ユニクロやスタバなど、私たちの身の回りには売れている商品やサービスが沢山あります。でも、なぜ売れる商品・サービスと売れない商品・サービスに分かれるのでしょうか。その違いについて考えるのが、私たち徳山ゼミのテーマであるマーケティングの研究です。商品やサービスが「なぜ売れるのか」を分析し、その背後にある「売れる仕組み作り」を考えていきます。
どのようなターゲットに向けて、何を開発するのか(商品開発)、競合する商品・サービスに対して、価格をいくらに設定し、利益を確保するのか(価格戦略)、そして、いかにして商品をユーザーに知ってもらい魅力を伝えていくのか(広告戦略)、市場に流通させていくのか(流通戦略)を考えます。実際、多くの企業が様々な商品やサービスを生み出し、市場に送り出していますが、その成功の鍵はマーケティング戦略にあるといえます。
そのためには教室の中だけではなく、商品・サービスが提供されている現地に出向き、関係者の方から話を聞いたり、時にはアンケート調査を行い、自分の目と耳と手足を使ってデータや情報を収集する必要があります。ゼミの演習では、フィールドワークと授業の両面からマーケティングの理論と実践を身に付けることを目的としています。
より実践的な商品企画を学ぶ授業の一環として、全国27大学30ゼミの学生が、実際に商品化を目指し、ゼミ対抗で競う商品企画プロジェクト「Sカレ(スチューデント・イノベーション・カレッジ)」に取り組んでいます。参加するのは、主にマーケティングを学ぶゼミの3年生。企業から出される8テーマに沿った商品企画をFacebookで公開し、毎年6月末から11月末までの約半年間で商品開発を行いながら、10月の秋カン(大会)でコンセプトをプレゼンテーション、12月の冬カンで商品化権利をかけて競い合います。
2015年は、8テーマの内「キットパスで 『楽がき文化』 の創造」「もらってウレシい段ボール小物」「大学生が思わず使うスマホアプリ」の3テーマに参加し、内2つのテーマで見事優勝! 商品化の権利を獲得しました。これから翌秋に向けて、各テーマで優勝した8チームが、発売実績にもとづいた総合優勝を狙います。
私のゼミでは、頭で考えるだけではなく、実際に手を動かして考える「デザイン思考」を大切にしています。デザイナーはスケッチを描いたり、プロトタイプといわれる試作品を作りながら、頭の中の見えないアイデアをビジュアル化していきます。漠然と頭で考えただけであったり、ディスカッションで満足してしまいがちな頭の中のアイデアを、ポストイットやマーカーを使ってビジュアル化し、他のメンバーと共有化する、あるいはプロトタイプを作って、実際に使ってみたり操作することで、さらに問題点を明らかにしていく手法を指導しています。
その時々の話題のスポットにおけるフィールドワークや地域ブランドに関するフィールドワーク、企業と連携したプロジェクトなど、様々な活動を通して形成される行動力と、自ら考える思考力を鍛えながら、将来的にマーケターとして社会で活躍できる力と自信を身に付けてもらいたいと考えています。
私たちはキットパスという新しいタイプの筆記具を使った、ボディペイント商品「ASOBOdy(あそぼでぃ)」を提案。商品化権利をかけた最終プレゼンで見事1位を勝ち取ることができました。「ASOBOdy」は、水で溶いてペインティングでき、ウェットティッシュで簡単に落とせるボディペイント商品です。音楽イベントや学園祭、クリスマスパーティから各種スポーツ大会まで、ASOBOdyで気軽にボディペインティングを楽しみながら、より一層楽しんでいただけます。商品の企画にあたっては、サッカーの試合会場や音楽イベントなどに出向いて、商品のデモンストレーションを行い、会場に来られている方々からご意見をいただきながら、改良に改良を重ねてきました。本当に多くの方々の支えがあって、手にできた優勝でした。その支えに応えられるよう、ここから総合優勝をめざして頑張ります!
学食まっぷは、さまざまな大学の学食のメニューを紹介するスマホアプリです。新しく大学に入学した1年生、学園祭などの学校行事で他大学を訪れる大学生、オープンキャンパスに訪れる高校生、そして学食巡りサークルの学生など、学食をENJOYしたい大学生のためのスマホアプリです。アプリの企画はもとより、より多くの人に使ってもらうための販売促進企画、各種特集記事、TwitterやInstagramなどのSNSと連携した企画など、競合すると思われる先行するアプリの機能分析までを行いながら企画を練り上げました。その結果「学食まっぷ」は「大学生が思わず使うスマホアプリ」のテーマで1位を獲得、商品化権利を獲得しました。協力してくださった各生協の方々、応援してくださった先生や家族・友達などお世話になった多くの方々の支えがあってここまでくることができました。ここで満足せず、これから本格的な商品化に向けて新たなスタートをきっていきます。