働く関大人 教師志望から大手通信会社へ その理由とは? 通信業/SE職
NTT西日本株式会社
平野 竜宇さん 

 2024年に政策創造学部を卒業した平野竜宇さんは、NTT西日本株式会社の文教営業部で、大学のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援する業務に携わっています。もともとは教師になることを志し、在学中に教員免許も取得しました。平野さんが異なる分野であるITの世界に飛び込んだのはなぜでしょう?

学校に行くことが難しい子どもたち

—最初は教師を目指していたそうですね。

 社会科の先生になることが夢で、大学では中学校の社会と高校の地理歴史・公民の教員免許を取得しましたね。免許の取得には、政策創造学部の必修単位とは別に、教科や教育に関する単位を修得しないといけません。中学校と高校では教科ごとに履修科目も異なり、教育実習への参加も必須でした。3年次までは講義を受けたり試験に臨んだりする日々が続き、決して楽ではありませんでしたが、中学生の頃から先生は憧れの職業だったので、前向きに取り組むことができました。むしろ楽しみながら学んでいました。

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—それだけ努力されたのに、なぜ通信会社に進まれたのですか。

 4年次に中学校で教育実習に行った際、さまざまな事情から学校に通うことが難しい子どもたちがいることを知り、そうした子どもたちが一歩を踏み出すきっかけをつくりたいと思うようになりました。ただ、教師として関われる範囲には限りがあります。もっと多くの子どもたちの力になれる方法はないだろうかと考えるようになり、教育現場の実態を知る中で、少しずつ考えが変わっていきました。そんな時、NTT西日本という会社と出会いました。

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 「教職以外の仕事も知っておきたい」と考え、説明会に参加したのですが、その際に文教営業部の先輩のお話を聞く機会がありました。そこで、NTT西日本でも教育に関わる仕事ができることが分かり、「この会社なら自分の夢を実現できるかもしれない」と感じました。入社後は希望どおり、文教営業部への配属となりました。

SEとして大学のDXを支援

—文教営業部はどのような仕事をする部署ですか。

 NTTというと、インターネットや電話を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、通信ネットワークに関連するシステムやサービスのコンサルティング営業も行っています。その中でも文教営業部は、大学をはじめとする教育機関のDX推進を支援する部署です。私は、ある大手私立大学を担当するチームに所属し、SE(システムエンジニア)として業務に携わっています。

—DXとデジタル化は違うものですか。

 アナログで行っていた業務をデジタル技術によって効率化するのが「デジタル化」で、それを土台として業務のあり方そのものを変革するのが「DX」です。私のチームが担当しているお客様では、Microsoftが提供する仮想デスクトップサービスである「AVD(Azure Virtual Desktop)」を活用したシステムを導入しています。これは、パソコンやタブレットなどの端末からリモートで仮想デスクトップ環境にアクセスし、授業利用するアプリケーションを利用できる仕組みです。
 導入前は、学生さんがアプリを使うために大学に行き、教室のパソコンを操作する必要がありましたが、AVDの導入によって、自宅やカフェから自分の端末で仮想環境を利用できるようになり、利用時間の制約も少なくなり、自由度が上がりました。講義のオンライン配信や自宅での自習にも活用でき、学び方そのものが大きく変わります。これはまさにDXだと感じています。この大学では、すべての学部で全学生がAVDを利用できる環境が整えられています。

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—文系学部出身でもSEになるのですね。

 珍しいと思いますが、そうなんです。SEは、お客さまの要望をもとに、システムの企画・設計・開発・運用保守を行う仕事です。当社では、文系学部出身であっても、まずはSEとして経験を積み、そこからさまざまなキャリアを築いていくことができます。また定期的に研修も実施されており、業務を通じて必要な知識やスキルを身に付けていくこともできます。

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 私自身、在学中は大学のITセンターに何度も相談に行くほどパソコンが得意ではありませんでしたが、今はSEになって良かったと感じています。将来、営業を担当することになっても、システムの中身をしっかり理解したうえで、お客さまに説明できるからです。

要件定義の難しさとやりがい

—システムの仕事は難しいですか。

 お客さまの要望をどのようにシステムとして形にするかを整理する「要件定義」が特に難しいと感じます。要件定義が不十分だと認識のずれが生じ、「求めていたものと違う」という事態につながることがあります。システム設計・構築に入ってからでは修正が難しい場合もあるため、丁寧なヒアリングが欠かせません。現在は、担当している大学で今春開設される新学部向けのシステム構築をお手伝いしていますが、上司や先輩に助けていただきながら、お客さまから何度もフィードバックをいただいて内容を磨き上げているところです。

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—SEのやりがいは何でしょうか。

 要件定義から設計、構築まで抜け漏れなく計画通りに進められたときに、大きなやりがいを感じます。研修で学んだことを業務で生かせたときには、自分の成長も実感できます。システムそのものは目に見えませんが、先ほどお話ししたAVDに運用保守でアクセスした際、先生方や学生の皆さんに実際に利用していただいている様子を見ると、「夜遅くまでたくさんご利用して頂いているな」とうれしくなります。一方で、まだ学ぶべきことも多くあります。IT関連の資格はいくつか取得しましたが、SEとしてさらに知識と経験を積んでいきたいと思っています。

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—IT業界には華やかなイメージがあります。

 実際には、地道な作業の積み重ねです。ただ、職場では服装の自由度が高く、勤務時間もフレックスタイム制なので、柔軟に働くことができます。たとえば午後に私用がある場合は、早朝に自宅で仕事を進めて、昼過ぎに業務を終えることもできます。今のチームには営業とSEを合わせて13名が所属しており、それぞれが担当のキャンパスや分野によって役割分担しながら業務に従事しています。在宅ワークの制度も整っているため、 メンバーの中には、出社するタイミングを業務の中で調整しながら、家庭とのバランスを両立している方もいらっしゃいます。ミーティングで定期的に顔を合わせる機会もありますが、現場がやはり優先のため、意外と一番皆がそろうのは飲み会かも...。

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これからも教育に関わる仕事を

—今後はどのようなことに取り組みたいですか。

 当社はジョブローテーション制度となっています。日々の上長との1on1等を通じて自身のキャリアを短期・中長期と描き、様々ある部署の中から次の異動先を考えていきます。私としては、教育に関わる仕事がしたいという思いで入社したので、できればこれからも教育現場に関わっていきたいと考えています。
 「学校に通うことが難しい子どもたちの力になりたい」という思いを、今の部署でどこまで実現できるかは分かりません。ただ、大学は先進的な取り組みが多い場でもあるので、そこで得た知見を将来ほかの教育現場に生かせる可能性もあると思っています。

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教えて!働く関大人

必須アイテム

 パソコンは常に複数台持ち歩いています。1台は一般業務用で、残りは保守・管理などでお客さまのシステムにアクセスするためのものです。私は案件上、WindowsとMacを使い分けています。かばんに3台入れるとかなり重く感じます...笑。

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 もう一つの必須アイテムはハンドクリームです。座って仕事をする時間が長いため、気分転換に使うことがあります。取材当日も少し緊張していたので、インタビューの前に塗っていました。最近使っているのは、プレゼントしてもらったハンドクリームです。

ある1日のスケジュール

  9:00 出社
 10:00 案件の要件定義と設計に関する打ち合わせ(オンライン)
 12:00 昼休み。勤務地付近の飲食店で昼食を取ります
 13:00 保守案件の運用に関する打ち合わせ(オンライン)
     時間が空けば、IT関連の講習をオンラインで受講します
 15:00 提案資料の作成
 17:30 退勤

リフレッシュ方法

 旅行に行くことが好きです。大学時代は新型コロナウイルスの影響によりキャンパスに通う機会が少なく、「自分から友人をつくらなければならない」と感じていました。そのため、新型コロナウイルスが落ち着いてからは、同級生と旅行に出かけるなどして交流を深めていました。深夜に大阪を車で出発し、5人で交代しながら運転して、0泊3日で四国を一周したこともあります。

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 社会人になってからは、テーマを決めて旅行をするようになりました。最近は酒蔵巡りにはまっています。また、先日は家族でオーストラリアのケアンズへ行き、5月にはシンガポールとバリ島にも行く予定です。休みを比較的柔軟に取りやすいため、海外旅行に出かける人も多いと感じます。

平野さんから就活に励む関大生へのメッセージ

通信業/SE職
NTT西日本株式会社
平野 竜宇さん

2024年政策創造学部卒
大阪府 関西大学北陽高等学校出身