新熊 隆嘉 ゼミ

  • 経済政策コース
  • 公共経済専修

ゼミの内容について

ゼミのテーマは環境問題です。環境・資源・エネルギーといった問題を経済学の観点からデータを使って分析します。3年次の春学期は、データ分析に必要な回帰分析についてパソコンを使った実習形式で学びます。3年次の秋学期は、グループで一つのテーマを選び、関連するデータを使った分析をおこない、論文を作成し、それを学内ゼミナール大会のみならず、インゼミ(関西大学・関西学院大学・神戸大学のゼミ)でも発表します。4年次は、「環境」という縛りを外し、自由にテーマを設定し、個人またはグループで卒業論文を書きます。ここでもデータを使った実証分析をおこなうことは必須とします。これまでの新熊ゼミの卒業論文のテーマの一部を紹介すると、次のようなものがあります。

  • 「大阪にカジノを誘致するべきか」
    アメリカの州データを使って、カジノを合法としている州と非合法な州で、一人当たり所得、失業率、自殺率などにどのような違いがあるか分析することで、カジノの誘致が大阪にどのような影響を与えるかを推測。
  • 「指導者の褒める、叱ることがチームのパフォーマンスにどのような影響をもたらすか」
    体育会学生200名に対して、高校のときに所属していた部について、指導者の指導方法や部の成績を中心にアンケートを実施。組織内でのリーダーのあるべき振る舞いについて実証分析した。
  • 「自然災害の経済に与える影響について」
    40年間の都道府県パネルデータを使って、地震の発生が被災県および近隣県のGRP(GDPみたいなもの)に与える影響を推計した。これにより、地震による建物の倒壊といった直接被害では計測できない間接被害の大きさを推計した。
  • 「若者の喫煙を防ぐために」
    JGSSの個票データを使って、50歳以上の個人を喫煙者グループと非喫煙者グループに分け、家族に喫煙者がいる人の割合が二つのグループで差が生じるかを検証した。逆に、20歳代の個人を喫煙者グループと非喫煙者グループに分け、家族に喫煙者がいる人の割合が二つのグループで差が生じるかを検証した。以上の分析から、若者の喫煙には家族の喫煙が大きく影響していることを発見。

ゼミ活動で大切にしていること

新熊ゼミでの研究は、最初から答えが存在している練習問題と違って、答えのない仮説を自分たちで設定し、それを正しく(データ分析にもとづいて)検証することあり、いわゆる勉強ではありません。グループワークや卒論を通じて、これを繰り返すことで学生が自分自身の問題解決能力を自発的に高めていくことを何よりも大切にしています。

当ゼミでは、ゼミ中に積極的に発言することをもとめます。単純な質問からはじめて、批判的なコメント、建設的なコメントを経験して、最終的には集団における議論に慣れることを目指します。このことは、最初から答えが存在する練習問題を解くことにあまりにも慣れ過ぎた大学一回生・二回生には難しいもの。答えがない問題に直面することで、さまざまな切り口からのコメントが可能であることに気づき、それを実践することで、議論に慣れていくことを目指します。

研究以外で、大切にしていること

また、当ゼミでは、人と人のつながりを大切にしています。学生と学生、学生と教員、現役学生とOB/OG、教員とOB/OGとのつながり。普段のゼミ活動を真剣に取り組むからこそ、オフのときも一緒に過ごしていて楽しい。そして、学生時代に長い時間を共有することで確立された人間関係は卒業後も長く続いていくもの。こういう価値観を共有できる学生には当ゼミに積極的に応募していただきたいと思っています。

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