっともらしく聞こえ、プレゼンテーションでは、新竹での良い気づきが次々と出され、しかも、聞き取りやすい調子で、身振り手振りを交えながら、分かりやすく発表していました。これまで、学生たちは、小さく縮こまってスマートフォンに頭を近づけながら発表をすることが多かったですが、現地に来てから、聞いてくれている人に伝えるために、伸び伸びと身体を使うようになってきました。玄奘大学の学生たちの通訳も、とてもスムーズで、心地よい流れができていました。

10.JPG 11.JPG

喫煙ルールの違い(それは喫煙者の少なさに起因する)、台式日本食、バイクの多さ、古い建物の隣にそびえ立つマンション群から想像する格差、中国語や英語と比べたときの日本語の特徴など、各自の関心から様々な気づきを提示しました。

12.JPG

私が素敵だな、と思ったのは、新竹の驚きの一つとして、来客へのおもてなしの心、を提示した班は、オンライン交流とこの2日間に、玄奘大学の学生や大庄小学校の校長先生がしてくれたことを、細かく憶えていて、発表という機会を通じてそれに対する感謝の気持ちを伝えていたことです。

13.JPG

玄奘大学応用日本語学系の先生がた(池田先生、郭先生、徐先生、蔡先生)も、両校の学生の本番の力に驚きながら見ていたように感じます。蔡先生から、「みなさん、中国語を勉強されているのですか? え! 経済学部の学生さんですか!」という驚きの感想を頂戴しました。オンライン交流と現地交流の成果が、中国語での自己紹介で発揮されたということですね。

19.JPG

最後に、先生がたからコメントを頂戴しました。いずれ再び新竹を訪れて、もう一度よく観察し、今回の「新竹での驚き」が、自分が経験できたごくわずかな事実のみに起因していないかを検証しながら、今度は、新竹の特徴や魅力を発見してほしいです、とのことでした。

20.JPG 21.JPG

池田先生と学生たちの見送りを受けながら、玄奘大学を出発しました。

30.JPG ★31.JPG
32.JPG 33.JPG
34.JPG 35.JPG




バスで3時間ほど南に走り、烏山頭ダムを見学しました。このダムは、日本統治時代に石川県出身の技術者、八田與一が設計・監督したものです。当時は東洋一のダムであり、この周辺の広大な地域の農業の発展につながりました。八田のエピソードについては、バスでの移動中、八田のことを事前に調べてきた学生が説明してくれて、みんな、彼のユーモアを交えた説明に聞き入っていました。

50.JPG

ダムというと、学生たちは黒部ダムのようなものを想像していたようで、放水口を見た時にがっかりした顔をしていたのですが、エメラルドグリーンのサンゴ礁のように見えるダム湖を見たとたん、表情が変わり、堤防のほうに吸い込まれるように歩いてゆき、なかなかバスに戻ろうとしませんでした。

40.JPG 41.JPG
42.JPG 43.JPG
44.JPG 45.JPG
47.JPG




烏山頭ダムの訪問については、石川県出身の引率者(北川)の私情が入りすぎているかもしれませんが、私の郷土の偉人、八田與一の業績のことを、現地の人が、そして、今日では「台湾史」においてなぜ高く評価するのか、を分かってくれたようで、とっても嬉しかったです。

60.JPG 61.JPG

台南市の市街に到着し、夕飯を食べました。ガイドの陳さんが、歴代総統が訪れた有名なレストランに連れていってくださり、台南の料理をゆったりと味わいました。お食事をしながら、昨日(11日)午後の玄奘大学との交流について、ある学生に話を聞いていると、日本語だけでなく英語も使いながらコミュニケーションをとっていたようです。彼は、ゆっくりしゃべってもらえれば聞き取れることに気付いたようです。それで、Could you please speak a little slower ? といったようなお願いをして、スピードをコントロールするという技をおぼえました。「これでなんとか英語話者とも交流できます。この気づきだけで全然違いますね」と言っていたのが、印象的でした。

次の日(13日)の朝食にて、同じ班の先輩に話を聞いていると、やはり、その後輩は1年生なのに、ある言語でしゃべらないといけない、という制約に囚われることなく、手持ちの英語単、中国語、日本語を混ぜ合わせながら相手とコミュニケーションをとろうとしているところが凄い、ということでした。この先輩が、今回の1年生たちを見ていると、事前授業では、先輩からの指示を待ち、それに従うだけでしたが、現地に来てから、「ここに行きませんか?」「こういうことをしておいたほうがよくないですか?」など、どんどん主体的に動くようになってきた、ということでした。

この先輩は、私と似ているところがあって、研究を深める、あるテーマに限って話をする、という点では非常に優れた学生なのですが、今回のプログラムでは、はっきりとした課題や目的のない中で交流することの難しさと大事さを感じたようです。印象的なのは、プログラムでの「中身の無い」部分において交流する、中身の無いところでの交流で関係性の質を高めることの重要性が分かった、その力をつけたい、1年生でもそれをうまくやれている人たちがいて、自分はもう4年生になっているけれど、就職してからがんばりたい、と言っていたことです。

この先輩は、相手学生たちの中だけでワイワイした状況になっているとなかなか入っていく隙を見つけられないので、ばらばらになったときにうまく個人をつかまえておしゃべりするようにしています、と、わずか数日間で、自分なりの交流の技を見つけたようです。

70.JPG

【記事・写真提供:経済学部 北川亘太准教授】

お知らせ一覧に戻る

page
top