キャンパスライフ

SOJOマガジン No.18 制作活動

SOJOマガジン一覧

No.18 JUN.2012 制作活動 今回は、総情生らしい自由な発想で、制作活動に取り組む3人の総情生を紹介。総情ならではのモノ作りの魅力について語ってもらいました。

まずは、総情で制作活動に取り組むようになったきっかけを教えてください。

阪口さん:工作や手芸が趣味で、大学に入る前からモノ作りをしたいと考えていました。メディアアートにも興味があったので、総情なら自分の特技と情報技術を組み合わせて、何かおもしろいことができるんじゃないかと思いました。

広川さん:高校生の時から、コンピュータを学べる大学にいきたいと思っていましたが、当時は漠然としたイメージしか持っていませんでした。授業を受けるうちに、モノ作りに興味を持つようになったのがきっかけです。

蓮井さん:私はゲームが好きだったので、プログラムには興味がありました。授業を通じてその気持ちがますます強くなっていきました。最後はゼミ展示会でのイキイキとした先輩の姿をみて決めましたね。

自由な発想と、情報技術の融合

なるほど。今、お話がでましたけど総情での制作活動というと、やっぱり"情報技術"というのはキーワードになるのかなと思います。プログラムに対する苦手意識はなかったのでしょうか?

蓮井さん:ありませんでした。

阪口さん:私は少なからず不安はありました。1・2回生の授業でも全く取っていなくて、プログラムについての知識はほとんどありませんでしたから。でもゼミの先生から直接「初心者から始めても大丈夫」と聞けたことは大きかったですね。それならがんばってみようと。

広川さん:私も蓮井さんと同じで、不安はありませんでした。それにプログラムは単なる手段だと思っています。プログラミングすることがゴールになってはいけなくて、大切なのは自分が何を作りたいと思っているかということ。技術は後からいくらでも学べますから。

蓮井さん:そう。実際、好きなモノや目標がはっきりとある人はびっくりするくらい上達が早いですね。

みなさんの作品について教えてください。

阪口さん:私の作品はマーカーをカメラで読み取ることで、木や車など具象的な影絵をスクリーンに映し出します。

マーカーの情報と動きを読み取って、プログラムで影絵を投影しているわけですね。童話的な世界観と、情報技術を融合させた総情らしい作品ですね。なぜ影絵なんですか?

阪口さん:ゼミの先輩が作った影を使ったシステムがおもしろいなと思っていて、それを発展させられないかなと考えていました。私は切り絵が好きなのですが、先生と話している時に切り絵と"影"って共通点がたくさんあることに気付いたんです。実はこの作品で参加した芸術科学会の奨励賞を頂く事ができました。

蓮井さん:私の作品は阪口さんとは対照的なのですが、“情報を分析する”ためのシステムを作っています。簡単にいうと、さまざまなデータから生成されたグラフ同士を画面上で重ねて比較できるシステムなんです。世の中には数えきれない程のデータやグラフがありますよね。例えば異なるテーマで収集されたデータがあるとします。一見関連のなさそうなこの2つのデータを重ねて視覚化することで、より多角的な分析が可能になります。

広川さん:センサーとLEDライトを取り付けたバドミントンのラケットを振ることで、LEDライトの光り方を変化させるシステムです。

総情で作る意味。総情だからこそできること。

ゼミでの活動について聞かせてください。

広川さん:制作はもちろん、進捗報告をしてみんなの意見や感想を聞きながら自分の作品をブラッシュアップしていきます。アイデアの原石を磨きあげる場ですね。

蓮井さん:制作は基本的にひとりで行うので、どうしても自分の思い込みがあったり、"使いやすさ"より"作りやすさ"を優先させてしまうことがありますよね。

広川さん:そうですね。自分では思ってもみないような意見が出たり、素朴な疑問というか、ツッコミというか(笑)。

阪口さん:総情には文系出身者もいれば、完全に理系思考の学生もいます。考え方や視点もさまざまです。その多様性こそが総情でモノ作りをする魅力だと私は思います。自分では思いもよらない方向に作品が発展していくことが楽しいですね。

なるほど。広川さん、蓮井さんはいかがですか?

広川さん:私も総情だからこそできることがあると感じています。総情では、文理問わず幅広い分野の知識を得ることができます。例えば理系学部の学生と同じシステムを作ったとしても、至る過程や動機、アプローチはきっと違うはずです。

蓮井さん:私はシステムでデータを扱いますから、データ処理の授業をとっていてよかったと実感しています。

みなさんが制作するうえで大切にしていることはありますか?

阪口さん:自分の興味を研ぎすますこと、突き詰めることが一番大切だと思います。

広川さん:最初の一歩を自分自身の力で踏み出すことですね。自力でなんとかしようとあがいてみる、その気概が無ければどんな環境を与えられても、モノ作りはできないのではないでしょうか。

蓮井さん:私もアクションを起こすことが大切だと考えています。声をあげて、周りを巻き込む(笑)。お互いに協力しあえば解決できない問題はありませんから。

最後に、今後の目標を教えてください。

阪口さん:大学院でこの作品をもっともっと発展させていきたいと思っています。もちろん学会にも積極的に参加して、自分の可能性を広げていきたい。いつか、人に役立つものを作れたら最高ですね。

広川さん:絵が苦手な人のための支援システムを研究しています。今ちょうど分析が終わった所なので、大学院で実装に向けて深く掘り下げていくつもりです。

蓮井さん:今取り組んでいるシステムには実現したいアイデアがたくさんあります。研究を続け、システムをブラッシュアップしていきたいですね。

.
(2012年度掲載)
.

このページの先頭へ