池澤研究では、それぞれの得意分野を活かして分担しました。私と泉屋さんは計算が得意なので、2人体制で数学的な分析を行い、玉井さんや他のメンバーには研究の筋道となる理論の部分でリードしてもらいました。
泉屋市場には価格重視の顧客と品質重視の顧客がいるという前提で、「割引クーポンには、価格重視の顧客への高品質商品の販売を阻止する効果があるのではないか」という仮説を立てたのですが、思うような分析結果がなかなか出なくて苦労しました。
玉井数式がとても複雑になってしまったので、2人がお互いに計算結果を照らし合わせながら進めてくれたのが心強かったです。最終的には、割引クーポンの発行は実質的な単価を下げるけれど、価格重視の顧客を独占できる有益な戦略だということがわかり、そうした状況が起こりうる条件を導き出すことができました。
池澤かなり複雑な内容になったので、プレゼンテーションでの伝え方も悩みました。
玉井導入部分の前提条件の説明では写真や図を入れて、できるだけ具体的にイメージできるようにして、その後の話が理解しやすくなるよう心がけました。複雑なことをわかりやすく伝える力、理論立てて物事を考える力は、このゼミでの活動を通してかなり鍛えられたと思います。
池澤私がこの研究を通して実感したのは、グループで協力して取り組むことの大切さです。卒業論文も引き続き同じテーマで、このメンバーでの共著で執筆しました。
泉屋卒業論文では「割引クーポンが発行されると顧客獲得競争が起こらず、実質価格は高くなる場合がある」という結果が出て驚きました。企業の戦略的行動の本質の部分を学んだことは、社会に出た後もきっと役立つと思います。