なぜ経済学部に?

米国の自動車会社の創業者ヘンリー・フォードの「もし、人々に移動手段として何が欲しいのか?と聞いていたら、彼らはもっと速い馬が欲しいと答えただろう」という言葉があります。これは出典不明の全く陳腐な引用ですが、つまり、人は自分が求めているもの(早い乗り物)が何なのかを、はっきりとは理解していないという意味です。
さて、経済学部に入学する動機は人それぞれだと思います。私自身、文学部と経済学部の両方に合格した末、就職に有利そうな実学が学べそうだという理由で経済学部に入学しました。ところが、入学してからは実学とは少し距離のある、国際政治経済、貿易論、経済思想に強く惹かれました。結局、私はフォードの言葉のように、自分が何を求めているのか理解していない人々の一人でした。それでも何とかやっていけたのは、経済学が間口の広い学問であったからだと思います。