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現実社会をロジックで読み解く ゼミpress

割引クーポン戦略のメリットを、
数式を用いて理論的に分析。

石井ゼミ

4年次生池澤 彩

4年次生泉屋 圭太

4年次生玉井 怜香

クーポンでの値引きと販売価格の値下げは、何が違うのか?

ゼミ内発表の様子
ゼミ内発表の様子
石井ゼミのメンバー
石井ゼミのメンバー

泉屋このゼミを選んだのは、石井先生が担当する「産業組織論」の授業などを通して、企業の戦略的行動を学んだことがきっかけです。以前から、さまざまな業界で企業同士が競い合っているのを見ていて、「それぞれの企業はどんな戦略を考えているんだろう」と興味をもっていました。

池澤私はもともと数学が得意だったので、理論を扱うゼミに興味がありました。ゼミ見学に行ったときに、とても和やかな雰囲気だったのも選んだ理由のひとつです。

玉井ゼミでは、まず産業組織論の基礎を学びました。企業は、競争相手となる他社が存在するからこそ、相手の動向を踏まえて戦略的行動をとります。そうしたビジネスの駆け引きを知るために、それぞれの企業の視点を学んでいきました。

池澤私たちは同じグループで研究を行いました。テーマ決めはかなり難航したよね。

玉井最初は、動画配信のサブスクリプションサービスをテーマに、アンケート調査をしようという話もありました。でも、なかなか方向性が定まらず苦労しました。

泉屋最終的にテーマに選んだのが、ハンバーガーチェーン店の「割引クーポン発行のインセティブ」でした。

玉井「割引クーポンは常に発行されているイメージがあるけど、最初から販売価格を値下げしておくのと、どう違うんだろう?」という話になったんです。一方、高品質商品を展開するハンバーガーチェーン店では割引クーポンを発行していないので、両者の戦略を研究することになりました。

メンバーの得意分野を活かし、計算と理論で役割を分担。

グループ活動の様子
グループ活動の様子
学内ゼミナール大会で発表
学内ゼミナール大会で発表
学内ゼミナール大会で準優勝
学内ゼミナール大会で準優勝

池澤研究では、それぞれの得意分野を活かして分担しました。私と泉屋さんは計算が得意なので、2人体制で数学的な分析を行い、玉井さんや他のメンバーには研究の筋道となる理論の部分でリードしてもらいました。

泉屋市場には価格重視の顧客と品質重視の顧客がいるという前提で、「割引クーポンには、価格重視の顧客への高品質商品の販売を阻止する効果があるのではないか」という仮説を立てたのですが、思うような分析結果がなかなか出なくて苦労しました。

玉井数式がとても複雑になってしまったので、2人がお互いに計算結果を照らし合わせながら進めてくれたのが心強かったです。最終的には、割引クーポンの発行は実質的な単価を下げるけれど、価格重視の顧客を独占できる有益な戦略だということがわかり、そうした状況が起こりうる条件を導き出すことができました。

池澤かなり複雑な内容になったので、プレゼンテーションでの伝え方も悩みました。

玉井導入部分の前提条件の説明では写真や図を入れて、できるだけ具体的にイメージできるようにして、その後の話が理解しやすくなるよう心がけました。複雑なことをわかりやすく伝える力、理論立てて物事を考える力は、このゼミでの活動を通してかなり鍛えられたと思います。

池澤私がこの研究を通して実感したのは、グループで協力して取り組むことの大切さです。卒業論文も引き続き同じテーマで、このメンバーでの共著で執筆しました。

泉屋卒業論文では「割引クーポンが発行されると顧客獲得競争が起こらず、実質価格は高くなる場合がある」という結果が出て驚きました。企業の戦略的行動の本質の部分を学んだことは、社会に出た後もきっと役立つと思います。

なぜ経済学部に?

玉井 怜香

何かを表すときには、具体的な数値を示した方が説得力が増すと思うので、文系のなかでも数学を活用できそうな経済学部を選びました。

池澤 彩

関西大学の経済学部は、先生との距離感が近いのが魅力的です。ゼミに入る前にアポをとって研究室でお話をうかがう機会があるのですが、そのときも快く質問に応えてくれるなど、親身に寄り添ってくださる先生が多いと思います。

泉屋 圭太

産業や金融など、幅広い分野を専門とする先生がいるので、自分の関心に応じて深く学べる環境が整っていると思います。

※学年を含め、掲載内容はインタビュー当時のものです。

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