関西大学 人間健康学部

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心肺蘇生ガイドライン2010

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昨年、AHAアメリカ心臓協会心肺蘇生ガイドライン2010が発表になりました。

 突然の傷病で心肺停止状態に陥った人に遭遇した時には、躊躇することなくガイドラインの手順に従って救命手当てを施して頂きたいと思います。

ガイドライン2010の大きな変更点は以下の様な点があります。

 ・胸骨圧迫の深さ:4~5cm程度 ⇒ 5cm以上

 ・胸骨圧迫のテンポ:100/分程度 ⇒ 100/分以上

・呼吸確認の「見て聞いて感じて」の廃止

 ・A:気道確保-B:人工呼吸-C:胸骨圧迫  ⇒ (C)(A)(B)

 

これまでの蘇生法教育では、蘇生法のA ,B, Cと教わってきました。意識がない人を見つけたら、まず119番をして気道確保をして、呼吸がなければ人工呼吸を行い、循環がなければ心臓マッサージを行うものでした。今回の変更点から見えてくることは、119番の後は、胸の動きを注視し、明らかに正常な呼吸をしていると確信が持てる時以外は、まずは胸骨圧迫心臓マッサージ(強く・速く)を開始し、30回の胸骨圧迫の後、もしできるのであれば人工呼吸を2回行い、AEDが届くか、救急隊が到着するまでそれを続けるというものであり、胸骨圧迫の重要性がこれまで以上に強調されています。もし、蘇生法が必要な人に出会ったとしたら、ためらうのは見ず知らずの人に人工呼吸が出来ますか?ということが阻害要因の一つになっていると考えられます。そのことを考えると今回の変更点は蘇生法がやりやすくなっていると思います。

目の前で人が倒れていたら、何よりも大切なのは少しでも早く、現場に居る、あなたが手をさしのべることです。そのことが自分の大切な家族、友人、そして隣人の生命を守りたいという「人間愛」の表現であり、人としての義務でもあると考えられます。 

               ~一歩を踏み出す勇気を~