
ゼミではホームレスとネットカフェの問題について研究をしています。このテーマを選んだのには理由があります。TVや新聞を通じて、これらが大きな社会問題になっていることを知り、自分にも何かできることがあるのでは?そんな漠然とした思いはありましたが、一体何から始めればいいのかわからずに、一歩を踏み出せないでいました。そんな時『組織意思決定論』の授業で、"人間というのは何らかの組織に帰属していて、組織なしで生きるのは困難だ"という話を聞いたんです。人と組織の関係。それを考えていくと、会社や家族といった組織から切り離されてしまったホームレスやネットカフェ難民と呼ばれる人たちが頭に浮かんできたんです。そこでビッグイシューという雑誌を販売しているホームレスの方に声をかけて、話を伺いました。この活動はホームレスの方が雑誌を販売し、それを自立支援にしていくというものです。
その方は突然話しかけた私にいろいろな話をしてくださいました。この生活を抜け出すためには仕事が必要だけど、仕事につくことができない。決して「働けるのに働かない」のではなくて、住所がないと安定した仕事につくことができないこと。それすら私には考えもつきませんでした。その方の紹介でホームレス会議にもボランティアとして参加して、実情を知りました。私もそうでしたが、こうした就労問題に対しては"自己責任でそうなった"というイメージがあると思うんです。そういった周囲の無理解が生活の再建や自立に向けての再チャレンジを困難にしてしまっている。それを知った今、一体自分には何ができるのだろう?それは自分が接し感じた思いを、できるだけ多くの人に自分の言葉で伝えることでした。
ホームレス会議について書き込んだブログには大きな反響があって、いつもの何倍ものコメントが寄せられていました。コメントに目を通すうちに、"知る"ことがこの問題を解決するための糸口になるんじゃないか、そう考えるようになりました。まずは自分の身近な場所でホームレスについて知る機会をつくるために、販売元と生協に交渉を重ね、期間限定で生協にビッグイシューを置いて貰うことができました。友だちにも声をかけてチラシや看板を作ったり、メールで紹介したり宣伝活動も積極的に行いました。心よく協力してくれた友だちには感謝の気持ちで一杯でしたが、逆に「きっかけを作ってくれてありがとう。」という言葉をもらいました。小さな行動ひとつで確かに変えられることがある。そのきっかけに自分がなれたことを嬉しく思っています。

大学に入るまでの私は、自らアクションを起こすようなタイプじゃなかったんです。だから大学に入ったら、みんなの一歩先を進もう!と決めていたんですが、2年生になり、入学してからの1年間を振り返ってみると何も変わっていない自分がいて…。そんな自分を変えるためにも何かにチャレンジしようと思って始めたのが、経営学・経済学には必須と言われる簿記資格。試験までの期間は放課後にエクステンション・リードセンターの簿記授業を3時間受け、帰宅するというハードな勉強生活の日々でした。それに勉強を始めた当初は、本当に不安だらけでしたね。まず判らないことが多い!しかも周りを見渡すと、経済や商学部の学生がほとんどで電卓の叩き方から全く違う(笑)。そこに自分がいることが場違いなように思えました。それでも、諦めるのが嫌で約半年間、最後まで頑張り通しました。結果は簿記3級、2級に一発合格!さらに、商学部主催の簿記コンクールに出場し、9位に入賞することができたんです。大変でしたが充実していましたね。その努力が実ったことで大きな自信が得られ、次の挑戦へのモチベーションにもなりました。実は、簿記コンクールの商品でいただいた専門学校の割引券をしっかり活用して、次はファイナンシャルプランナー(FP)の勉強にもチャレンジしたんです。これも2級に一発合格できました!
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