
出口正之客員教授による講演会を開催しました
2024年11月28日(木)13時00分~14時30分(第3時限)に、出口正之客員教授による講演会「社会保障の基礎となる人口学から次世代を考える」を千里山キャンパス第2学舎3号館E301教室において開催しました。
国立民族学博物館名誉教授・特定教授で総合研究大学院大学名誉教授、「民都・大阪」フィランソロピー会議議長である出口先生は、日本のフィランソロピー、非営利団体、民間財団研究の第一人者のおひとりです。経済的な誘引に基づかない非営利の行為とその組織に関するご研究から積み上げてこられた理論的なバックグラウンドと、多方面での長年にわたるご活動からくる知見をもとに、熱のこもったご講演となりました。
本学広報課スタッフが取材に入っておりましたので、いずれ本学HPにて内容の紹介があるかと思いますのでご期待ください。
人口の将来推計や社会保障制度等については、文献等から情報を得ることが比較的簡単です。しかし、それらがどのように作られているのか、どのように使われているのか/使われていないのか、変わりゆく社会・経済のみならず変わりゆく価値観をどのように受けとめているのか/受けとめていないのか、その中で何をしていくのかについて情報を得ることはとても困難です。"Tax Me Now"というムーブメントを含めて、「社会」で支える保障まで踏み込んでお話しを、200名以上の方々に聴いていただけてよかったと思っています。
あらゆるものが大きく変わる時代に、どこまで見通せるのか/見通せないのかを、数々の実例とともにご紹介いただいたご講演のために配付された資料の最終ページは、16本の参考文献リストでした。これら全てを読破していてもご講演内容全てを完全に理解することは難しいと言えるほどに、幅広く、奥深いご講演に、戸惑った聴講者もいたかもしれません。しかし、それはどういうこと? という疑問が数々生まれる中で、疑問を解決するためのヒントをこれだけたくさんいただけたことは、非常に喜ばしいことです。一番気になった疑問についてだけでも構わないので、是非、参考文献を探してみてください。
出口先生は、ご講演の最後に、若い方々に学ぶこと、それも、"年下の人に教えを乞う"というご自身の姿勢を強調されていました。"請う"ではなく、"乞う"と表限さていた辺りにも、普段から言葉を大切にされ、言政学(Linguapolitics)の重要性を主張される姿が垣間見え、年齢や立場を問わず多くの聴講者に感銘を与えていました。
大変貴重なお話しばかりで、質疑応答が講演会終了後も続き、時間が短すぎると感じるほどに密度の高い講演会となりました。 【記事提供:佐藤 雅代 教授】