関西大学 人間健康学部

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 フランスの小説家であり劇作家でもあるAlbert Camus (1913-1960)は、今年で生誕100周年を迎える。彼は無類のサッカー好きであり、"人間の道徳心や義務について知っている一番確かなことのすべて、それを私はサッカーに教わった"と語っている。私も幼少期よりサッカーに明け暮れた少年であった。今日ほど情報もなく、週に一度のサッカー番組と輸入雑貨屋で手に入ったfootball monthlyの写真を、英語も読めないのに、手本に仲間とボールを追いかけていた。
 現在はスポーツ科学領域(運動環境生理学)の研究をしているが、その結縁(きっかけ)となったのは人との「縁」である。高校三年生(1978)の終わりに、西ドイツに行く機会を得た私は、ケルン体育大学で日本人の学生と出逢った。その一人が祖母井秀隆氏(現京都サンガGM)である。この時に私は、大学を出たら西ドイツに渡り、将来サッカーのフィジカル・コーチになることを決意した。今もその夢は捨てていない。
 「日本サッカーの父」と呼ばれるDettmar Cramer氏とは、2008年に日本フットボール学会に招聘し、7日間を伴に過ごす機会を得た。この時に、様々な言葉を頂くことができた。"タカ、サッカーを国同士の戦争に例えてはいけない、本当の戦争とは悲惨なものだ"と大阪のビアホールで諭された。また、"私はこれまで、運動学、生理学、社会学、心理学、栄養学など様々な学問を学んできたが、その基本となっていることはサッカーを通して学んだことである"そして、"私はサッカーを好きではない、愛している"と。
 私もサッカーを通じて、少しは子どもから大人になり、そして紳士になったであろうか