学部概要
学生の声（Students' VOICE）社会情報システム系
高校時代は文系でしたが、自分で考えて答えを導き出す数学が好きでした。
大学でも数学の勉強を続けていきたい気持ちはありましたが、それよりも文・理の枠に捕らわれずもっと幅広い分野を学びたい。その中から、将来にわたって興味をもち取り組めることをみつけたくて総合情報学部への進学を決めました。1・2回生の時は科目リストを見てもなかなか具体的なイメージが持てず、直感で「おもしろそう」と感じたものを中心に履修していました。なかでも興味深かったのは「コミュニケーション論」。広告の実例を挙げて、誰をターゲットにどんなメッセージを込めた物なのかを分析する授業です。
2回生までは広告への関心が強く、圧倒的にメディア情報系の授業を履修していましたが、現在は社会情報システム系のゼミに所属しています。メディア情報系の科目も楽しく取り組めていましたが、将来を思い描いたときに、自分には違う分野の方が向いているのでは？という気持ちがありました。
ゼミについて詳しく話を聞くことができるオフィスアワーで、興味のある分野は何か？どこを掘り下げていきたいと思っているのかを改めて考えました。そこで一番印象に残ったのが、「経営戦略」「事業進化」を専門にされている先生が話された『電車の車内広告ひとつにも企業のマーケティングと戦略が反映されている』という話。広告や、数学と関係の深いマーケティングについてはもっと学んでいきたい気持ちがありましたが、経済や経営についての知識はほとんどありませんでした。でも、先生のお話を聞いて、興味のあった広告も企業戦略と深い繋がりがあると気付き、社会情報システム系のゼミに決めました。
手探り状態ではじまったゼミですが、「経営戦略論」「競争戦略論」の本をチャプタごとにまとめて発表する課題を通じて“経営戦略"や“企業活動”について学ぶ土台づくりができました。プレゼンテーションするためには、まず自分自身の疑問点をクリアにしてなくてはいけません。本を熟読して、出てくる専門用語を一つひとつ調べながら、試行錯誤を繰り返しレポートにまとめました。発表がはじまる前は恥ずかしくてドキドキしていましたが、すぐに「もっと伝えたい！」という気持ちがヒートアップして、終わる頃には熱弁をふるっていました（笑）その後、何度かあったプレゼンでは、どうすれば興味を持って話を聞いてもらえるかをしっかりと意識して臨み、納得できる発表ができるようになったと思います。
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現在は卒論で、ある企業の事業進化について研究しています。
「事業進化」とは、例えばメーカーは商品を提供し、消費者はその商品に対してお金を払います。メーカーは得た利益を元に、より高い価値評価を受けることのできる新たな商品を開発し、逆に衰退しつつある事業を再編するなどして持続的な成長を図ります。そういった企業が変化していくプロセス全体のことをさします。
私の研究対象は『コンビニ』。コンビニは今や巨大な市場を持ち、小売りだけではないさまざまなサービスを提供する生活に密着した業界です。テレビをつけるといくつものコンビニ・チェーンがイチオシ商品を宣伝するＣＭを流し、競合とのしれつなライバル争いを繰り広げています。業界一位のコンビニチェーンを題材に、変わりゆく時代のなかでどのような企業戦略をたて、事業を「進化」させてきたのか。企業の歴史・変遷をたどりながら、社会背景や市場・業界の動きなど、多角的なアプローチで分析を進めています。これまで学んできた広告や広報などメディア戦略についての考察も取り入れています。
将来は、身に付けた知識を生かして食品業界で広報と商品戦略に携わる仕事をしたいと考えています。
受験生の皆さんのなかには、具体的な目標がまだ見つかっていない人もいると思います。私自身、総合情報学部を選んだのは「数学」と「幅広い分野」を勉強できることが理由です。入学当時は将来の具体的な目標は無かったんですね。
けれど授業や実習を通じて、ぼやけていた自分の適性や目標が段々と見えてきました。そういうきっかけがたくさん用意されている学部だと思います。
私のようにメディアについて学んでいてもオフィスアワーがきっかけで、社会情報システム系の分野について研究したいとはっきり思うようになることもあります。
方向転換をしても、これまで勉強したことを生かした自分なりのアプローチが可能です。皆さんも入学したらあまり構え過ぎずに、まずは自分の興味に素直になって何にでもトライして欲しいなと思います。どんなことでも真剣に取り組んでいけば必ず次のステップに繋がっていくはずですよ。
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（2010年度掲載）
