進路・就職

総合情報学部卒業生へのインタビュー

三宅 惇子さん:株式会社ウイング

情報の知識と表現力を活かすことのできる『お天気お姉さん』。

現在、東京にある株式会社ウイングに所属し、オーディンションで決まった配属先のNHK仙台放送局で気象予報士・気象キャスターとして、テレビ番組で気象解説を担当しています。ウイングは、私のようにNHKに出演する気象キャスターや番組制作スタッフが所属している会社です。

元々人前で話すこと、表現することが好きだったのが気象予報士・気象キャスターになったきっかけです。大学卒業後に気象に興味を持ち、大学で学んだ情報の知識も活かせると思い、 気象キャスターをめざしました。現在は、気象予報士・防災士の資格も取得しています。

現在、NHK仙台放送局にて、東北6県向けの気象解説を担当し、朝の報道番組と昼の情報番組内の気象コーナーに出演しています。その他、東北各県のNHK文化センターなどをまわり、 「くらしに役立つ天気のはなし」などで講演会も行っています。

華やかなテレビ業界。求められる高いプロ意識。

この仕事の魅力は、「天気とくらしに密着した情報発信」ができることです。
私の仕事は、いわゆる「お天気お姉さん」。こう聞くと、テレビの世界だしすごくキラキラしていて華やかな世界に見えます。しかし、実際は日々、気象データや天気図との睨み合いで、また時間との勝負です。気象災害から人の命を守るという、防災情報が主な仕事ですので、災害が起こりそうなシビアな現象な時には寝る暇もありません。 華やかな印象とは裏腹、すごく地味で、細かくて、根気のいる仕事です。また生放送では、毎回、最大限力を発揮できるよう集中力を高め、ポテンシャルを合わせていくのが最も難しいですね。仕事が終わってからも、毎日、自分で予想した天気図と空を見比べては、一喜一憂しています。落ち込んだときでも、視聴者の方から「毎日天気予報参考にしているよ」とか、「天気予報が楽しくなったね」などのお言葉をいただくと、また頑張ろうと思います。

毎日の仕事を分析し、見つかった課題をひとつずつクリア、地道な努力が大切です。

私は自分の仕事をひとつの作品として、毎回客観視することを心がけています。「天気予報」をただ伝えるだけでなく、伝わるように情報発信するべきだと考えています。 自分の仕事を、まったくの他人が作ったものとして、第三者の目線で吟味してみる。そうすると、筋が通っているところ、また抜けているところ、無駄な部分などが見えてきます。仕事も十人十色、だからこそ個性をより引き出すための作業は怠りません。

学生時代のアルバイトと、会社員になってからの大きな気持ちの変化は「責任感」ですね。毎日、同じモチベーションで天気を伝えるというのは、並大抵の気持ちではできません。私の仕事の代わりはいませんので、人一倍「体調」にも気を遣います。天気を予想できるというのもあって、気温の変化には上手く乗れています。気象予報士になってからは、風邪は一度も引いていません!

総情ならではの「文理総合」というジャンルが役に立つ!

社会に出ると当たり前のことになりますが、理系の仕事でも、文系の仕事でも、やはり人とのコミュニケーション能力は必要ですし、パソコンやコンピュータを使いこなせる能力も必要になります。気象予報士試験の勉強も同じで、入り口は、たくさん難しい数式や物理の問題があって理系の試験に見えますが、最終試験の実技試験では、予想される気象現象について、自分なりに文章を作って解答する文系の知識が必要になります。総合情報学部では、現代社会で役立つ知識と、気象予報士試験を通過する術も学んだ気がします。

大学時代は、中学時代から続けている大好きなダンスと、趣味である歌を活かしたアルバイトをしていました。また、大学とは別に作詞作曲を習いに音楽の専門学校にも2年通い、学生時代に最も力を注いだのは、人前で歌ったり踊ったり、自己表現することでした。

総合情報学部のよさは、文理総合という新たなジャンル、分野。文系でも理系でもない私にとって、文理総合という偏りのない分野、門戸の広さが、自分を知るための良い環境を与えてくれました。「私って、意外と理系?」「意外と文系?」などと、大学での4年間は、社会に出るまでの自分探しにぴったりな時間でした。でも、本当に社会に出て初めてわかることになりますが、 社会人準備期間としては、本当の自分を知る良い場所になりました。

この学部は、理系の人、文系の人、どちらでもない人、それぞれが可能性を広げられる場所だと思います。 自分は「絶対に○○の仕事に就く!」と思っている人ほど、 意外と総情に来てみると別のことに興味がわいて、まだ知らない世界への扉が開くかもしれません。私自身も、紆余曲折ありながら今の仕事にたどり着きました。 社会人になって、最初の仕事が絶対に天職ということはありません。自分探しの途中で「総合情報」という学部に通うことで 将来の可能性はより大きく広がると思います。

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