熊谷 幸久 ゼミ

  • 歴史・思想コース
  • 歴史・社会専修

ゼミの内容について

戦後の日本において長期にわたり連載された漫画の中には、『サザエさん』に代表されるような庶民の日常生活を描いたものが数多くあります。作者の主観が作品の内容に影響しているなどの限界があるものの、これらの作品を読むことで、時として文章よりも分かり易く、それぞれの時代の社会や経済の様子やそれらの変化を知ることができます。熊谷ゼミでは、このような漫画や風刺画を歴史研究においてどのように活用できるかということをみんなで考えながら、実際にこれらの資料を用いた研究をおこなっています。

ゼミ担当者の本当の専門はイギリス経済史であり、自分自身の研究ではいつも英語で記された古い文献とにらめっこしています。しかし、学生のみなさんには、より身近で入手が容易な資料からデータを集めて、それを用いながら歴史研究をしてもらいたいと思っています。そのため、ゼミではこのようなテーマを設定しています。

ゼミ活動の進め方について

3年次の春学期のゼミでは、先ず、漫画を資料として用いた論文を輪読します。具体的には、ゼミ生が順番に論文の内容についてパワーポイントやレジュメを用いて報告し、その内容についての討論を全員でおこないます。これにより、漫画を歴史資料としてどのように研究に用いるのかを学びます。そして、春学期の後半から秋学期の前半にかけてのグループワークでは、特定の漫画の内容を分析しながら、戦後の日本の社会や経済がどのように変化したのかを研究し、その成果を学内のゼミ大会で発表します。その後、秋学期の後半には、各個人(またはグループ)で卒業論文のためのテーマを決定し、それに沿った研究を始めます。4年次には、それまでの研究をさらにブラッシュアップしながら卒業論文を完成させることを目指して活動します。

また、通常の授業内のゼミのほかに、みんなで昼食へ行ったり、懇親会を開いたりしています。

ゼミ生の研究テーマ

熊谷ゼミでは、ゼミ生が学びたいこと、やってみたいことを最大限に尊重しており、特に卒業論文のための研究においては、自由に研究テーマを設定してもらっています。以下はゼミ生の卒業論文の論題の一部です。

「非政府組織がウクライナ戦争に与えた影響の研究」
「高度経済成長における食文化が女性の家事労働に与えた影響」
「スポーツにおける人種差別問題」
「2020年東京オリンピックが遺すもの」
「イギリスのEU離脱の歴史的背景」
「スポーツイベントと地域振興」
「スコットランドの独立をめぐる一考察」
「コーヒーハウスと風刺画のイギリスの近代市民社会形成における役割」
「アメリカ合衆国の福祉政策の歴史と新しい公的扶助の在り方」

ゼミ生の声

私の代は少人数ではありますが、それゆえに先生が一人一人によく向き合ってくださり、グループワークでも、卒業論文の作成でも非常に相談しやすい環境となっていました。学生だけで何かを作成することを不安に思っていましたが、2年間でその不安は完全に無くなりました。執筆力を培うにはとてもいい環境だと思います。

ゼミ紹介 一覧に戻る

page
top