—今はどんな仕事をしているのですか?
大阪支店(大阪市北区)で営業を担当しています。
営業活動は大きく分けて2種類があります。1つは担当地域の家電量販店を訪問し、商品勉強会を開いたり、売り場づくりに関わったりする「エリア営業」。もう1つは、代理店を通してホームセンターや総合スーパーのバイヤーさんに商品提案や価格交渉を行う「幹事営業」。入社2年目まではエリア営業を担当し、昨年は先輩社員に同行して幹事営業も経験しました。今年5月からはエリア営業に加えて、幹事営業も本格的に担当しています。
就職活動で営業職を敬遠する学生は少なくありません。「売上目標に追われる」「残業時間も多そう」。営業の仕事には、こんなイメージが強いのかもしれません。そうした中、金山貴俊さんは営業職に魅力を感じ、象印マホービン株式会社に入社、今年で4年目を迎えます。成功も失敗も経験し、「取引先との人間関係の大切さに気づいた」と語る金山さんに話を伺いました。
大阪支店(大阪市北区)で営業を担当しています。
営業活動は大きく分けて2種類があります。1つは担当地域の家電量販店を訪問し、商品勉強会を開いたり、売り場づくりに関わったりする「エリア営業」。もう1つは、代理店を通してホームセンターや総合スーパーのバイヤーさんに商品提案や価格交渉を行う「幹事営業」。入社2年目まではエリア営業を担当し、昨年は先輩社員に同行して幹事営業も経験しました。今年5月からはエリア営業に加えて、幹事営業も本格的に担当しています。
3つ理由があります。
まずは「モノづくり」に携わりたかったこと。父方と母方ともに祖父母が縫製職人で、小さい頃に遊びに行くと部屋に作業用のミシンが置いてあるのを目にして、自然と製造業へ憧れを抱くようになりました。
2つ目は営業という仕事に魅力を感じたこと。14歳年上のいとこが大手証券会社の営業職として働いており、営業の楽しさややりがいについてよく聞いていました。3つ目は大阪に拠点があること。大阪生まれの大阪育ちなので、入社後まずは大阪で働きたかった。
この3つが揃っている会社が象印でした。小さいころからイラスト入りの水筒など身の回りには象印の製品があり、なじみがあることも大きかったですね。
大阪には魔法瓶メーカーが多く存在しています。これは、かつて大阪が魔法瓶に使われるガラスの生産地だったため。1918(大正7)年に創業した象印はその中でも代表的な企業で、今ではステンレスボトルや炊飯ジャー、電気ポットを扱う総合生活用品メーカーになりました。2025年の大阪・関西万博では会場内におにぎり専門店を出店したり、マイボトル洗浄機を設置するなど、持続可能な社会づくりにも貢献しています。
「インフォメーションメモ」という、営業ノウハウの共有ツールがあり、優秀なメモは毎月表彰されます。昨年、ある家電量販店の担当者さんから免税に関する情報を入手してメモにまとめたところ、月間優秀賞を受賞しました。インバウンド需要が盛り上がり、ちょうど会社が情報を必要としている時期だったんです。その担当者さんからは「金山さんだから教えてあげるよ」とのお言葉をいただいたので、人間関係が構築できていたからこそだと実感し、うれしかったですね。
総合スーパーやホームセンターでは半年か1年に1度、「棚割り」が実施されます。店頭に陳列する商品の配置を決めるもので、方針が決まるとそれが全店舗に反映されます。棚割りは「A社の製品は売れているから陳列する点数をもっと増やそう」「B社は売れていないからC社に入れ替えよう」といった形で決まります。
メーカー側は、売れている商品は1点でも多く店頭に並べてもらえるようアピールし、売れない商品は価格を引き下げるなどの交渉をしなければなりません。ところが昨年の暮れ、担当する総合スーパーの棚割りで、当社のボトル(水筒)の陳列数が半分近くに減らされたことがありました。
上司は「ドンマイ、ドンマイ」と励ましてくれましたが、自分としてはかなりショックでした。今考えると大きな損失にならなかったんですが、見た目のインパクトが大きすぎたので...。でも、これには原因がありました。一つは代理店のセールスさんや販売店のバイヤーさんとしっかり商談できていなかったこと。もう一つは、売れ行きの悪い商品について改善策や代替案などを準備できていなかったこと。その1カ月後には別の総合スーパーの棚割りがあったのですが、前回の反省を生かし当社の商品を増やすことができました!!
当然のことですが、「目の前の仕事を丁寧に、誠実に取り組むこと」が大切だと気づきました。私は特別コミュニケーション力に長けているタイプではないので、お得意先のことをしっかり考えて提案を行い、「金山君、頑張ってるな」と言ってもらえるように、地道に人間関係を構築することを意識するようになりました。
大学時代にアルバイトをしていた靴屋で、「この店にまた来たいな」と思っていただけるような接客を心がけていたことが、今の仕事にも生きていると思います。売上のつくり方は日々模索中で、上司と相談しながら奮闘しているところですが、象印に入社できたことに感謝の気持ちを忘れずに、少しでも会社に貢献したいと考えています。
営業というのは現場の最前線で、社内外の人と関わることで人脈を広げ、自分自身も成長できる職種です。アルバイトで「接客が楽しい」、「人と関わるのはおもしろい」と思っている学生さんは、きっと営業職に向いていると思いますよ。
自分が就職活動をしていた時、キャリアセンターのみなさんに、エントリーシートの添削や面接対策などで本当にお世話になりました。その感謝の気持ちを込めて、就職活動を終えた立場で少しでも後輩のためになれば、と考え活動していました。
採用面接では、「自分がなぜ入社したいのか」しっかりと思いを伝えることが大切です。特に最終面接では、面接官から「最後に何か伝えたいことがありますか?」と聞かれることがあります。象印の最終面接でもそうでした。
そのとき私は、「内定をいただいたら、ほかの会社には行きません」「この会社で、自身の120%の力を出したいと思います」と1分くらい話しました。
私としては、このことが採用の決め手になったんじゃないかと思っています。これはキャリアセンターの講師の方にアドバイスしていただいたことなんです。最終面接の段階では企業側は候補者を横並びで見ている状態なので、最後にものをいうのは「気持ち」だと思います。これは営業の仕事と同じですね。
パソコンや電卓、ノートと並ぶ必須アイテムは「マイボトル」。象印では、環境への配慮からペットボトル飲料は社内で禁止されており、自動販売機にはペットボトル飲料が販売されていません。このため、ほとんどの社員はマイボトルを携帯しています。ただ、暑い時期に外回りをしていると炭酸飲料が飲みたくなることもありますね(笑)。
8:30 出社・メール確認・売上確認
9:30 商談・訪店準備
11:00 得意先との商談
12:00 昼食
13:30 訪店活動
16:30 報告書の作成
17:00 翌日の商談資料作成
18:00 退勤
趣味は野球観戦です。阪神タイガースのファンで、平日の仕事帰りに同僚たちと甲子園球場に応援に行くこともあります。時間休を1時間取得し、午後4時45分に会社を出発すれば試合開始に間に合うんです。今年はすでに3回行きました!
入社前、営業職は毎日夜遅くまで仕事をしているイメージがありましたが、実際は「業務時間内で効率良く仕事をして、できるだけ早く帰るように」と声をかけられています。