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現実社会をロジックで読み解く ゼミpress

世界を読み解き、自らの言葉で語る:ゼミで育む国際感覚

神江ゼミ

4年次生松葉 桂丞

4年次生鈴木 英司

学びを深め、視野を広げるゼミ活動

発表の様子1
発表の様子2

このゼミは、グループでの研究や発表を通して国際経済への理解を深めることを目的としています。
ゼミの流れは、まず雑誌の記事や書籍からトピックを決め、各自で下調べを行い、グループで内容をまとめた後、ゼミ内でプレゼンテーションを行います。そこで他のグループと意見交換をし、教授からもアドバイスを頂くことでそのテーマへの関心や理解を深めます。扱うテーマとしては、フランスの年金問題や、通貨危機、基軸通貨についてなど多岐にわたります。ゼミでの活動の中で、海外への関心が湧き、国際経済について深く知ることができます。そのため、自主的に留学に行く生徒も多く、現地で学び、その知見をゼミに還元してくれるというメリットもあります。
また、グループ内で意見をまとめる力や人前で発表する能力も身につきます。これらの能力は就職活動においても十分生かせると思います。
少しでも興味があればぜひ当ゼミに来てください!!

世界のニュースを、自分の問いに ― 世界を読み解く力をゼミで磨く

ディスカッションの様子1
ディスカッションの様子2

「国際経済について学ぶ」のがこのゼミの特徴だと聞いたのですが、具体的には何を学びますか?

松葉具体例の一つとしては、フランスの年金改革に対するデモのニュースから、フランスの年金制度やその問題について、議論しました。ネット記事だけではなく、専門的な書籍を利用して知識を深めることができます。

「グループディスカッションと発表」とは、どのような雰囲気ですか?

鈴木グループディスカッションにおいては、まず初めに、テーマ毎にグループで議論を行いながら、国際経済などへの理解を深め、その後は、発表に向けて役割分担をし、お互いに意見を交換しながら、準備を進めていきます。そして、中間発表で教授の指摘や意見をもらい、最終発表に向けてより良いものを作り上げていきます。多少話が脱線してしまうこともありますが、それもゼミの醍醐味と言えます。

鈴木さん写真
鈴木さん写真
鈴木さん写真
鈴木さん写真

卒業論文はどのようなテーマを選びましたか?

松葉私は約10カ月間、イギリスのマンチェスターというところに留学をしていました。そこでは、たくさんの移民の方が生活をしていました。そして、移民の方々がたくさん入国してきたことにより、イギリス現地民の雇用機会が削られているという問題がありました。また、ブレグジット(イギリスがEUを脱退した出来事)を通じて、EU域内からの移民の数を抑制し、イギリス現地民たちの雇用機会を創出しようとしたことも知りました。ただこれによって、全体の労働人口が不足するようになったとも聞き、EU離脱という決定は正しかったのかという疑問を持ちました。そのために、この問題を自分でもっと深く知りたいと思い、卒業論文のテーマに「移民とブレグジット」を選びました。
そこで、私はブレグジットの正当性を労働市場の観点から分析しようと考えて、英国の労働市場でブレグジット以前と以後にどのような変化があったのかを分析しました。その際に、神江教授に、「イギリスの労働市場を見るなら、移民の方々がたくさん関わっている労働市場を見てみるのはどう?」というアドバイスをいただきました。そのために、移民の方が多く関わっている飲食サービス業と医療・福祉業に絞って、研究を進めました。そして、労働者をイギリス出身、EU圏、またEU圏外と三つに分けて、実際に、国外から来た労働者の数がどう変化したのかを詳しく見ていきました。研究に使ったデータに関しては、イギリス政府が公開している労働人口や失業率などを利用しました。
結果としては、飲食サービス業に関しては、ブレグジット後に、労働人口がかなり不足しているという実態を学びました。その理由としては、これまでは、移民の方々がたくさん働いていたのですが、移民を制限するブレグジットによって、移民の労働人数が大幅に減少しました。そして、イギリス出身の労働者とEU圏外から来た労働者がEU圏内の移民の減少を埋めるように増えています。そして医療福祉業に関しては、イギリス、EU圏内出身、EU圏外出身の労働者の数はそれぞれ増加しました。この理由は深刻な人手不足を迎えて、イギリス政府が応急処置として移民の受け入れを緩和したことにありますが、卒論執筆時、依然として人手不足は深刻なままでした。
これらの結果から、ブレグジットは元々の目的であるイギリス現地民たちの雇用機会は多少増やせたものの、労働市場全体の状況を考えると、失敗だったのではないかという結論に結びつきました。この結論に辿り着いた時に、自らの留学の経験を生かせたとも感じ、大きな達成感を得ることができました。

なぜ経済学部に?

4年次生鈴木 英司

米国の自動車会社の創業者ヘンリー・フォードの「もし、人々に移動手段として何が欲しいのか?と聞いていたら、彼らはもっと速い馬が欲しいと答えただろう」という言葉があります。これは出典不明の全く陳腐な引用ですが、つまり、人は自分が求めているもの(早い乗り物)が何なのかを、はっきりとは理解していないという意味です。
さて、経済学部に入学する動機は人それぞれだと思います。私自身、文学部と経済学部の両方に合格した末、就職に有利そうな実学が学べそうだという理由で経済学部に入学しました。ところが、入学してからは実学とは少し距離のある、国際政治経済、貿易論、経済思想に強く惹かれました。結局、私はフォードの言葉のように、自分が何を求めているのか理解していない人々の一人でした。それでも何とかやっていけたのは、経済学が間口の広い学問であったからだと思います。

※学年を含め、掲載内容はインタビュー当時のものです。

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