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SOJOマガジン No.23 社会調査士

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SOJO MAGAZINE No.22 APR.2014 研究活動 今回は、システム開発コンテスト『ETロボコン2013関西地区大会』にて、見事総合3位入賞を勝ち取った広兼研究室のみなさんに研究活動についてお話を伺いました!

「社会調査士」とはどんな資格でしょうか。

「社会調査士」の資格って、初めて聞かれた方も多いんじゃないかと思います。「社会調査士」とは、ひと言でいえば「調査のエキスパート」のことです。
市場動向などの社会調査に関する調査・分析や、問題点の改善提案など、社会調査の現場で必要とされる能力をもった「社会調査の専門家」であることを証明するの資格になります。

資格を取得するためには、社会調査協会から認定を受けている大学で、学部の履修科目から資格認定に必要な科目を履修します。授業の中から、社会調査法や統計学の技法を学び、フィールドワークなどの実習科目で、実践的な調査分析能力を身に付けていきます。

3年生までに規定の単位を取得すると、社会調査士資格を取得予定であることを証明する資格「キャンディデイト」を取ることができますので、就職活動でPRすることもできます。

「社会調査士」の資格に興味を持ったキッカケは?

入学当初はプログラムを勉強していたのですが、せっかく総合情報学部に入学したのだから、情報学に関わる勉強をしようと思っていました。そんな時、タイミング良く授業で「社会調査士」という資格を知り、興味を持つようになりました。
初めは周りに「社会調査士」を取ろうという人がいなくて、「ぼっち」で授業を受けていたのですが(笑)、途中から友だちにも声を掛けて、一緒に授業を受けるようになりました。

資格を取る上で、苦労した点は?

情報分析の過程で高校数学の微分が必要になるのですが、私の高校では微分の授業がなかったので、そこは苦労しました。友だちに高校時代の教科書や参考書を借りて、数学が得意な人に教えてもらいながら勉強しました。
あと大変だったのは、実習科目としてのフィールドワークでしょうか。年間を通して調査や分析を行うのですが、膨大な量のデータ入力や分析があって、なかなか思い通りに進まないこともありあったりで、友だちと相談したり、役割を分担しながら、時には授業後に学校に残って取り組みました。

フィールドワークではどんなことをするのですか?

事前に市場に対しての「仮説」を立て、その仮説を検証するための調査・分析を行います。調査に際しては、高槻市にご協力をいただきながら、約2,000人の高槻市民の方にアンケート用紙を郵送し、返ってきたアンケート結果をパソコンに入力、そこから分析レポートを作成しました。高槻市はアンケートの回収率が高く、半数以上の方から回答いただけるんです。この環境はとても貴重だと思います。

私のテーマは「結婚をしている人は、生活満足度が高くなるか」です。結婚によって収入面や生活、家事の時間がどのように変化して、それが生活満足度にどんな形で影響しているのかを調査しました。
調査テーマに対しての仮説、検証をするための質問内容や分析方法の選定、郵送用アンケートの印刷・袋詰めから郵送。回収されたアンケートのデータ入力、分析、そして最終的なレポート作成まで、これらの作業を一年を通して週一回の実習形式で取り組みます。

今後、社会調査士の資格を通して得た知識をどのように活かしていきますか?

卒業後はシステムエンジニアとして就職することになりましたので、直接的に社会調査士の資格を活用することは少ないかもしれませんが、今後仕事に慣れて余裕ができてくれば、システム設計の段階で、多くの人にとって使いやすいシステムやインターフェースを考える際のユーザー目線での分析、あるいはアンケート調査によって改善点を見つけていくなど、使える場面では積極的に活用していきたいと思っています。
でも今は、とにかく初めての職場で、初めての仕事に慣れていく、それだけしか考えていませんね(笑)。

これから「社会調査士」の資格取得をめざす方へのアドバイスをお願いします。

単位認定のために、4年間で6科目+実習を履修することになりますが、1年次生の時は統計学、2年次生では社会調査入門、3年次生、もしくは4年次生で実習という風に、計画的に履修すれば、無理なく取得できると思います。

3年次生で実習を終えることができた場合は、4年次生ではSAという形で授業のアシスタントを務めることもできます。教えるという立場を経験することで、さらに理解も深まりますしオススメです。

フィールドワークのアンケート用紙は、履修学生全員の質問が入りますので、項目もかなりの数になります。周りの人と協力しながら進めていくコミュニケーション能力も必要となりますので、これから社会に出て求められる能力を身に付ける意味でも、学ぶことが多い資格だと思います。

(2019年度掲載)

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