心理臨床学専攻教員紹介

本専攻では、演習担当教員に対する個別の連絡(メールや手紙等)での相談には応じておりません。

ただし、進学説明会では演習担当教員による個別相談を行います。
演習担当教員に質問等がある場合には、進学説明会にお越しください。
なお、進学説明会の詳細につきましては 関西大学大学院入試サイト をご確認ください。

心理臨床学専攻 [演習担当教員]

担当教員 池見 陽 教授
専門分野 心理療法論、フォーカシング・傾聴・マインドフルネス等の心理療法の方法
研究概要・テーマ 人が心理療法という人間関係の中で話していると、生きていることの意味、悩んでいるわけ、など「意味」が生成されてきます。そのような意味の創造、あるいは、セラピストとクライエントの間で起こる意味の共創の理論を研究しています。心理療法の具体的な実践を現象学的に検討しています。
研究指導方針 人間性心理学、とくにフォーカシングやクライエント中心療法などのサイコセラピーや夢理解、アートセラピーなどそれらの方法の応用、マインドフルネスや瞑想、などのテーマの中から各自が関心をもつ課題について相談して研究を進める。ある特定の方法を用いた複数セッションの研究、文献研究、質的研究が想定される。
研究業績
  • Humanistic Psychotherapies: Handbook of Research and Practice 2nd Edition, American Psychological Association, 2016 [分担執筆]
  • Ikemi, A. (2017). The Radical Impact of Experiencing on Psychotherapy Theory: An Examination of Two Kinds of Crossings. Person-Centered & Experiential Psychotherapies 16:2, 159-172.
  • 池見 陽 編著 (2016). 傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング ナカニシヤ出版 など多数
担当教員 岡田 弘司 教授
専門分野 臨床心理学・臨床心理学的アプローチ
研究概要・テーマ 臨床心理学を幅広く臨床適用することに興味があり研究課題としております。医療分野での心理的支援についても調べて検討しています。
研究指導方針 各自が興味を抱く臨床心理学的課題に対し、確かな研究手法を用いて分析し、知見を見出していきたいと思います。この際、先行研究をしっかりとあたることが重要であると考えています。
研究業績
  • 岡田弘司 2020「精神科リエゾンを中心としたチーム医療での心理専門職の展開と課題」関西大学心理臨床センター紀要 第11 号 23~32 頁
  • 岡田弘司他 2018「日本におけるがん臨床での臨床心理学的アプローチの展開-芸術療法に焦点を当てた文献研究による検討」関西大学心理臨床センター紀要 第9号 29~37 頁
  • 岡田弘司他 2001「糖尿病治療におけるソーシャルサポートの効用」大阪医科大学雑誌第60 巻 103~108 頁
担当教員 香川 香 教授
専門分野 臨床心理学、メンタルヘルス
研究概要・テーマ 女性や大学生を対象としたメンタルヘルスに関する研究、及び描画テストなど投映法に関する研究を行っています。不妊や月経と心理的健康との関連や、ストレス、幸福感等に関するテーマについて調査・分析を行い、メンタルヘルス向上に寄与する適切な支援方法を検討しています。
研究指導方針 メンタルヘルスや、生殖心理、投映法などの心理的アセスメントに関する研究テーマを中心に、各自が関心をもつ研究課題を明確にして研究指導を行います。研究手法としては、質問紙を用いた量的研究を行う予定です。
研究業績
  • 香川香(2018)「女子大学生における月経前症状と適応感および主観的幸福感との関連」女性心身医学Vol.22 No.3 p292-298
  • 香川香(2021)「不妊治療経験がある女性の子どものない人生の捉え方」日本生殖心理学会誌Vol.7 No.3 p16-22
  • 香川香・古賀有紗・朝倉悠希・村上舞理(2021)「内的作業モデルとその受容が自尊感情と主観的幸福感に及ぼす影響」心理臨床学研究 第39巻 第2号 p161-167
担当教員 寺嶋 繁典 教授
専門分野 臨床心理学(心理アセスメント、投映法)、ストレス・マネジメント
研究概要・テーマ 投映法などの心理検査を用いた臨床心理学的研究、及びストレス・マネジメントや予防の観点からのメンタルヘルスに関わる研究を行っています。
研究指導方針 心理アセスメント、及びストレスと心の健康などメンタルヘルスをテーマにした研究課題に対し、量的研究方法を中心にした研究指導を行う予定です。公認心理師に求められるEvidence Basedの視点を培うことも想定しています。
研究業績
  • 寺嶋繁典、松尾彩子、香川香、吉川征延、川端康雄(2017)「健康生成モデルに基づくヘルス・プロモーション・プログラムの開発」関西大学臨床心理専門職大学院紀要 Vol.7 75-82
  • 西藤奈菜子、川端康雄、寺嶋繁典、米田博(2018)「心理検査を用いた青年・成人の軽度自閉スペクトラム症(ASD)のスクリーニングについて」関西大学臨床心理専門職大学院紀要 Vol.8 31-40
  • 寺嶋繁典(2021)「近年の『臨床描画研究』における描画テスト関連論文の動向」臨床描画研究 Vol.36 18-38
担当教員 中田 行重 教授
専門分野 ロジャーズ派の心理療法、PCA/PCT、地域臨床を含む心理支援
研究概要・テーマ PCA/PCT(パーソン・センタード・アプローチ/セラピー)はRogers 以後、共感的理解や無条件の受容などの中核条件論を越えて大きく発展しています。その効果研究、背後にある哲学、他学派との関係、心理職にとっての意義、今日の臨床心理学における意義などについて研究しています。
研究指導方針 各自が「このテーマならもっと調査したい」と思えるような、そして臨床実践に出来るだけつながるような問題意識を見つけ、もって取り組めるようにしたいと思います。私からの一方的な指導ではなく、お互いの、そしてゼミ仲間との協働作業です。
研究業績
  • 中田行重・斧原藍(2021) 翻訳「深い関係性relational depth がなぜ人を癒すのか」創元社(Mearns & Cooper「Working at relational depth」Sage.)
  • 中田行重(2019)「パーソンセンタード・セラピストという自覚」飯長喜一郎・園田雅代編著「私とパーソンセンタード・アプローチ」新曜社
  • 中田行重(2017)「PCT におけるセラピストの内的体験とクライエントとの相互作用、および終結後の変化」心理臨床学研究35(1)
担当教員 細越 寛樹 教授
専門分野 ゲシュタルト療法、認知行動療法、対処的悲観性、慢性痛患者への心理的アプローチ
研究概要・テーマ 体験的な心理療法、特にゲシュタルト療法に関心があり、臨床実践に加えて心理職のトレーニングへの応用にも取り組んでいます。認知行動療法の効果研究も行っており、現在は慢性痛患者を対象とした臨床試験を行いながら、社会実装に向けての実施者養成や実施方法の拡充も検討しています。悲観性やメンタルヘルス全般に関する研究にも携わっています。
研究指導方針 扱いたい研究テーマを十分に吟味することを大切にしています。それさえ定まれば、どのような研究デザインが適切か/実施可能かは自ずと見えてくると考えています。学会への参加や発表も推奨していますので、そのためのサポートも行います。研究職に就くにせよ実践職に就くにせよ、修了後も自己研鑽を続けられるような知識や経験を得て欲しいと思っています。
研究業績
  • 細越寛樹・小玉正博 (2009). 悲観的思考の受容が対処的悲観者の心身の健康に及ぼす影響 心理学研究, 79, 542-548.
  • 細越寛樹 (2013). 感情体験の促進と内的葛藤の解消に対するゲシュタルト療法の効果――準ひきこもりの青年期男性の事例から 心理臨床学研究, 31, 278-288.
  • Hosogoshi, H., et al. (2020). Pilot study of a basic individualized cognitive behavioral therapy program for chronic pain in Japan. BioPsychoSocial Medicine, 14: 6.
  • Hosogoshi, H., et al. (2020). Expressive suppression of emotion is a moderator of anxiety in a unified protocol for transdiagnostic treatment of anxiety and depressive disorders: A secondary analysis. Journal of Affective Disorders, 277: 1-4.
担当教員 藤里 紘子 准教授
専門分野 臨床心理学、認知行動療法
研究概要・テーマ 子どもの不安やうつが主な研究テーマです。具体的には、子どもの不安やうつに対する認知行動療法の効果研究や、関連する尺度の開発、子どもや親のメンタルヘルスに関する調査研究を行っています。
研究指導方針 各自が興味のあるテーマについて研究できるようサポートします。受け身ではなく、困った時に自分から相談することも含めて、主体的に取り組んでくださることを期待しています。
研究業績
  • The influence of emotion regulation on posttraumatic stress symptoms among Japanese people. Journal of Affective Disorders, 277, 577-583, 2020 (共著)
  • 『子どものための感情探偵プログラム』福村出版, 2020 (監訳)
  • The Unified Protocol for Transdiagnostic Treatment of Emotional Disorders Among Japanese Children: A Pilot Study. Frontiers in Psychology, 12:731819, 2021 (共著)