2025/06/18 国際協力セミナー「開発途上国における都市計画・まちづくりの仕事」を開催しました
2025年6月13日(金)、国際部主催による国際協力セミナー「開発途上国における都市計画・まちづくりの仕事」が開催され、学生や教職員あわせて約30名が参加しました。
今回の講師は、関西学院大学建築学部教授の松村茂久(まつむら・しげひさ)氏。30年以上にわたり都市計画のコンサルタントとして活躍され、
アジアを中心とした数多くの国々でまちづくりの現場に携わってこられた経験をもとに、国際協力の現場で求められる視点や課題について、具体的な事例を交えてご講演いただきました。
講演では、特に開発途上国における都市計画が抱える特徴や課題に焦点があてられました。日本との制度や経済格差の違い、文化・宗教・社会構造の差異にどう対応するか、
さらに計画によって地域の活性化が進む一方、コミュニティの破壊やジェントリフィケーションの問題が生じるという、都市開発における「誰のための開発なのか」という本質的な問いも議論されました。
「開発コンサルタントは現地の人々と直接関わることができる。データが整っていないため、データを作るところからはじめなくてはならないが、
日本とは異なり多くの都市は成長過程にあることから、ダイナミックな仕事を経験できる。」と語る松村先生の言葉に、多くの参加者が熱心に耳を傾けていました。
講演後の質疑応答では、学生からの「世界で活躍するグローバル人材となる心構えは?」という問いに対し、先生は以下の4点を強調されました:
1.専門性(得意技)を持つこと
2.英語に限らず幅広いコミュニケーション力
3.自国を知り、相手の文化や価値観を理解・受容する姿勢
4.失敗を恐れないチャレンジ精神
会場には熱心にメモを取る学生の姿も多く見られ、国際協力の現場で働くことへの具体的なイメージを持つ貴重な機会となりました。
また参加者からは、「海外では、今どういった状況なのかということを、分かりやすく様々な視点から説明頂いたのでとても理解が深まった。」
「自身の専攻内容に非常に近い内容だったため、とても興味深く聞くことができ、今後のキャリアを考えるきっかけになった。」という感想が寄せられました。
今後も本学では、世界の課題に関心を持ち、主体的に学び行動する学生を支援するため、さまざまな学びの場を提供してまいります。