3年春学期の必修科目。1年秋学期から続く実験科目の集大成として、また3年秋学期から始まる研究室活動の導入的科目として、自ら選択した3つの実験テーマに取り組みます。1つの実験テーマに費やす期間は1ヶ月。試料や装置、電子回路を自ら作成し、その特性をじっくりと調べていく過程で研究活動に必要な探求力を身につけます。研究室と同じ性能の機材を使用する本格的な実験です。
本講義では、幅広いシステムの基幹言語として用いられているC言語を学び、プログラミングの基礎を修得する。また計算機を使って問題を解決する能力を育成することも目指し、数値計算の理論やそれに必要なアルゴリズムについても学ぶ。C言語のプログラミングによる数値計算能力の向上とともに、グラフィックソフトを用いた計算結果の可視化についても学習する。なお本講義は2コマの講義形態であり、前半の1コマは講義形式でプログラミングや数値計算理論の解説を行い、後半の1コマで解説した内容について実習を行う。
電磁気学基礎で学んだ静電気学に続き、本講義では真空中の静磁気学、さらに変動する電磁場(電磁誘導現象)を学ぶ。まず、電流の性質から出発し、電流が作る磁場がビオ・サバールの法則によって記述されることを学ぶ。その後、静磁場が満たすべき法則としてアンペールの法則を学び、ベクトルポテンシャルが導入される。次に、変動する電磁場を取り扱い、ファラデーの法則をはじめとする電磁誘導現象を学ぶ。最後に、変位電流を取り入れ拡張されたアンペールの法則を学び、これまでに学んだ電磁気学がマクスウェル方程式に総括される。
量子力学は素粒子、原子、分子などミクロの世界の物理現象を扱う理論体系で、現代物理学を理解するために不可欠な分野です。また、先端技術を扱う上でも量子力学を理解することが必要です。授業では、一次元調和振動子や水素原子などについて学び、量子力学の基礎方程式であるシュレディンガー方程式、演算子法、ハイゼンベルグの運動方程式といった、古典物理学とは異なる概念や手法について理解を深めます。
本科目は複数名の教員による少人数セミナー方式で実施します。物理学・応用物理学の専門基礎知識や能力を身に付けるために必要な、ごく基本的な能力を養うとともに、いろいろな専門分野でのトピックスを通して物理学・応用物理学への興味を持ち、物理学・応用物理学の考え方、学び方を体得することを目的とします。また、教員とのコミュニケーションを密にし、学生生活を円滑にスター卜することも目的とします。
今日の青少年の理数教科を学ぶことの意義やその有用さに関する意識の低さは、今後益々進行する科学技術・知識社会にとってリスクでさえある。そこで、先進的な教授・学習システムの実践事例を紹介し、その後、受講者自ら初等中等教育課程における理数関連分野からテーマを選定し、自分の体験を踏まえながら、学習者の意欲・関心を高めると同時に理解を促進するような教材開発と授業計画の作成に挑戦する演習形態を講義に組み込む。教材開発に当たっては、ITを積極的に活用する。そして、過去の研究事例と対比し、全体討議の中で議論の中から結論を得ていく。具体の教材開発に当たっては、単独あるいはグループでテーマを選定して探究活動を行う。
伊藤 誠 教授
科目名:統計力学I
「統計力学」の考え方を学ぶことで、「正攻法ではうまくいかいない場合に、どうやって困難を回避して、問題の解決にたどりつくか」という問題処理に必要な思考プロセスを経験して欲しいと思っています。講義の内容は高校で学ぶ「熱と気体」の応用にあたるので、高校でしっかり勉強しておけば理解は早いでしょう。また、統計力学のベースとなる「確率・統計」は私たちの生活に最も身近な数学の一つ。確率を使って物理を考えることに、初めはとまどう学生が多いのですが、確率・統計論の初歩的な知識があれば十分理解できると思います。