interview
vol.20
制度の隙間にある課題を掘り下げ、社会に届けたい
社会安全学部 安全マネジメント学科/4年次生(取材年度:2025年度)
内定先:メディア・報道業界
職種:記者職
Q1.社会安全学部を志望した理由を教えてください
中学3年生のときに広島で豪雨災害を経験したことが大きなきっかけでした。以降、災害の仕組みや被害を防ぐための考え方を、体系的に学びたいという思いが強まり、社会安全学部を志望しました。実際に入学してからは、災害のメカニズムだけでなく、被害を減らすための制度や地域の取り組みなど、多角的に学ぶことができました。
Q2.学生時代に力を入れて取り組んだことを教えてください
挑戦することを大切にしてきました。中学・高校では、生徒会活動や課外活動など、「気になることはとりあえずやってみる」という姿勢を貫いてきました。大学では、国際学生寮に住み、留学生や新入生の生活サポートおよび寮の運営を行うRAとしての活動に力を入れていました。コロナ禍も明け、国際交流を促進しようと数々のイベントを企画しましたが、参加者が伸び悩みました。イベントに参加しない理由を留学生にヒアリングしたり、仲間と寮の現状を分析したりして参加の障壁を取り除くことで寮全体の国際交流が活性化するきっかけをつくることができました。
Q3.社会安全学部の学びが、どのように就活の軸につながりましたか
災害に強い社会を実現するには、防潮堤やダムといった"ハード"の整備だけでなく、防災訓練・防災教育、情報共有の仕組みづくりといった"ソフト"の取り組みも同じくらい重要であることを、授業や演習を通して学びました。実際にフィールドワークで地域の防災活動を見聞きした際、どれだけ立派なインフラが整っていても、住民が避難方法を知らなかったり、行政との連携が取れていなかったりすると被害が拡大してしまう可能性があることを実感しました。こうした経験から、私は特にソフト面の防災に強い関心を持つようになりました。さらに、災害情報に関する授業では、災害時のメディアの重要性に加え、情報の伝え方の多様性に触れたことをきっかけに、ますますメディア業界への興味が高まっていきました。
Q4.キャリアセンターをどのように利用していましたか
2年次生の終わり頃から3年次生の春にかけて、本格的に利用し始めました。最初は、不通過となったインターンシップのESを見ていただいたのがきっかけです。ES対策を通して、私のことを知らない第三者には伝わっていない部分が多いことに気づきました。確認してもらったESを提出したところ、選考を通過し、志望していたインターンに参加できることが増えました。
それ以降は、月に2〜3回程度、面接練習やキャリア相談等で継続的にお世話になりました。また、業界研究セミナーにも参加し、たくさんの社会人の方々からお話をお伺いしたことで、業界や企業の理解を深めることができました。
Q5.キャリアセンターを利用して特に良かったと思うプログラムは?
キャリア相談です。ESや面接対策では、自分では気づかなかった改善点を細かく指摘していただき、選考ごとに準備の質が上がっていく実感がありました。また、「今の状況ならこの企業の対策を優先しよう」など、就職活動全体の進め方を一緒に整理してもらえたことで、進むべき方向が明確になり、モチベーションを保つうえでも大きな支えになりました。うまくいかない時期には、気持ちの面も含めて伴走してくださり、安心して取り組むことができました。
さらに、キャリア相談では、自分の過去の経験を丁寧に振り返り、「大したことではない」と思っていた出来事にも価値がある、と気づかせてもらえました。強みや持ち味を客観的な言葉で整理していただけたことで、面接での自己表現にもより自信を持てたと感じます。気負わずに話せる距離感で、自分について深く考える貴重な時間になりました。また、就職活動中はゼミの仲間との情報共有や、友人との失敗談を笑い合う時間も励みになりました。選考で落ちた時も、「次はこの話をネタにしよう」と前向きに切り替えながら進めたのが良かったです。
Q6.記者を志望した理由を教えてください
報道の功罪を目の当たりにしたことが、記者を志望した理由です。地元で発生した大きな災害の直後には、時々刻々と現状を伝えるニュースに安心感を覚えました。一方で、時が経つにつれ地元が報じられる機会が減っていき、全国から取り残されていくような不安も感じました。
また、メディアのあり方について学びを深める中で、報道被害という社会課題に問題意識を持ちました。一度大々的に容疑が報じられると、のちに不起訴や無罪となっても、その事実は十分に伝わらず、名誉回復が困難なケースが少なくありません。報道には、人を安心させる力もあれば、人生を大きく左右してしまう力もあるのだと痛感しました。だからこそ、注目される時期を過ぎた小さな出来事であっても、その背景やその後まで丁寧に伝え続けられる記者になりたいと考え、記者を志望しました。
Q7.社会人になって取り組みたいことを教えてください。
災害関連死に関する報道です。災害関連死とは、直接的な災害の被害ではなく、避難生活の心身の負担や医療体制の不備といった間接的な原因で亡くなることです。現在は、申請されていない災害関連死がどの程度存在しうるのかを検証する研究に取り組んでいます。災害関連死の認定申立書は遺族が自ら記入する必要があり、多くの手間と時間がかかるうえ、精神的な負担も大きい手続きです。
将来は、制度のどこに負担や抜け落ちが生じているのかを掘り下げ、問題点を社会に提起できる記事を書きたいと考えています。また、災害や事件、事故など、規模の大小にかかわらず、最後まで丁寧に追い続ける姿勢を大切にできる記者でありたいと思っています。
<学会発表時の写真>
Q8.就職活動をする後輩に向けてアドバイスをお願いします
私は2次募集で内定をいただいたため、4年次生の7月末まで就職活動を続けていました。すでに就活を終えた友人を横目に、「どうして自分だけこんなに続いているのだろう」と惨めな気持ちになることもありました。しかし、振り返ってみると、まったく後悔はしていません。
納得のいく内定を得られたことはもちろん、就職活動を長く続ける中で出会った人や訪れた土地、そこで得た気づきの一つひとつが、大きな財産になっています。就職活動の進み方やタイミングは、人によって本当にさまざまです。
周りと比べすぎず、自分が納得できるまで続けてください。

