関西大学 人間健康学部

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福祉を学ぶ・2つの「なぜ」

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「福祉を学ぶ」。オープンキャンパスの模擬講義はこのテーマで話をしました。関西大学人間健康学部の「福祉と健康コース」を進路として考えてみようかと思っている高校生ならびに保護者の方々に、福祉を進路に考える際の何かしらのメッセージになればと思っています。

冒頭で、「なぜ福祉を学ぼうと思ったのか」と「なぜ福祉を学ぶのか」という「つのなぜ」を自分に問いかけてほしいと話をしました。最初の「なぜ」は、例えば「父母が祖父母を介護する様子を見て福祉に関心を持った」というような「理由」や「きっかけ」に関する問いです。もう一つの「なぜ」は「社会福祉士の資格を取って福祉の仕事に就きたい」というように「目標」や「目的」に関する問いです。

福祉の学びでは、私たちの暮らしやその中で起こる困難な出来事、福祉に関連する制度等を理解し、どのような支援が必要とされるのかを考えていきます。支援の目標は、自分の思いを達成することではなく、利用者という他の人の思いをその人の暮らしの中で実現することにあります。その人の思いとその人を取り巻く社会との関係の中で支援するのですから、自分がこれまで体験したことがない出来事に出会い、とまどうこともあるかと思います。こうした意味では、福祉の学びは決して楽なことではなく、簡単なことでもないと言えると思います。

福祉を学ぼうと思った理由や福祉を学ぶ目的は一人ひとり違うと思います。これまでに経験されてきたことや、自分の生活や生き方に対する考え方はそれぞれ違うのですから、それは当然のことと言えます。

しかしながら、内容は違ってもこの理由と目的が自分のこれからの学びを支えてくれるものになると思います。学びの中で思うようにいかない時やつらい時に、それでも福祉を学ぼうと思える力は、この理由と目的から出てくるのではないかと思います。

「2つのなぜ」に対する答えを自分の学びの支えにして福祉という世界を志していただきたい、そのような思いで話をしました。